鑿壁偸光 漢字検定一級抔

since 2006.6.11(漢検1級受験日) by 白魚一寸

間違った音問題を、「漢字音符字典」で復習する

2008年06月29日 | 20-1(第46回)

1 紅裙 ×こうきん ○こうくん

 君の音符字は、・裙・・窘赤字は常用)の5つです。1級漢字では、今回の裙は初出だと思いますが、窘は、何度も出題されています。

音 困窘(こんきん)16-2Y
訓 窘(くる)しむ11-3Y 14-2Y 17-1Y
  窘(たしな)める10-2K 19-2K

 窘は、過去問に何度も出題されているため、daisaku様と同じく、窘(キン)に引き摺られてしまいました。

 「音符字典」(「漢字音符字典」を以下このように略します)に拠ると、君の音符字で、キンと読むのは、窘だけです。裙は、君(クン)と同じに読んでおけばよかったのです。音符と同じ読みをする不腆(ふてん) の腆 18-2Y 、婚娶(こんしゅ)の娶19-1Yと同じです。「音符字典」の窘(キン)のところにonlyと書き込みました。

2 黔黎 ×きんれい ○けんれい

 黔首(けんしゅ)7-2Y、黔突(けんとつ)10-2Y・12-3Yと出題歴があり、「征服」にも載っているので、リピーターとしては落としてはいけない問題です。

 当初こういう問題を解いたときは、今はキン・コンとしか読まないのに、黔はケンと読むのかと思い、結構印象に残ります。然し乍ら、沢山1級漢字を学習する内に、こういう印象は薄れてしまいます

 「音符字典」によると、今の音符字は9つもあり、一寸厄介です。ただ、ケンと読むのは黔だけですので、「音符字典」の黔(ケン)のところにonlyと書き込みました。

3 糶売 ×ちょくばい ○ちょうばい

 「音符字典」に拠ると、これは、(ヨウ(テキ))の音符字なのですね。は、1級配当外ですが、音符で今後もブログ記事に使う可能性があり、e漢字を使うときは、「大漢和」のコード番号から検索することが多いので、のコード番号28727を「音符字典」に書き込みました。

 の音符字ということが分かっていれば、ヨウ→チョウと類推できたのかもわかりません。また、の音符字11の内、チョウと読むのは糶だけですので、これもonlyと書きました。猶、糶の対義語の糴もの音符字であり、擢(テキ)→糴(テキ)と類推可能です。

4 鶴首≒ぎょうぼう ×遶望 ○翹望17-1K

 これは、以前にも間違い記事を書きました。 音符堯は浮かぶのですが、部首の羽が浮かばない部首間違い病です。そして、今回の直前の学習でも同じ間違いをし、「音符字典」で復習しました。遶は、ギョウとは読みません。また、遶は、見出し語のない漢字ですので、△をつけ、「音符字典」の音訓とも括弧で括りました。△の字は忘れてしまえばいいのですが、また書いてしまいました。嫌な奴ほど、何時までも付き纏ってくる感じです。こういう何回も間違うものについては、別途対策が必要のようです。

5 贅沢≒しゃし ×奢肆 ○奢侈15-2Y

 奢侈は、15-2の文章題の読みで出た後、 16-3Kの贅沢の類義語として、問題文にありました。奢侈≒ぜいたく(贅沢)は、 「征服」の創作問題にもあり、問題文の熟語の方が出題される可能性もあることを指摘しました。にもかかわらず、シの旁が多であることが全く浮かびませんでした。

 「音符字典」に拠ると、多の音符字は、(タ)・(イ)・侈(シ)の三つです。字音は三つともばらばらですが、多の音符字は三つで、タイシと憶えておくと、侈も思い出せるような気がします。「音符字典」は、読み問題だけでなく、書き取りにも役立つと思います。


虻蜂取らず

2008年06月27日 | 20-1(第46回)

(20.7.3 標準解答を見せて貰った。挿頭の許容解答として、簪追加)

