しゅぷりったあえこお nano

ブログ版 シュプリッターエコー

あたたかい家族愛―小島のぶ江展

2007-06-24 17:10:23 | 美術
 若いころ松竹家庭劇で舞台俳優をしていた小島のぶ江さん(西宮市)が7月11日(水)から16日(月)まで梅田大丸27階のスカイ・ギャラリーで水彩画と水墨画の展覧会を開きます。

 のぶ江さんは去年、これまでに書きためた俳句や水彩画、そして父母の思い出にまつわるエッセーなどをまとめて「俳句の絵本―栄子と善平」を刊行しました。
 家族への愛に満ちた温かい本ですが、とりわけ興味深かったのは、父親の善平さんと日本のプロ野球との深い因縁。

 戦後の日本のプロ野球は昭和20年11月23日に神宮球場で行われた「東西対抗戦」で復活ののろしを上げますが、これを開催するために戦地から帰ったばかりの善平さんが全力を傾けます。
 善平さんは敗戦後の野球復活を見越して、戦時下も軍の目を盗んで用具やボールをまとめて隠していたのですが、それがあったからこそ、対抗戦もできたのでした。

 ところでのぶ江さんが所属した松竹家庭劇というのは、喜劇役者の曾我廼家十吾が渋谷天外らとともに昭和3年に道頓堀の旧角座で旗揚げした演劇活動で、曲折を経ながら昭和39年まで続きました。のぶ江さんは昭和32年の劇団再編のときに一般応募の研究生として入団、舞台に立って活躍しました。

 大丸の展覧会は「苦楽の会 五人展」と題して、のぶ江さんの作品のほか母栄子さんの遺作、そして独自の世界を開いた神戸出身の日本画家・故水越松南の3門下生の遺作が展示されます。

                   ☆
 ちなみに「俳句の絵本―栄子と善平」は朝日カルチャーセンター(大阪市北区中之島3-2-4、朝日新聞ビル)の企画・編集・制作。2000円。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