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My Favorite Things

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歌姫は良い魔女に   WICKED  2月3日

2008年02月03日 20時24分10秒 | 観劇

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午前2時頃から降り始めた雪が、朝には数cmの積雪となりました。
この冬、東京では数回雪が降っていますが、今回は本格的な積雪となり歩く時も足下に注意を払っている人が多くいました。
写真は、お昼近くの東京駅です。
「何も、こんな日に」とは思いつつも、1ヶ月ぶりの四季劇場[海]へ行ってきました。
今回は、オペラ座の地下室から姿を消した歌姫の、良い魔女ぶりを観るためです。
グリンダもエルファバも沼尾さんや濱田さんが半年も休み無く演じ続けていたので、かなりイメージが固定されていると思うので、新たにキャストされた方は大変だと思います。
そんなことを思いながら幕が開くと、シャボンのゴンドラに乗った苫田グリンダの登場です。
思っていた以上に似合っているのですが、額のところのピンマイクが額の縦皺のようにも見えて、表情が硬くも見える場面があったのが気になります。
年齢的に役のイメージに近いためか、コメディエンヌぶりは良い感じだと思います。
拍手も少なめな今日の観客からも、笑いを引き出すシーンが多かったと思います。
ただ、エルファバと箒で戦う?シーンでもそうでしたが、魔法の杖が少し長くて持てあまし気味のようです。
後のシーンでは、振り回した魔法の杖が途中から体に何度も当たっていました。
多少のぎこちなさがあるものの、もう暫く経てば自然な感じになるのでしょうね。
フィエロが登場すると、笑顔やキスでフィエロとのラブラブな雰囲気が。
舞台下手で抱き合っている様子を見ると、ボックも容易には近づけませんね。
Popularのシーン、ベッドの高さが微妙みたいですね。
ピョンと跳び上がるのは問題ないのですが、ベッドの端に腰掛ける時、ちょっと苦労?しているような印象です。
まだ少しばたつき気味なのか、ピンクのスカートがかなり上がったまま袖に捌けていきましたが、ちょっとお色気出過ぎかも知れません。(笑)
久しぶりの濱田さんのDefyin Gravityですが、何度聴いても素晴らしいです。
二幕で婚約発表の時の衣装の方が、苫田さんには似合っていると思います。
婚約発表の言葉を聞いたフィエロの複雑な表情が、印象的です。
こちらも久々のマダム・モリブルの森さんも、変わらず良い感じです。
婚約発表の席で、フィエロが去った後のグリンダの歌を聴いている時、何とも訝しげな表情を見せます。
さらにグリンダがネッサローズの件を問いただしたときに、グリンダをおじょうちゃんと呼んで一喝した時の表情は何とも言えません。
今回初見となるオズの魔法使いを演じた栗原さん、松下さんと比べると若い印象です。
歌声は、私は好みの声です。

カーテンコールでは、沼尾さんと同じように濱田さんと抱き合っていました。
拍手が少なかった今日の客席も、カーテンコールではだいぶ盛り上がりました。
最後、苫田さんが両手を客席にあちらこちらに振りながら、素敵な笑顔で袖に消えていきました。
苫田グリンダ、今後が楽しみです。

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四季劇場[海]2008年2月3日
グリンダ苫田亜沙子
エルファバ濱田めぐみ
ネッサローズ山本貴永
マダム・モリブル森 以鶴美
フィエロ李 涛
ボック伊藤綾祐
ディラモンド教授武見龍麿
オズの魔法使い栗原英雄
【男性アンサンブル】三宅克典
脇坂真人
品川芳晃
白倉一成
清川 品
清原卓海
嶋崎孔明
上川一哉
成田蔵人
【女性アンサンブル】あべ ゆき
石野寛子
荒木 舞
今井美範
宇垣あかね
遠藤珠生
有美ミシェール
間尾 茜
由水 南
指揮井上博文