間違ったところに書いたとおり、

 (二)
12髪に桜の小枝をかざした。  ×翳 ○挿頭or
13刀を振りかざして賊を撃退した。 ×交 ○

を二つとも間違いました。

 挿頭すは、全く解りませんでした。翳すは、18-2Kでも出題されていたため、漢字は書けましたが、どちらの用例で使用するのか解りませんでした。 18-2Kでは、

刀を振り かざ(翳)して構えた。

で出題されていますので、この用例を憶えておけば解けたのでしょうが、用例までは憶えられません。

 かざし については、「奧の細道」に

卯の花をかざしに関の晴着かな  曽良

 という句がありますので、このかざしはどんな漢字だったかなと考えましたが、わかりません。後で、芭蕉自筆翻刻本を見たら、平仮名でした。

 ということで、結局わからないので、適当に12に翳を書き、13はこれも適当に埋めてどちらも間違いました。でも後で考えれば、どうせ1つしか解らないのですから、両方に、翳すと書いておけばよかったのです。そうすれば2点取れました。こういうことは、受験時代は色々考えたなあと思いました。


本試験得点推移

2008年06月26日 | 目次のような記事

(21.4.8 20-3追加)

 自らの励みのために、18-1以降の得点を書いておきます。尤も、18-1以外は、問題を教えて貰って自宅で解いて、自己採点しているだけですから、いい加減なものです。

18-1 170点
18-2  144点
18-3  175点
19-1  169点
19-2  177点
19-3  172点
20-1 182点
20-2 178点
20-3 179点


大纛は、「だいとう」でも「たいとう」でもいい

2008年06月25日 | 20-1(第46回)

(20.6.27 SIMO様、鼈甲様のコメントに基づき修正)


(一)11大纛に扈従して本営に赴いた

 2ちゃんの仮解答では、「だいとう」ですが、SIMO様から、「広辞苑」には、「たいとう」とあると教えて貰いました。手許の辞書で調べますと、

だいとう(6) 「四字熟語」(高牙大纛)、「旺文社漢和辞典」(S39)、「字統」(旧版)、「字通」、「全訳漢辞海」(初版)、「捷径」

たいとう(7) 「大漢和」、「大字典」(旧版)、「日国」、「漢語林」(初版)、「大辞林」、「大言海」、「広辞苑」

 略、拮抗していますので、どちらでもいいのでしょう。唯不思議なことに、「たいとう」でも「だいとう」でもどちらでもいいと書いてある辞書は一つもありませんでした。

 余談ですが、「大纛に扈従」で検索すると、蘆花「不如帰」の用例がでてきます。少しだけ引用しますと、

同十三日大纛(だいとう)に扈従して広島大本営におもむき、翌月さらに大山大将山路中将と前後して遼東に向かいぬ。 われらが次を逐うてその運命をたどり来たれる敵も、味方も、かの消魂も、この怨恨も、しばし征清戦争の大渦に巻き込まれつ。
 明治二十七年九月十六日午後五時、わが連合艦隊は戦闘準備を整えて大同江口(だいどうこうこう)を発し、西北に向かいて進みぬ。

 蘆花は、「だいとう」とルビを振っています。不如帰は、当時のベストセラーですから、百年前は、大纛は普通に使用されていたのでしょう。


間違ったところ

2008年06月23日 | 20-1(第46回)

(20.7.3 挿頭の許容解答 簪を追加)

(一)
紅裙 ×こうきん ○こうくん
黔黎 ×きんれい ○けんれい
10糶売 ×ちょくばい ○ちょうばい
30燠か ×はる ○あたた

(二)
12髪に桜の小枝をかざした  ×翳 ○挿頭or簪
13刀を振りかざして・・×交 ○9-3Y 14-3Y 18-2K

(五)せいせつ不食  ×正節 ○井渫

(六)行器 ×あんか ○ほかい

(七)擺く  ×のぞ ○ひら

(八)
鶴首≒ぎょうぼう ×遶望 ○翹望17-1K
贅沢≒しゃし ×奢肆 ○奢侈15-2Y
この二つを間違ったのは痛い。

(十)多保真は本は巫者の女なりけるが・・・まことにきんかくの雄将とも云うべき・・
×瑾格  ○巾幗10-1Y 13-2Y 18-2Y
(出典 幸田露伴「活羅が妻」 ネットでは見当たりません。「露伴全集」があればなあ)


