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竜の末裔 第88話

2009-04-13 | 小説
「うわっ!ひー!助けてー!!」
先ほどまでの威勢は何処へやら。
情けない声を上げながら色眼鏡は地面をのた打ち回っている。
「心配すんなって、軽い火傷ですむさ。それより・・・」
サーガは、無言で拳を振るい続けているフェンの元に駆け寄ると、肩に手を置いた。
「オーケー、オーケー、その辺で十分じゃない。」
そういうと、フェンの手がぴたりと止まった。
「・・・またやっちゃった・・・」
「まだ生きてるから大丈夫でしょ?ほら、こういうやつらってタルニカバみたいに丈夫だから。」
逆立ち髪の顔は見るも無残に腫れ上がっていたが、サーガの言うとおり、まだ息があるようだ。
ドアの付近で事態を見守っていたブランが、ようやく口を開いた。
「君たちは・・・いったい?」
「あ、まだお話してませんでしたね。実は僕たち・・・」
「生まれつき竜神様に祝福されてるらしいんだな。まるで予定日を2ヶ月過ぎて生まれてきたナガク神みたいにね。」
フェンを押しのけてサーガが会話に侵入してきた。
「おぉ・・・、竜王様・・・。この者らに出会えたことに感謝します。」
そういうと、ブランは今日2度目となる祈りの儀式を行った。


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