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鑿壁偸光 漢字検定一級抔

since 2006.6.11(漢検1級受験日) by 白魚一寸

【21-3】「広義の三点セット」でも解けない問題(1)  魚鼈

2010年02月14日 | 21-1(第49回)~21-3(第51回)

(24.3.1 表題若干変更)

 松田統様からコメントで質問を頂戴しましたので、今回は、順序を変えてこれから行きます。

(九)川淵深くして ぎょべつ(魚鼈)之に帰す。(出典「荀子」致士

 魚鼈は、「辞典」、「四字熟語」の見出し語になく、過去問にも出題されていないので、 「広義の三点セット」に含まれません。 「辞典」の【鼈】の下付欄に小熟語では載っていますが、小熟語まで書けるようにすることはとても大変です。

1、平成17年頃までの学習方法

 昔は、問題集を解いて1級漢字が出てくると、「辞典」の1級漢字親字欄の小熟語は、全て、反古紙に1回は書き、そして、他の辞書で意味を調べていました。魚鼈は、「新字源」に載っていますので、「辞典」の魚鼈のところには、レを付し、G(「新字源」の略)と書き込みました。「新字源」の魚鼈のところにもレが付してあります。

 因みに、「新字源」の【魚】から始まる熟語として、「辞典」の見出し語にないものでは、他に、魚膠(ぎょこう)・魚蔬(ぎょそ)にレがしてあります。

 また、「捷径」の熟語も、書いて調べていました。見出し語にない熟語としては、Gとして、鼈裙(べっくん)・鼈飲(べついん)、大(「大字典」の略)として、鼈菜(べっさい)が載っています。鼈飲は、面白い意味ですので、お暇な方は調べて見て下さい。

 今から考えれば、「辞典」の見出し語以外にこんなに熟語を憶えられる訳がありません。本問を見たときも、魚鼈という熟語を以前学習したことは全く思い出せませんでした。ただ、鼈を何度も書くことで、鼈は書けるようになったのかもわかりません

2,過去問から

 鼈については、故事諺問題で、

 べつ(鼈)人を食わんとして却って人に食わる 7-1K=征111頁、18-2K 

 が出題されています。 問題文を見たとき、川に棲むものだから、ギョは魚だろう、ベツは上記の諺を想起して、鼈だと思いました。鼈(すっぽん)が川に棲んでいるのかどうかはよくわかりませんでしたが、後で「辞典」を見ると、淡水に棲むようです。

 尚、「新字源」には、魚鼈は、1、魚と鼈 という意味の他に、2転じて、魚類をいう。とあります。この成語の意味は、1でも2でもよさそうです。


3,「辞典」の音訓索引から

  同音の漢字は普通は沢山ありますから、一文字音から漢字を推測することはかなり困難ですが、ベツについては、8文字しかありません。しかも、 「辞典」に全く熟語のない音については、×を付してあります

 ベツについては、捌・滅・衊の3字に×があります。これを除くと、ベツの同音字は、常用1字()、準1級2字(蔑・瞥)、1級2字(襪・鼈)の5字です。本問は、魚は常用ですから、ベツは1級漢字だろうと当たりを付け、襪では全く文意が通らないので、鼈を選びました。 「辞典」の音訓索引を頻繁に参照することで、同音訓異字がいくつか浮かぶようになります。


4,「成語林」から

  本問の故事諺は成語林に載っています。SIMO様が仰有るように、故事諺の新出は成語林に載っていることが多いものです。成語林はいつか読破したいなあ。今、「辞典」の常用親字欄を読んでて、これもいつ終わるかわからないけど、それが終わったら、朝の厠で成語林を読もうかなあ。ただ、私のは、B5版で少し大きすぎる。確か成語林は、小型版があった筈だから古本屋で探そうかなあ。

 
 末筆ながら、拙ブログも、川淵を深くして、魚鼈の方々が集まってくれればいいなあと覦っています。

コメント (3)
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【21-3】間違ったところ

2010年02月08日 | 21-1(第49回)~21-3(第51回)

(24.3.1  表題若干変更)

「過去問情報」や「征服」、過去問でそのまま出題されていない問題は、問題集の出典を追加し、多少反省点も加えます。

A 書き取り

(二)
8 ほうろう ○琺瑯9-1K=征71頁 ×焙烙
 これはよく間違う問題です。以前に記事にしました

9 ちょうどきゅう ○超弩級7-3K=征69頁 ×超[奴/手]級
 奴/手という漢字は、大漢和にもありません。超弩級の弩はいしゆみ(弩)の弩と憶えましょう。

13 しょうき様 ○鍾馗10-3K ×鐘馗
 以前過去問を解いたときに面食らった問題。実は、人名だから再出題はないかなと思っていたけど、過去問はどんなものでも再出題がありそう。特に(二)の書き取りの同音訓異義語問題は、問題文は少し変えてはあるが、今回問われた漢字は、4問とも過去問からの再出題だった。

15 風呂桶の材料にさわらを使う。 ○13-2K 17-3K ×櫟
 植物名の過去問書き取りは纏めたのに・・

(十)
2 かいらい ○傀儡12-1Y ×偕儡
 何か違うと思ったのですが、カイ→鬼が浮かびませんでした。読み問題の書き取り問題への転化です。本7-12-4Kにも出題されていました。「辞典」の見出し語にもありますし、「四字熟語」には傀儡政権という旬の熟語も載っていますので、これは書けなければいけませんね。

