僕はこの度、8年半の間使い続けたワープロを捨てます!
NECの文豪MINI5UVという型。
学生時代から使い続け、日々の日記、ゼミのレジュメ、論文。
仕事を始めてからも、探偵時代は報告書などを執筆し、
僕の『頭脳』をひたすらキーボードにぶつけてきた。
4年前にパソコンを購入してからも、昨年までプリンタを所持していなかったため、
プリントアウトの必要のある文書は全てパソコンではなく、ワープロを使っていた。
キータッチの具合(感触)、変換の能力など、
機能的にもパソコンに劣るものはなく、大変優秀なやつである。
しかし、昨年来突然起動しなくなったり、起動しても画面が機能しなかったり…
と“体調不良”を起こし始めた。
それまでも具合の悪いことはあり、そのつど修理をしてきたのだが、今回は
「もう死なせてやろう」
と思ったのだ。
大げさではなく、本心から“彼”との決別を決めた。
僕は物持ちのよいほうではない。昔から僕が使うものは思いの外早く故障し、
使い物にならなくなった。特に電気製品は。
しかし、彼は僕の激しい「特打」にも耐え、
しかもたちどころに意のままに文章を変換してきた。
僕は文書入力の速さには自信があるが、それも彼のおかげ。
僕の学生時代は今ほどキーボード入力に熟達した者はそう多くなく、
論文などの大量の文書入力を必要とする際、得をした。
速く、多くの文章を書けるため、日記を書くことを億劫がることもなく、
これまで書き続けられた。
それだけに、彼によって刻まれた(記録された)思い出は多く、
彼から得た技術も多く、彼への思い入れも大きい。
しかしそれゆえ彼を酷使してきたのも事実。
論文執筆のため、徹夜で彼を殴打しつづけたこともあるし、
電源コードを足に引っ掛け、机から滑落させたこともある。
だから、彼への労わりと感謝の意味で“葬る”ことにした。
今彼は練馬区の有料粗大ゴミ処理券A券1枚、B券1枚をそれぞれ貼られ、
六畳一間の片隅でひっそりと佇んでいる。
今度の土曜日が彼の命日だ。
朝8時に僕の知らないところへ行くらしい。
NECの文豪MINI5UVという型。
学生時代から使い続け、日々の日記、ゼミのレジュメ、論文。
仕事を始めてからも、探偵時代は報告書などを執筆し、
僕の『頭脳』をひたすらキーボードにぶつけてきた。
4年前にパソコンを購入してからも、昨年までプリンタを所持していなかったため、
プリントアウトの必要のある文書は全てパソコンではなく、ワープロを使っていた。
キータッチの具合(感触)、変換の能力など、
機能的にもパソコンに劣るものはなく、大変優秀なやつである。
しかし、昨年来突然起動しなくなったり、起動しても画面が機能しなかったり…
と“体調不良”を起こし始めた。
それまでも具合の悪いことはあり、そのつど修理をしてきたのだが、今回は
「もう死なせてやろう」
と思ったのだ。
大げさではなく、本心から“彼”との決別を決めた。
僕は物持ちのよいほうではない。昔から僕が使うものは思いの外早く故障し、
使い物にならなくなった。特に電気製品は。
しかし、彼は僕の激しい「特打」にも耐え、
しかもたちどころに意のままに文章を変換してきた。
僕は文書入力の速さには自信があるが、それも彼のおかげ。
僕の学生時代は今ほどキーボード入力に熟達した者はそう多くなく、
論文などの大量の文書入力を必要とする際、得をした。
速く、多くの文章を書けるため、日記を書くことを億劫がることもなく、
これまで書き続けられた。
それだけに、彼によって刻まれた(記録された)思い出は多く、
彼から得た技術も多く、彼への思い入れも大きい。
しかしそれゆえ彼を酷使してきたのも事実。
論文執筆のため、徹夜で彼を殴打しつづけたこともあるし、
電源コードを足に引っ掛け、机から滑落させたこともある。
だから、彼への労わりと感謝の意味で“葬る”ことにした。
今彼は練馬区の有料粗大ゴミ処理券A券1枚、B券1枚をそれぞれ貼られ、
六畳一間の片隅でひっそりと佇んでいる。
今度の土曜日が彼の命日だ。
朝8時に僕の知らないところへ行くらしい。