覬覦 ×がいゆ ○きゆ
覬(む) ×ぬす(む) ○のぞ(む)
あおむし様のブログやmixiでの情報でも、これは過去問に全く出たことがないとのことです。
覬は、豈+見の形声文字で、豈という部首はありませんので、部首は見であり、音符が豈になります。私は、漢検の勉強を始めた5年半前に買った1998年発行の「新漢字必携」を使っていました。これには、豈の音読みは、ガイしか載っておらず、他の読みは全く浮かびませんでした。「辞典」には、豈の音読みとして、ガイとキが載っているのですが、「辞典」の音読みの中には、「必携」に記載のない音読みが結構あって、そういうのは全て無視をしていました。また、訓読みも全く解りませんでした。
家内は、今回準1級を受け、2001年発行の「漢字必携1級」を使っていました。今日、これを見たら、豈の音読みにガイとキとあります。「必携」もバージョンアップで変化があることに初めて気付きました。今後は、新しい方の「必携」を参照するようにします。
まあ、でも、「辞典」の豈の項には、熟語は、豈弟(ガイテイ)しか載っておらず、キと読む熟語は、載っていませんから、豈をキと読むことは到底浮かばなかったでしょう。覬覦は、覬の見出し熟語に載っており、一度は書いた筈ですが、全く憶えていませんでした。
覬に関してですが、「辞典」には、覬の意味欄に、類(同義または類似の漢字)として、冀とあります。冀にはこいねがうという訓がありますから、覬(キ のぞむ)と冀(キ こいねがう)は、音が同じで、訓義も類似しています。音が同じ漢字の中には、訓や意味が類似のものがあり、この両者は、セットで憶えておいたら良かったのです。それでも、のぞむという訓が浮かんだかは、疑問です。
「辞典」の覬の見出し熟語には、本問と同じく、覬覦と覬むが並んでいます。熟語音読み・一字訓読みの出題は、14-3からで日が浅く、これからまだまだ初出の問題が出ると思います。「辞典」で、音読み熟語と訓読み双方が載っている漢字が出るのだろうと思いますが、これはかなりの量がありますから、大変です。本問のような問題型式に限らず、音読みだけの問題のときも訓読みを考える、訓読みだけの問題のときも音読みを考える、これを励行するしかないかなあと思います。