鑿壁偸光 漢字検定一級抔

since 2006.6.11(漢検1級受験日) by 白魚一寸

再び、音訓相補

2006年06月30日 | 18-1(第40回)
次は、熟語音読み、一字訓読み

覬覦    ×がいゆ    ○きゆ   
覬(む)   ×ぬす(む)   ○のぞ(む)

あおむし様のブログやmixiでの情報でも、これは過去問に全く出たことがないとのことです。

覬は、豈+見の形声文字で、豈という部首はありませんので、部首は見であり、音符が豈になります。私は、漢検の勉強を始めた5年半前に買った1998年発行の「新漢字必携」を使っていました。これには、豈の音読みは、ガイしか載っておらず、他の読みは全く浮かびませんでした。「辞典」には、豈の音読みとして、ガイとキが載っているのですが、「辞典」の音読みの中には、「必携」に記載のない音読みが結構あって、そういうのは全て無視をしていました。また、訓読みも全く解りませんでした。

家内は、今回準1級を受け、2001年発行の「漢字必携1級」を使っていました。今日、これを見たら、豈の音読みにガイとキとあります。「必携」もバージョンアップで変化があることに初めて気付きました。今後は、新しい方の「必携」を参照するようにします。

まあ、でも、「辞典」の豈の項には、熟語は、豈弟(ガイテイ)しか載っておらず、キと読む熟語は、載っていませんから、豈をキと読むことは到底浮かばなかったでしょう。覬覦は、覬の見出し熟語に載っており、一度は書いた筈ですが、全く憶えていませんでした。

覬に関してですが、「辞典」には、覬の意味欄に、類(同義または類似の漢字)として、冀とあります。冀にはこいねがうという訓がありますから、覬(キ のぞむ)と冀(キ こいねがう)は、音が同じで、訓義も類似しています。音が同じ漢字の中には、訓や意味が類似のものがあり、この両者は、セットで憶えておいたら良かったのです。それでも、のぞむという訓が浮かんだかは、疑問です。

「辞典」の覬の見出し熟語には、本問と同じく、覬覦と覬むが並んでいます。熟語音読み・一字訓読みの出題は、14-3からで日が浅く、これからまだまだ初出の問題が出ると思います。「辞典」で、音読み熟語と訓読み双方が載っている漢字が出るのだろうと思いますが、これはかなりの量がありますから、大変です。本問のような問題型式に限らず、音読みだけの問題のときも訓読みを考える、訓読みだけの問題のときも音読みを考える、これを励行するしかないかなあと思います。

食すれば憶えるかな

2006年06月29日 | 18-1(第40回)
書き取りばかり書いてきましたので、次は読み問題。先ずは、熟字訓・当て字

海参  ×みる  ○いりこ

熟字訓・当て字はきりがありません。特に、海から始まる熟字訓は、多すぎます。「辞典」で数えたら、50もありました。到底覚えられん。過去問に出たものだけ覚えようと思っていました。それでも、何度も間違えたので、海驢は、カードを作りました。

また、3cats様の関心空間は、クリックすると読みが出てきますし、写真も載っていてイメージも掴めますので、漢字の読み、就中、熟字訓・当て字の勉強にとても重宝します。海参も見ていたのですが、過去問に出てないと誤解していたので、ついまあええかという気分だったのでしょう。高級食材ということですから、食べた記憶もないしねえ。

海参は、6-3で出ており(あおむし様のブログ参照)、合格捷径に載っていますので、私は実は持っていました。でも、10年以上も昔の問題などいいだろうと思って見もしませんでした。横着はいけませんね。

痛い失点

2006年06月28日 | 18-1(第40回)

(21.1.3 問題集に載っていたのを見つけたので追加)

も一つ 文章題の書き取り Bより

悟浄は、魂が甘くうずような気持ちで、

 ×噎  ○

 これもやった記憶はあったのですが、漢字は、全く浮かんで来ませんでした。宇能鴻一郎の小説によく出てきたなあなんて考えていました。回答欄は全部埋めるという方針でしたので、適当に埋めただけです。

 尚、本2-8-7Kに載っていたことに気付きました。18-1の約4年前に解いていたのですが、直前復習をしなかったので、問題集の何処に載っていたかもすっかり忘れていました。

