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うたのイラスト(「丘を越えて」)

最近CMでも使われたので、この歌を知っている人も多いだろう。

歌詞は全部載せることは出来ないので、検索して見ていただきたいが、

この歌の絵を描こうとして、人間をどう入れようかと考えたが、構図がどうしても浮かんで来ない。

考えてみると、この歌には人の気配というか、体温が感じられないのである。

これは決してけなしているわけではない。

楽しい心や胸の血潮などを歌っていても、人の気配が感じられないというのは、

実はこの歌は逆に深い虚無感を歌っているのではないか、と思うのである。

人生に対して何らかの絶望感を抱いている人が、ふと見上げる丘の上の青い空に、希望のようなものを感じる。

あの丘を越えれば、あの青い空に近づけば、何か人生への希望を取り戻せる。

そんな気持ちが、刹那の感覚に過ぎないことは知っている。

しかしその刹那の感覚にすがりたい。それほど虚無は深いのである。

これは作詞者の島田芳文の持っていた感覚なのだろうか。

それとも作曲者の古賀政男の感覚だろうか。

私には分からない。しかし現にこの歌は、そんな楽曲として存在している。

名曲である。しかし見かけのシンプルさに比べて、深い歌だ、と私は感じている。

従って、無人の絵を描かなければならなかった次第である。

 

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