ららみ先生のピアノのおけいこ

自閉症でも、発達障がいでも、
両手でピアノが弾けるんです♪
ピアノが弾けるって、素晴らしい!

1ページ、一気に両手で弾けた!!

2022-04-08 | 広汎性発達障がい児 R君のこと

先日の、ルイ君(特別支援校・中3)のレッスンの時のことです。

ルイ君のレッスンが始まる前に、
お母様が私に話しかけてきました。

なので私は ルイ君に
「ルイ君、少しだけ1人で練習していてね。」と声をかけ、
お母様と玄関で話をしていました。

 

その間、ルイ君は何時も通り手を洗い、
何時も通り バッグから楽譜を出して、
右田だけの練習を始めました。

私は、お母様と話しをしながら、
ルイ君の練習を聴いていました。

その2~3分の間、
ルイ君の練習は、音もリズムも完璧でした。

 

なので、お母様との会話を終えた後、
私は ルイ君の傍に座り、当然の様に言いました。

「ルイ君、右手は完璧ですね。
じゃあ、両手で弾いてみて。」

ルイ君は、「えっ?」と言いましたが、
すぐに両手で弾き始めました。

ルイ君は、弾きながら
「こんな感じなんだ。」と小さな声で言いました。

それでもルイ君は、止まる事無く両手で弾いています。

 

ルイ君が、両手で1ページ程弾いた時、
私は、あっと思いました。

まだ一度も、この曲の両手の指導はしていなかった事に気が付いたのです。

 

「ルイ君、もしかしたら この曲を初めて両手で弾いたの?」

「はい。」

「でも、弾けたね

「はい、弾けましたね。」

「それって、凄い事じゃない? 」

「はい、凄い事です。」

「やっぱり、中学3年生だからかな?」

「そうですね。」

「ルイ君、本当に素晴らしいわ

「はい、ありがとうございます。」

ルイ君のお顔は、とても満足そうでした。

 

 

私は、新しい曲を指導する時に、
片手ずつの練習を徹底させます。

これは、発達障がいの有無にかかわらず、
小学2年生位までは、そのようにしています。

その方が無理なく弾けるようになりますし、
何より 美しく仕上がるからです。

 

片手ずつの練習が完璧に弾ける様になったら、
次は両手です。

しかし、発達障がいのお子さんにとって
両手で弾く事は かなり難しい事です。

なので、少しずつ、少しずつ指導をしていきます。

時には4小節に、数週間を費やすことも稀ではありません。

ですから今回も、少しずつ両手の指導をしようと思っていたのです。

 

しかし、今回 ルイ君は
1ページも一気に両手で弾けました

ギロック作曲の「アルゼンチン」は
結構 難しい曲なのに。

 

本当に、本当に 素晴らしい事です

こんな感動があるので、
ピアノの先生は、本当に幸せな職業だと思います

 

 

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