10日間にわたる公演が終わった
コロナの中
劇場公演を再開するのは大変な苦労があった事だろう
スタッフ キャスト共に
誰一人かけることなく公演をやり切れたことは
とても素晴らしいことだ
そして
KAATでこの先上演が続けていかれるかは
ワタシたちの約2週間の健康にかかっている
この音楽劇の音楽監督はヴァイオリニストの中西俊博さん
中西さんに誘っていただきこの素敵な作品に参加できたことは
本当に嬉しいことです
この作品は25年ぶりの再演だそうだ
ということは
次は
25年後?
それまで覚えていられないだろうから
やったことを書き残しておこうと思ふ
25年後にサクッとできるように〜(.....また声かかると思っているのか....(?o?;)
ま、冗談はワタシの顔だけにしておいて
こういうことに興味ある人がいるかはわからないが
意外に面白いかもしれないかもしれないような気がしなくもないかもしれないから
一応記録として。。。
楽団は強者揃い
新澤健一郎(キーボード/バンドマスター)
柴田奈穂(ヴァイオリン)
小夜子(ヴァイオリン)
ファルコン(ギター)
木村将之(ベース)
楽器名だけ見るとキーボード以外は生楽器の装いをしているが
壮絶な電気機械を全員が使っている
写真は7月の音楽リハの時のものだから本番はもっと凄くなっていた
音楽劇だから音楽と音そのものが持つ意味がとても大切になってくる
ファンタジーであるが故の音使いも多いし
役者の心の機微を音で綴っていくことも多い
今回の作品の中西さんからのリクエストで一番考えたのがコレ
「その音を聞いてどんな楽器を使っているかわからないモノ」
自分はどれも「知って」音を出しているので
どの音を聞いても何を使っているのかがわかる(... あったりまえだよね〜 ^o^;)
だからまず普通の(と言われる)楽器をセットしないところから始めた
もちろんそれだけで賄うことはできないのだが「結果」
こういうものを使いました〜、
という、コレは記録なのです
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今回のセットの全景
こちらも何やらすごいです
いつものように(...?...)一回しか使わないものもありました
この写真の向きで言うと
左側がバンドメンバーからの舞台中央を望む
上がお客様
下(と言うか手前)が舞台限りなく下手前
右はお客様向けのスピーカー
なので
ワタシは基本左にむいて座っております
下はワタシから見た景色です(パノラマです)
まず
センター部
ここにいわゆる「楽器」は1種類しかありません(^o^;)
●下左は「タライ」
決してドリフごっこをやるためではなく、銀河では
1幕 活版所・銀河ステーション 2幕 タイタニック沈没での効果音・劇エンディング
で使っておりました
劇エンディングではトリガーで(ガムテープのところ)V-Drumというドラムマシンのスネアドラムを同時に鳴らしておりました
●下右の黒いのはパッド
こちらもV-Drumというドラムマシンを鳴らしております
1幕 活版所・ジョバンニがいじめられて苦しむシーン・銀河ステーション 2幕 おかしな男がやってきたところ・鳥捕り・劇エンディング
で使いました
テーブルの上upにすると
●ま、ガラクタですな(^o^;)
やはり活版所や銀河ステーション、鳥捕りなどです
●スプリングが3本見えますが
意外にもコレはスプリングドラムという名の楽器です(^o^;)
本来は本体を持って振って「ゴーっ」という音を出すものですがスプリングを叩いています
活版所のみ使ってます
●ん?、スーパーボールらしきものが見えるって?
お目が高い!、スパーボールに安全ピンをさしたもの(安全ピンのとこを持ちます)
コレでシンバルやら何やらを擦るのです(やってみそっ!^o^)
センター(ワタシから見て)から右手
お客様側にはまず雰囲気ものの鳴り物がぶらさがっています
イントロダクションやエンディングに入っていく時など雰囲気をつくる時に「そっと」手を伸ばします
●すぐ上の写真の真ん中に吊る下がってる木の実は効果音のほかに渡り鳥で使います
センターテーブルの右手のテーブルには
●左下の銀色はジャンベという西アフリカの太鼓につけるセセというもので
本来はジャンベの名手でないとつけることが許されないものです
ワタシは迷手なのでコレを叩いてます(...バチあたりですToT)
やはり活版所、などで使います
●その上の金色のネズミがかじった(ような)シンバルは少し隙間を開けたハイハットシンバル
活版所などでリズムを刻む時に使います
●その右の銀色のベコベコ凹んだやつはペンキなどを入れるカンカン
鳥捕り、そしてタイタニック沈没の効果音で叩きまくって。。。凹んでます。。。
●中央のカエルらしき2匹は
カエルです
お土産屋さんで見かけるこのカエルくんたち、イントロダクションのみのご出演でした
●その右側にあるのはギロやウッドブロックなど木の楽器
特に1幕の星祭りの歌で大活躍してました
下に見える銀色の丸いのはパーソナルマイク(後で説明します)
●左側に見えるブルーのものはラチェットという楽器で、2幕の切符拝見で使ってます
この下にはイントロダクションや2幕の渡り鳥で使うガラガラが置いてあります
その右側には1幕の教室のシーンで使うビー玉とイントロダクションで使う鳥声
同じ台にミキサーとリバーブマシン(後で説明します)
その手前下に目を落としますと
鈴ボックスがあります
コレは銀河鉄道に乗っているシーンを表す音で、そこでは必ずランダムに遠くの方で鳴っています
よく通る音なのと、横に置いておくと持つ時に音がしてしまうので
スポンジで壁を作った小箱から真っ直ぐに出し入れしました
さらにその右側には
1幕ジョバンニのミルクで刻んだり、プリオシン海岸で効果音的に使う砂場と
イントダクションや教室のシーンで使うカシシというブラジルの楽器と
ワタシがむか〜しどこか外国の浜辺で拾ってきた貝をつなげたもの
さらにその右には先ほどから少し記述したV-Drumというドラムマシン本体とモニター用のベースアンプ
マレットが一本乗っていますが
コレは教室シーンの中でアメユキが「ジョバンニ〜」と言った後に1発ならす鈴を叩くためのもの
そのベースアンプの足元にヒッソリとたたずむのは
ん?、ステージドリンク?
