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うたのイラスト(ズンドコ節)

 今でもコマーシャルで使われるから、知っている人は多いと思うが、もともとは「海軍小唄」という題名だったそうだ。

この、戦争末期の兵隊たちが歌っていた歌が本家である。

 その内容は、ドリフターズや氷川きよしさんの歌った歌しかしらない人(若い人ではそういう人が殆どだろう)には意外な、悲しい歌である。

 戦争に行く兵隊の歌である。

 送り出す人たちは、日の丸を振って万歳をして送り出す。そうしなければいけなかったのだ。列車に乗った兵は、車両の窓から皆に最後の別れの視線を送る。

その時に目に入るのである。ホームの陰で人に気付かれぬようにそっと泣いている、彼女(恋人)の姿が。

 決して忘れられないであろう姿である。そういう別れをして、その姿を脳裏に焼き付けたまま戦死した人も多かっただろう。ここには人間の本当の心情が歌われている。そうでなければ、戦時下にそれほど愛唱されるわけもないではないか。

 その歌詞は次の通り(作詞者不明なので、全歌詞を示します)。

1 汽車の窓から手をにぎり
  送ってくれた人よりも
  ホームの陰で泣いていた
  可愛いあの娘(こ)が忘られぬ
  トコズンドコ ズンドコ

2 花は桜木人は武士
  語ってくれた人よりも
  港のすみで泣いていた
  可愛いあの娘が目に浮かぶ
  トコズンドコ ズンドコ

3 元気でいるかと言う便り
  送ってくれた人よりも
  涙のにじむ筆のあと
  いとしいあの娘が忘られぬ
  トコズンドコ ズンドコ

 

 

 私以上の世代には常識みたいなことでも、若い人たちは教わらないから知らなかったりする。余計なお世話でも、一度書いておこうと思った次第である。

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