鑿壁偸光 漢字検定一級抔

since 2006.6.11(漢検1級受験日) by 白魚一寸

故事諺の書き取りを「征服」と辞書で解く

2007年07月15日 | 19-1(第43回)

(21.6.28  2B若干の訂正)

 18-3の問題は、 「征服」に、国字の書き取りは全部載っており故事諺の書き取りは8割載っていましたので、19-1も、この両分野だけ調べてみました。

 国字は、全部「征服」に載っていました。しかし、故事諺については、「征服」のI故事諺欄に載っているのは、見落としがあるかもわかりませんが、3問だけでした。具体的には、「征服」の117頁6番、119頁17番、114頁11番です。

 残り7問は載っていませんので、 「征服」以外の問題集も解いた方がいいと思います。また、下記の通り、今回の故事諺の問題もかなり過去問にそのまま出ていますので、とりわけ過去問題集を解くことが手っ取り早いでしょう。漢検1級の学習はお金がかかるようになっています。

 尤も、あくまで「征服」にこだわるのであれば、次のような方法もあります。ただ、この場合は辞典併用型の学習が不可欠です。→の先が19-1の問題で、太字部分が19-1の書き取りに出たところです。なお、「征服」の問題文について「過去問情報」も付記します。過去問に括弧を付けたのは、問題文が多少異なるものです。

 1, 四字熟語問題で、二字熟語を学習する

A 万目(がいさい)睚眥(「征服」94頁7番 10-1K 17-1K)→がいさい(睚眥)の怨みも必ず報ゆ(出典 「史記 范雎伝」)

 四字熟語を学習する際、四字熟語の意味だけではなく、四字熟語を構成している二字熟語の意味及び個々の漢字の意味も学習することです。「四字熟語」に「睚眥」は目にかどをたててにらむこととあります。

 ここで止めずに、「辞典」の【睚】を引けば、訓がまなじりであり、 【睚眥の怨み】という見出し語もあります。また、 【眥】を引けば、眥の訓もまなじりであり、睚眥は、同訓の漢字で構成される熟語であることがわかります。

 B いっき(一饋)十起(「征服」96頁3番 10-3K)→いっき(一饋)に十たび起つ(13-1Kにも)

 「四字熟語」を引けば、補説欄に「一饋に十たび起つ」とも読むとあります。四字熟語→故事諺の学習は、あおむし様が以前から励行されていることです。

2, 読み問題を、書き取り問題として解く 

A 睚眥(がいさい)の怨みも必ず報ゆ(「征服」13頁7番 9-3Y (13-3Y)) 

B 斗筲*(としょう・とそう)の人何ぞ算うるに足らんや(「征服」25頁20番15-1Y) 出典「論語 子路第一三―二十」

 尚、17-2Kではとしょうの書き取りで出題されましたが、19-1ではとそうで出題されました。「見出し語」にある熟語の読み問題は、書き取り問題に転化するとの観点からは、複数の読みがあるものについては、両方の読みを憶えておいて、どちらでも書けるようにしておくことが必要ということになりますが、これは結構大変なことです。書き取りで出題されたものについて、他の読みもあるものは、高得点狙いの場合は、その読みでの書き取りも出来るようにしておいた方がいいのでしょう。尚、合格のためには、別読みは無視しても構わないでしょう。

3, 読み問題を、読み方を変えて書き取り問題として解く

庭の池に翡翠(かわせみ)が舞い降りた(「征服」38頁14番 12-1Y)→ひすい(翡翠)は羽を以て自ら害なわる

 「辞典」の【翡】を引けば、 【翡翠(ひすい)】という見出し語があります。

4,問題になっていないところの漢字を学習する。 

 式神様が提案されている方法です。

鶍*の嘴(はし)の食い違い(「征服」126頁7番 (6-1K)・(8-3K)・11-3K・14-3Kはいすか(鶍)が問われ、17-1Kでは、19-1Kと同じくはし(嘴=觜)が問われています。)

 「征服」に載っているのは国字鶍の書き取り問題です。「辞典」の【鶍】を引けば、 【鶍の嘴】という見出し語があります。

 従って、「征服」に出てくる熟語、漢字で、プラス5問解答可能ですので、8割には届きます。尚、残り2問の内、覆舟については、初出ですからなんとも仕方ないですが、がいふう(凱風)は6-2Kで出題されています。

機種依存文字に*を付けましたが、正しく表示されているでしょうか。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