※参考記録

日本百名山山頂宙返りを敢行中の【雪崩★マン】が綴る社会学的山岳エッセイ!

八年分の頭脳を放棄

2002年04月04日 | 雑感【thoughts】
 僕はこの度、8年半の間使い続けたワープロを捨てます!
NECの文豪MINI5UVという型。

 学生時代から使い続け、日々の日記、ゼミのレジュメ、論文。
仕事を始めてからも、探偵時代は報告書などを執筆し、
僕の『頭脳』をひたすらキーボードにぶつけてきた。
4年前にパソコンを購入してからも、昨年までプリンタを所持していなかったため、
プリントアウトの必要のある文書は全てパソコンではなく、ワープロを使っていた。
キータッチの具合(感触)、変換の能力など、
機能的にもパソコンに劣るものはなく、大変優秀なやつである。

 しかし、昨年来突然起動しなくなったり、起動しても画面が機能しなかったり…
と“体調不良”を起こし始めた。
それまでも具合の悪いことはあり、そのつど修理をしてきたのだが、今回は
 「もう死なせてやろう」
と思ったのだ。
大げさではなく、本心から“彼”との決別を決めた。

 僕は物持ちのよいほうではない。昔から僕が使うものは思いの外早く故障し、
使い物にならなくなった。特に電気製品は。
しかし、彼は僕の激しい「特打」にも耐え、
しかもたちどころに意のままに文章を変換してきた。
僕は文書入力の速さには自信があるが、それも彼のおかげ。
僕の学生時代は今ほどキーボード入力に熟達した者はそう多くなく、
論文などの大量の文書入力を必要とする際、得をした。
速く、多くの文章を書けるため、日記を書くことを億劫がることもなく、
これまで書き続けられた。
それだけに、彼によって刻まれた(記録された)思い出は多く、
彼から得た技術も多く、彼への思い入れも大きい。
 しかしそれゆえ彼を酷使してきたのも事実。
論文執筆のため、徹夜で彼を殴打しつづけたこともあるし、
電源コードを足に引っ掛け、机から滑落させたこともある。
だから、彼への労わりと感謝の意味で“葬る”ことにした。

 今彼は練馬区の有料粗大ゴミ処理券A券1枚、B券1枚をそれぞれ貼られ、
六畳一間の片隅でひっそりと佇んでいる。
今度の土曜日が彼の命日だ。
朝8時に僕の知らないところへ行くらしい。

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