この週末は、子ども主役の二つの会を参観しました。
土曜日は子ども議会、議員は4月15日発行の市政だよりで公募しました。
公募といっても市政だよりを見て直接申し込むというより、ほとんどは学校経由の自薦他薦と聞いていますが、66名の大所帯です。
昨年は、小学生もいましたが今年は中高生に年代を絞り、議論をより深めていこうということでしょう。
大会議室で市長のレクチャーを聴いた後、6つのグループに分かれて話し合いが行われました。
今回は区ごとに分かれて、地域課題から千葉市のことを考えていこう・・・というもの。
東日本大震災の体験から地域のつながりが見直されている中、一つの大切な視点かもしれません。
今後は、7月28日の本会議に向け、区ごとに身近な場所で話し合いを進めるとのことです。
学校を飛び出して活動することにも意味がある子ども議会ですから、子どもたちの視野をより広げるためにも、そして行政の子どもたちへの理解を進めるためにも、区役所と連携して取り組んではと思います。
たとえば、緑区は区の基本計画にこどもの参画を取り入れているのですから、そのこともプラスになるのではないかと期待します。
日曜日は、こどもの力ワークショップ成果発表会。
こちらに参加した子どもたちは、日頃から交流館に足を運んでいる子どもたちが多く、またワークショップという性質から15~6人の少人数です。
自殺予防のパンフレットを作成するために8回のワークショップを重ねてきました。
私は、そのうちの2回に参加しました。
命の電話に関わっている方から自殺に至る科学的なお話を聞くという、ちょっと難しいワークと、実際に自殺未遂を経験した方から直接お話を聞くというワークの2回です。
子どもたちが自殺のパンフレットを作成することについて、懸念を表明された方もありました。
子どもにそんな深刻なことを考えさせるのか、というご意見や、あるいは寝た子を起こすのではないか、という心配をされているようでした。
しかしそれは大人特有の思い込みであったようです。
今回のワークショップを通じ、子どもたちは命の大切さと人と人とがつながっていることの大切さを感じとってくれたようで、ステージの上でもそのことを訴えていました。
この貴重な体験を共有できるよう、言葉とパンフレットにしてくれたことに感謝です。
さて、千葉市のこどもの参画の取り組みですが、導入過程終了です。
子どもたちが発する声を公的に受け止める機会とは、どのようなものか。
それをモデル的にさまざまな形で実現するというのが、この2年間のこども参画の取り組みではなかったかと思います。
今回の成果発表会には今までになく多くの大人の参観がありました。
今後は、それぞれの地域に持ち帰り、子どもの声に耳を傾ける取り組みが広がることを願います。
ただし個人が発する声は、子どもでも大人でも、独りよがりであることも大いにあります。
子ども議会にしろ、こどもの力フォーラムにしろ、なぜ子どもたちが大人たちも考えさせられるような意見を言うことができたのか。
それは、たっぷりかけた時間、子どもにわかりやすい情報提供、そして共に過ごしたさまざまな立場の大人との信頼関係があったからではないかと考えます。
子どもの感性は限りなく豊かですが、それを思考にまとめ言葉にするには、手間暇がかかります。
子どもの意見表明が置き去りにされてきたのは、社会が忙し過ぎて余裕がなかったからかもしれない。
そういったゆとりが持てる社会こそが、成熟社会、大人社会と呼べるのではないでしょうか。