竜の末裔 第78話

「城門を突破されても次があるわい！獅子の軍勢など根絶やしにしてくれる！！」
城門の上からしわがれた声が響き渡る。城からマルクを飛ばし、ようやく戦場に辿り着いたオーディン老人が叫んでいた。
「我がヴァルド・ライツの科学力を持ってすれば、貴様らのような野蛮人どもの襲撃など造作もなく粉砕できるのだ！美しい我が国の土を貴様らの薄汚い血で汚すのは我慢ならんが、この際仕方あるまい！」
銃弾と降雨の両方を浴び、馬が、人が血に染まっていった。
「突破する！臆すな！怯むな！私に続け！！」
リムの一声で正気に戻った騎兵たちが進軍を再開する。
先ほどよりも早く、一丸となり街道を突き進む。その間も銃弾は石像の口から放たれ続けており、間断の無い悲鳴が響き渡っていた。
それでもこの行軍は止まらなかった。
「何故止まらぬ！全滅する気か！？」
オーディンが驚愕の表情を浮かべた。
そこに側近の兵士が走り寄ってきた。
ただ事ではない様子だ。
「オーディン様！大変です、南の海岸線に・・・」
「なに！？敵船が？数は！？」
「およそ３００！」