 解答を見て、疼痛の疼かと思いました。一字訓読みの書き取りは、なかなか出てこないことが多いのですが、腓―腓骨と同じく、音読みが分かれば書けることがあります。

 疼くは、①何かことをしたくて心が落ち着かない(日国)という意味もありますが、本来の意味は、②ずきずき痛むことです。私は、文章から①の意味しか考えておらず、②の意味を全く考えていませんでした。昔から、齲でよく苦しんだのですが、あの痛みが疼くですね。

 疼くが、痛いという意味であることを理解していれば、うずく→痛み→とう痛→とうの音符は冬→痛みは病気だから部首は病垂→疼痛→疼くと連想できたと思います。なお、うずくについても、腓と同じく、「辞典」の音訓索引で、疼一字しかありません。


白皙考

2006年06月27日 | 18-1(第40回)
次は、文章題。

A,B,Cと三つに分かれ、A,Bは中島 敦「悟浄出世」、Cは、田岡嶺雲「行游」。青空文庫からAを引用(問題文に合わせて多少変えました 123は書き取り、アは読み)しますと、

「我々の短い生涯が、その前と後とに続く無限の大 1エイゴウ永劫)の中に没入していることを思え。我々の住む狭い空間が、無限の大 ア広袤こうぼう)の中に投込まれていることを思え。誰か、みずからの姿の微小さに、おののかずにいられるか。我々はみんな鉄鎖に繋がれた死刑囚だ。毎瞬間ごとにその中の幾人かずつが我々の面前で殺されていく。我々はなんの希望もなく、順番を待っているだけだ。時は迫っているぞ。その短い間を、自己欺瞞と 2メイテイ酩酊)とに過ごそうとするのか? 呪われた卑怯者奴(め)! その間を汝の惨めな理性を恃んで自惚れ返っているつもりか? 傲慢な身の程知らず奴!」 3 ハクセキの青年は頬を紅潮させ、声を嗄らして叱咤した。

3 ×博碩  ○白皙

ハクセキは、人物の形容です。ハクは、白が浮かび、セキは確か、白の部首にセキがあった。析が音符で皙と、一旦、正解が浮かんだのです。白皙は、14-3に読み問題で出ているから覚えていたのでしょう。

ただ、白皙は、「辞典」の見出し熟語に載っているのですが、意味を正確に理解しておらず、白皙=しろいぐらいしかわかりませんでした。白い青年、どうもピンと来ない。白鬚の老人なら分かるけど。

文章題は、時折、問題の語句の前後にヒントが隠されていることがあります。この問題は、発言が記述された後、ハクセキの青年と続きますから、発言内容にヒントが隠されていると思いました。そして、発言内容は、博学で碩学だから、博碩という熟語があるのでは、白皙より、博碩の方がいいのではないかと思いました。考えすぎですね。(博碩という熟語は、「大漢和」に載っており、おおきいという意味です)。

「皙い」の意味は、「辞典」によると、「人の肌の色が、くっきりと浮き出るように白い」ということであり、白皙も同じ意味です。漢字や熟語の意味を正確に理解しておけば、白皙の青年で違和感は無かったでしょう。

以下、蛇足。

中島敦は、漢籍の素養抜群でしたから、白皙も、「春秋左氏伝」(昭公 26年)から取ったのかもわかりません。また、「日国」からの孫引きですが、有島武郎の「ある女」

小柄で白皙で、詩吟の声の悲壮な、感情の熱烈なこの少壮従軍記者

とあります。こういう用例を見ると、白皙とは、単に色白というだけではなくて、世間ずれしておらず、頭でっかちで、社会を痛憤している若者のイメージのように思います。最近は、そういう若者を頓と見かけなくなりました。

凄艶な色

2006年06月24日 | 18-1(第40回)

も一つ (二)書き取り

エンジ色のネクタイがよく似合う。
×讌脂  ○臙脂または燕脂

これも言葉としては、誰でもご存じだと思いますし、色も分かると思います。色を貼ろうと思いましたが、やり方がよくわからないので、正解の背景色だけ、臙脂っぽい色にしてみました。

この言葉は、「辞典」で見たことがありましたので、エン+ジで、ジは連濁。シは脂、エンの音符は、燕までは分かりました。燕が音符になる漢字は、嚥、臙、讌の三つですが、また、部首忘れ病で、讌しか出てきませんでした。どうも、私は、酒盛りに関係する漢字だけが、定着性がいいようです。

