つぶやき............

パーカッショニストMasa(海沼正利)の『つぶやき...』
不定期でつぶやきます(^o^)。

わたし か 音 か。

2015-04-29 | 日記
あまりにあたりまえなことを書くことになるので、オチはありません^o^; 。
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ちょっと不思議な感覚にとらわれた。

人形師、山本由也さんとの公開リハーサル。

11月にあるコラボライブの為の手合わせだった。

彼が操る8体の人形(今日は)。

どのキャラクターも魅力的で愛らしく、すぐに虜になってしまう。

操演は一人で複数体できないので、冷めた目で見れば操る人と操られる人形の2人(ひと?)。

しかし、「のり移る」のとはちょっと違うが、由也さんと人形は一体である。

人形が動き出すとき、まさに「命が吹き込まれる」感じだ。

文楽もそうだが、ふつうに顔を出しているのに操演さんには目がいかず人形ばかりをみてしまう。

というか、人形しか目が入らない。

てか、人形のいる世界にこちらが入り込んでしまう。

だから操演さんの存在を忘れてしまう。

というか、人形以外には誰もいない。

てか、、、、、。

今日はリハーサルという事もあり(もちろんあたしも音を出しているわけだが)、「無理に」由也さんの顔を見てみた。

なんというか、、、その命を輝かす為に働いているパーツだった。

血液には顔はない。心臓にも肺にも筋肉にもホネにも顔はない(マンガ的な発想は別よ^_^;)。

ただひたすらこの生命の維持の為に動いている。

そんな、顔だった。

実際の血液の循環そのものに音楽的インスピレーションが湧くかはまだわたしにはわからない。

がしかし、その循環という動きがファンタジーとして演出されたときに音楽というファンタジーが生まれるのかもしれない。

まあ、それはおいといて(おいとくのかっ!...)。

やっぱり、人形を観ていた方が楽しい。

で、、。

由也さんという操る人と人形という命を吹き込まれた存在のニコイチを、自分に置き換えたらどうなんだろ、と思ったのだった。

カイヌマという操る人と音?、音楽?、リズム?、という命を吹き込まれたモノ。

モノ、なのかなあ。

人形は目に見えるけど、音は目に見えないからモノではないか。

でも、僕の操作によって出てくる音で僕は世界を作っているわけだから同じはずなのに、僕の動きや表情が加算される事によってより魅力的になる事も確かである。

もし、目の見えない人が僕の音を聴いたらどんなだろう。

そこに僕というキャラクターは存在しない。

まさしくそこにある「音」自体で受け取ってもらう事になるのだから。

あたしがどうであるか、は、演奏家として大事な事だし大いに意識できる事だ。

その音がどうであるか、は、実は単純すぎて自分では気がつかないものなのかもしれない。

音を出す、それは「あたし」の存在を表す事。

人形がこちらを向いたとき、音自体が反応するわけでなく僕自身が反応する。

だから、僕から出た音に反応しているのは人形自体ではなく由也さんだ。

でも、そうはみえない。

そこが技術とアートなのだろう。

な~~ンて事を、目の前でひょうきんに踊るヤツや、コケティッシュに動くコをみながら思っていたのだった。

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ね、あまりに当たり前な事でしょ?。

でも異種の出会いは時として当たり前すぎて気にしていなかった事を掘り起こしてくれる事にもなるようだ。

とても、楽しい時間だった。

コマーシャル.....本番は11月24日 東中野ポレポレ座です。

 ぽっちとともに。





    Masa.....






