というか、家の中の整理片付けが続いている。
あまりにも牛歩で、愕然の一句をツイートしているぐらいだ。
(つぶやいている時間があるくらいなら、片付けを続けなさいって話だけんどもね…(⌒-⌒; )
機材棚の中に、控えめに静かに(…そう見えた…)出番を待つモノが目に入った。
いわゆるエレクトリックドラムなんだが、目に入ったとたんコレを手にした時のことがブワ~っと蘇ってきた。
学生時代か、または卒業してまだ間もないころ(そこは覚えてない)。
「海ちゃん絶対気にいるから」と言われ、先輩に連れて行ってもらった、銀座ライオン池袋店。
もう、25年くらい前の話。
大きなビアホールでヨーロッパみたいだった。
店内の中央に(違うかもしれない…)パイプオルガンの鍵盤部分が置かれ、片側の壁の大きなガラスの中には音の出るパイプやら太鼓やらい~ろんなものが所狭しと並べられ、そのディスプレイはディズニーランドさながらのお伽話の中のような華やかさ。
時間になるとハデな衣装を着た(覚えてない…)おじーさんが(そう見えた…)手になんだか楽器を持って現れ、歌いながら客席を回り、談笑し、ちょこっと芸を見せながら鍵盤にたどり着く。
そこからが見もので、歌いながら、喋りながら曲は進み、ガラス壁の中の世界はいろーんな音が出たり風船が飛んだり人形が動いたり、まぁ~それは賑やかなこと~(⌒▽⌒)。
おじーさんは、鍵盤と操作盤の中のボタンやら何やらを駆使し、一人で物語と背景と演出と照明と音楽を担当する。
おじーさん自体もすごかったが、それどころでなくガラス壁の中に見入ってしまった記憶がある。
その回の演奏が終わり彼は僕らのテーブルに来てくれた。
先輩とは顔なじみで僕を紹介してくれた。
その時の会話はもう覚えていないが、何せ、面白いと思った音やシステムや楽器などを見つけると、少しづつ組み込んだり、自分で作り出したりして、今の自分の楽器システムがあるという。
だからこの鍵盤操作盤を含むガラス壁の中は、おじーさんの生きてきた足跡なのだ。
お客さんの喜ぶ姿を求め、最新の情報と自分が面白いと思うものを合体させてきた。
そんな中で写真のモノは、客席回りの時に使う何かに合体させるアイデアがある、との事。
おじーさんの活動に興味があると言うと、じゃあコレを持っていけ、と言う。
これからはコレだ、と。
もちろん、エレクトリックドラムやシンセドラムは当時すでにあり、目新しいものではない。
おじーさんの頭の中で、コレはどのように料理されていたのだろう。
そのあと数回お店に行ったが、会えずじまい。
その後ワタシも住処を転々としたので、なかなか行くことはできなかったが、そのうち風の噂で彼が亡くなった話を聞いた。
……
ワタシがコレを料理できるようになるのは、いつのことだろう。
Masa…