つぶやき............

パーカッショニストMasa(海沼正利)の『つぶやき...』
不定期でつぶやきます(^o^)。

「歩くところから来ているんだよ」

2010-11-28 | インポート
郡山の専門学校へ特別講義をしにいった。
詳細を知らされておらず、現地で初めて知る事が多かった。
そんななかで、私にとってとても有意義な出会いがあった。
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ネイザン イングラム氏
東京でボーカリストとして活躍していた、フィラディルフィア出身の黒人歌手だ。
彼はこの学校でヴォイストレーナーをしている。

実は、私の特別講義は彼の授業時間を拝借して執り行われたのであった。
そんな事は知らなかったから、学校の方から彼を紹介されて?なのであった。

よくよく話を聞いてみたら上記のような事で、しかも彼も参加するという。
ゲゲッ、と思ったがしょうがないね。
この日は夜、長谷川きよしさんのコンサートに出演する事もあり、入り時間の関係で早めに終わらなくてはならない。
そしたら、残りの時間はネイザン先生が授業をすることになった。
しかも「彼の授業を見てから、それに関連ずけてやる」などという事になり、ますますゲゲッ。

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受講する学生さん達はパーカッション初心者。
こんな人達が対象の場合、打楽器を知ってもらう事と、リズムを身近に感じてもらう事が中心になる。

古代エジプトの壁画から始まり、地球規模でおこっている楽器の大移動と発展の現在進行形を伝える。
そこで避けて通れない1800年代の奴隷貿易の現実。

ネイザン先生は明らかにその血のルーツをアフリカに持つ人。
人によっては直接的に話せない場合もあるこの話に彼は積極的に参加してくれた。
彼のおばあさんはトリニダードの人。まさしく彼はその子孫なのだった。

そして、いまヒップホップなどで使われている動きが、黒人の歩き方や仕草から来ている事を実際の動きを見せながら話してくれた。
あの手の動きや表現方法は危険が近づいている事を知らせる伝達手段の一つであった。
ということは、ブラジルのカポエイラと同じ事なんだと私は一人で納得するのであった。

リズムを取る話で、鳩の話から黒人の首の動きに発展する。
この話に彼はアメリカのマーチングバンドの話を例にとりわかりやすくやってみせてくれる。
白人ならこう、黒人ならこう、と。
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私の方がもっと聴いていたい彼の話でしたが(そういえばこの授業の先生は私だった...)、時間は待ってくれず、夜の現場に向かうのでした。
私はアメリカにはまだ行った事はない。彼はその事をしきりに疑っていたのが印象に残っている。
そんなはずはない...と。



.               masa...