BOBO MR. SOUL(#322)

2008年03月13日 | soul,r&b
【Soul-Jam! Music Factory】吉田英樹のSOUL/R&B歌唱法レッスン


Answer To The Want Ads/BOBO MR. SOUL

私が輸入7インチシングルを紹介するのは初めてであるが、20数年前に一時知り合いのSoulマニアに便乗して通販で購入していた事がある。コレクターさん達のように全く知らないアーティストの物を買ったりはしなかったが、有名シンガーの無名時代のシングルを中心にオーダー、計30枚前後は所有している。

さて今回紹介するシンガーはBobo Mr.Soulと言う吹き出しちゃいそうなネーミングだが、80'sに活躍したBeau Williamsが70's前半にこの名前で【Ovido】と言うレーベルからシングルを出していたが、これは彼の出身地Texas州Houstonのレーベルである。『Answer To The Want Ads』~【Honey Cone】のヒット曲に対するアンサーソング。
 

当然のごとく音は原曲と比較するとかなり落ちる。Mixingバランスも良くないのでちょっとBeau(BoBoか)がかわいそうになるが、こんなサウンドの中でも彼の歌は凄い!カップリングの『H.L.I.C.』はBeauの真骨頂のシャウトが炸裂するFUNKナンバーだが、これはもっとひどく、リズムがかなり不安定でチューニングも少々ヤバくてレコードが歪んでいるかと思った程だ。まあこんな事は当時のインディーSoulシングルには珍しい事ではないが...

ネットで検索していたらレーベルが違う盤を見つけた。この辺の事情はあまりよく知らない。


Ovideではもう1枚のシングル『Hitchhike To Heartbreak Road/ She's My Woman』を出している。
Hitchhike...はジャンプナンバーらしいが聞いたことがない。She's My Womanは3連のバラードでBeauがDeepに熱唱している。ちょっと暑苦しいぐらいである。彼のハイトーンボイスは凄い、前回登場したJohn Edwardsと同様鋭いが、Beauの方がはるかにDeepなTasteである。
こちらのリイシュー盤で聞けるようだ、Hiの1964~1978のレアな音源集だ。
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Forgive This Foolish Man: Hi Records' Deep Soul Brothers 1964 - 1978
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これは是非聞いてみたい内容なので買ってみようっと!

さてさて、BeauはLouis Priceの後任にThe Temptationsに誘われたほどの実力者であり、Tempsには身長が足りなくて話が流れたと言うエピソードは有名であるが、ちなみにTempsの条件は6フィート(183cm)以上であったのである。全く余談であるが初期の中心人物David RuffinやEddie Kendricks等は190cm以上あったと思われる。70's後半には【Solar Heat】と言うバンドにも参加していた(下の画像)。Soulファンの間では当時まだ無名だったGlenn Jonesが参加していた事で有名な【Norman Connors】の作品に参加もしていた。

Solar Heat


その後大手のCapitolからセルフタイトルアルバム『Beu Williams』(1982年)をリリースしたのが32歳ということであるからかなり遅咲きと言う事になる。翌年リリースした2ndアルバム『Stay With Me』(1983年)は人気が高く、プレミアがついているらしい。簡単にレビューを書きます。
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Stay With Me/Beau Williams
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1曲目の『S.O.S.』はアップテンポのFUNKナンバーでBeauが水を得た魚のように生き生きと歌っている。やはりこんなメジャーなサウンドが彼には合っているね。久々にレコード棚から引っぱり出してクレジットを見ると、この曲のバックにはAverage White Bandの『Steve Ferrone』(drs.)、USで放映されていた番組【Motown Live】のホストバンドのバンマス『Ricky Minor』(Bass)の名前があった。そしてTrampsやSalsoul Orchestraのメンバーとして活躍した『Ron Kersey』(Keyb.)のプロデュースである、なるほどサウンドもかなり良いのは当然である。

FUNK物はもちろんいいが、バラード系ナンバーが非常にいい。A-2、4、そしてB-2はあのLarry Grahamも歌っていた『You've Been』を歌っている。Sam DeesはホントSoulと言う範疇を超えたメロディーメーカーですな。ちなみのA-2も
Samの曲。A-3はあのAl Greenの名曲『Love And Happiness』である。この曲はよくカバーされるがBeauのバージョンは指折りでいいね!DrumsのクレジットがRoland 808、懐かしい!まるでメンバーのようなクレジットの仕方(笑)。BassのMelvin Davisのスラップにも耳が奪われる... 

その後GOSPEL界に舞い戻って数枚のGospelアルバムを発表している。私が所有しているのは1枚目の【Wonderful】のみであるが、これも聞きごたえがあるので、機会があったら聞いてみたいと思っている。

Wonderful
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Beau Williamsのサイト(Gospel)


数年間壊れて無かったアナログプレーヤーを昨年購入するまで完全CD生活だったが、最近は結構ターンテーブルに盤をのせることも多くなった。それにしても終わるのが早い(笑)。

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