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龍の末裔 第71話

2008-05-31 | 小説
双方の指令が発した号令に呼応して、地上と空の両方で生き物の猛りが広がる。
嘶く(いななく)地上の騎馬は最強の軍隊、エイシアの猛者が一丸となって城門に迫り来る。
五千もの騎兵が連なった姿はさながら竜のようであった。
降り注ぐ砂漠の雨をものともせず、抜かるんだ大地を蹴り上げて、戦竜が襲い掛かる。

対する上空には漆黒の翼、ワイバーンに跨る竜騎兵は伝説の存在。
最も気高く、最も恐れられた軍隊が復活の声を上げる。
わずかに二十騎とはいえ、その威圧感はまさに伝説上の怪物さながらであった。
雄たけびを上げながら飛竜が迎え撃つ。

いつの間にか白馬に乗りなおしたリムが、城門の内側に到達した。
そこを狙い打つかのように三騎の竜騎兵が飛び掛る。
それを睨み据えるリムは、しかし動かない。
巨大なワイバーンの爪がリムの身体に触れようとしたそのときだった。

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