八濱漂泊傳

ダラシナイデラシネ記

清潔は病気だ!

2012-02-02 21:16:02 | イケン!

 

80年前後、

京都に 伝説の浮浪者 がいた。

 

その名を 河原町のジュリー  という。

 

1980年前後に京都で生活した人ならば

みんなが知っていた有名人である。

 

河原町に出かけて、

河原町のジュリー に出会ったったなら・・・・

 

その日は 幸せな一日となる! と喜んだものだった。

 

 

冬のある日、

河原町のジュリー は、

京都市の職員に保護されて風呂に入れられてしまった。

 

長年、身体を包み込んでいた垢(あか)を

すべて洗い流されたあげく、

再び凍てつく路上に放り出されてしまった。

 

数日後、

 

河原町のジュリー は、風邪をこじらせ

円山公園の山鉾の倉庫下で凍死した。

 

冬の京都の、哀しい出来事。

 

身体を守る垢を洗い流されたことで

彼は完璧に免疫機能と自己治癒力を失った。

 

残酷で、やりきれない出来事。

 

京都新聞は彼への哀悼を報じ、

街では、有志によって追悼式がおこなわれたという。

 

 

ほんの少しでも、

京都市職員に彼の生きてきた環境を

理解する想像力があったならば・・・・

 

こんな悲しいことにはならなかっただろう。

 

清潔の押しつけである。

 

清潔は現代日本人のノイローゼである。 

 

清潔は病気だ!

 

 

その昔、

ジュリー、ショーケン、井上堯之 等で結成した

PYG というバンドの深刻な名曲 『花・太陽・雨』 があった。

 

  

   よろこびの時 笑えない人

   色のない花 この世界

   春の訪れのない私の

   この青春に問いかける

 

   憎しみだけの 逆さまの愛

   水のない雨 閉ざされた

   暗やみの中での私の

   この青春に呼びかける

   ・・・・

 

この名曲を

河原町のジュリー に捧げたい。

 

 

 


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