3 さいり ○犀利16-1K ×犀の牛の上にある縦棒を忘れた。
8 ろうこう ○陋巷10-1K 15-1Y ×巷の下、[厄―雁垂]にしてしまった。

 犀も巷も準1級配当です。準1級は疎かになり易いです。せめて過去問は出来ないといけませんね。

10 きき ○騏驥 ×驥驥
 騏驥は、「辞典」に小熟語では載っていますが、「辞典」の見出し語にはありません。へいちゃん様のコメントに拠れば、「四字熟語」に騏驥過隙があり、四字熟語を構成する二字熟語ですが、これを書けるようにすることはなかなか難しいものです。

 12-1=征119頁の故事諺問題に

騏驥の衰うるやどば(駑馬)これに先立つ

があり、問題とはなっていないところに騏驥がありました。高得点を狙うには、問題文の見出し語ではない熟語まで書けるようにしておいた方がいいのでしょうが、なかなか大変なことです。

 また、問68頁に

騏驥ー駿馬

が対義語か類義語かを選択させる問題があります。こういう問題の熟語も書けるようにしておけばいいのでしょうがこれも大変です。


B 読み

(一) 18 殄滅 ○てんめつ19-3Y ×ちんめつ

 以前殄は仲間外れの読み方をする、殄(てん)→餮(てつ)と憶えようと書きました。今回饕餮(とうてつ19-2Yの読みも再度出題され、こちらは読めたのに、餮(てつ)→殄(てん)の関連性が付けられませんでした。の音符字の読み分けは難しいですから、「漢字音符字典」で確認します。

(十)
ウ 黼黻 ○ふふつorほふつ ×ほばつ
 黼も黻も新出だと思います。孰れも、「辞典」の見出し語はなく△の漢字ですので無視していました。本7-7-1に、黼座(ほざ)・黻衣(ふつい)の読み問題で出題されていましたが、括弧に括っていました。△の漢字は学習しなくても合格点はとれませが、高得点狙いの場合は、こういうのを学習し直す必要があります。

 なお、庶(わくは)は、標準解答では こいねが しか載っていませんが、↓のぐれ様のコメントのとおり、ねが も正解のようです。

 全体的には過去問と全く同じ出題をかなり間違いました。過去問を全部解いてから大分時間が経ちましたので、忘れつつあるのでしょう。

コメント (10)
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【21-3】書き取り いくつか落とす

2010年02月07日 | 21-1(第49回)~21-3(第51回)

 (24.3.1  表題若干変更)

 いつもと同じく知人に問題を見せて貰って解きました。出題形式は全く変更ありません。答え合わせは先ず、2ちゃんを参考にして自己採点です。その後標準解答も見せて貰って訂正します。

(一)音読み      19点/20点
(一)訓読み      10点/10点
(二)書き取り     22点/30点
(三)国字       10点/10点
(四)語選択      10点/10点
(五)四字熟語    20点/20点
(五)同 意味     10点/10点
(六)熟字訓      10 点/10点
(七)熟語と訓読み   10点/10点
(八)対義語・類義語 20点/20点
(九)故事諺      20点/20点
(十)文章読み      9/10点
(十)文章書き     12点/20点

 計 182点

 文章題は、久しぶりに2種類でした。

A  田岡嶺雲「一葉女史の『にごりえ』」
B 三宅雪嶺「我観小景」

田岡は3回目の出題、三宅は、5回目です。

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【21-2】過去問で127点取れる

2010年01月10日 | 21-1(第49回)~21-3(第51回)

 21-1に引き続き、過去問で出題された単熟語と同じ問題がどのくらい出題されたか、過去問で出題された1級漢字が別の形でどのくらい出題されたか等を調べてみました。

 以下の表のA~Eは次のとおりです。21-1とは集計方法を少し変えました。

A 過去問から解ける問題(点数 以下同じ)。
 読みについては、過去問で出題された1級漢字と同じ音訓で別の熟語は解けるとしました。準1級・常用は読めることは前提としています。
 書き取りについては、過去問と全く同じ単熟語だけを解けるとしました。

B 過去問に出題された1級漢字を含む単熟語について別の形(音→訓、別読み、読み問題→書き取り問題、別熟語の書き取りなど)で出題された問題。熟字訓も含めました。今回は、孰れも「狭義の三点セット」に含まれます。

C 「狭義の三点セット」に含まれる、新出1級漢字でしか解けない問題

D 「狭義の三点セット」に含まれず、「広義の三点セット」に含まれる問題

E 「広義の三点セット」にも含まれない問題

   C  D  E
(一)   18  2  7  1  2
(二)  20  2  4  4  0
 (三)  10  0  0  0  0
(四)   8  2  0  0  0
 (五)  10  16  0  4  0
(六)   8  0  0  0
(七)    8  2  0  0  0
(八)   14  6  0  0
 (九)  14  4  2  0  0
 (十)読み  5 2   1  0  2
 (十)書き  12  6  0  2  0
 計  127  44  14  11
 累計  127  171  185  196 200


 (三)国字・(四)語選択書き取り・(六)熟字訓読み・(七)音訓読みは、過去問だけで8割以上取れます。 

 また、21-1のA(過去問から解ける問題)は、155点でしたので、28点も下がりました。今回は、過去問そのままの出題は少なかったです。

 ただ、過去問に出題された1級漢字を含む単熟語について、別の形で出題されたもの(狭義の三点セットに含まれているものに限る 今回の表のB)が、21-1は、19点だったのに対して、21-2は44点に、25点も増えました。その結果、過去問+過去問で出題された1級漢字の別出題の合計は、21-1は、174点、21-2は171点でそれ程下がっておらず、十分合格点に達するものです。

