この章では、国教となったカトリック教団が聖句主義者を自己の内部に取り込もうとする様を描きます。
彼らはなんとしても取り込もうとあの手この手を施します。
国家の唯一国教になることは統治者の一部になることでもあります。
統治者は全社会の安定化を際限なく追求します。
その追求は動物本能ベースであるが故に、思考と行動が単純で直線的になります。
僧侶たちはカトリック(普遍的)の名の如く、帝国圏内の住民すべてを
カトリック教徒にすることを志向しました。
それを神の御旨に沿う使命だとか神学的にもいろいろ理論づけて働きました。
ちなみにこれは国家や地方自治体や企業においても同じで、
統治権を握った側の人間は自然にそういう行動をとります。
当時ローマ帝国の統治地域は欧州からアフリカ、小アジアにまで及んでいました。大帝国です。
後に東西に分裂すると、カトリック教団のテリトリーは西ローマ帝国に縮小する。
とはいえそこは現在の欧州大陸と英国の南半分を含む地域であって、
広大なことに変わりはありません。
このときの教団の意識状態についてはたとえていえば今日の遊園地ディズニーランドを
想像したらいいでしょう。
この土地の内部は、ウォルト・ディズニーの夢、哲学、思想一色でデザインされた
ディズニーの世界になっています。
カトリック教団も、全欧州を文化的にも風俗的にもカトリック・コンゼプト一色でデザインされた、
カトリックランドの建設を目指したのです。
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