常用親字欄の音読み見出し語のチェックは一応最後まで済ませました。●や△も沢山付けました。次のようなことも遣っていました。19-2で出題された【不堪】が載っている不の親字欄で説明します。
1, 複数表記がある場合は、どちらかが簡単かを考える
【不一・●不乙】(ふいつ) 一イツ(10級・表内音)と乙イツ(3級・表外音)では一の方が簡単です。どちらかが書ければいいのですから、不乙→不一と矢印を書き、不乙は、読めればよく、書けなくてもよい熟語とし、Kに×を付しました。
2, 類義語・対義語が見出し語にあるか探す
準1級親字欄を読むときにも遣っていました。【不一・不乙】欄に、類(同義語・類義語のこと)として、不悉・不尽が載っていますので、見出し語にあるか探します。不悉は見出し語にないので、×を付けました。 ●【不尽】は、見出し語にあるので、レを付け、意味も読みました。意味欄に、不一とありますので、ここにもレをしました。また、 ●【不二】の意味欄にも、不一とあるのでこれもレをしました。不一=不乙=不尽=不二で、四つの熟語を学習しました。
3, 四字熟語を構成する二字熟語に留意する
● 【不壊】(ふえ)欄に、金剛不壊が載っています。金剛不壊は準1級配当で「四字熟語」の見出し語にあります。金剛ふえと問われたら書けそうですが、「ふえ」とだけ出ると、漢字が書けるどうか心許ないものです。載舟覆舟→覆舟19-1Kや鴟目虎吻→鴟目19-3Kの出題例がありますので、四字熟語を構成する二字熟語も書けるようにしたいと思っています。
4, 知っている熟語とセットで理解する
● 【不縁】には意味が二つ載っており、その一つに類義語【離縁】が載っています。不縁という熟語は知りませんでしたが、離縁は既知です。離縁<不縁と関連づけます。他にも、
●【不軌】>【謀反】・【反逆】
●【不辜】≒【無辜】
●【不日】(ふじつ)=近日
●【不二】(ふじ)>【唯一】・【無二】(むに)
など一杯出てきます。理解するのが精々で、とても書けそうにはありません。
5, 音読みの読み分けに留意する
上にも例を出した●【不二】(ふじ)では、二をジと読みます。無二では二をニ(片仮名)と読むのにどうしてなのかなあと思って、二の親字欄を見ますと、ジは表外音です。二をジと読むのは、二の親字欄では
【二乗】にじょうorじじょう
【二心】にしんorじしん
の二つだけで、孰れも「に」でも「じ」でもOKです。従って、「辞典」の見出し語の中で、二を「じ」としか読まないものは、今のところ、不二しか見つかっていません。二の親字欄の下の音読み「ジ」のところに、不二のみ、他は「ニ」もOKと書きました。
他の辞書を繙くと他にもあるのかもわかりませんが、私は、当面、「辞典」の見出し語だけを潰していこうと思っています。常用漢字の音読みが複数ある場合の読み分けは難しいものです。結局は熟語の読み癖で憶えていくしかないのでしょう。
6, 下付きの漢字の親字欄を参照する
● 【不予】は、楽しくないことという意味で、参考として、 「予」は、たのしむ意とあります。予にこんな意味あったかなあと思って、予の親字欄を見ると、④たのしむとあります。予に楽しむという意味があるのは初めて知りました。訓にはありませんので、「予」はたのしむ意のところに、「訓なし、意あり」と書きました。予の意味欄にも線を引きました。
辞典学習は、色々と新しいことを学べるものです。ただ、読んでいるだけですので、書けるかは別問題です。今、がくぶんの過去問題集を解いていますが、●を付けた熟語が書けないことがあります。例えば、
ごへい(御幣)をかつぐ(第15回)
問題を沢山解いた方が語彙の増強には資するような気もしますが、私は辞典を読むのが好きだから、今後も読み続けていこうと思います。次は、以前から続けている、意味がonlyな訓の1級漢字を探そうと思います。