2ちゃんねるで自己採点

2008年06月22日 | 20-1(第46回)

(21.1.3 2ちゃんねるのリンク先変更)

 今回もいつものように知人から問題を教えて貰ってやってみました。今回から、標準解答は当日配布されず、後日送付になったようです。ただ、困ったときの2ちゃんねる 資格全般板の1級/準1級スレ(22以降)に、合議の結果の仮回答があり、それに基づいて答え合わせしました。その後、標準解答見せて貰ったところ、2ちゃん情報は正確でした。

(一)音読み     17点/20点
(一)訓読み      9点/10点
(二)書き取り     26点/30点
(三)国字       10点/10点
(四)語選択      10点/10点
(五)四字熟語     18点/20点
(五)同 意味     10点/10点
(六)熟字訓       9点/10点
(七)熟語と訓読み   9点/10点
(八)対義語・類義語 16点/20点
(九)故事諺       20点/20点
(十)文章読み     10点/10点
(十)文章書き     18点/20点

計 182点

2ちゃんねるでは今回は易しかったのではないかという意見が多いです。


19-2~20-1の学習 纏め

2008年06月22日 | 私の経験と学習の軌跡

(20.10.26 表題変更)

 19-3の時は記事にしなかったので、19-2 以降の主な学習を纏めます。

1,問題集を解く

(1)「問題と解説」

 模擬試験問題5回分は終え、その後、四字熟語の問題を解き、それから、冒頭の読み方問題を20頁まで解きました。最近の本試験には出題されない旧字体の読み問題(16頁6番)、外国地名・国名・地域名の読み問題(19頁3番)は解きません。

(2)がくぶん過去問題集

 第1回から第12回まで解きました。全部で300×12=3600問です。

(3) 「学然後知不足 教然後知困」(SIMO様のサイト) 最近アップされた閑話の問題以外は、一応全部解きました。でも、復習をしていないので心許ないものです。

2,2冊の辞典を読む

(1)「辞典」

 常用親字欄の音読み見出し語を読んでいます。【略】まで進みましたので、もうすぐ終わります。尚、途中から、常用漢字の訓(表外訓も含む)読みについて、巻頭の音訓索引を見ながら、訓読み見出し語や訓のところに、同訓漢字の個数を書いたり、同訓異議を探したりしています。

(2)「四字熟語」

 準1級・1級配当のものも、全て、「辞典」にあるか照合しました。1級配当について、「辞典」に載っていないものは、「辞典」の当該1級漢字の親字欄外に書きました。 「辞典」の下付語は、以前欄外に全て書きましたので、これで、「辞典」「四字熟語」の見出し語は全部書いたことになり、その都度、見出し語数も書き直しています。

 後は、2冊の辞典からは解答できない過去問( (1)音読み(2)訓読み(3)書き取り)を拾い出して、各1級配当漢字について、三点セットの熟語数を数えようと思います。

3,単語札学習

 19-2以降は、新しく作成した単語札の右下に作成年月日を書いています。うよ(紆余)曲折7-1K、天魚(あまごの2枚だけ作りました。

 いつも携行して、待ち時間などに見るようにはしています。熟字訓は、何度見てもなかなか憶えられません。また、19-3で四字熟語の意味を間違ったので、四字熟語から意味を考えるのにも使っています。表に2文字○○とした熟語と意味、裏に四字熟語と読みなどが書いてあり、いつもは表→裏の順で見るのですが、意味を考える時は、逆に、裏→表と見ています。

4,直前の復習

 ×や△を付けたものだけですが、過去問は4-1~19-3まで全部見直しました。読みは、その他に、「本試験型」・「合格ノート」・「問題と解説」(但し一度解いた問題のみ)・「がくぶん過去問」(第七回まで)の×△を見直しましたが、書き取りは、「本試験型」の第7回までしか進みませんでした。直前の復習を効率的に行うにはどうしたらよいかは今後の課題です。

