八濱漂泊傳

ダラシナイデラシネ記

児島半島宮浦に墜落したB29

2014-05-12 23:31:52 | イケン!

 

1945年6月29日、 

テニアン基地を発進したB29爆撃機約141機は、 

同日未明、岡山市街を無差別爆撃した。

 

市街地の73%を焼き尽くし、

Okayama_063a

 

非戦闘員である市民1,737人を大虐殺した。

Okayama_after_the_1945_air_raid

 

実はこの時、1機のB29爆撃機が

機体番号44-61573、第58航空団468所属) 

児島半島宮浦、金上池近くに火を噴きながら墜落し、

乗員11名が命を落としている。 

  

Aimg_2933

 

子供の頃、

飛行機マニアだった私はこの話を聞いて、

B29の残骸を拾いに行こう!と興奮した記憶がある。

 

Aimg_2884

 

事故の後、宮浦の村人たちは、

バラバラに散った米兵11名の遺体を集め、

山腹に埋葬し、十字架の墓標を建てた。

 

Aimg_2887

 

その十字架を訪ねようと、

ヒマコとふたりで山を登った。 

Aimg_2926

 

今では登山道に、わかりやすい看板が

設置してあるのでありがたい。 

Aimg_2899

 

墓標へはすぐにたどり着けた。 

劣化して縦半分に裂けたコンクリート製の十字架は、

年月の重みをズシリと伝えてくれる。

Aimg_2909

 

十字を切って、神妙に手を合わせて黙祷すると、

藤の花に集うクマンバチの羽音が、

B29の機音のように聞こえてくる。

 

戦後、

アメリカ進駐軍は宮浦の村人に大変感謝し、

B29乗員全員の遺骨は本国に帰還されたという

 

空襲での犠牲者と、

戦死した米兵の命を考えながら、

 

戦争はつくづく愚かなことだと、

心底理解するまでずいぶん時間がかかったなぁ・・・と、 

金上池から児島湾を眺めながら思った。

Aimg_2889

 

それにしてもまた、

墓の好きなやつ! と言われるんだろうなあ。

 

でも、

 

生きている人間よりも、

死んだ人間のほうが、

いろんなことを教えてくれるのは確かだ。

 

生きている人間の言う

「豊かな未来」には気を付けよう。

 

欲望を煽りながら、

自然環境を、誰かを、記憶を、心を、何かを・・・・

犠牲にするトリックが仕組まれている。

 

 


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
それでも、生きている人間にしか、私たちは依拠す... (ほほいのほい)
2014-05-18 19:21:15
それでも、生きている人間にしか、私たちは依拠することができないのでがないと考えます。死んでいる人間は、教えてくれます-八紘一宇とか-が、それを実践するのは、生きている人間に他ならないのですから。たしかに死んでいる人間は、いろいろなことを教えてくれますが、それでは、小林秀雄ではないですか。
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死の境地から生を見つめるまわりくどい癖みたいな... (takahara)
2014-05-20 01:21:21
死の境地から生を見つめるまわりくどい癖みたいなものがあって、ついついこうなるのですが、、、小林秀雄・・・・
 
刺激的なヒントをありがとうございます。
返信する

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