解答を見たら、なんだ、燕だけでもいいのか、だったら、準1級の漢字で解答できたんだ。あるいは肉月か、部首が同じ熟語なんだと思いました。

「辞典」を見ますと、臙のところには、臙脂という熟語しか載っていません。従って、臙は、臙脂でしか使わない漢字と覚えておくべきものでした。また、1級には色名の漢字が結構出てきますから、daisaku様が分類を励行されているように、色名の漢字を纏めておくことも大事のように思います。

あおむし様の調査によれば、臙脂の書き取りは、9-1(平成9年度第1回の問題を以下このように略します)で出ているとのことですし、「征服」71p-2にも載っています。こういう問題は落としてはいけない問題なんだろうなあと思います。

以下、蛇足ながら、

臙脂(燕脂)は、「辞典」によると、紅花を原料とした赤色顔料とあり、植物性のようですが、臙脂は、肉月の漢字ですから、漢字が出来た頃は、動物性だったのではないでしょうか。

臙脂の原料として、紅花の他、メキシコ地方に生育する覇王樹に寄生するコチニールという虫の雌虫があげられており、コチニールのことを臙脂虫と言うようです。中国に昔は仙人掌があったとも思えませんし、どうやって、メキシコの虫が中国に伝わったかはよくわかりません。

参考本 「日本の伝統色彩」、「諸橋大漢和」 、「日国」(「日本国語大辞典」(旧版)の略)

尚、臙脂は、与謝野晶子が大好きだった色で、「みだれ髪」は、臙脂紫という晶子の造語から始まり、次のような歌も収められています。淡白な中年男性には、ちょっと脂っこいですね。

臙脂色は誰にかたらむ血のゆらぎ春のおもひのさかりの命


音訓相補

2006年06月21日 | 18-1(第40回)
次は、(二)書き取りです。

水泳中にコムラ返りが起きた。
×小腿  ○

(二)書き取りの内、同音訓異義語以外は、割とよく使われる言葉がでます。ただ、漢字で書けと言われると難しいものです。
コムラ返りは、よく使われる言葉ですし、私も何度も経験があります。若い頃は、寝ている最中になって呻いていました。山が好きで時々ハイキングに行きますが、日頃の運動不足が祟って、コムラ返りを起こしそうになることがしょっちゅうです。

唯、漢字は全く出て来ませんでした。時々、一字と思っていると二字のときもあるので、こ+むらと考え、むらは、村・群・叢とかあるけど違うよな。こむら返りを起こす部位は、下腿だから、小腿という熟字訓があるのでは。偶には、熟字訓も書き取りで出るしなんて思って適当に答えてしまいました。

解答を見て、あ、腓骨の腓かと思いました。一字訓読みの書き取りは、音が浮かぶと漢字が出てくることがあります。こむらも、その部位にある骨が腓骨であり、こむらという漢字の音読みがヒと出れば、音符非から腓は出てきたと思います。

それと、一字訓読みの書き取りは、「辞典」の音訓索引に、漢字が一つしか載っていないのが結構出ます。一つだと採点がし易いからでしょうか。今回の書き取りでも、腓の他、嚔、箍、鐚、砌は、それぞれの訓読みの索引欄に一つだけです。このことは、試験の直前に気付いて、問題を解いたものはチェックしていたのですが、腓(こむら)は問題集には出て来なかった記憶です。

標準解答とは異なるので駄目でした

2006年06月20日 | 18-1(第40回)

も一つ 四字熟語

(  )蒼生   ×淋雨  ○霖雨

「四字熟語」や「辞典」には載っていますが、問題集でやった記憶がなく、先ずは、全くわかりませんでした。ただ、入る言葉としては、「りんう」が残り、意味も「苦しむ者に恵みをあたえること」が残りました。

蒼生は、「辞典」にもある通り、青々と茂ることですから、りんうによって、青々と茂る、だから「う」は雨だろうと見当をつけました。

りん雨で、りんはどんな字か? これも負け惜しみですが、淋と共に霖も浮かびました。しかし、「辞典」に載っているのに、霖雨という熟語は忘れていました。そして、霖の訓がながあめですので、霖雨だと、ながあめあめになって可笑しいのではと思いました。

また、他の9問は出来たつもりで、いずれも1級の漢字が解答にあったので、一つくらいは、準1級の四字熟語が出るのではないか、確か、淋も蒼も準1級配当だ。そして、淋は、墨痕淋漓鮮血淋漓でも使われて、元気よくしたたるという意味がある。霖雨(ながあめ)よりも、淋雨(げんきよくしたたる雨)の方が、恵みになるのではと思って、淋雨を選択しました。