ブログ作成や読書については、特記事項は特にありません。

今日は、本試験ですね。受験される方のご健闘と合格を祈ります。


音・訓・熟字訓の区別を明記するetc

2008年06月18日 | 直前の学習

読みの直前学習は、×や△を付けたものだけですが、「本試験型」を終えて、次は「合格ノート」です。このTEST9に次のような問題があります。

植物名をひらがなで書きなさい
レ××蕃瓜樹(ぱぱいあ
△××雨久花(みずあおい
×××蓖麻(ひま
×レ×沢鵯(さわひよどり
レレ×三槲(みつがしわ
×××薑黄(きょうおう

1,×・△・レ

熟語の前の

×は間違ったもの
△は正解したが、また間違いそうなもの
レは正解してもういいだろう

と思ったものです。

最近―以前―最初に解いたとき

の順です。沢鵯は、以前はもういいだろうと思ったのに、今回また間違いました。

 どんな記号を付けるかは結構微妙です。正解してもういいだろうと思うものは、以前に間違ったことも全部消し護謨で消してしまって、もう復習しなくていいかどうかという観点で決めようと思います。

 以前正解したところも、消すのを忘れていました。でも、消すのを忘れたから、また復習ができるのですから、宜しいでしょう。蕃瓜樹や三槲はもういいでしょうから、今回は、×などを消します。


2,音・訓・熟字訓の別 

 漢字の横の①~③は、問題集には載っていませんが、

①音読み ②訓読み ③熟字訓

です。この問題は、三つの種類が混じっています。今までは、熟語を見たとき、三つのどれかを考えるのも勉強だと思っていましたので何も書いてありませんでした。

 ただ、植物名だと、どうしても熟字訓ではないかと考えてしまいます。答えがわからないので解答を見て、なんだ音訓読みもあるのかと思いました。まあ、其程忘れてしまっている訳です。

 1級の本試験で、読み問題は、全部で60問ですが、(一)30問、(六)(七)各10問の計50問は、音読み・訓読み・熟字訓の別が明示されています。また、(十)文章題の読み10問は、明示されていませんが、今までの問題を解いた経験では、三つのどれかで迷う問題は殆どないと思います。

 直前復習は、なるべく短期間に多くの問題にあたることが肝要ですから、音・訓・熟字訓の別を記載しておくことにしました。がくぶん過去問題集の読み問題も三つの区別がなく迷いますから、同様に記載しようと思います。


健忘癒えず

2008年06月17日 | 直前の学習

書き取りも、×や△を付けたものだけですが、4-1~11-2まで進みました。以前、書き取り間違い病の諸相という記事を書きましたが、間違える漢字は変わっても病相は同じです。

1、部首間違い病

 首領の けいがん(炯眼慧眼に感服した9-3K ×絅眼 絅の見出し語は、「四字熟語」に衣錦尚絅があるだけで、見出し語一つの漢字です。

2, 音符間違い病

 ちょうちょう(喋喋)喃喃6-3K 15-2K  ×嘲嘲

3, 全く違う字を書いてしまう病

 らんしょう(鸞)鳳集8-3K  ×招

4, 全く字が浮かばない病

 麟角ほうし(鳳嘴鳳觜9-2K

 尚、onlyな訓の書き取りもいくつも間違っています。 今までにも間違ったところですから、数回は解いており、解答を見ると、あ、そうかという感じです。最近は、人の名前、地名、電話番号などもすぐ忘れてしまいますので、漢字だけ憶えておくというのは土台無理な話なのでしょう。


音読みの復習に「漢字音符字典」を使う

2008年06月15日 | 音符が共通な漢字(参考書等を含む)

