週刊碁ブログ

編集・整理班が紙面にはできない小ネタを語ります。読んでも、たぶん強くはなりません。

スポーツアコード チェスの多面打ち

2011-12-19 15:00:00 | 編集・森本(東京・獅子座)
Vladislav Artmyevさん(13)さんは、大会の前に行われたチェスのインターネットトーナメントの優勝者です。



Vladislav Artmyevさんによる30面打ちが行われていました。



Vladislav Artmyevさんは6歳でチェスを覚えたといい、8歳で地域のこども大会で優勝したといいます。昨年はFIDE マスターの称号を得ました。



対局の後はチェスの表彰式に多面打ちの参加者が集まり選手と記念撮影をしていました。
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スポーツアコード 囲棋天地訪問

2011-12-19 09:00:00 | 編集・森本(東京・獅子座)
スポーツアコードが閉幕しました。
今週発売の週刊碁(12月26日号、19日発売)では速報として大会の概要を紹介しています。
幽玄の間で生中継されておりましたので、棋譜はあります。
今週号は古力九段―崔哲瀚九段九段の一戦です。

特集は26日発売号にて行いますが、このブログでは大会のこぼれ話や、中国での体験について少し触れていくことができればと思います。


中国で出版されている囲碁雑誌「囲棋天地」を訪問しました。



ここは、中国でも数少ない碁会所になっています。



そしてここには藤沢秀行記念室が併設されています。



このときは、孔令文六段の案内により、小県真樹九段と坂井秀至八段と訪れました。

展示品を見る坂井八段



藤沢名誉棋聖のゆかりの品々が展示されていました。



講評を書き込むために使っていた筆記用具



藤沢名誉棋聖揮毫の盤



宮本直毅九段揮毫の盤



全体の様子

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難解な〝お題〟

2011-12-19 03:44:50 | 整理・小瀬村(神奈川/蟹座/卒業生)
タイトル戦は本紙の花。棋士の先生方はもとより、観戦記者の皆さんや、
本紙にたずさわるスタッフでもタイトル戦の仕事は緊張いたします。

棋譜が命とは前にもブログで書きました。棋譜を通して棋士は命を削った姿を
ファンの皆様に伝えます。記事とか写真とかは肉付けの部分です。
(書き方が重くなったので軌道修正……)

本紙で、タイトル戦の前には「注目してください」と直前特集を組み、
その後には「どうでしたか?」と振り返る記事を掲載するのは、編集の
とても大切な〝定石手順〟。棋譜が命とは申しましたが、棋士のヒュー
マンな部分に迫るこの〝定石〟は毎回整理の腕試しでもあります。
プレーヤーが言葉で語ってくれた心中を、読者の皆さんにどう伝えるのか。
そう、見出しが大変だったりします。

今週の棋聖戦の「意気込みを語る」は私がレイアウトを担当いたしました。

まず、編集マンが企画し、棋士(今回は高尾紳路九段)と書き手の方や
カメラマンにスケジュールを手配。実際の取材や撮影は、掲載の都合と
皆さんの都合を両ニラミしながら行われます。
原稿や写真を受け取る整理は、掲載号発売の前週が作業の週になります。

編集さんと打ち合わせは軽く。レイアウトのイメージや、メイン写真の選定に
意見がある場合はそれに沿って組みます。
えっと、メイン見出しを先にくださる方もいらっしゃいますけど、
それは原稿書いてからでいいですよ。(笑うところ)

実作業に入ります。行数は「これくらいでまとめて」と書き手の方に伝えて
いるはずですが、どうしても前後は発生するので(仕方ありません)、
この行数のアマいカラい(多い少ない)を図ります。

次にメインの写真を決めます。
僚誌の月刊碁ワールドは印刷の線数(ドットの粗さ細かさ)がいいので、
撮影には彼ら編集の意見が濃厚に入ることがあります。「張栩の本音」の回が
そのパターンでした。いつもありがとうね^^

(新聞は100セン、雑誌は133センと聞いています。雑誌の表現力はずいぶん
向上しているように思うので、私の知っている数字は古いかもしれません)

今回は室内でお話をうかがいながらの撮影だけでした。天気が悪かったかな?
あらら、被写体の先生の後ろも真っ白でさびしい限り……。

そこで、思いついたのは「吹き出し」。過去、本紙で吹き出しを使っているのは
たいていは私です。でも、1面のメインでやろうとしたのはさすがに初めて。

組みあがりました。さあ、編集室騒然です。(けして大げさではないです)
初校から、実際に刷りあがった「張栩 待ってろ」でした。

このメイン見出しは、通常の場所に通常のスタイルでハメ込むのは、
レイアウトの次元での定石。4文字から6文字。駅売りを前提にしているので、
スポーツ新聞みたいですね。この文字数で考えます。

問題は一つ。高尾紳路先生がそのものずばり「待ってろ」とは言っていないこと。
ダメじゃんと思った方、その通り。当たり前ですが、ご本人は言葉を控えます。
そうは思っていても、そうは絶対言いません。インタビュワーが言葉を引っ張り
出せればいいのですが、紙面向きな内容はなかなか言ってもらえません。
そういうものです。