秩父。。。

2015-04-19 | 日記
笹久保伸。

このギタリストのレコーディングに呼ばれてから、彼の動向を見ている。

もちろんギタリスト、音楽家としてもそうなのだが、

なにより、その活動の中心が秩父である事。

私は秩父出身ではないが、埼玉県の中では何かと縁のあるところである。

まず、学生時代に祭りのお囃子(特に太鼓系のリズム)に強い関心があった頃、夜祭り見物に行ったのが最初だ。

その後、ウードの常味さんの企画で野坂寺で数回コンサートをやった。

故ハムザ エル ディンさんとご一緒したのもこの時だ。

池の上のステージだったので、見る見るうちにタールの皮が緩んでいき哀しそうな表情をしていたのを今でも思い出す。

ライブやコンサートなど細々とした事がいろいろあって、、、

2011年にセファルディを唄う岡庭矢宵さんのレコーディングを秩父のホールでやった。

など、など、など、、。

なにか他と違う魅力(それが何かはわからないが)を感じるこの地。(遠野も格別だがそれはまた今度....。)

単に地理的なイメージで言うと、山をいくつか越えた所にある事。

私の出身は長野。

どこから行くにも山を越えないとたどり着けない。

だから身を隠さなければならない人達もひっそりと存在できる。

決して開かれた所ではない。

雄大な山自然はあるが、地平線と水平線は見えない。

山の向うで何が起こっているのかは、わからない。

そんな場所は秩父だけではないが、上記の縁と「何か」により他の場所より気になる所である。

そこに活動の拠点のあるギタリスト。

彼の投稿には魅力的な記事が満載だ。

その地を深く掘り下げていく事で得られるインスピレーション。

この先も楽しみでならない。




   Masa....

El Leila El Kabira 内情と考察

2015-04-05 | 日記
長文注意^_^;

忘れないうちに.....

4月4日なかのZERO小ホールにて、エジプト屋さん主催の「El Leila El Kabira」に「参加」してきた。

ベリーダンスのハフラ(簡単に言うと気軽なイベント)とガラショーに、エジプトからSafaa Farid(vo)さん率いるEl Nogoumというバンドが生演奏するという企画。

ゲストダンサーは今をときめくエジプトトップダンサーの一人、LEILA FARIDさん。

ところが、そのバンドのsolo Tabla奏者がビザの関係で来れなくなってしまった(時々あるらしい)。

(相当前だが、小松芳さん主催でやはりエジプトからミュージシャンを呼んだ時もドーラ奏者がこれず代わりに、というお話をいただいていたが結局その時はバンド自体が来れず実現しなかった。)

急遽別の奏者をお願いしてビザ申請しているが、もし万が一その人が来れなかった時に出て欲しい、と、エジプト屋主催のマゲドさんから連絡が入ったのが3月30日。

もしそのトラ奏者が来れたとしてもカヌーンで参加してもらえないだろうか、という嬉しいお話。

リハ含めた2日間は偶然にも空いていて、これはおいらには必要な時間だな、とお受け致した。

4月1日、エジプト屋さんに出向き打ち合わせ。

マゲドさんは去年のスタジオラピス10周年記念公演を観てくださり声をかけていただいた。

『ガラショー11曲+曲目未定のLEILAさん分数曲と、ハフラ17曲のメニューと音源。。。。。。』

わたしはアラブ音楽にかかわっている時間こそ長いものの、その専門家ではないし、ベリーダンスも海老原美代子さんから関わり青木香葉さんの音楽監督を努めてはいたけれど、エジプトで勉強したわけでもなく自己流のなせる怖いもの知らずで今まできた。

だから、マゲドさんにはその実情はよくよく話しておいた。

ステージで見る演奏者。

その公演が気に入ってもらえればもらえる程、その道の専門家としてみられるし、特に諸外国ではわたしみたいな「何でも屋」的演奏者はあまりいないだろうと推測される。

それはアラブ音楽に限らず、他のところでも体験して来た。

ただし、その「何でも屋」的なプレイがわたしという個人を表現しているものと理解してもらえてからは、わたしは1アーティストとしてむかえいれてもらえるのだった。

でもこれはどこでも同じではない。

今回エジプトから来るバンドはベリーダンス専門の伴奏音楽家達ときく。

たくさんある曲の数々を即座に演奏し、踊らせていく専門集団だ。

彼らは楽譜を必要としない。練習して行く中で覚え、アンサンブルと信頼関係を築いて行く。

ん?、どこかの芸能にもにてるな。

おそらく、どの地域でも、専門性の高いグループはだいたい同じなんだと思う。

日本でも同じである。

と、いうことは、、、

相当ばつのわるい環境にわたしは放り込まれるということはすぐさま想像ができる。

おそらくマゲドさんはバンドメンバーにわたしをとても良く紹介してくれるはずである。

ね、もうわかるでしょ^_^;