淋雨は、「辞典」には載っていませんが、「新字源」(旧版)には載っており、しかも、同義語として霖雨とあります。標準解答では、霖雨だけなのですが、淋雨でもいいのではないかと仄かな期待をしております。ただ、淋雨蒼生という四字熟語は載っていませんし、「四字熟語」や「辞典」によると、霖雨には、恩恵という意味があり、蒼生には人民という意味がありますから、霖雨蒼生という組合せじゃないといけないのだろうなあとも思います。

7/15追記 結果通知で、間違いでした。


カード式学習法の盲点

2006年06月19日 | 18-1(第40回)
今度は四字熟語

蹇蹇(   ) ×卑躬  ○匪躬

四字熟語は、どうしても覚えられないので、準1級のときからお世話になった、ささきしげき様のサイトを参考に、間違った問題はカードを作成していました。そして、daisaku様の学習法に刺激を受けて、カードを携行し、空き時間に捲るようにしました。その結果、四字熟語は、カードを作ったものなら大分解けるようになりました。

この問題のカードも、写真の通り、作ってありました。しかし、問題で出たのは、作ったカードとは逆の尋ね方でした。だから、匪の字を意識していませんでした。

もう一つ、表 ○○屈節  裏 卑躬屈節 というカードも作ってあり、ひきゅうと言えば、反射的に卑躬と出てくるようにしていました。この問題は、ノータイムで卑躬と答え、解答を見て唖然としました。

下手な考え休むに似たり

2006年06月18日 | 18-1(第40回)

も一つ 諺

機嫌キヅマを取る。
×着褄  ○気褄

あおむし様の調査でも初出題であり、全く聞いたことのない慣用句です。機嫌を取ると言いますから、機嫌とキヅマは、同義で、機嫌=キヅマでしょう。さて、どう書くか。

問題用紙には、先ず、気付間って書きましたが、これでは万葉仮名です。ヅは連濁、従ってキ+ツマと考えました。つまと言えば、国字で褄が思い浮かびました。そして、気褄と一旦正解に達したのです。

唯、気褄ではどうも意味がよくわかりません。褄が、着物のどの部分かよくわからないのですが、端っこでしょう。それと、気をくっつけてどういう意味なのか。それと、機嫌は、音読み+音読みですが、気褄だと、重箱読みになります。全く根拠はないのですが、機嫌が双方音読みなら、キヅマは双方訓読みではないかと思いました。きの訓読みと言えば、着があります。着褄を取る、着物の端っこを取って、「ねえねえ、お兄さん、寄ってらっしゃいよ」 これだと思いました。

「辞典」の気の見出し熟語に、気褄が載っています。そういえば、気の付く熟語には、結構重箱読みがありますね。1級配当漢字の見出し熟語は、全部一度は書いて見たのですが、常用や準1級のところまではとても手が回りませんでした。一つ一つ順番に見ていくのはとても疲れますから普通はできることではありません。常用や準1級の漢字を引いたときに、下に準1級や1級の配当漢字(▲が付いています)が使われている熟語に少しでも目を通すことが肝要かなあと思います。

「日本国語大辞典」(旧版)によると、気褄は、歌舞伎や人情本で使われ、円朝も、創作落語「真景累ヶ淵」で使っています。青空文庫にありましたのでその部分を引用しますと、

隅「さお酌致しましょう」 
富「これはどうも、まア一寸一杯、左様ですか」 
隅「私は大きな物でなくっちゃア酔わないから、大きな物でほっと酔って胸を晴したいの、いやな客の機嫌気褄(きづま)を取って、いやな気分だからねえ、富さん今夜は世話をやかせますよ」
富「大きな物で、え湯呑で上りますか、御酒は些(ちっ)とも飲(あが)らなかったんですが、血に交われば赤くなるとか、妙でげすなア、お酌を致しましょう、これは妙だ、どうも大きな物でぐうと上れるのは妙でげすな、是は恐入りましたな」 
隅「私は酔って富さんに我儘な事をいうけれども、富さんや聞いておくれな」

どうも、気褄を取るは、相手の気持ちを全面的に理解するのではなく、表面的・部分的、つまり気持ちの端っこだけで付き合うという意味のようです。「大言海」にも、「キツマ(気端)の意か」とあります。


漢文は、語調が良いが・・

2006年06月17日 | 18-1(第40回)

