(21.10.18 20-2の点数変更)
20-2 と同様、先ず、 「狭義の三点セット」からの出題数を調べました。
尚、機種依存文字は括弧に括り、e漢字を貼りました。最近携帯から拙ブログを見ることもありますが、機種依存文字は、携帯では読めないようです。以前の記事も直した方がいいでしょうが、そこまではなかなか・・。お気づきの点がございましたら御教示下さい。
1,「辞典」
1-1 1級国字 15点
(三) の小問10点全部の他、
(一)(蟎)(だに)の読み問題、
(二)にえ(錵)、(九)ごじょう(御諚)6-3K 10-1K 18-2Kの書き取り
でも出題されました。5-2~14-2までは国字の配点は20点でしたが、14-3以降は(三)国字の書き取りの配点は10点に下がりました。その他の小問でも時々出題はされていましたが、14-3以降で、1級国字だけで15点も取れるのは珍しいと思います。
1-2 索引にある熟字訓の読み 10点((六)全部)
1-3 その他の1級漢字を含む見出し語 116点
見出し語の出題例は、daisaku様のブログ2009-2-2 から2009-2-19 までの記事参照
1-4 小計 141点 (70.5%) cf.20-2 153点
(三)国字の他、 (四)語選択書き取りは、全て、狭義の1級見出し語からの出題です。
2,「辞典」の見出し語にはないが、他の1級漢字の見出し語から推知可能な読み 8点(累計149点) cf.20-2 159点
出題熟語について、茶色字は、小熟語で「辞典」に載っている熟語です。
←の右側が、1級漢字を含む見出し語です。
尚、過去問や問題集に出題されている熟語について、「過去問情報」や「辞典」に書き込んである範囲で注記します。他にも載っているとは思います。問題集の略語は、別記事参照。
(一)
6 寰中(かんちゅう)←人寰(じんかん)、塵寰(じんかん)
12 偃臥(えんが)←偃月(えんげつ)、偃蹇(えんけん)13-1Y 17-2Y、偃鼠(えんそ)6-2K・問50頁K、偃息(えんそく)、偃武(えんぶ)、偃武修文(えんぶしゅうぶん)8-1K 15-3K 17-3K
16 (牖)戸(ゆうこ)←中(ゆうちゅう)7-3Y 13-3Yに日を窺う
17蟹螯(かいごう)←車螯(しゃごう)
18機杼(きちょ)←投杼(とうちょ)
(七)
5爨室(さんしつ)19-1Y←炊爨(すいさん)13-1Y・17-1Y
7推覈(すいかく)←考覈(こうかく)19-1Y
(十)キ軒冕(けんべん)←冕冠(べんかん)、冕服(べんぷく)、冕旒(べんりゅう)、袞冕(こんべん)
3,「四字熟語」
3-1 1級見出し語 14点
(五) の四字熟語、今回は全て1級配当でした。その内、「辞典」の見出し語にあるのは、6つ。残りの4つ(8点分)は、「四字熟語」の見出し語から。意味も3問(6点分)あります。 今回の四字熟語の出題については、daisaku様の2009-2-10 と2009-2-11 の各記事参照。
3-2 1級見出し語から推知可能な読み 1点
(一)8 罪咎(ざいきゅう)16-3Y←既往不咎(きおうふきゅう)
3-3 小計 15点(累計164点) cf20-2 169点
4,上記1~3以外の過去問からの出題 12点(累計 176点) cf20-2 184点
4-1 見出し語にはなく、1級漢字を含む過去問 4点
(一)
2豢養(かんよう)15-1Y
27 莅(のぞ)む12-3Y 18-1Y
(九)いっき(一饋)に十たび起つ 13-1K 19-1K
4-2 見出し語にはなく、1級漢字を含む過去問から推知可能な読み問題 1点
(十)オ 岫雲(しゅううん)←雲は心無くして以て岫(しゅう)を出ず 14-1Y
4-3 準1級・常用だけで構成される見出し語にもある過去問 6点
(八)絶筆≒かくりん(獲麟)18-3K
(十)
天風吹いて、海鳴り、山騒ぎ、けんこん(乾坤)10-2K 16-2K 19-2K皆悲壮の鳴をなす。(出典 蘆花「自然と人生」寒月 青空文庫は作業中です。岩波文庫にあります。)
とろ(蕩)かし 9-1Kは、とろ(蕩)けると自動詞ですが、今回は、他動詞で出題されました。「辞典」の訓見出し語は、自動詞・他動詞両方載っているものや、一方しか載っていないものがあるのですが、自動詞か他動詞の訓見出し語が書き取りで出題されていれば、他方も書けるのではないかと考えます。
4-4 見出し語になく、準1級・常用漢字を含む過去問から推知可能な読み問題 1点
「辞典」の見出し語にある熟語だけ【】で括ります。
(十)狗鼠(くそorこうそ) ←【乳狗】(にゅうく)5-2K、【走狗】(そうく)8-2K 10-2K、【狗尾続貂】(くびぞくちょうorこうびぞくちょう)9-3K 【窮鼠】(きゅうそ)6-1K、【黠鼠】(かっそ)9-1Y
5,狭義の三点セットの中で、熟字訓を除く準1級・常用で解ける問題
上記4-3の6点と4-4の1点の計7点となります。それと、
(二)の
すいばん(推輓)は、推挽(常用+準一級)
わだかま(蟠)るは、盤(常用)、磐(準一級)
にえ(錵)は、沸(常用)
がそれぞれ許容解答ですから、合わせて13点となります。なお、盤るや磐るは、「辞典」の訓にはありませんので、学習しなくてもいいでしょう。
6 纏め
狭義の三点セットで176点になります。私が調べた17-3以降では、19-3に次いで低い数字です。狭義の三点セットについて、私の絞り込みの方法が悪いのかもわかりませんが、狭義の三点セット以外の問題が24点分あるということは学習しづらい問題も結構出題されたということだと思います。ネットでの合格リピーターの意見は、其程難しくなかったという意見が強いのですが、合格はできても、高得点は取りにくいように作ってあるような気がします。 なお、合格のためには176点分も学習する必要はないわけですから、更に三点セットの絞り込みを継続します。
7 小問毎の内訳
1(「辞典」の1級見出し語等)+
2(「辞典」の見出し語から推知可)+
3(「四字熟語」の見出し語及び推知可)+
4(過去問及び推知可)
の内訳は次のとおりです。括弧は、狭義の「三点セット」からは解けない分です。
(一)18+5+1+2=26点/30点(4点)
(二)28+0+0+0=28点/30点(2点)
(三)10+0+0+0=10点/10点
(四)10+0+0+0=10点/10点
(五)16+0+14+0=30点/30点
(六)10+0+0+0=10点/10点
(七)6+2+0+0=8点/10点(2点)
(八)18+0+0+2=20点/20点
(九)14+0+0+2=16点/20点(4点)
(十)11+1+0+6=18点/30点(12点)
狭義の三点セットで、文章題以外は、いずれの小問も8割以上取れますが、文章題は、6割しか取れません。ただ、(一)~(九)の小問ができれば合格点は取れますし、文章題の対策は取りにくいものです。従って、 (一)~(九)の小問に力をいれて、そこで培った語彙力で、文章題に当たればよく、合格のためには文章題特有の対策は不要と考えます。