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龍の末裔 第62話

2007-12-23 | 小説
ギドナの丘の上には、闇夜の中に二十ほどの騎影が見えた。
その真ん中には中心人物らしき二騎がいる。
片方ははっきりと認識できた。
先日からエイシアを指揮しているリム将軍だ。
しかし、ブランはもう一騎には心当たりが無かった。
だが、動きやすさとは正反対のだらっとした服装に長い髪。
おそらく新鋭の軍師だろうことは判断できた。
「リム将軍が連れてきた軍師だとすると・・・ 少々厄介なことになりそうだ・・・」
ブランは胸のうちでつぶやいた。
いつの間にか風も吹きだしていた。

「ようやく到着されたか、ヒルデブラン殿!!」
城壁の上のブランの影を見つけたのか、リムが叫んだ。
兵士としては小柄なわりに、響く声だ。
「前回までの借りを返させてもらう。エイシアの真の力を見せてやろう!今日をヴァルド・ライツの属国記念日として歴史に刻むのだ!」
淡々と主張しているような声色だが、どこか苛立たしげな響きが混ざっている


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