1, 読みの復習の場所も教材も以前と同じ

 読みの復習は、19-2 と同じく、朝の厠と夜の寝床です。朝は「本試験型」、夜は過去問を4-1から、以前間違って×や△を付けたものだけ見直しています。

2,「漢字音符字典」は便利

 圜冠(えんかん)5-2Yをかんかんと間違いました。{環―王}の音符字で、エンと読むのは他にあったかなと思って、先日買った「漢字音符字典」をひきました。エンと読むのは、圜だけであることが直ぐわかりました。

 以前は、自作の音符別帳面(4冊)で確認していました。この帳面には、一応、音符をア行、カ行・・と分けて帳面に書いて行きましたが、順不同ですぐには音符が見つかりません。そのため、「必携」の1級配当漢字に、音符と帳面の参照箇所を記載していました。音符字を探すには、「必携」で該当漢字を探し、それから帳面4冊から該当音符を探すということで可成り面倒だったのです。この辞典の御陰で可成り効率的になりました。

3、不真性純粋家族

 {環―王}の音符字は、6つの漢字(常用2つ 1級4つ)が載っており、何れの音読みの筆頭音もカンのため、純粋家族と称されています。しかしながら、圜のようにエンと読むものもあり、また、還(ゲン)とも読むのがあり、一つの音読みだけではありませんので、厳密な意味では純粋家族ではありません。

 私は、筆頭音が全て同じ読みでも、複数の音読みの中には別の音読みもあるものは、 「不真性純粋家族」(略して「不純家族」)と勝手に名付けることにしました。{環―王}の音符の下には、純とありますが、その上に不を冠しました。

4,「漢字音符字典」に色々書き込む

 また、見出し語や熟語のない音読みは、出題可能性が低いと思うので、「辞典」でも括弧で括っていますので、この辞典にも同じように付けました。訓については、「意味(訓)の代表的なもの二つ程度」が簡にして要を得て記載されているのですが、見出し語にない訓や、訓義は、括弧で括りました。また、見出し語数を「辞典」に書いていますので、転記しました。{環―王}の1級音符字には次のように記載しました。

 [カン]エン めぐる まるい
寰 カン (天子直轄の領地)
鐶 カン たまき 輪(わ)
鬟 カン わげ みずら

 今後も、苦手な音符字に書き込んでいこうと思います。著者の労作に変改を加えることは憚られますが、漢字の学習法は人それぞれですから、屹度お宥し頂けるでしょう。


国字14問間違う

2008年06月14日 | 直前の学習

 試験日22日の1週間前になりましたので、受験はしないのですが、直前学習に入ります。いつもながら、「征服」の国字から。

  19-1の直前は、11問間違い、19-2の直前の平成19年10月にも、11問間違えました。「征服」の欄外に間違った数を書いてあります。19-3は直前学習をしなかったので、8ヶ月ぶりですが沢山間違いました。

 おおづつ()、いり(は、また間違ったので××

 さこ(は、18-3でも間違いました。間違った当座は憶えているのですが、1年以上経つとまた忘れてしまいます。

 しきみ(はイを、すい(膵)は草冠を忘れました。おろし(颪)は、下と風を逆様にしてしまいました。

 どじょう(こうじ(以前記事にしたのに、非国字しか浮かびませんでした。

 センチグラム(甅)は、旁を里にしてしまいました。センチは厘なのですが、哩(マイル)と混乱したようです。

 他には、いわな()、ごり()、しぼ()る、はばき()、はざま(

 「征服」の問題以外からも出題されるかもしれないので、巻末の国字一覧に目を通しました。


17-3は三点セット広義で196点、狭義で184点取れた

2008年06月13日 | 三点セット3 過去問

(21.10.18  さわら の書き取りはA1→A4へ移動)

 ブログ開設後の18-1~19-3については、三点セット出題頻度を、既に記事にしました。17-3も、調べてみました。

A 狭義の三点セットで解答できる問題

1,「辞典」の1級漢字を含む見出し語、索引にある熟字訓の読み、(三)国字 164点(82%)
 
2,「辞典」の見出し語にはないが、他の1級漢字の見出し語から推知可能な読み 1点(累計165点) 