故事・成語 続き

サイロウ路に当たる、安んぞ狐狸を問わん。
×才狼 .○豺狼

先ず、白状しておきますと、これも、「征服」(完全征服の略語です)(116頁 11)に同じ故事成語が載っていますが見ていないから何ともなりません。あおむし様の調査によれば、平成9年第3回に同じ問題が出題されたようです。

また、豺狼は、「辞典」にも見出し熟語で載っています。更に、「漢検四字熟語辞典」(以下「四字熟語」といいます。)にも、後漢書 張綱伝を出典として、豺狼当路が載っており、どちらも見た筈なのですが、全く思い浮かびませんでした。

この成語は、抑も、意味がよくわかりませんでした。「安んぞ狐狸を問わん」は反語表現ですから、どうして狐や狸をたずねるだろうか、そんなことはしないという意味でしょう。ただ、「路に当たる」がよくわかりませんでした。サイロウが道を歩いていくという意味かなあと思いました。

サイロウは、狐狸をたずねないのですから、サイロウは、狐狸とは対照的な存在です。最初は、人間だと思って、ロウには老を宛て、サイは、まず才を考えました。狐狸は、狡賢いイメージがありますので、才老即ち、才能のある人間は、狡賢い者には見向きもしない。なんとなく意味通じるじゃんと思いました。

しかし、才老では、漢字が簡単すぎます。そこで、次に、塞老を考えました。人里離れて砦にいる老人は、狐狸を相手にしない。これも意味通じそうなのですが、何の変哲もありません。人間が、狐狸を相手にしないでは、当たり前すぎるのです。故事成語は、もう少し、機智に富んでいるものです。

そこで、サイロウは、人間ではなく、狐狸と対照的な動物と考えました。ロウは、狼狽とか狼藉で使われる狼だと解りました。狼なら、狐狸とは対照的です。いい線までは行ったのです。扨、サイですが、3cats様の関心空間を見ていたのに、豺は出てきませんでした。結局振出に戻って、才狼としてしまいました。

サイという音を持つ字は、「辞典」の音訓索引で見ると、69もあります。サイから豺の一文字は出てこないものです。やはり、豺狼という熟語、或いは、今回の故事成語を丸ごと憶えて、豺狼―狐狸を対義語的に憶えるのが良さそうです。

なお、「路に当たる」については、当路という熟語が「辞典」に載っていますが、勿論見ておらず、今般、初めて知りました。簡単な常用漢字の熟語でも、知らないものがまだまだあります。

後漢書は読んだことはありませんが、この成語を何度か音読すると、張綱の悲しみが伝わってくるような気がします。


後の祭り

2006年06月16日 | 18-1(第40回)
次は、故事・成語・諺です。

心正しければ即ちボウシ瞭らかなり。
× 眸視   ○ 眸子

この成語は知りませんでしたが、心が真っ直ぐであれば、眼が綺麗だという意味だと思いましたので、ボウシは眼に関係する熟語です。明眸皓歯という四字熟語がありますので、ボウが眸であることは気づきました。

さて、シですが、これが全く思いつかない。ひとみや眼に関係する漢字でシと読む漢字がないか考えましたが、わかりませんでした。違うだろうなあと思いながら、視と書きました。

「辞典」の子の意味には、⑥物の名の下に添える語とあり、例として、椅子、扇子が載っています。子に接尾辞の用法があることに思い至りませんでした。黒子や黶子も同じ使い方ですね。

尚、この成語は、試験が終わってから見たら、完全征服(115頁  14)に載っていました。私は、時間があまりなかったこともありますが、過去問ばかりやっていて、完全征服には殆ど眼を通していませんでした。完全征服は、過去問を集めたものだと聞いておりましたので、平成12年以降の過去問を潰せば、完全征服をやったのと同じだなんて軽信していました。

あおむし様の調査によれば、これは平成9年第1回に出題されたとのことであり、私は、この年の過去問は入手できていませんでした。

部首も忘れ、意味も違う

2006年06月15日 | 18-1(第40回)

も一つ 類義語

末世―×僥季  ○澆季

これも、部首間違い病です。ただ、前回の猖獗は、部首迷い病ですが、これは、部首忘れ病です。

一応、「辞典」の一級配当漢字の部分は、全部見ましたので、澆季も見ていますし、問題集にあったような気もします。キが季であること、ギョウの音符が堯であることまではわかりました。しかし、部首がわかりませんでした。

