※参考記録

日本百名山山頂宙返りを敢行中の【雪崩★マン】が綴る社会学的山岳エッセイ!

いい加減な方言

2006年01月03日 | メディア【media】
 2日、NHK総合テレビで放送されたドラマ
『きみの知らないところで世界は動く』を見た。
原作は『世界の中心で、愛をさけぶ』のあの片山恭一で、
この作品は彼の長編デビュー作である。
脚本も有名な岡田惠和(おかだよしかず)
制作はNHK松山放送局。
物語の舞台は1970年代の愛媛県宇和島市。著者片山恭一の故郷であり、
愛媛県は僕の故郷でもある。
当然僕は“厳しい眼”でドラマを見ることになる。

 まあ、ドラマはよく出来ていた。
特に主演の若手俳優3人、前田亜季、細田よしひこ、浅利陽介は良かった。
しかし、方言がいい加減で呆れてしまった。
感情移入できず、十分楽しめなかった。

 今まで僕は自分の故郷が舞台になったドラマは
知る限り全て見てきた。そしてその全てのドラマにおいて
方言はでたらめだった。
今回のドラマの舞台は宇和島市。
宇和島市は愛媛県を三つの地方(東予、中予、南予)に分けると
南予地方にあたり、僕の故郷の新居浜市は東予地方にあたる。
したがって同じ県内とはいえ結構距離が離れており、
方言に多少の違いはある。語彙そのものが異なる場合もある。
しかし、僕は浪人時代(*二年間浪人し、一年目は香川県の高松市の
予備校に通うため寮生活をしていた)
多くの南予出身者とも生活を共にしていたので、彼らの方言は理解している。
つまり、イントネーションは全く同じであると。
語尾に多少の違いはあるが、少し話す分にはほとんど違いはなく、
他の地方の(県外)人が聞けばその違いはわからないほどだ。
その僕の“耳”には、この劇中出演者が話す台詞の全てが可笑しかった。
具体的には説明しづらいが、割合でいえば
方言50%、標準語50%で混ぜて話していたように感じた。
しかも驚くことに、このドラマは昨年
松山市と宇和島市で市民を集めて完成披露試写会を開催していたという。
市民から「この方言おかしい」という指摘はなかったのか?!

 ドラマの制作現場のことは全くわからない。
したがって方言の指導は誰に依頼し、どのようになされているのか知らない。
でも、このように地元出身者の誰が聞いても「変だ!」と思う方言を
そのまま作品にしてしまうのは解せない。
 NHKは朝の連続ドラマをはじめ、地方が舞台のドラマが多い。
当然「方言指導」者もいるようだ。
その点に関してはかなり“しっかり作り込んで”いると思っていた。
今回の件で僕は、今の朝の連ドラ『風のハルカ』内で喋っている言葉も
「本当に大分の方言なの?!」
と疑わずにはいられない。

 ちなみに『セカチュー』に“ならって”か、『きみの知らないところで世界は動く』
をNHKの番組HPでは『きみせか』と書かれていた。
バカバカしい!
僕はすっかり(ドラマを見て)興醒めしてしまったので
見る前は原作を読もうと思っていたが
その気もすっかり失せてしまった。


最新の画像もっと見る