(一)奸黠(かんかつ16-1Y←奸悪、奸詐、奸商、奸臣、奸佞、奸佞邪智、奸婦、奸物、奸雄4-1Y,大奸7-2K、漢奸、斬奸、佞奸、狡黠、黠鼠9-1Y

3,「四字熟語」の見出し語 10点(累計175点) 以前の記事参照

4,上記1~3以外で、過去問からの再出題及び過去問から解ける問題 9点(累計184点)

(一)寧馨児(ねいけいじ馨香12-2Y=征19頁 (馨は準1級)

(二)障子の組子に さわら(13-2Kが使われている。(1級見出し語にあるが、植物名の書き取り

(八)肥沃⇔こうぶ(荒蕪15-3K=征93頁

(十)
理(おさ)むる5-2Y
禾果(かか
一禾12-3Y=征20頁(禾は準1級)
しが(歯牙16-1K

5,纏め

 小問毎の、上記1+2+3+4=合計(括弧内は、狭義の三点セットで解けない問題)の内訳は次のとおりです。青字にした小問は、全て「辞典」の1級見出し語及び索引にある熟字訓の読みからです。

(一)25+1+0+1=27点/30点(3点 斌斌(ひんぴん)、開(はだか)って、遐陬(かすう)
(二)26+0+0+2=28点/30点(2点 にべ(鰾膠・鮸膠)
(三)10+0+0+0=10点/10点
(四)10+0+0+0=10点/10点
(五)20+0+10+0=30点/30点
(六)10+0+0+0=10点/10点
(七)9+0+0+0=9点/10点(1点 覘望(てんぼう)
(八)18+0+0+2=20点/20点
(九)18+0+0+0=18点/20点(2点 なめくじ(蛞蝓)
(十)18+0+0+4=22点/30点(8点 以為(おもえ)らく胡(なん)ぞぎょくれん(玉簾)・さくふう(朔風)・熊穴に ちっ(蟄)して)

 文章題が8割を切っています。全体としては9割以上取れるのですから、別に構わないと思いますが、文章題で8割を取るには、括弧の中の問題を2点以上は取らなければならないということでしょう。


B 広義の三点セットで解答できる問題 12点(累計196点)

1,熟字訓の書き取り(4点) 
(二)にべ(鰾膠or鮸膠)
(九)なめくじ(蛞蝓)

2, 「辞典」の索引にない熟字訓の読み(1点)
(十)以為(おもえ)らく

3,準1級・常用だけの見出し語新出(7点)
(一)斌斌(ひんぴん開(はだか)って
(十)胡(なん)ぞぎょくれん(玉簾さくふう(朔風


C 広義の三点セットでも解けない問題 4点(内訳 音読み2点、書き取り2点)
(一)遐陬(かすう
(七)
覘望(てんぼう
(十)熊穴に ちっ(
して


見出し語の別表記の学習

2008年06月12日 | 三点セット1 漢検漢字辞典

1, 見出し語確認に有益

「辞典」の見出し語には、表記欄に、別表記のあるものが結構あります。こんな表記はあったっけと思うものは、別表記の先頭漢字の親字欄を参照します。見出し語にない熟語は原則として学習しないという方針ですので、見出し語に無ければ×を付け、見出し語にあれば、レを付けています

2, 見出し語以外の別表記も偶には出題される

 例えば【蹈鞴】(たたら)という見出し語があり、10-1Yで出題されています。別表記として、踏鞴がありますが、踏の親字欄にはありませんし、「辞典」巻末の索引にも載っていません。ただ、踏鞴は、15-1Y 18-1Yで出題されました。熟字訓の読みを19-3から遡って覈べていますが、18-2から19-3までは何れも、見出し語にあり、しかも索引にも載っているものばかりです。見出し語にも索引にも載っていない熟字訓の読みは、18-1Yの踏鞴が最後です。今度出るのは、何時なのでしょうか。