 また、過去問に出題された1級漢字を含む単熟語について、別の形で出題されたものが44点であるのに対して、1級新出漢字の出題(上記表のB)は14点です。従って、新出漢字よりも、既に出題された1級漢字が別の形で出題される方が圧倒的に多いものです。過去問を解いて、問題に出た1級漢字について、音訓や語彙の知識を拡げていくのが肝要であることは21-1の分析結果と同様です。

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【21-2】熟字訓読み問題の新出は孰れも1級漢字が含まれていた

2010年01月07日 | 21-1(第49回)~21-3(第51回)

 21-2の熟字訓の読み問題は、小問(六)の10問と、(十)の文章題に2問、計12問出題されました。この内、過去問からの再出題が9問、新出は次の3問でした。孰れも1級漢字が含まれていましたので、1級漢字を緑字にします。また、その1級漢字は、過去問既出ですので、←の右側に、過去問出題語句を付記します。

(六)
虫(たがめはちゅうるい(虫類)10-1K、はら(羅)剔抉18-2K

からさおorからざおかいか(械5-1K

(十) 呼(ああおえつ(咽)16-3K 21-1K
 嗚は、21-1、21-2と連続出題です。

 過去問に出題された1級漢字については、その漢字が含まれる熟字訓も学習するといいのでしょうね。ただ、いつも1級漢字が含まれているとは限りません21-1の新出熟字訓3問には、1級漢字は全く含まれていませんでした。

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【21-2】新出四字熟語

2010年01月06日 | 21-1(第49回)~21-3(第51回)

 (五)四字熟語の小問10問の内、過去問と全く同じ問題は4問、意味は1問だけで、合計10点だけでした。次の6問(12点分)は新出です。意味でも4問(8点分)ありましたから、合計20点分が新出です。6問、20点分も新出があるというのは、最近ではかなり多い方だと思います。1問ずつ、学習方法を検討してみます。

1 なんえん(南轅)北轍

 1級漢字轅については、(一)訓読みで、

轅(ながえを北にして楚にゆく 14-2Y=征44頁 17-2Y

が出題されていました。既出漢字について、訓読み→音書き取りのパターンです。 上記問題文は、「四字熟語」の冒頭「四字熟語の由来する主要成句索引」にも出ています。これを見れば、

轅を北にして楚に適く=北轅適楚

が繋がります。北轅適楚は、本7-4-5Kにも載っています。 「四字熟語」の北轅適楚には、類義語があり、

北轅適楚=南轅北轍

です。学習した1級四字熟語の類義語等も学習するのは、四字熟語の語彙を拡げる有効な方法だと思います。


2 しんいん(神韻)縹渺
 以前にも記事にしたように、9-1Kでは縹渺の方が問われています。

4 ちょうこう(懲羹)吹膾

1級漢字羹については、頻出です。

音読みでは、ようかん(羊羹)14-3K=征81頁、藜羹(れいこう)15-1Y 菜羹(さいこう)18-2Y
訓読みでは、あつもの(羮)に懲りて膾を吹く 8-2K 11-3K 16-3K(孰れも故事諺)

が出題されています。そして、上記故事諺については、これも、「四字熟語」の主要成句索引に載っており、

羮に懲りて膾を吹く=懲羹吹膾

と繋がります。 「四字熟語の由来する主要成句索引」に載っている1級四字熟語や1級漢字を含む故事諺については勉強すべきという点は、夙にSIMO様がご指摘のところです。


7 豪華けんらん(絢爛)

 絢爛については、4-1K(文章題)、15-3K=征89頁(語選択書き取り)で既出です。豪華絢爛という四字熟語は、人口に膾炙しているでしょう。また、「けんらん」の同音異義語は、「辞典」、「四字熟語」の見出し語には載っていないと思われますので、けんらん=絢爛しかありません。従って、この問題は、過去問から解ける問題と言ってもいいような気がします。


8 鏃礪かつう(括羽)

 これは出来なくても仕方がないと思います。1級漢字鏃については、訓読み 鏃(やじり)18-3Yが出題されていますので、鏃が使われている四字熟語を探しておけば、鏃礪括羽に辿り着けたのでしょう。ただ、この四字熟語を学習したとしても、常用漢字の括羽の方が出ましたから難しいですね。


10 乾坤いってき(一擲)

 これは、 「合格ノート」にありました四字熟語は、過去問が必須。その次が、問題集に載っている1級配当四字熟語でしょう

 1級漢字擲には、打擲(ちょうちゃく)6-1Y 8-3Y 14-3Kが出題されています。チャク→テキと別の音読みの出題です。

 また乾坤10-2K 16-2K 19-2K は頻出です。過去問に出題された二字熟語が含まれる四字熟語を探せば、乾坤一擲に出会えます。


[纏め]

 上記6問については、孰れも1級配当四字熟語で、しかも、全て、過去問に出題された漢字です。過去問に出題された1級漢字を含む四字熟語を学習するのも一つの手かもしれません。ただ、これもかなり分量はあります。

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【21-2】「合格ノート」から四字熟語が5問も出題された

2010年01月04日 | 21-1(第49回)~21-3(第51回)