その昔、高川秀格先生が坂田栄寿先生との本因坊戦での対決を前に
行われたインタビューで「十年待った恋人」という言葉が出てきました。
これ、実はインタビュワーのものです。高川先生は「そうだね」
くらいに相槌を打っている。編集の裏ワザですね。(棋道誌参照)

さて、ん十年も昔の先輩たちの仕事はさておき、われわれはどうするか。
「張栩 待ってろ」が大外れではない。私も原稿を読んで組んでいるので、
まるでないものを作っているわけではないです。読んで〝要するにこういう
ことかな〟と作ったわけです。紙面として勢いをつけたい意味もある。
(個人的には、その勢いとやらがクセモノだと思うのですが)

編集長や先輩が、慌てています。私も編集室をかき乱したいわけじゃなくて、
「おー、いーじゃん」と言ってもらいたいのですが、力及ばずスイマセン。
上司は、朱字でどうにか直したいのですが、〝吹き出し〟という〝お題〟が
邪魔して対案を出すのが難しくなっています。さりとて「吹き出しを止めちゃう
のもさみしいね」とは言ってもらえたので、やった甲斐はありました。
例えば、吹き出しを止めて「胸を借りる」。立派な一手です。

(こうやってメインを直すと、挑戦者の「高尾」九段、挑戦を受ける「張栩」棋聖、
その戦いの舞台の「棋聖戦」、そして「直前特集(であることを示す言葉)」の
単語をサブ見出しに散らして構成し直さないといけないので、これも難儀。
最初から吹き出しに〝張栩〟と入れたのはその構成のテクニックのひとつです)

だんだん、力尽きて「これもありか」という空気が流れます。そう、仕事は
この見出しだけではないのです。ワイワイやっていられるもの時間が限られて
います。そこが大事。楽しい時間のようでいて、気を付けないと仕事の持ち
時間がなくなる。24時間は戦えませんです。
(それだけに、難しい〝お題〟を出した私が悪いのでしょうけど……)

結局、編集長からのリクエストを反映させて出来上がり。ゴシックのごつごつ
した書体ではなく、「やわらかくトーンを落としてくれ」、ということでした。
遊びで「幽玄の間」の絵文字が入っているのはご愛嬌。

「これはダメだ、考え直せ」という指示の出し方もありますが、上司や同僚が
朱字で対案を出すのもあります。個人的には考えるのは24時間できるので
「おーすげー」と言ってもらえるものに自ら直したいのですが、スポーツアコードの
速報でレイアウトがうまくいかず、土曜日の降版直前に組み換えていたりしました。

いろいろ感慨深い紙面が宇宙の片隅にまたひとつ出来上がりました。

12月15日発売(12月26日号)のラインナップです。

1面 高尾紳路九段、棋聖戦の意気込みを語る

2、3面 棋戦ワイド・お立ち台(下坂美織二段)

4面 スポーツアコードワールドマインドスポーツゲームス速報

5面 碁界ネットワーク・竜星戦
   スマホで「幽玄の間」(幽玄の間 for Andoroid がリリース詳報)
   菊地正敏さんが中部総本部から入段内定
   長原七段昇段と工藤九段1000勝達成を祝う会

7面 UEC杯コンピュータ大会

8、9面 これぞプロ!・碁の句春夏秋冬・お知らせ(本紙新年新企画、
   NHK新春お好み囲碁対局、新春囲碁川柳展)・さわやか手筋

1譜
富士田明彦三段(北海道)―藤沢里菜初段(埼玉県)

2譜
吉原由香里五段(東京都)―田尻悠人二段(石川県)

3譜
光永淳造六段(岡山県)―孫初段(神奈川県)

4譜
小松英樹九段(愛知県)―鶴山淳志七段(熊本県)

10、11面 中野杯中国遠征・なんでもコーナー

13面 段級位認定コーナー

15面 NHK杯・1分の詰碁

16面 ベスポジを探せ

17面 アマワイド
   秋季関西学生リーグ
   この人に聞きたい(清水三夫さん)

18面 アマの碁いちばん(最終回)・山城宏九段のヨセワン

20、19面 東日本大震災復興支援年末チャリティイベント


【付録】
棋士の本棚は隔週掲載なので今週はありませんが、本紙の連載が
はじまって、身構えてくださっている先生がいらっしゃるそうです。
ん、オレにも取材依頼が来るかもな、って。

今週の1面でご登場いただいた高尾先生もそのお一人とのこと。
佐野真さんに聞きました。そうしたら、青葉かおり四段に「先を
越されてしまった」そうです。

三国志あたりは何人にも猛烈にカブることが予想されるのですが、
「ティファニーで朝食を」でカブるのも感慨深いですね。

さて、高尾先生がご登場されるのはいつかは聞いておりません。
棋聖戦のあとになるかなーとは私個人の予想です。

私の一冊に何を出してくださるのか、今から楽しみですね^^
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