俳句下手はアルコールで治すべし蛇笏の忌 いつかどこかでガリレオ・ガリレイ九月尽 どしゃぶりの秋の雨の中私はひとり(和田アキ子「どしゃぶりの雨」) 孤独のグルメで孤独でなくなる月明かり(テレ東系でサラリーマンに爆発的人気) かかしのように/フラメンコのように/私が/突っ立っている 桐生選手は初恋の人体育の日(十代の百米日本記録保持者。独特の風貌)
にんげんの儚さ秋の蚊の飛び交へり 日本一長いトンネル秋来る 青大将秋麗といふこと静もれり(改作) 秋気満つアルベール・カミュの「最初の人間」 敬老の日のメンソレターム蓋開かず 《続く》
もう午前4時半を過ぎた。昨日の夕刻から引越元のヤフーブログに政治記事を書き続けている。もう10件近くになっただろうか。そろそろ打ち止めにして本来の日記や俳句に移らなければならない。水曜夜に借りてきた2本のビデオもまだ1本残っている。アルベール・カミュの未完遺作【最初の人間】である。60年代にはカミュはその【不条理の哲学】をもって世界の思想的寵児であったが、現代では不条理と条理の逆転現象が起こりそれほどの人気はない。カミュにとって「最初の人間」とは幼少時の確固とした家族との絆を持った人間のことである。代表作『ペスト』で人間の連帯という大きな共同性を描いたが、ここでは家族の一体性という小さな共同性を描こうとした。人間は決して一人では生きられない。だからこそ時には一人で苦悩し、己の存在と格闘する。カミュは現在も多くの場面で【私という人間】の生きてゆく指針を示してくれる稀有な存在であり続けている。 アルジェリアの太陽と私が死んだ秋の海 まほろば