 踏鞴が2回続いたので、蹈鞴はもう出ないかなと思っていたら、19-3Yでは蹈鞴の方が出題されました。漢検の出題傾向は一筋縄では行きません。

3, 一部だけ別表記があると、わからなくなる

 蹈には、「辞典」・「四字熟語」に8つの見出し語があり、蹈鞴=踏鞴、蹈襲=踏襲、舞蹈=舞踏は、「辞典」に書いてあります。また、「辞典」を読むと、蹈む<踏む(踏むの方が蹈むより多義)ですから、これらは簡単な常用の踏で書けばいいでしょう。

 ところが、仲連蹈海・蹈常襲故・蹈節死義・発揚蹈の四字熟語には、いずれも、踏でもいいとは書いてありません。蹈襲は、蹈常襲故の略熟語でしょうから、踏襲がよければ、踏常襲故もいいように思うのですが、「辞典」にも「四字熟語」にも、踏でもいいとは書いてありません。他の四字熟語も同様です。踏でもいいように思うですが、蹈で書いた方が無難なのでしょうね。


ブログ開設して2年

2008年06月11日 | 凡例

1, 憶えるべきことを少なくしてなるべく楽に合格する方法

 私は、合格まで5年も掛かったので、当初、憶えるべきことを少なくして、なるべく楽に合格する方法を書いていこうと思っておりました。三点セットに絞るといっても、過去問全部は、入手困難です。また、「辞典」の見出し語は約42000,「四字熟語」の見出し語は約4000で、かなり重複があるといっても、厖大です。

 そこから更に絞り込み、1級までの漢字約6000字の内、出題可能性の低い漢字・熟語、読みでは出題されても書き取りでは出題可能性の低い漢字を探しています。また、絞り込みをしても可成りの量ですから、同音同訓異字や音符を同じくする漢字など間違い易いものがあります。また、そもそも、一旦憶えてもすぐ忘れてしまいます。合格点の8割をなるべく楽にとるにはどうしたらいいか今も思案しています。

2, 高得点を狙う

 一方、漢検1級は、この2年間の間に難化し、出題傾向も僅かですが変化していると思います。三点セット以外からも色々出題されますし、過去問の傾向から三点セットの絞り込みをしても、今まであまり出題されていなかった問題が出題されます。また、拙ブログには、1級頻回合格者の方が訪問してくれており、高得点を目指して皆さん学習中です。私は、18-1以降は受験しておりませんが、知人に問題を教えて貰って解いており、一応18-2以外は、合格点に達しています。私も、頻回合格者の顰みに倣って、高得点を目指したいと思っております。

 とはいえ、物忘れは年々非道くなってきましたので、なるべく憶えるべきことを少なくしながら、高得点を取るにはどうしたらいいかを考えています。尤も、満点(高得点)を取るために憶えるべきことを少なくする観点は、1とは可成り異なります。拙ブログは、1と2の観点が綯い交ぜになっています。

3, 1級外の地平

 上記2点は、漢検受験の視点にすぎません。漢検は、読み書きと四字熟語の意味が出題されるだけですから、形音義の学習で足ります。ただ、漢字には、悠久の歴史があり、字源などを繙閲すると漢字の邃い世界に触れることができます。また、1級漢字数は、異体字を入れれば10万字を越える漢字数の極一部です。また、 「大漢和」の収録語彙は、約53万語であり、三点セットの語彙数(重複を控除すると44000位?)などその極一部です。今、私は、「法華経」(岩波文庫)などを読んでいますが、漢籍を読んでいると、1級配当外の漢字がごろごろ出てきます。こういう漢字を、漢和辞典で学習しようかなとも思いますが、上記1と2の考察も中途半端ですから、当面は、上記1と2の観点で学習を継続しようと思っております。

最近は、ブログ更新頻度も疎らですが、今後とも宜しくお付き合いの程お願い申し上げますm(_ _)m


見出し語の別読みを学習するか

2008年06月08日 | 三点セット1 漢検漢字辞典

(21.11.23 21-1 21-2の出題例を踏まえ、2項追加)