リア王 2月2日

2008年02月03日 03時45分45秒 | 観劇

今年最初のさいたま芸術劇場は、蜷川幸雄さん演出のリア王となりました。
昨年10月の、オセロー以来の舞台です。
客席に入ると、緞帳の代わりに板張りの引き戸のようなものがあり、舞台上は土のようなものが。
客席エントランスに貼り紙がありましたが、今回の舞台は演芸用の土を舞台上に敷き詰めたそうです。
舞台には階段が設けられていて、役者がすぐ脇の通路を行き来することが解りました。
18時、コリオレイナスのように舞台上に役者が並んだと思うまもなく、通路脇を通り抜け開演となりました。
板張りの引き戸が開くと、目に飛び込んできたのは巨大な鏡板。
今回の演出は、能舞台を取り込んだものです。
さらに、上手には紅梅、下手には白梅のような木があり、蜷川作品を観る方にとっては、昨年の歌舞伎座の十二夜のオープニングを思い起こさせるものだったのではないでしょうか。

今日の舞台、私には初見の平 幹二郎さんのリア王がどんなものなのかが気になっていました。
見せ掛けの愛情表現を求めて真実を見逃した、愚かな王の悲しみと苦悩をじっくり見せつけられました。
娘達に城を追われ客席の通路を通り過ぎ去るときに間近で観た険しい表情が、今も記憶に残っています。
特に第四幕で、リア王と両目を奪われたグロスター伯爵との再会のシーンでは、思わず涙が溢れてきてしまいました。
ゴネリル役の銀粉蝶さん、リーガン役のとよた真帆さん、ともにしたたかな女性を演じていましたが、存在感としては銀粉蝶さんの方がインパクトが強いです。
お二人と比べるのはどうかと思いますが、内山理名さんの印象は思ったよりもしっかりした感じでした。
声のトーンのせいかも知れませんが、存在感を感じさせるものがあります。
ただ、オセローの宮崎あおいさんと同様に長台詞で感情が高まると、少し聞き取りにくいのが残念です。
映画やTVと違い、リアルタイムで進めていく舞台の難しさはあるのでしょうが・・・。
エドマンド役の池内さんは、自分のポジションを高めていくための計算高い悪役ぶりは良いですね。
観ていて、次は誰を陥れていくのか目が離せません。
オセローの時にエドマンドのような役を演じていた高橋さんと、好対照かも知れません。
逆に、今回の高橋さんはイアゴーとは逆の役回りを演じています。
エドマンドの策に陥れられたエドガーはグロスター伯爵から逃れるため、腰に布を1枚纏っただけの半裸の姿で物乞いを装っている姿には驚かされました。
嵐の中、爪先立ちで寒さに震え身を屈めている様は、一瞬誰だか解りませんでした。
父・グロスター伯爵の悲惨な姿を目の当たりにしてからは、自分の正体を明かさずに父を有家づけている様子や、ハムレットとレイアーティーズとが剣を交わすシーンを思い出させるエドマンドとの決闘のシーンは、第一幕での本を抱えた温厚な感じのシーンと同人物とは思えません。
鏡板で能の世界を取り入れていることを書きましたが、グロスター伯爵をドーバーへ連れて行くシーンを舞台下手奥から上手の手前へ時間をかけて表現をしていましたが、まさに能舞台の橋掛かりを連想させます。
山崎 一さん演じる道化は、リア王のもう一つの心情を擬人化したような存在でしょうか?
昨年、野村萬斎さんがリチャード三世をベースにした国盗人を上演した際、悪三郎に対して設定した影法師と通じるものだと思います。
リア王の心情を時に滑稽に、時に寂しさを演じる様子は王を否定しているにもかかわらず、王の傍に何時もいることからも考えさせられます。
ひばり、ドラクルに続き3度目ですが、気になる存在です。
グロスター伯爵の吉田鋼太郎さんは、蜷川さんのシェークスピアには不可欠の役者ですね。
前回のオセローとは違い、王に仕える身として王と娘達の不仲に心を痛め、心身ともに疲弊しながらも年老いた王を慕う姿は泣けてきます。

年始に劇団四季のハムレットを観ましたが、シェークスピアの悲劇のラストはここまで悲しい結末に描かなくてもと思うのは私だけでしょうか?