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幻獣図鑑 ~一つ目の鍛冶師 キュクロプス~

2005-11-10 | 幻獣図鑑
一つ目の巨人『キュクロプス』は日本では『サイクロプス』と呼ばれるほうが多いですね。
現代のファンタジーなどでは力任せの粗暴な巨人というイメージですが、キュクロプスは優秀な鍛冶師です。

ギリシア神話ではキュクロプスは3人の兄弟です。
アルゲス(落雷)・ブロンテス(雷鳴)・ステロペス(雷光)の3兄弟は『天の神 ウラノス』『地の神 ガイア』の子です。
つまり、キュクロプスは神様なんですね。
しかし、その醜さからウラノスに嫌われて地下世界(タイタロス)に落とされてしまいます。

その後、『神々の長 ゼウス』によって救い出されました。
その礼として、ゼウスとその兄弟に武具を贈っています。
ゼウスには雷を、ポセイドンには槍を、ハデスには身を隠せる兜が贈られています。
しかし、このときゼウスに贈った雷が彼らを死に誘ってしまうのです。

あるとき、『太陽の神 アポロン』の息子であるアスクレピオスがゼウスの雷によって殺害されます。
アスクレピオスは天才的な医者で死者をも蘇らせました。
しかし、死者をかってに引き戻された『冥界の王 ハデス』が怒ってゼウスに抗議します。
この抗議を受けたゼウスは、世界の秩序を乱すということでアスクレピオスを殺しました。

息子を殺されたアポロンは怒りましたが、ゼウスには逆らえません。
そこで、雷をゼウスに贈ったキュクロプスたちを皆殺しにするのです。
まさか八つ当たりで死んでしまうなんて・・・


ちなみにキュクロプスは『オデュッセイア』という話にも出てきますが、こちらのキュクロプスは凶暴で頭の弱い怪物として描かれています。
近代ファンタジーはこっちのキュクロプスをモデルにしているんでしょうか?


個人的には、キュクロプスの英語名『サイクロプス』が『ザク』の名前の由来なんじゃないかなと思ってます。
「一つ目の巨人」ってぴったりじゃないですかねぇ☆

ギリシア神話のキュクロプスには『ヘカトンケイル』という種類の3人の兄がいますが、こいつらは頭が50個・腕が100本というキュクロプスよりも素敵な姿をしています。
神様って 気持ち悪い いろんな姿をしているんですねぇ。

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