ただ、今回わたしにとって良かったのが、solo Tabla奏者がトラであるというところかな...。

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さて、その、

『ガラショー11曲+曲目未定のLEILAさん分数曲と、ハフラ17曲のメニューと音源。。。。。。』

ですよ。

ココ日本でもアラブ音楽演奏家達は増え、ベリーダンスの伴奏をする人達やグループも出て来て、より高度な演奏技術と情報がライブ会場に放出されていてホントに頼もしい限りです。

そんな音楽家達ならきっとなんとでもないこのベリーダンス曲の束。

わたしでも知っている曲数曲はありますが、わたしのスタイルでは楽譜がないととてもじゃないけど彼らにはついて行けません。

演奏曲目と音源をいただいた4/1からリハの3日まで、わたしはどのくらいの時間を費やす事ができるのか.....。

しかもこの時点でトラ奏者が来れるかどうかはまだわからない。

早々にハフラの方の音取りは諦める。

ベリーダンサー達にとって、現地ミュージシャンである喜びの一番はsolo Tabla奏者と歌い手である(ボクがダンサーならね)。

ノリはもちろんの事(これについては後述します)、あの音はなかなか体感できるものではない。

しかもベリーダンス伴奏専門家である。

とりあえずリズムと決めを含めガラショーの音源をもらった分だけ音取りをする。

最初から想像できるのが、音源の通りにいかないということ。

専門集団とはいえ、彼らが普段演奏しているスタイルが当然あるわけで、それは音源の通りに行くわけがない。

もう一つは歌手がいるという事。

普段歌っている歌だけではない曲目も含まれる。

その日の喉の調子もある。

普段演奏している曲以外のキーが決まるのはおそらくリハ当日だ。

バンドであるということは、そのバンド独自の決まり事がある、ということでもある。

音源ではこうであってもこのバンドではこう、である。

しかし、それでもオリジナルはこうだから、とこだわる部分も当然あるわけで、それは、、、

あわないとわからない。。。。

もうひとつ、特に民族音楽に根ざした芸能に関していえば、

理屈は通らない、ということ。

時間をかけて、練習や話し合いを続ける中で、ああ、オレは今の演奏は1拍足りなかったのか、、、となる。

1拍という概念があるかどうかは疑問だが、特に決まったメンバーのバンドであればなおさら、1拍多かろうが短かろうが、Bメロをすっとばそうが繰り返しを多くやろうが、みんながついて来れる。