 21-2の四字熟語問題の内、次の5問は、「合格ノート」(旧版も新版も同じ)に載っています。序でに過去問や「征服」からの出題も付記します。

はつらん(撥乱)反正 合19-4K 7-3K
しま(揣摩)臆測 合6-5K 6-3K 14-3K=征110頁 17-1K
酔歩まんさん(蹣跚合1-4K 10-3K=征96頁
炊金せんぎょく(饌玉合20-4K 6-3K
乾坤いってき(一擲合15-5K

 5問の内、過去問からの再出題が4問ありますから、過去問を全部遣れば、「合格ノート」はあまり意味がないのかもわかりません。ただ、平成6年度や平成7年度の過去問は、国会図書館で複写サービスでもしないとなかなか入手できないものですから、「合格ノート」は、古い過去問を入手できない場合に、有用性が高いような気がします。

 5問も出題されるのは多いなあと思いましたので、この1年間の四字熟語の過去問について、「合格ノート」からの出題を調べてみました。「過去問情報」等も付記します。

21-1  2問
しい(尸位)素餐 合2-4K 11-2K=征98頁 18-3K
らんさい(蘭摧)玉折 合10-4K 6-2K 18-1K

20-3 3問
かいろう(偕老)同穴 合19-4K 9-1K 18-2K
載籍こうかん(浩瀚合1-4K 19-1K
拳拳ふくよう(服膺合16-4K 12-3K=征102頁

20-2 3問
じくろ(舳艫)千里 合21-5K 8-3Y 13-3K=征105頁 15-2K 18-3K
しんれい(深)浅掲 合17-4K
暴虎ひょうが(馮河合2-4K 7-2K 13-1K=征103頁 15-1K 18-2K

 矢張り、毎回2~3問しか出題されていません。21-2の5問はかなり多いです。単なる偶然なのかもわかりませんが、私には、「合格ノート」改訂増補に対する漢検協会のご祝儀問題のような気がしてなりません。ただ、他の出版社に対するご祝儀も結構ですが、漢検協会は、自ら出版している「征服」については、2005年発行の第2版から4年以上殆ど改訂していませんので、そろそろ改訂して欲しいなと思います。

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【21-2】1級新出漢字

2009年12月20日 | 21-1(第49回)~21-3(第51回)

(21.1.4 芻は、反芻が20-1Kで出題されていたので、削除訂正)

 新出漢字について、問題集に載っている語句を←の右側に付記しました。また、本試験と全く同じ問題が載っているものは、問題集の箇所だけを指摘しました。これから問題集を解かれる方はネタバレご注意。尚、問題集に関する略語は、別記事参照。また、「合格ノート」は改訂版が出版されましたが、ここでは旧版に拠っています。

太字が新出1級漢字です。

1,読み 10字(10点)

(一)
択(かんたく)←本7-14-7Y 、別(かんべつ)S音訓28Y

(びょうぼ)

(してん)←肆(てんし)問31頁Y ・問64頁選

(さんしorさんしい)←本7-4-4K、逆(しぎゃく・しいぎゃく)本7-11-1Y・合10-2K・S語選択26K

天(こうてん)

(さだ)む←S音訓61Y、舎(せきてん)本7-14-1Y、てんと(都)本7-2-4K・問106頁K・が5-11Y・S音訓61Y、香(こうでん)問36頁Y

(おく)る←S訓82Y

(いか)る←本7-13-7Y・S音訓4Y、色(うんしょく・おんしょく)問70頁選・問107頁K・S音訓4Y

(十)
蘿(へいら)

(せんしゃく)←しゃくしゃく(爍爍) 問127頁K

尚、揀と薜 2字(2点)は、三点セットから解けないものです。 その余の8字(8点)は、孰れも、狭義の三点セットから解けます。


2,書き取り 5字(10点)

(二)
まひ(麻or痲

ひょう()←降(こうはく)本7-14-1Y

(八)しりがい(鞦or

(九)すうじょう()←本7-16-1Y・問57頁K ・S故99K、(たきぎ)S訓16Y

(十)らくえき(駅or絡繹)←らくだ(駝) 本7-17-10Y・が5-12K・が10-10K

 紂以外の4字(8点)は、孰れも「辞典」の見出し語にあり、狭義の三点セットに含まれます。また、紂と駱は、新出ですが、既出の漢字「鞦」や、既出の漢字「繹」が含まれる熟語の方が書ければいいでしょうから、それを除くと、新出漢字でしか解けない問題は、3字(6点)となります。


3,今回は新出漢字の出題が増えた

 読み書きを合わせると、15字(20点)。既出漢字の鞦と繹で解ける紂と駱を除くと13字(16点)となります。21-1は、6字(9点)でしたから、今回は、新出漢字がかなり出題されたことになります。


4,感想

 21-2で出題された1級漢字119字の内、新出漢字15字の比率は、約13%。残り、104字の比率は、87%です。圧倒的に、過去問に出題された漢字がまた出題されていますので、過去問に出題された漢字の方を中心に学習するのがいいと思います。

 狭義の三点セットで185点取れると書きましたが、狭義の三点セットから解ける問題の内、新出漢字でしか解けない問題は、読み8点・書き取り6点 計14点になります。そうすると、これらを全部落としても、171点取れることになり、理屈の上では十分合格点に達します。

 ただ、狭義の三点セットの内、「辞典」の索引に載っている熟字訓や、「四字熟語」の1級配当を全て学習することは大変です。 また、今回は、(一)の読み問題で、8問も新出漢字が出題されており、これを全部学習しないというのは不安です。

