(21.1.3 6項、7項修正)
20-1の行器(ほかい)は、「辞典」の見出し語にはありますが、巻末索引には載っていないものです。こういう出題が今まであったのか調べてみました。
1,熟字訓・当て字の小問の出題数は計451問
熟字訓の読みの出題数は次のとおりです。14-3以降は出題されていない外国地名の当て字は、今後も出題されない可能性が高いと思いますので、差し引き、分析の対象からは除外します。
4-1、5-1 30問―10問=20問×2=40問
5-2 20問
6-1 20問―5問=15問
6-2 20問―3問=17問
6-3 20問―5問=15問
4-1~6-3までの問題は、「次の動植物名はひらがなで記せ」とあり、厳密には、熟字訓には限定されていません。ただ、殆どは熟字訓の出題です。
7-1 10問
7-2~14-2(22回) 10問―3問=7問×22=154問
14-3~20-2(18回) 10問×18=180問
2、小問以外からの出題(42問、1項との累計493問)
熟字訓の小問以外の、(一)読みや文章題読みのところにも、熟字訓の読み問題が偶に出題されることがあります。20-2から遡ってチェックしています。「辞典」の索引にあるものは下記に記載し、索引にないものは 4項に記載します。
14-2以前は、現在と小問の構成が異なりますので、文章題の出題は「文」とします。尚、熟字訓の小問でも出題されたものは、括弧の右側に付記しました。
19-1(十)、8-2(一)驀地(まっしぐら)13-1Y
18-3(十)、17-3(十)、9-1(一)就中(なかんずく)
18-2(十)、11-3文、8-1(一)只管(ひたすら)
15-2(一)大鋸屑(おがくず)
15-1(十)縦令(たとえ)
14-1(十)月代(さかやき)
12-1(一)翡翠(かわせみ)
11-3文 蚰蜒(げじ)
11-3文 壁虎(やもり)
11-2文 女将(おかみ)
11-1(一)揶揄(からか)う
9-3(一)帷子(かたびら)
9-3文 若干(そこばくorそくばく)
9-3文 流行(はやり)
9-2文 梧桐(あおぎり)
9-2文 遠近(おちこち)
9-1文 草鞋(わらじ)
8-3(一) 枸橘(からたち)14-2Y
8-3文、6-1(一)黄昏(たそがれ)
8-3文 無花果(いちじく)
8-2(一)鮸膠(にべ)
8-2(一)、5-1(一)噯気(おくび)
8-2(一)後朝(きぬぎぬ)14-2Y 18-2Y
8-1(一)傀儡(くぐつ)
7-3(一)杜若(かきつばた)5-1Y 10-2Y
7-3(一)可惜(あたら)
7-3文 如何(いか)なる
5-1文 如何(いかがorいかん)
7-2文 梯子(はしご)
7-1文 所以(ゆえん)
6-3(一)顳顬(こめかみ)10-3Y 13-2Y 16-2Y
6-3(一)掏摸(すり)12-3Y
5-1(一)泥濘(ぬかるみ)
これを見ると、熟字訓の読みは、以前は熟字訓の小問以外でも結構出題されていましたが、最近は減ってきており、熟字訓の比重は軽くなってきています。
3,「辞典」の索引に載っている問題は、計475問
上記の過去問について、「辞典」巻末の熟字訓・当て字索引に載っているか全部チェックしました。実に、96,3%が索引に載っています。索引以外の出題は、18問(3.7%)にすぎません。27問に約1問にすぎません。
4、索引に載っていない問題
読みは、過去問の標準解答を載せます。この読みと同訓の熟字訓で、「辞典」の索引に載っているものは、=で記載します。また、【 】で括ったものは、「辞典」の見出し語にあり、「辞典」に載っている読みを()で付します。 なお、殆どが、熟字訓・当て字の小問からの出題ですが、それ以外の小問からの出題は、付記しました。
6-3【玄鳥】(ゲンチョウ) つばめ=【乙鳥】
6-3【春告鳥】(はるつげどり) うぐいす
6-3大熊猫 ぱんだ=【熊猫】
7-3 【荵冬】(ニンドウ) すいかずら=【忍冬】6-2Y 18-3Y
