福谷章子のまちづくり

さまざまな役割を持ちながら暮らす中で、日々出会い触れ合う人々、街、文化、自然、出来事についてつづります。

高さ制限について

2012年01月06日 | 都市問題

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 今、千葉市では高度地区の見直しを行っています。

市民意見も聞いています。

http://www.city.chiba.jp/toshi/toshi/keikaku/pub_com/231201ikenbosyuu.html

      

 高度地区制度というのは、建物の高さを制限する制度です。

今までも千葉市内には建物の高さを制限している地区はありますが、斜線状に定めているため、土地が広くて境界から離れて建設する場合には、無制限に高く建てられるに等しいような状況です。

計画的に高層住宅エリアとして計画されているのであれば、それなりのスペースも確保されていますが、低層住宅地にぽっかり空いた土地に、後から高層ビルが建つ場合は日照の問題などトラブルも発生します。

したがって、隣接する低層の住宅地の住民との調整が難しく、中高層条例がありながらも、マンション紛争は耐えることがありませんでした。

    

 おゆみ野地域でもそんな事態が相次ぎ、2007年3月には市議会に出された陳情が常任委員会で全員一致で採択されています。

その時のことは、以前の日記でもお知らせしていますが、再度、このブログの最後に転記しておきます。

    

 このように、議会では陳情を採択し、その後の質問でもたびたび無秩序な高層マンション建設の問題や、中高層条例による斡旋や調停が今ひとつ機能していないことなどを指摘してきました。

そこで、千葉市でも検討を重ね、このたび最高高さ制限を設けることにしたのです。

国道(14号357号16号)を境に、用途地域によって、高さの制限を海側が31m、内陸部を20mとするものです。

低層住居専用地域は現状でも10m以上は建てられないので対象外です。

また、商業地域や近隣商業地域、工業地域なども対象外です。こちらは逆に高層施設の建設を可能にすることにより、経済の活性化を図るためです。

     

 ところが、昨年市がこの計画を示した際に、意見が分かれました。

考え直してほしいという声がいくつか寄せられたのです。

そこで、市では再検討をし、既存建築物の建て替えに関しては現状の高さまでは認めるなどの特例措置を設けて今回の再提案となったものです。

   

 しかしながら、今議会に、高さ制限に反対する請願が出されたのです。

この請願は、今回の常任委員会では採択されず、継続審査となりました。

   

 さて、このような状況になり、これからの都市のあり方、魅力的な都市づくりについてのコンセンサスが議会で取れていない・・・と感じています。

高層建築物を否定するのではなく、秩序ある街並みとして建てられているかどうか、近隣と良い関係でコミュニティ形成ができるのかどうかなど、奥深く孕んでいる課題を見通さねばならないと感じます。

       

 人口が減少していく中で、豊かに暮らすとはどんなことか。

千葉市が誇る豊かな自然を、どんな風に残し守っていくか。

高層化を進める地区をより魅力的にするにはどうしたら良いか。

そういったことを議員同士がもっと議論し、千葉市としてどんな魅力や価値を生み出していくかを考えるのが、議会の役割ではないかと感じます。

秩序ある街並みを作っていくためには、市として制限をかけることが必要である・・・ということを議会としても主張し、市民のためにもここは、市の後押しをすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

   

【アーカイブ 2007年3月2日の日記】

今日は常任委員会です。
審査は午前10時からで、補正予算や議案が計11件、請願1件、そして陳情2件が本日の案件です。
その中の陳情2件が、今おゆみ野で大きな問題となっている、新日鉄社宅跡地に建設予定の18階建てマンション「おゆみ野プロジェクト」に関するものです。

さて、委員会室に近づくと、廊下の両脇にはハチマキ姿タスキがけの見慣れた顔が大勢詰めかけています。
入室する議員それぞれに「お願いします!」と。
委員会室の中では、ありゃ何事だ?とか、こりゃパイプライン以来だなあ~とか、委員の皆様方が口々に仰り、住民パワーに、驚かれているようです。

千葉市議会の常任委員会は傍聴できないので、こんなことになってしまいます。本当は入室して傍聴して頂くと良いのですが、場所の都合なのだそうです。

さて、議案が多かったこともあり、審査はお昼の休憩後になりました。
審査が始まる頃には、住民の皆さんはお帰りになっていましたが、熱い思いが伝わったのでしょうか、全員一致で採択されました。
心のそこから嬉しくて、熱いものがこみ上げてきます。
しかし、これで計画が即座に白紙になるわけでは無く、解決したわけでは無いのです。
少なくとも、議会としては
「この計画は認められないので、大幅な計画の見直しと、新しいルール作りにむけて検討すべき」
という考えを示したことになります。

さて、参考までに、本日の都市消防委員会で出た意見を覚えている限り書き連ねてみますと、以下のようになります。
千葉市議会、なかなかですよ。
政治を諦めなくて良かった!私は地域の応援団になれた!という思いを実感しています。

☆ この計画は、住民の皆さんが20年間大切にしてきたまちづくりを壊すような計画である。
☆ この街ができた当時のコンセプトが伝わっていない。市はそのことをもっと認識して積極的に関わるべきである。公団任せにしてはいけない。
☆ 現地を見てみたが、あの場所は、こんな規模のマンションを建てるようなところではない。
☆ 街開きの頃からこの地域を知っているが、景観が美しい地域である。マンション建設によって景観が損なわれるようなことがあってはならない。
☆ 市が計画を知りえた時には、たとえ住民に公表できなくとも街の様子や市の理念を伝えるなどの指導力を発揮すべきであり、そういった働きかけをすることで、事業者の姿勢を変えさせることにつなげて欲しい。
☆ 基準法では認められない規模の駐車場が必要なほど、戸数が多いめちゃめちゃな計画ではないのか。事業者に対して指導の余地は充分にある。
☆ 施設の規模だけの問題ではない、コミュニティの問題を孕んでいる。新日鉄の社宅であった時は、全員がすずかけ街の会員となり、すずかけ街の人たちと一体となってコミュニティを形成していた。しかし、このようなトラブルに至ると、今後のコミュニティ形成にも影響がある。そんなことに思いも及ばず売り抜けするような事業者によって、無責任に建てられることは、認められない。
☆ まだ指導や話し合いの余地は充分にある。住民の皆さんの街づくりにかける思いを後押しするためにも、この陳情には賛成したい。

ガンバレおゆみ野 フンバレ千葉市! ファイト!!
     
       


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