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漢方薬と自然療法・鍼灸治療院の中の人のブログ/山形県米沢市駅前3-5-10/ご相談の予約は0238-23-1331まで

不妊症の漢方的考察Ⅰ

2020年03月28日 | 子宝の話し
結婚して2年間、避妊せずに夫婦生活を行っても妊娠しない場合、また一度出産しても、また数年間妊娠しない状態を「不妊」といいます。
今回は、不妊になってしまう原因を<漢方医学>で説明してみます。


①腎虚(じんきょ)の不妊
腎臓にあるはずの生命力の源 「腎精(じんせい)」 が不足しているため、子宮が営養を失って新しい生命を授かる力が低下した病証です。30代後半から40代の方は腎虚が原因方が多いです。疲労のキャリーオーバーや足腰のだるさ、卵子の老化・AMHの低下なども腎虚が関係します。

<腎虚を治すには?>
強腎補精:年齢の経過で失ってしまった腎精を補給します。腎精が充足してくると、衝脈(しょうみゃく)・任脈(にんみゃく)が営養を得ることが出来るので、月経が正常になり妊娠力が付いてきます。
衝脈・任脈とは?→子宮内から発するとても大事な経絡(気血の通り道)で、この経絡がしっかり機能していないと妊娠できない


②血虚(けっきょ)の不妊
肝臓に貯蔵されている血液が少なってしまい、任脈・衝脈が上手く機能しなくなった状態です。そのために子宮が虚弱になってしまい、子宮が腎精(もって生まれた生命力)を取り入れ活用する力が低下するため、妊娠する能力が低下します。子宮内膜が薄くなる・PMSが出てくる事も多いです。場合によってはPCOS、内膜症に繋がることもあります。

<血虚の不妊を治すには?>
養血滋肝:肝臓の血液を補給すると、肝臓の血が養っている衝脈・任脈が滋養されて、自然に妊娠する力がついてきます。


③寒凝(かんぎょう)の不妊
月経期間中に風にあたったり、冷たいものを飲食することで子宮内に寒邪(かんじゃ)という冷えが入り込んで滞った状態です。子宮が冷えて妊娠不能になってしまいます。下腹部が冷えて痛みが出たり、月経痛が激痛になる事も。高温期の短縮も寒邪の影響が関係する事が多いです。

<寒行の不妊を治すには?>
温経散寒:子宮が冷えて不妊になっているので、まず冷えた子宮を温めて寒邪を取り去ります。その上で気血の流れを調整します。妊娠に適した温かさを取り戻せば妊娠力は高まります。



④気滞(きたい)の不妊
ストレスによって自律神経の調節が乱れると、気血の調和が取れなくなります。すると衝脈・任脈がお互いに正常に機能出来なくなるので不妊の症状が発生します。
月経が来たり来なかったり、基礎体温のギザギザ、無排卵月経、高プロラクチンなどが起こることもあります。

<気滞の不妊を治すには?>
この症状は肝鬱気滞(かんうつきたい)という肝臓の気の滞りが原因です。肝臓の気の流れを気持ちよく整えて、自律神経の働きをもとに戻すとよいでしょう。もちろん、元になっているストレスを除く事も大切な治療の一環です。



以上の様に①~④まで代表的な不妊原因があります。しかし、臨床ではどれか一つが原因という患者様は稀で、 腎虚+血虚 や 腎虚+気滞 など複合的になっている方が大半です。これら不妊の元になっている原因を一つ一つ取り除いていくことで、より質の高い『妊娠体質』を作っていきます。

AIH(人口受精)やIVF(体外受精)を何回行ってもうまく行かないという方は、漢方で自分の力の底上げをする事で「あれ?上手く行った??!!」という様に好転することも多いです。


★子宝漢方と自然療法/自律神経失調症・不安感パニック・更年期

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