7-3文【五十路】(いそじ)
8-1(一) 吩咐(いいつ)かった
8-1鞦韆 ぶらんこ
9-2 獅子女 スフィンクス
10-1 釦鈕 ボタン
10-2 紫丁香花 ライラック リラ
10-2 油漆 ペンキ=【番瀝青】
11-1 塘蒿 セロリ
11-1 土瀝青 アスファルト
11-1 13-3 長尾驢 カンガルー=【袋鼠】
17-3 (十)【以為(おもえ)らく】
15-1 18-1 踏鞴 たたら=【蹈鞴】10-1Y 19-3Y
5,「辞典」の見出し語にはあるが、索引に載っていない熟字訓の出題は、以為(おもえ)らくに続き、行器が2度目
「辞典」の見出し語にあるものは、玄鳥・春告鳥・荵冬・以為らくの四つです。ただ、この内、「以為らく」以外の三つは、「辞典」の読みは、音読みまたは訓読みで、熟字訓としては、載っていません。それ故、熟字訓・当て字索引に載っていないのは当然です。また、その他は、抑、「辞典」の見出し語に収録されていらず、従って、索引にも載っていないものです。
そうすると、「辞典」の見出し語に熟字訓として載っているが、索引には載っていない出題は、17-3の「以為らく」以来2回めです。約2年半振りであり。7回に1度の頻度です。
6,14-3以降の索引以外からの出題は、以為らく・踏鞴・行器の三つ
また、「辞典」の索引以外からの出題は、平成11年頃まではある程度ありましたが、その後は激減しています。 「辞典」が発行されたのは、平成13年3月15日ですので、「辞典」発行以降は、「辞典」、就中、索引に載っている熟字訓を出題する方向になったのだと思います。
また、14-3以降、出題形式が変更になると共に、旧字体や外国地名の当て字が出題されなくなりましたが、出題傾向も変化しており、全体の出題傾向を占うには、14-3以降の過去問に重点を置けばよいと思います。(尤も、個々の問題としては、古い問題も再度出ます。)
この観点からしますと、14-3以降で、索引に載ってない熟字訓の読みが出題されたのは以為らく・踏鞴・行器の三つだけです。14-3以降の18回(小問180問、その他6問、計186問)の内、索引以外の出題は、3問だけで、出題率1.6%に過ぎません。
尤も、蹈鞴は、見出し語にも索引に載っており、過去問にも出題されていました。蹈鞴の別表記として、踏鞴が載っており、蹈と踏はよく似ており、しかも、踏は蹈の書き換え字ですから、これは其程難しくないと思います。
これと比較して、行器は、9級配当の行のところと、外(9級配当)の見出し語【外居】の別表記として載っているのですが、ここまではなかなか目を通せません。以為らくも、以(7級)に載っていますが、同様でしょう。
7, 見出し語にはあるが、索引に載っていない熟字訓は結構ある
以上から、以為らくや行器の出題は、特異と言っていいでしょう。尤も、見出し語にはあるが、索引に載っていない熟字訓が少しだけなら憶えてもいいのですが、実は、これは結構あるのです。「合格ノート」TEST19に載っている堅磐(かきわ)で気づいて、一時は、索引欄の五十音順のところに書き込んでいました。例えば、いで始まるものだけ少し紹介しますと、
斑葉(いさは)
弥終(いやはて)
磐座(いわくら)
煎汁(いろり)
書き込みながら、結構あることに気づきました。索引に載っている熟字訓だけでも約1800語くらいもあり、14-3以降出題されていない地名の当て字などを除外しても、これを全て憶えることは到底不可能です。従って、索引に載っていない熟字訓については、まあいいだろうと思って途中で止めてしまいました。見出し語のところには×を打ちました。
見出し語にはあるが、索引に載っていない熟字訓の出題頻度は低く、今後出題されても精々1問だけだと思いますから、当面読めなくてもいいでしょう。
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