龍の末裔 第72話

ギェエエエエエエエエエ！！！

ワイバーンがこの世のものとは思えない叫び声を発しながら上空に舞い戻っていった。
「なんだ！？制御できない！」
「こいつ！どうしたというのだ？」
上空を旋回していたワイバーン全てが苦しみながら逃げ惑っている。

「・・・何が起きたというのだ・・・？」
城壁の上から戦況の把握に努めようとしているブランだったが、ワイバーンの異常に我が目を疑った。
勇猛果敢で自分よりも大きな怪物にすら立ち向かうワイバーンが、一糸乱れぬ連帯を組み空の王者として君臨するドラグナーズが、目の前で無様な醜態をさらしている。
そこに浴びせかけられるエイシアの集中砲火。
いかに伝説の軍隊といえど、ワイバーンが制御できないのでは攻撃のしようが無い。
一瞬にして四騎ものドラグナーズがワイバーンと共に地上へと落下していった。
その中でも、部隊長のジンドルトは何とか自分のワイバーンを制御しようと必死だった。
「五百年ぶりの戦闘なんだぞ。私は伝説のドラグナーズなんだぞ！それが、こんな形で伝説に泥を塗ってたまるか！！！」