八濱漂泊傳

ダラシナイデラシネ記

東京遊行

2014-09-30 11:59:43 | イケン!

 

NHKドラマ「みちしるべ」

(83年 プラハ国際テレビ祭グランプリ受賞)

 

ワンボックスカーで自炊・車中泊しながら

九州を旅する老夫婦のストーリー。

 

病気の妻(加藤治子)と

夫(鈴木清順)が熱演した記憶に残るドラマ。

 

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旅の途中、借家を見つけて

妻: 「ここに住んでみたいわ!」

夫: 「ここに住んで昔話ばかりして暮らすのか!」

という場面では、ヒマコとふたり笑った。

 

この会話のシーンに、

日本の老いに対するアンチテーゼが凝縮している。

 

老いの現実を停滞した回帰の視点で捉えることは、

年金制度の弊害かもしれない。

 

年金制度とは、お金の再配分の規定である。

心通わぬ事務的な数字のルールは、 

知らず知らずのうちに人間の暮らしを

金の定規で計る愚に陥ることもある。

 

そして、

その年金制度はすでに破綻している。

 

そもそも、

老いとは、死を待つ準備状態ではなく、

生きる進行形ではないのか?

 

進行形の生きる定規で老いを計れば、

すばらしい暮らしをしている高齢者を

たくさん発見できるだろう。

 

金の定規だけでなく、

各々の生きることに視点を据えた

社会福祉のあり方もあるのではないか?

 

あらかじめ国家にプログラムされた、

生まれてから死ぬまでのプロセスを、

ただただなぞって生きる規定演技には

強く疑問を持ちたい。

 

人生が形骸化してしまうからだ。

 

暗示的に、

NHKドラマ「みちしるべ」は、私に影響を与えている。

 

そんなことを考えながら、

この9月は、久々の東京行き。

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新幹線や飛行機に乗って、

距離の価値を時間の価値にかき消されたくないので、

NHKドラマ「みちしるべ」よろしく、

必然的にワンボックスカーで東京遊行。

 

ヒマコと川面をながめて暮らし、

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ヒマコと海をながめて暮らし、

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ヒマコとお仕事もこなし、

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ヒマコと食糧を調達しながら、

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長い車中泊生活で、

いろんなことが充電できた。

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けれど、

資本主義のクライマックスを迎えるニッポンで、

 

私も、ヒマコも、

果たしてどこへ進行するのやら?

 

 


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