 また、←に書いたように、過去問では出題されていないくても、問題集に載っている漢字もかなり出題されています。問題集と全く同じ出題もありますが、読み書きや音訓の違うものが出ていたり、別の熟語が出ていたりします。

 従って、過去問+αとして、「辞典」や「四字熟語」の1級漢字を含む見出し語を学習するか、問題集を潰していくかの、二つの道があるように思います。尤も、辞書や問題集は、学習の縁に過ぎず、結局は、漢字や熟語の読み書きや意味を学習していくしかないのですから、合格への道は、二河白道のようなものなのでしょう。

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【21-2】1級・準1級・常用の出題漢字数

2009年12月19日 | 21-1(第49回)~21-3(第51回)

 問題に出た漢字を一つ一つばらばらにしてざっと数えました。今回は、従前と異なり、標準解答に複数の解答の記載があるものは全て別々に数えました。

1級  125字(54%)
準1級 24字(10%)
常用   81字(35%)
計 230字
です。

 1級 125字のうち、畳語や音訓の出題の重複分を差し引くと、出題漢字数は119字です。出題漢字数も比率も、21-1 と略同じです。

 尤も、書き取りの標準解答に記載のある1級漢字の内、

(二)たわ(撓・橈)む13-3K
(九)しりがい(鞦14-1Y・紂)
(十)らくえき(絡繹・駱駅)の繹と駱

の3問は、どちらか一つが書ければいいでしょうから、1級漢字については、116字の読み書きが出来れば、満点がとれます

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【21-2】準1級・常用から解ける問題

2009年12月13日 | 21-1(第49回)~21-3(第51回)

今までの目次

  従前と同じく、熟字訓・当て字の読みを除き、調べてみました。

1, 分類符号

 2以下の問題の前の符号は、次の分類のとおりです。

A 狭義の三点セット (17点)

 A-1―1 「辞典」の見出し語にあり、1級漢字で書けるもの(4点) 1級漢字は緑字で付記しました。
 A-1-2 「辞典」の見出し語にある1級配当四字熟語について、準1級・常用漢字の方が出題されたもの(2点) 
 A-4 過去問からの再出題(11点)

B 広義の三点セット(9点)

 B-1 準1級・常用だけで構成される見出し語新出(7点)
 B-2 1級漢字が含まれているが、旧い版では準1級配当となっており、問題は、常用漢字の部分が問われたもの(2点)

 常用、準1級の読み書き別に探しましたので、上記の符号を付けて、検討します。


2,常用漢字の読み(表外音訓) 2点

B-1(一) 圧状(おうじょう

A-4(十)転(うた)た 7-3Y 9-1Y 10-1Y


3.常用漢字の書き取り 8点(四字熟語の意味の点数は除きます)

A-4(三)もんめ(8-1K 12-1K 19-2K

B-2(五)鏃礪かつう(括羽

A-1-2(五)しんいん(神韻)縹渺
 9-1Kでは縹渺の方が問われています。 1級配当四字熟語で、1級漢字を含む部分が問われず、準1級・常用の方が問われたのは、けんま(肩摩)轂撃18-2Kまこ(麻姑)搔痒20-1K に続くものです。時々、準1級・常用の方が問われています。

A-4(八)野趣⇔がち(雅致16-1K 19-3K


4,準1級漢字の書き取り 16点

B-1(二)あらたか(

B-1(二)碁け(

A-1―1(九)年寄りの言うことと牛の しりがい(尻繋or14-1Y)は外れたことがない
 尻繋は、熟字訓の書き取りですから、これは書けなくてもよく、1級漢字の方を書けるようにした方がいいと思います。

A-4(九)鶴きゅうこう(九皐に鳴き・・ 7-1Y 11-3K 16-2Y

B-1(十)びほう(弥縫10-2Y

A-4(十)しっぴ(櫛比16-1K

A-4(十)あたか(or)も 10-2K

A-1―1(十)こんとん(混沌or沌)13-3K


5,感想

 合計で26点分(1級で書けるものを除くと22点)です。18-1以降では、14~25点分出題されていましたから、今回は、18-1以降では最も沢山出題されたことになります。

 ただ、A-1―1(1級漢字で書けるもの)4点分は、準1級・常用漢字よりは、1級漢字の方を学習すればいいでしょう。また、A-4(過去問からの再出題)が11点分もあります。更に、1級配当四字熟語 しんいん(神韻)縹渺は、過去問に出題されていますから、1級四字熟語については過去問では問われなかった常用漢字の方も書けるようにしておくことが必要なのでしょう。

  残り9点分は、新出ですが、孰れも狭義の三点セットに含まれず、広義の三点セットに含まれるものです。従前から、準1級・常用の新出熟語は学習しなくても合格できると思われ、あまり重要視する必要はないと思います。

 そうすると、今回、準1級・常用から沢山出題されたとはいえ、従前と同じく、狭義の三点セット、就中、過去問をきちんとやればいいと思います。今、私は、朝の厠で、「辞典」の3級親字欄を読んでいますが、準1級・常用の熟語の学習は熟、限がないと思います。高得点を狙われる方はともかくとして、合格のために、準1級・常用について特に新たな対策が必要とは思われません。


6,1級漢字を含む単熟語しか出題されていない小問

(四)語選択書き取り
(七)熟語音読み・一字訓読み

 の二つの小問は、いずれも1級漢字を含んだ単熟語が出題されています。

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【21-2】広義の三点セットでも解けない問題 [高]