今回のショーでも、solo Tabla奏者がトラであったが故にメロディー楽器の人達の縦横無尽ぶりが目立つ箇所も少なからずあった。

さらには、本番どうなるかわからない寸法。

ダンサーさん達の(特に群舞)の気持ちもわかるだけに、どうしようもできないわたしが不甲斐ない....。

というわけで、音とりはしたものの、すべてが未知のままリハになだれ込む事になる。

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メンバーはみな気さくでいい人達だった。

普通に受け入れてくれて、お互いできない英語でコミュニケーションする。

バンドで来れている安心感も感じる。

ただ、トラである(あ、来れたのー。よかったー^_^)solo Tablaの人は、やはり他のメンバーとは違う匂いを放っていた。

バンド編成は、ヴォーカル、キーボード、アコーディオン、ドーラ、ソロタブラ。

まずの感激はアコーディオン。

生でみるエジプトスタイルは感動ものだった。

この人と演奏中多くの音的コミュニケーションをとることになる。

キーボードの人はやはり音楽的リーダーであるらしく、音使いやらアレンジやらを取り仕切っていた。

2台のキーボードを駆使して音程楽器2人とは思えないサウンドを出していたし、今のベリーダンスの音表現を目の当たりにした感じでした。

そしてドーラ奏者。

前から感じていたのだが、その音楽やリズムのキャラクターはこの人が出しているんだと確信した、安定と躍動の魔術でした。

リズムチェンジを含め細々とした事はやはりsolo Tabla奏者が出すものではあるが、それを全体のサウンドに不自然にならず、しかも今回トラであるTabla奏者を上手く援護しているところは、ああ、職人技というのはこういう事なんだな、と思うし、CDなどで聴く音楽のノリはこの人達が出しているんだと実感しました。

だからこそ、Tabla奏者はsolistでいられるんだと....。

そしてこの音圧。

太鼓系はコレを体感できるかどうかでイメージが変わる。

ボリュームの問題ではないなー。

そして、そのsolo Tabla奏者。

なんというかボクのTablaの音イメージをそのまま再現してくれる人でありました。

ボクが初めて見た(ビデオだったけど)Tabla演奏はチュニジアの人だったけど、そのイメージで今日までやって来たが、共通点おおありで、しかも生で、しかも一緒に音を出せたのは至福な時間でした。

ハフラ17人、ガラショー13出し物。

ソリストとして叩き続けるスタミナと、いつも笑顔でダンサーをのせて行く人となりは尊敬に値する。

ショー終わり、別れ際に近いうちに必ずあおう、と言ってくださって嬉しかった。



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エジプトでベリーダンスのショーを観に行っても当然こちらの視点と耳は客席からのものでしかない。

それはそれで貴重なものだが、今回は実際にダンス伴奏をするバンド視点と耳で参加できたところが大きな収穫だった。

こんな事はそれこそめったにできる事ではない。

リハを含め当日のやり取りの中に普段のエジプトでの感じを垣間みる。

それは日本ではついぞ経験した事のないようなものも多い。

もちろん彼の地ではミュージシャンのレベルも色々で、この人達がどの位置にいるのかは皆目見当もつかないが、だからこそ着飾っていないエジプトミュージシャン達との時間は貴重だった。

とはいえ、リハまでの時間、リハから本番までの時間を曲理解の為に費やしたので、オフステージで彼らと交流できなかったのが悔やまれる。

さすがだったのは、だいたいのベリーダンス曲を再生でき、急なキーチェンジにも対応できるところ。

ゲストダンサーのLEILA FARIDさんの出し物はその時まで知らされない。

バンドは夫でもあるボーカルのSafaa Faridさんが率いているのだが、彼女の曲目やダンス間の音楽演奏などはその場できかされる。

今回はsolo Tablaがトラなので、曲が伝達するまでに時間がかかったが、本来のメンバーならチャチャッと進んで行くのだろう。

カヌーンの準備ができなかった曲やLeilaさんの出し物ではわたしは「勝手に」レクで参加した。

彼らの心のうちはわからないが、笑顔をみせながらホッておいてくれたのでホッとした。

バンドが固まっていると、ボク一人初心者でもついていけるんだなーと、やりながら思った。

知らない曲の方が多い。でも、止まるところはわかるし、チェンジもわかる。

これはバンドはもちろんだが、Leilaさんの踊りのわかりやすさにもある。

solo Tablaがトラである理由もあるだろうが、ホントにわかりやすかった。

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大学を卒業して26年。音楽を生業にしてからまだ四半世紀だが、この先、なにか一つの音楽を専門にして行くことはないだろう。

在学中からの流れのまま広く浅くやんわりと進んで来たこの道もどういう方向に向かって行くのか皆目見当もつかないが、こういう人達との出会いが貴重な財産になっている。

マゲドさん、お誘いありがとうございます。





    Masa...

ps..こんなにレクを叩いたのは初めてなので、金に苦痛です^_^;