いや、ちゃいます
2幕冒頭でブクブク泡の音を出すための「水」です
感染防止のため毎日コップ、水、ストロー、新しいのを使ってます!!
そして、、、(...ふぅ.......)
ワタシの真後ろにはサンダーシートなどと言われる薄い鉄板がぶら下がっております
このベコベコは銀河だけのことではないんでやんすが。。
イントロダクションやジョバンニの苦しむシーンなどで使いました
。。。。
ただいまより15分間の休憩をいただきます
。。。。
さて、と。
センターに戻りその左側(舞台側)にはようやく楽器(らしきもの)が出てきます
見た目は普通ですが一癖も二癖もある輩で
●下の白丸二つはタンボリートという、もう製造停止したヤマハの製品
片面で裏にちょっとばかりのスナッピ〜が付いていて銅にはタンバリンのようにジングルがついています
●その上のタムのように見えるのはミニティンバレスで。。。まあ、タムですね(^o^;)
●シンバルも右から
穴あき、シズル+スプラッシュ、ヒビ入りスプラッシュ、サイズ違いのクローズのみのハイハット
(普通なものが、、ない〜、、、^o^;)
1幕 イーハトーヴ・銀河ステーション 1幕ラスト 2幕 鳥捕り・エンディング で使いました
この下には使う時に手前に引きずり出す機械があります
1幕 銀河ステーション 2幕 石炭袋 で、地上と宇宙空間(夢?)の行き来を表す木の音をここから出します
7月の楽団リハーサル始まる前に25年前の録音を聞かせてもらい
中西さんからこういうものを使いたいと木の棒を見せてもらった時に浮かんだのが
スペインの民族楽器の「チャラパルタ」
その音を1音1音サンプリング(録音)してこの機械の4つのパッドに振り分けました
コレは(....この先も使えるぜっ!!)と、心が申しております(^o^)
さらにその左側には
●黒いのがパンディエロというブラジルのタンバリン
コレはエンディングで
●左の白いのはスティックで叩く用のタンバリン
コレは星祭りのうたで活躍してます
さらにさらにその左には
つぼ
古伊万里の
ウソ
今回は音作りしやすいようにファイバー製を使っています
コレは1幕 イーハートーヴ
のみ、です
この上に小物置というマレットなどを乗せる台があり
そこには
え?、祐美? ... ←間違い(当たり前だ!) ...『弓!』
決してヴァイオリンを弾くわけではなく、コレでシンバルを擦ります
けんじ「君の窓には何がうつるかな」
ジョバンニ「おっかさんがうつるよ」 キーン ←これ
ジョバンニ「それからね お父さんがうつるよ」 キョーン ←これ
(... セリフ省略してます m(_ _)m...)
そして
ワタシの真後ろに
ぬりかべ。。。
ウソ。。。
ふう、これで一回りしたかな〜?
でもこれで終わりではないのです、、センターブロックの足元に何やら蠢くものが。。。。
●右下のペダルは先ほどから記述のV-Drumトリガー
その上に縁日で出店したおもちゃ屋のような風情が.....
2幕 けんじ「おや?、おかしな男がやってきた!」
のところだけに出演する方々
オケピットで足元暗いので照明仕込んでます
赤いジッパーの袋は
1幕のプリオシン海岸で特大和紙が出てくるところで使いました
。。。。これで。。。。全部か?。。。。ほんとか?
では、、、、
いろいろ記述にもあるように生楽器(楽器と言えないものも含む)以外に、機械で音を出すものもいくつかありました
●V-Drumというドラムマシンと書いた機械は
ドラムの音色だけではなく様々な音を出すことができます
●スペインの民族楽器チャラパルタの音を出していたサンプリングパッド
それらをミキサーと言われる機械にまとめて
●さらには自分でマイクを手元に用意し、必要な時に必要なものの音を増幅させたり
●リバーブと言われる余韻を作る機械で、その場その場で違う余韻を当てたり
しておりました
そうだ、今回初めて使ったものがありました
キャスター付きの椅子
普段の演奏では使うことはありませんが
今回は狭いながらも身体の移動が微妙にあり、少しの移動を楽にでき
後ろにある楽器に回転して向かうことができたりで重宝しました
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カーテンコール(.... あれ?、ないかな .....)
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今回の作品は圧倒的に打楽器以外の方々の音使いが物語に色を添えております
その合間を縫ってワタシならではの音を作らさせていただきました
とても貴重で楽しい体験をありがとうございました。
25年後、お声かけてもらうのを楽しみにしております(^o^;)
では、どこかでまたお会いしましょう
それまで、どうぞお元気で(^o^)/
Masa...