鹿島春平太チャーチ

「唯一の真の神である創造主と御子イエスキリスト」この言葉を“知っていれば”「天国での永生」は保証です。

5.韓国の「ハヌニム」と「ハナニム」

2019年05月23日 | 西洋を知る基督教再入門

 

 

韓国語(ハングル)には、昔からハヌニムという言葉があります。
「ハヌ」は「上方に、空に」、「ニム」は「拝べき方」という意味で、ハヌニムは「空にすむ神様」となります。

韓国の人々は長年、「空の神様」というイメージの神概念を持ってきたわけです。

 
 
<ハヌニムは創造神の神イメージか>

この「ハヌニム」は宿物神イメージでしょうか、それとも創造神イメージでしょうか?

空は広大な空間で、晴れた日にはどこまでも青く澄み通っています。

これはもう物質ではないのでは?
そこに宿っておられる神は創造神なのでは?

~そう思いたくもなります。

だが筆者は、これまで物質とは、「五感で認知できるもの全て」としてきています。
空は目で認知することが出来るので物質です。

そこでハヌニムもまた、物質の中に宿っている神、という宿物神イメージの神となります。

実際、空は空気でできていて、空気は酸素や窒素などの物質で構成されています。
物理学的にもやはり、物質なのです。


 
<五感で認知できないものを総称して「霊」という>

ちなみに筆者は「五感認知が出来ないモノ」の総称を「霊」としています。

五感で認知できないですから、それが「存在することを」100%肯定したり、100%否定したりはできません。

見えないのに~存在してるかも知れないのに~「そんなもの存在しないよ、笑わせるな」といったらおかしいですからね。

つまり、存在する可能性もあるから、それを霊と名付けておこうというわけです。
これについてはまた、詳しく語ります。



<聖書の創造神との混同を避ける工夫>

聖書のハングル訳書は一九世紀に、中国にいた米人宣教師のグループによって中国で作られ、韓国(朝鮮国)に導入されたそうです。

筆者の聞くところでは、長老派を中心とした宣教師チームだったそうですが、訳書作成に際して、ゴッドをどう訳すかが大課題になったそうです。

上記のように、韓国には昔から、ハヌニムという言葉がありました。

この「空の神様」という概念は広大な空間イメージを持っている。これをもって聖書のゴッドの訳語としよう、という案も出ました。

ハヌニムに創造神という意味も持たせようというわけです。

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だが、反対する訳者もいた。

それだとゴッドは、昔からあるこのハヌニムの意味だと受け取られる危険が大きいと主張したのです。
 
聖書における「万物の創造神」のイメージは、「空」をも、また、そこに宿るとイメージされる神様をも創造した超巨大な神イメージです。

ハヌニムなどとは比較にもならない別物だ。



結局、翻訳者たちは創造神の概念を直接示すために「ハナニム」という言葉を考案しました。

創造神という神イメージに、昔からある宿物神イメージが侵入しないように、先手を打った。

そして当時の李氏朝鮮国に、ハナニムという新語をゴッドに当てた韓国語聖書をつくり、導入しました。

「ハナ」は韓国語で「最初の」という意味を持っていました。

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日本でも「ハナっから(最初から)問題にならない」などと言いますよね。

もしかしたらこれは朝鮮語の語源から来ているのかもしれませんね。

が、ともあれ韓国では創造神の概念を示す言葉として、独自に「ハナニム」という言葉が造られている。
~これは大切なポイントです。



余談です。

その結果、現在韓国の社会には、ハヌニムとハナニムという、音韻的には非常に似ている二つの語が併存しているそうです。

かつて私のゼミナールにキム君という韓国からの留学生がいました。
彼から面白い話を聞きました。

韓国語の国歌には、「ハヌニムが我らの国を守る、云々・・・」といった歌詞があるそうです。
小学生時代に学校でこれを歌うとき、よく「ハナニム」と間違って歌った、という。

韓国ではクリスチャン人口比率が高く(30%ほどか?)、聖書語のハナニムも結構普及しているそうです。
だから、ちゃんと「ハヌニム」と歌うのに神経使いました、といっていた。

彼はクリスチャンホームの息子でした。

+++

かといって、七割近くはクリスチャンでないわけで、彼らにも感情移入してもらうためには、やはり昔からある「ハヌニム」で行くべきだ。

~戦後独立した韓国では、国歌作成者たちはそう考えたことでしょう。 


(続きます)

 

 

 

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