魔法の弾丸

自己に対する選択毒性

a ray of hope

2007-07-24 11:33:19 | Weblog
どんな時だって たった一人で
運命忘れて 生きてきたのに
突然の光の中、目が覚める
真夜中に

光/宇多田ヒカル



光という的確なメタファー。

あまりに眩し過ぎる光に、僕はたじろぐ。




真夏の太陽の力溢れる光。
満月の闇夜を照らす柔らかな光。







a scientist

2007-07-17 23:22:24 | Weblog

「君らは、天才じゃあないだろう。凡人だろう。凡人が科学の上でオリジナリティーと呼ばれるものを発揮する道は一つしかない。まず、学部の学生の間に、徹底的に体系だった教科書的知識を勉強しなさい。その体系の上に何かユニークな真実をいくらか積み上げることができれば、それが凡人のつくり出せる最高のオリジナリティーだ。最新の論文に左右されちゃあいけない。論文は、本質的な問題で人がやってないところを見つけ出すために読むぐらいの気持ちでよい」と。

日本の大学は変なところだ。勉強しないことを格好がいいとする風潮がある。「学生時代は勉強しなかった」と威張る先生もいる。

続 ロマンチックな科学者 サイエンスにおける構成力/月田承一郎







教科書を読み込むという作業は、サイエンスにおける現在までの成果の歴史を辿る旅であると思う。

ネットで簡単に情報が得られるようになった今日、教科書を精査・精読している学生はどれくらい存在するだろうか。





教科書の一行に記載してある事実は、ある研究者の一生と言っても過言ではないと思う。

一人の研究者がどんな想いを馳せながら実験をしていたかということを想像しながら教科書を読むと、違った風景が立ち上がってくるかもしれない。



自己認識

2007-07-16 22:50:51 | Weblog
遺伝子の再構成を伴う獲得免疫の中心を担うのは、胸腺で教育を受けたT細胞である。胸腺内において、TCR遺伝子の再構成、TCR発現、正の選択・負の選択という一連の教育を受け、T-betを発現したT細胞はCD8T細胞に、GATA3を発現したものはCD4T細胞へと分化する。CD8T細胞は細胞性免疫においてIFN-gを、CD4T細胞は体液性免疫においてIL-4を発現する。



現在においては、さらなるT細胞サブセットが存在することが明らかにされている。CD4CD25陽性でFoxP3が発現しているT細胞は、免疫寛容を司る制御性T細胞(Treg)として、またIL-17を産生し、RORgtと呼ばれる転写因子を発現しているTh17細胞と呼ばれる新たなT細胞サブセットが存在する。






免疫において、中心的な働きを担う、つまり自己認識を司るT細胞に魅せられて免疫学を学ぶようになった。T細胞を理解することが免疫学の、もっというと自己とは何か?という最大の疑問の答えになるような気がしてならない。