2009年12月06日 | 21-1(第49回)~21-3(第51回)

(21.12.19 がくぶんの出題追加)

 今回は全て読み問題です。書き取りは、三点セットで満点が取れます。間違った問題で触れたもの は、簡略にします。

(一)
1 揀択(かんたく

18 畛畦(しんけい

 畛は音読み見出し語はありません。ただ、訓読み「あぜ」については見出し語があり、故事諺「あぜを譲って耕す」7-3K=征113頁で出題されており、標準解答には、畔(畦・畛)とありました。

 「あぜ」の書き取りは常用漢字の畔だけ書ければいいでしょうが、別解答の訓読みも読めるようにしておくことと、過去問に出た漢字は、訓が出題された場合は、音読みも読めるようにしておいた方がいいのでしょう。

 また、「辞典」の小熟語には畛域(しんいき)があり、「問題と解説」27頁や、がくぶん11-12Yに出題されています。 尚、 の音符字については、以前、饕餮(とうてつ19-2Yでも触れました。「音符字典」では、 の音符字はシンと読む漢字が多いです。序でに、「四字熟語」と「辞典」の見出し語にある 【白髪青袗】(はくはつせいしん【軫念】(しんねんも学習しました。

(十)
ア 薜蘿(へいら

コ 逬散(ほうさん

 逬は、訓読み(ほとばし)る8-1Y 15-3K 17-3Kは何度か出題されていますが、音読みは初出だと思います。

 「辞典」の迸の音読みは、ホウとヘイがあり、見出し語には、迸出(へいしゅつ)迸発(ほうはつ)が載っています。迸散は、載っていませんので、ホウかヘイか確定できません。尤も、迸出には、「ホウシュツ」とも読むとあります。

 別読みは原則的には学習しなくてもいいのですが、迸出が「ほうしゅつ」でよければ、音読み見出し語はいずれも「ホウ」と読めばいいことになります。私はこういう場合は、親字欄のヘイを括弧に括り、迸は、ホウだけ憶えることにしていました。

  今回はこれでうまく行きましたが、こういう学習法が邪道であることは間違いありません。「ヘイ」と読む音熟語が他にあるか、「新字源」や「大漢和」で調べて見ました。孰れも、「ホウ」と読む熟語しか載っておらず、「ヘイ」と読む熟語は一つも載っていませんでした。迸の音読みは、ホウだけでいいということになります。

 見出し語のない音は学習しなくても合格できます。ただ、高得点狙いのためには、見出し語や小熟語のない音についても、他の辞書を引いて、熟語があるか、複数の音がある場合は、どのように読み分けるのか学習した方がいいのでしょう。

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【21-2】広義の三点セットで196点取れる [高]

2009年11月30日 | 21-1(第49回)~21-3(第51回)

1, 狭義の三点セット 185点

2, 旧い版では準1級配当となっているが、1級漢字を含む四字熟語 意味でも問われたため4点

 鏃礪かつう(括羽

一寸諄いですね。(^_^)


3,「辞典」の見出し語にある準1級・常用だけの熟語新出 7点

(一) 圧状(おうじょう

 これは以前りくごう(六合19-1Kが出題されたとき、「辞典」の見出し語の内、△(常用の表外音訓)が付いた音熟語を渉猟しましたので、読めました。

(二)
8 あらたか() 

 これは読み問題としては準1級でよく出ていたように思います。1級では、音読みで、かくしゃく(赫灼)11-3K 16-2Kの書き取りで出題されていました。高得点狙いのためには、準1級の出題漢字についても、音が出たら訓も書けるようにしておくことが必要なのでしょう。

 また、 「あらたか」はonlyな訓です。1級配当について、onlyな訓が出題され易いことは記事にしてきましたが、準1級配当漢字についても同じことが言えるのかもしれません。

12 碁け(笥)

 笥も準1級配当ですが、1級では、初出のように思います。け(褻)との同訓異義問題で出題されました。一文字訓には、結構意味がonlyな訓があります。「辞典」の音訓索引の「け」欄には、毛も載っており、三つとも意味が違いますので、仕切り線を入れています

(十)びほう(弥縫10-2Y

 読み問題が書き取り問題に転化しています。1級漢字を含む見出し語の読み問題の熟語について、書けるようにするというのは大事な学習法ですが、高得点狙いのためには、準1級・常用だけの熟語もやった方がいいのでしょう。


4,計 196点

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【21-2】狭義の三点セットで185点取れる

2009年11月29日 | 21-1(第49回)~21-3(第51回)

「狭義の三点セット」

今までの点数推移


1,「辞典」

1-1 1級国字 10点 ((三)4問と(九)豆腐に かすがい(

1-2 索引にある熟字訓の読み 11点((六)全部と(十)嗚呼(ああ

1-3 その他の1級漢字を含む見出し語(1級配当四字熟語も含む) 130点

1-4 小計 151点 (75.5%) cf.21-1 152点


2,「辞典」の見出し語にはないが、他の1級漢字の見出し語から推知可能な読み 5点(累計156点) cf.21-1 159点

←の右側が、1級漢字を含む「辞典」の見出し語です。尚、準1級・常用は読めることを前提としています。 以下気付いた範囲で、過去問や「征服」の頁を記載しますが、漏れがあるかと思います。

