まほろば俳句日記

毎日見たこと聞いたこと感じたことを俳句にします。JーPOP論にチャレンジ。その他評論・エッセー、学習ノート。競馬も。

物言はぬ鳥/新雑句雑感(40)~プロローグ5の始まり

2015-12-28 06:00:50 | 新雑句雑感
年移る私の影を消してゆく  年の瀬の身は繕はず抗はず  年送る餅は餅屋にゆだねられ  カウントダウンツリーもタワーも揺れ続く  年越蕎麦越せぬ月日の茫とあり  物言わぬ鳥完璧に年越せり  小晦日猫たるものの飢ゑはじむ  数え日や人類滅亡教いまも  年詰まる超常現象頻発す  煤払い尽し誰もが黙しけり  

アルミホイール/新雑句雑感(39)~プロローグ5の始まり

2015-12-28 05:17:33 | 新雑句雑感
クリスマスパイプ一本転がれり  二〇世紀少年全十三巻クリスマス  アルミホイールにくるまれてゐるクリスマス  紀元後のバブルの続くクリスマス  青春の過剰といふことクリスマス  わが町の富士見通りの冬霞  走り出て醤油臭きや寒夕焼  屋上より身を投じたる冬の虹  山眠るグラウンド一周また一周  枯野道ホースで水をぶち撒ける  ズームレンズ絞りに絞る大枯野  涸れ滝をカラス無心でよぎりけり  涸川に杭を何本打つのやら  

聖夜劇/新雑句雑感(38)~プロローグ5の始まり

2015-12-24 08:48:02 | 新雑句雑感
クリスマスケーキ無きまま帰宅せり  贈られて贈るあてなしクリスマス  孤独とは一行加え聖夜劇  孤独死と孤高の違ひクリスマス  松島に聖樹をもとめ芭蕉めく  クリスマスツリー極大ってどのくらい  クリスマス何を畏れて一人なる  特上寿司にケーキを添えて降誕祭  フルコースむかし食べしよ降誕祭  ベツレヘム死屍累々と聖夜待つ    

どうにもならぬこと/新雑句雑感(37)~プロローグ5の始まり

2015-12-23 05:31:51 | 新雑句雑感
煤払い一日持たず燻み出す  煤逃やスピード違反激増す  孤独死はまだまだ先と煤払い  あをあをと己れを磨く煤湯かな  煤竹のしなる青さに見取れをり  リサイクルごみばかりなり煤払い  シェアハウス終の棲家の煤払い  ワンルーム仏壇の煤払ひけり  煤逃げのゲーセンここも煤だらけ  どうにもならぬことから先に煤払い

日本の空/新雑句雑感(36)~プロローグ5の始まり

2015-12-23 05:08:00 | 新雑句雑感
ふるさとは心の中に大根洗ふ  掛大根掛けし父母もうおらず  懸大根一本まるごと食べてみる  冬耕の空とはかくも遠きもの  干大根干されて日本の空うごく  頭のどこか溶けてしまいぬ冬の雨  虎落笛ジタバタしてもはじまらぬ  寒晴や日焼けサロンの黒き空  柚子湯出て天皇誕生前夜祭  冬服に人生の機微滲み出す  自己破産通知冬服の積まれをり(長兄がバブル倒産)  夢に母現れて丹前手を入れず