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龍の末裔 第36話

2006-07-16 | 小説
狂気は見る見るうちに城門を超えていく。
刹那、光が走った。
上空での大爆発。
トルバシェットが放った鉄の塊は、幾重もの光の筋とともに消失した。
「上空に向かっても光が撃てるのか!?」
“焼く光”の汎用性に驚きながらも、完全な想定外だったわけではない。
「今の光の根元が“焼く光”を発生している装置だ!」
再びトルバシェットが軋んだ音を立てる。
「第一砲隊、発射!」
空を切り裂き、黒の球が疾走する。
走り抜けた先では光の洗礼が待っている。
またもや上空で砲弾は弾けとんだ。
大きな爆裂音とともに無数の刃が四方に放たれた。
爆発の威力で、刃は疾駆する死神の鎌となった。
思い思いの場所を目指し、突き刺さろうとする刃。
と同時にトルバシェットの第二掃射。
“焼く光”の発生した場所へと向けられた。
轟音。
焼く光の装置は刃と砲弾の2重奏にさらされた。


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