(一)
7 廟謨(びょうぼ宏謨(こうぼ)、謨訓(ぼくん
8 酥(8-2Y=征28頁←酥油(そゆ)、蟾酥(せんそ
10 苞裹(ほうか苞苴(ほうしょ16-1Y 17-1Y 19-2K、裹頭(かとう)17-1Y

(七) 3 褫魄(ちはく褫奪(ちだつ13-1Y=征21頁 17-1Y 19-3K 落魄(らくはく)9-1Y 15-2K =征91頁18-1K 20-2K 征86頁K  気魄(きはく

(十)ケ閃爍(せんしゃく爍爍(しゃくしゃく

この内、謨・爍は新出と思います。


3,「四字熟語」の1級見出し語及び1級見出し語から推知可能な読み  11点(累計167点) cf21-1 171点

3-1 (五)の四字熟語 10点

 「辞典」の見出し語にあるのは、6問、意味は2問で計16点。残りの内、3問(6点分)は、「四字熟語」の1級見出し語(旧い版で準1級配当となっているものは除く)から。意味も2問(4点分)あります。

なんえん(南轅)北轍
ちょうこう(懲羹)吹膾
酔歩まんさん(蹣跚
10-3K=征96頁

3-2 1級四字熟語から推知可能な読み問題 1点 

(七)舂炊(しょうすい磑風舂雨(がいふうしょうう 

 尤も、過去問で、碓舂(たいしょう11-1Y=征16頁が出題されていますので、ここからも推知可能です。


4,上記1~3以外の過去問からの出題  18点(累計 185点) cf21-1 186点

4-1 見出し語にはなく、1級漢字を含む過去問 3点

(一) 2 凍餒(とうだい11-3Y=征18頁 19-2Y
(七)7 屯蹇(ちゅんけん19-3Y 
(十)ク 罅隙(かげき16-1Y=征26頁

4-2 1級見出し語はあるが、植物名の書き取り 2点

(八)きんか(槿花一朝の夢 9-3K 13-3K 16-2K 18-3K 征116頁K

4-3 見出し語にはなく、1級漢字を含む過去問から推知可能な読み問題 1点

(一) 鶏鶩(けいぼく鶩列(ぼくれつ12-3Y=征20頁

4-4 「辞典」の索引にない熟字訓の読み問題 1点

(十)以為(おもえ)らく 17-3Y

4-5 準1級・常用漢字の過去問 11点

(三)もんめ(8-1K 12-1K 19-2K

(八)野趣⇔がち(雅致16-1K 19-3K

(九)鶴きゅうこう(九皐に鳴き・・ 7-1Y 11-3K 16-2Y

(十)
転(うた)た 7-3Y 9-1Y 10-1Y
しっぴ(櫛比16-1K
あたか(or)も 10-2K

 尚、1級見出し語にある過去問は割愛していますが、1級見出し語にあり、過去問に出たものも相当出題されています。


5, 纏め

 狭義の三点セットで185点になります。私自身は現在もこの三点セットを中心に学習していますが、とりわけ、「四字熟語」の1級四字熟語と「辞典」の索引にある熟字訓の読みを総覧して学習することはしんどいことです。合格のためには、「狭義の三点セット」の内、25点も落としていいのですから、過去問全部は遣った上で、学習が困難な1級四字熟語や熟字訓の新出は、どういうのが出題されるのかを考えていった方がいいように思います。

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【21-2】間違った問題

2009年11月10日 | 21-1(第49回)~21-3(第51回)

(21.12.8 kusa様のコメントに基づき修正)

1,読み 5問(5点)

(一)
1 揀択 ○かんたく ×けんたく

 揀の音読み見出し語はなく、小熟語だけです。見出し語のない読みは、三点セット外です。私は高得点狙いのため、最近、学習を初めています。これは、SIMO様のブログ「学然後知不足 教然後知困」 の音訓の28番に揀別があり、直前に朝の厠で解いて間違っていました。

 ×をつけただけでは駄目で、 「辞典」にあたったり、「音符字典」で、同音符の他の漢字と、音読みの比較をしたりする必要があるのでしょうね。「音符字典」に拠れば、柬の音符字9個の音読みは、カン・レン・ランの三つ(三音家族)で、ケンという音読みはありません。


19 鶏鶩 ○けいぼく ×けいぼう

 鶩列(ぼくれつ)12-3Yから解けますね。


(七)8 蹇む ○なや ×とど

 蹇む19-3Y で出題されていました。


(十)
薜蘿 ○へいら ×へきら

 薜は新出だと思います。見出し語はなく、小熟語だけですので、 △の字です。これは学習していませんでした。「音符字典」に拠ると、辟の音符字は四音家族で、計19個。かなり憶えにくいですね。ヘイと読むのは、他には嬖愛(ヘイアイ)18-2Yの嬖だけです。

 尚、「辞典」の薜欄には、音読みとして、ハクも載っています。「大漢和」に拠ると、薜には器物がわれるという意味があり、薜暴(ハクボウ 陶器を焼くとき破裂したものと表面が膨張して内質の堅固でないもの)という熟語が載っています。出典は、「周礼 孝工記」です。でも、まさかここまでは出ないでしょう。

閃爍 ○せんしゃく ×せんりゃく

 爍は新出だと思います。楽の音符字は「音符字典」では5音家族で、読み方が色々あり厄介です。問127頁にしゃくしゃく(爍爍)の書き取りが出ていました。畳語の新出書き取りはまあええ としても、読めなくてはいけませんね。