そのため、堯が音符に付く字をいくつか問題用紙に書いてみました。堯(=尭)、僥、翹、驍 さて、どれか。といっても、この段階で、澆は、全く出てこなかったので、どれでも不正解な訳ですが、試験のときどんなことを考えていたかといいますと、

対義語で、(問 安泰-)危殆(準一級配当)、(問 鄙俗―)都雅(常用)と答えており、準一級以下が既に二問も出てるから、ここは一級配当の筈、堯は、準一級配当だから違う。

末世は、良くない世の中だから、ギョウも良くない意味だろう。翹は、翹望という熟語があったが、のぞむという意味だから、特に良くない意味はない。

驍は、ハテ、どんな意味か忘れたが、堯は、たかいという訓があるから、驍も、馬がたかくなる、跳ね上がるような意味だろう。別に良くない意味はない。そうすると、翹と驍は、違う。

とすると、僥かな? 僥倖という熟語があって、僥は、幸せだから、良くない意味じゃないよなあ。待てよ、確か、僥倖は、滅多とない幸せだから、僥にめったとないという意味があるんじゃなかろうか。めったとない世の中≒末世。 よし、僥季で行こう。ちゃんちゃん。

(上記の下線部分は誤りです。僥の意味は、もとめる、ねがうです。)

今日、「辞典」を見たら、末世の熟語のところに、類義語 澆季と明記されている。でも、こんなとこまで、目を通せないよなあ。 


部首間違い病ではなかった

2006年06月14日 | 18-1(第40回)

結果通知を受けて修正しました。7/15)

更に 類義語

跋扈―○猖蹶 ○猖獗

これは随分迷いました。解答用紙に、最初、猖蹶と書いて、何か違うなあ。蹶を消して、猖獗と書いて、でもやっぱり何か違うなあ。また、獗を消して猖蹶にして、これも違うかなあ。どっちだろう、えい、儘よ、猖蹶で行こう。ご丁寧に、問題用紙に、猖蹶に○をして「これでいった」と書きました。

標準解答には、猖獗しかなく、猖蹶は間違いだと思っていましたが、結果通知では正解でした。よく見れば、「辞典」でも猖獗=猖蹶です。

なお、猖獗は、平成15年度第2回には、瀰漫の類義語として、問われていますので、瀰漫・跋扈・猖獗はそれぞれ類義語です。今後、今回の問題とは逆に、猖獗が問題文にあって、瀰漫や跋扈が問われるかもしれません。


斯の手の漢字は、憶え易い筈なのだが

2006年06月13日 | 18-1(第40回)

引き続き、類義語から

卑猥―×陰靡  ○淫(または婬)靡

インは、自信を持って陰と書いてしまいました。寧ろ、ビが、靡か糜のいずれか迷って、半ば当てずっぽうで靡と書きました。辞書で確認しますと、もう一つよく似た漢字で、縻もありますが、これは全く浮かんでも来ませんでした。

婬は一級ですが、淫は準一級です。一級の漢字もまだまだ書けないのが多いのですが、一級の漢字が書けたと思うと、簡単な字の方を間違ったりします。今回は、出題されていませんが、画竜天睛なんて書いたことがありました。

一級は、一級配当約三千字の試験ではなく、一級までの約六千字の試験であることを思い知らされました。


間違っても間違っても、また間違える

2006年06月12日 | 18-1(第40回)
いつも拝見しているdaisakuさんしのぶんさんのブログで、今年2月の準1級の受験記が記事になっています。その顰みに効って、18年第1回の問題で間違ったところを書いてみます。

先ず、今回、一番駄目だった、対義語・類義語から

対義語 善良―×悪剌  ○悪辣

対義語・類義語の問題形式は、1回10問。1級では、平成14年第3回から出題されていますので、過去問の蓄積は計100問。この問題は、平成15年度第1回に、全く同じ問題が出題されています。

私は、今回、過去問は、平成4年から平成11年までの一部と、平成12年度以降は全部しましたので、当然、この問題もしていました。最初にやった時にも、悪剌と書いて間違えました。そして、1週間前に、間違ったところだけ2回目をしたときも、また間違えました。その度に、5回か10回は、辣の字を書きました。もういいかなと思って、3回目の見直しを怠りました。そして、本番でもまた間違えました。

やはり、過去問は、特に間違ったところは、3回はしないといけないのだろうと思います。