1,別読みは学習しなくても合格点は取れる

 19-3で、歯に涅(でっ)しが出題されました。 「辞典」の見出し語に【涅歯】(デッシ)がありますが、参考欄に「ネッシ」とも読むとあり、この見出し語からは、でっ か ねっ か確定できないと述べました。ということは、参考欄の別読みを学習しなければ、でっ と読めることになります。

 「辞典」の見出し語には、○○とも読む(以下「別読み」といいます)との記載が結構あります。でも、読み問題の場合は、どちらかで読めればいいのです。また、書き取りの場合も、別読みの方から問われることは其程ないでしょう。従って、「辞典」の別読みは学習しなくても合格点には達すると思います。

2,別読みも学習した方がいい場合

 ただ、音読みが複数ある場合に、別読みも学習することで、一つだけの音読みを憶えておけばいい場合は、別読みも学習した方がいいと思います。21-1Yで出題された賦稟(ふひん)や21-2Yの迸散(ほうさん)です。

3, 別読みの書き取りも偶には出題される(高)

 ただ、 19-3Kの故事諺で、

焼け野の きぎす(雉・雉子)夜の鶴

が出題されました。見出し語【雉・〈雉子〉】(きじ)には、「きぎす・きぎし」とも読むとありますので、高得点狙いのためには、きぎすから書き取りが出来るようにしておく必要があるのでしょう。ただ、雉の訓読みとしては、「辞典」には「きじ」しか載っていませんので、 「辞典」に載っていない音訓は憶えなくてもいいとしていましたが、偶にはこういう例外もあるようです。

 また、熟字訓雉子についても、「辞典」巻末索引欄には「きじ」は載っていても「きぎす」は載っていません。熟字訓は、巻末索引欄だけを全部するのもかなり大変ですから、最近の出題傾向から、索引欄だけに絞ろうと思っていますが、こういう例外もあるものです。尤も、19-3Kの上記故事諺は、焼欄の見出し語に載っていますから、これを学習すればよいのかもわかりません。

雉の出題は、「過去問情報」に依れば、

野雉6-2Y
きじ(雉・雉子)も鳴かずば撃たれまい15-1K 

と出題されています。過去問で書き取りの出題されたものは、別読みの書き取りも出題の可能性があるのかもしれません。このことは、以前、斗筲(としょう・とそう)でも触れました。

4,別読みの学習(高)

 私は、今、常用親字欄の見出し音熟語を読んでいますが、別読みも全部見ています。複数の音読みがある漢字の場合、別読みがあったりなかったりします。例えば、有を例にとると

ウともユウとも読むもの 無可有の郷・有情・有徳・有為・有識

ウと読むもの 希有=稀有6-2K・10-1K・有為転変・有縁・有卦8-3Y・有財餓鬼・有心・有相無相・有象無象・有待・有頂天(外)・有髪・有無(相生)・有耶無耶など

ユウと読むもの 有口無口・有厚無厚・有司・有半・有余・・・(一杯あるため省略)

ウは呉音ですので、仏教語がウと読むのは理解できるのですが、この内、あるものはユウとも読み、あるものはウとしか読みません。何故かはよく分かりませんし、とても憶えられそうにもありません。不思議だなあと思いながら「辞典」を読んでおります。なお、複数音読みの区別がよくわからないものは、有の親字下の音読みユウ・ウのところに、区別難と書き込んでいます。

 区別難のものは、常用だけでも、大(ダイ・タイ)、台(ダイ・タイ)、地(チ・ジ)、定(テイ・ジョウ)、日(ニチ・ジツ)、白(ハク・ビャク)、夫(フ・フウ)、覆(フク・フ・フウ)、物(ブツ・モツ)、文(ブン・モン)、平(ヘイ・ヒョウ)、兵(ヘイ・ヒョウ)、便(ベン・ビン)、法(ホウ・ハッ・ホッ)、木(ボク・モク)、幕(マク・バク)、万(マン・バン)、無(ム・ブ)、名(メイ・ミョウ、)明(メイ・ミョウ)、力(リョク・リキ)・・と結構あります。