 爍の訓は、「とかす」で、鑠と同じです。「新字源」では、爍は、鑠の別体字となっています。鑠は、矍鑠(かくしゃく)でシャクと読むことは憶えていますので、鑠と爍は、音読みも訓読みも同じと憶えて起きます。


2,書き取り 5問(10点)

(五)8 鏃礪かつう ○括羽 ×戈通

 これって、我が家の2冊の「四字熟語」(6刷 平成11年3月1日発行と7刷 平成12年4月1日発行)では準一級配当になっています。しかし、鏃は1級配当なので、「四字熟語」の表記は間違いです。こういう記載間違いをしているものは出してこないと思っていたけど、甘かったです。

 尚、新刊書店に売っているもの(19刷 平成20年6月発行)を見たら、一級配当になっていました。こういう訂正は他にもありそうです。1級の場合、準1級以下が出ても文句は言えないけど、古い「四字熟語」で準1級を学習している人には困りますよね。改版して新本を買わそうとするのは出版社の通弊ですが、協会は公益法人なのですから、出版物の訂正経緯ぐらいは、ネットで明らかにして欲しいと思います。

 しのぶん様のコメントに拠れば、16刷(平成17年頃?)でも、準1級配当のようです。1級リピーターは、かなり昔から学習している方が多いでしょうから、16刷以前の「四字熟語」を利用している人も多いでしょう。1級リピーターが、「四字熟語」をどの程度学習しているのかよくわかりませんが、私の感じでは、1級配当だけでも全部学習するのは大変であり、準1級配当まではなかなか手が回りません。この四字熟語はかなり正答率が低かったように思います。


(八)7 挺身≒じんすい ○尽瘁 ×尽悴

 きっきゅう(鞠躬)尽瘁16-1K 19-1Kで出題されていましたが、孰れも鞠躬の方が問われていました。合13-4Kでは、逆に、鞠躬じんすい(尽瘁)で問われていました。この四字熟語は、単語札も作ってあったのですが、書けるようになったため、携行束から外していました。尽瘁は、二字熟語の見出し語もありますから、これは書けなくてはいけませんね。

(十)
3 しっぴ ○櫛比 ×櫛庇 
 16-1Kの文章題に出ていますね。これは、準1級+常用の熟語で、準1級のときからよく出て来ましたので、憶えていた筈なのですが、いつの間にか忘れていました。

4 らくえき ○絡繹or駱駅 ×絡駅 
 これは惜しいけど、駄目なのだろうなあ。これもSIMO様のブログ 語選択の15番にありました。これは大分前に解いて、「辞典」の見出し語の上にもS(SIMO様の略)と書いておいたのだけどなあ。

7 あたか(も)恰or宛  ×怡

 恰も宛も準1級ですが、これは私にとってはよく間違う問題です。2回間違ったら、「辞典」の見出し語に消せる赤ペンで印をつけることにしていますが、「辞典」には、三重丸がしてありますので、少なくとも4回は間違ったのでしょう。10-2Kや本3-16の文章題に出題されています。その後書けるようになったと思ったのだけどなあ。よく間違う問題(3) 準1級・常用に追加しました。

 尚、怡の訓は「よろこぶ」ですから、恰とは全く意味が違います。尤も、怡と恰は、似ているといえば似ていますが・・

なお、(九)7 すうじょう(芻蕘)に詢る の芻に草冠を付けて、蒭と書き、間違いと思ってましたが、「辞典」・「必携」に異体字、許容字体として載っており正解です。芻蕘は、「辞典」の見出し語にあり、問57頁にも、誤字訂正問題で出ていました。また、SIMO様のブログに最近追加された故事諺問題の99番にバッチリ載っています。アップされたのは存じていたのですが、解いていませんでした。


3,総括

 過去問で解けるものを、読み2問(2点)、書き取り2問(4点)、計6点落としています。鞠躬尽瘁も過去問に出題された四字熟語をきちんと復習しておけばよかったものです。これも含めると計8点。古い過去問を解いていたのが、平成20年5月までですから、もう1年半くらい経って、忘れつつあります。そろそろ解き直した方がいいのかもしれません。

 それと、過去問以外に、SIMOのブログから3問(5点)出題されていました(芻蕘も含む)。こちらも解いてから随分経ちます。過去問全部を解き直すのは大変だから、SIMO様の方から遣ろうかな。

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【21-2】下がりました

2009年11月09日 | 21-1(第49回)~21-3(第51回)

(21.12.30 kusa様の2009-12-07のコメントに基づき、(九)訂正)

 いつもと同じく知人に問題を見せて貰い、部屋に籠もって解きました。出題形式は全く変更ありません。答え合わせもいつもながら2ちゃんです。その後、標準解答も見せて貰いました。2ちゃんにはなかった許容解答がいくつかありましたが、2ちゃんの情報は正確でした。

(一)音読み      18点/20点
(一)訓読み      10点/10点
(二)書き取り     30点/30点
(三)国字       10点/10点
(四)語選択      10点/10点
(五)四字熟語    18点/20点
(五)同 意味     10点/10点
(六)熟字訓      10 点/10点
(七)熟語と訓読み    9点/10点
(八)対義語・類義語 18点/20点
(九)故事諺      20点/20点
(十)文章読み     点/10点
(十)文章書き     14点/20点

計 185点

 文章題の出典は、

正岡子規「芭蕉雑談」
菊亭香水「世路日記」
津田真道「地震の説」

でした。子規は2回目ですが、他の二人は初出です。全く存じません。相変わらず渋いですねえ。

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