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 本は私の人生の友・・・

『孫と私の小さな歴史』

2016年02月16日 | 
著者 佐藤愛子

お孫さんが生まれたとき、「バアさんには ならない、ジイさんに なる!」
と宣言した著者。
孫の桃子さん1歳から、著者と2人の扮装で年賀状の写真を20年間 撮り続け、
ごく親しい友人だけに送り続けたそうです。(撮影者は娘の響子さん)
トトロやコギャル、生首まで登場する扮装は驚愕、爆笑を誘います。
20年分の原寸大の年賀状の写真が掲載され、
著者が かつて書いたお孫さんのお話や、
娘さん、お孫さんとの3人での 年賀状についての会話なども・・・

>なにも こんなに必死になって撮らなくてもと思うんだけど、
「ふざけ半分はダメだ!」
と いいながら ふざけた写真を撮るんです。母は。 (響子さんの言葉)

>手もとにある物を工夫して流用すること。
その苦心があってこそ、面白いのです。
何ごとも苦労があってこそ実りは大きいのです。
(と いっても、何の実りなのか よく わからないけれど)  (著者の言葉)

『戦いすんで日が暮れて』で直木賞を受賞した頃、
故郷で暮らしていた私は、隣りの町が主催した著者の講演会に
参加した記憶があります。
元ご主人の借金を返すのに必死だった頃かも知れない、
と 今では思える心の年輪を私も重ねて来ていますが、
当時は単なるミーハー気分で参加したような・・・今も かも。
この本を読んでいるときは、写真や文章が面白くて仕方ありませんでしたが、
読後は、しみじみ思いました・・・20年もの間、家族が欠けること無く、
写真を撮り続けられて、良かったですねぇ、と。