ニュース番組で、本土からハワイに来た旅行客にインタビューをしていた。
「ハワイに来ると、時間がゆっくり流れて、ほんとにリラックスするの!
今日が何曜日かも関係なくなるのよ」
それを見ていた夫がつぶやいた。
「そんなの、僕が日本に行ったらそうなるよ、ハワイだからじゃないよ」
私もそう思う。
日常を離れることで得られる解放感と高揚感。
他の旅行客が、言う。
「青い海に空、濃い自然、できたらこのままここに住みたいよ」
だから、それは非日常だから、そう思うのだ。
それが証拠に、本土の人々が憧れるというハワイに住んでいる人たちは、
非日常を求めて別のところへ行きたがる。
人気なのはラスベガス。
あまりに好きで、引っ越した人たちもいるほどだ。
私だって、世界一きれいだと思うビーチにいつでも行けるから、あえてきれいなビーチを求めて旅行したいとは思わないけど、
砂漠に作った人工都市には、もっと行きたくない。
夫は何年か、ラスベガスの近くに住んでいたことがあって、ドライブの途中で立ち寄った場所にあったスロットマシンで何万円も儲かったらしいが、それきり試したことはないという。
私も1度だけやったパチンコで大当たりしたが、出した玉がなくなるのが怖くなって、途中で箱を抱えて換金してしまった。
こんな私たちだから、ギャンブルには向いていないのは確か。
ラスベガスのどこがいいのか、同僚に聞いてみたことがある。
「そりゃもう、嫌なこと忘れるし、キラキラの街はきれいだし、眠るのが惜しいぐらい楽しい」
「ふうん、時間がゆっくり流れる感じ?」
「そうそう。そもそも時間なんか関係なくなるよ」
なるほど。
人は、日常を離れるだけじゃなしに、自分の日常にはないものを求めて、非日常感を最大限楽しみたいものなのだな。