正太 「それと、執着を断つには、「自分が執着している対象は、死んでこの世を去るとき、あの世に持って還ることはできない」ということを、きっちり腑に落とすことも大切なんだ」
勇二 「前に「あの世には心しか持って還れない」って、聞いたね」
正太 「そうそう。たいてい執着の対象になるものっていうと、お金とか地位とか、財産とか土地とか名誉とかなんだけど、こうしたものを手に入れようといくらあくせくして生きたとしても、あの世には何一つ持って還れないんだね。
この世で総理大臣だったとか、一流企業のワンマン社長だったとしても、死んで地獄に堕ちて、地獄の鬼が、その人の肩書きを見てひれ伏すということはないんだよ。もし運よく天国に還れたとしても、天国で名刺を使う機会なんか、ただの一度もないんだ。天国で通用する名刺というのは、一つしかないんだよ」
勇二 「ほー、天国で通用する名刺、ね」
正太 「それは、その人の心の状態なんだね。少し難しく言うと、その人の悟りの段階なんだ。そして、その人の想念帯のテープに記された記録だけなんだよ。
生前、その人が何を思い、何を行ったかが一つ残らず記録されているその記録だけが、あの世に入ってからの、その人のパスポートになるんだね。あの世で出会う人たちに、「自分はこういう人間です」ということを示す通行証のようなものになるんだよ」
勇二 「となると、みんなに見られて恥ずかしくない、立派な記録を、作っとかなきゃいけないね」
正太 「また、この世で、億万長者になって、ぜいたくの限りを尽くしたとしても、それが天国へのパスポートになることはないんだね。自家用ヨットとか飛行機、定期預金証書、大豪邸とかはあの世へは持っていけないんだ。いくら有名人になっても、地獄の鬼は、釜の湯の温度を一度も下げてはくれないんだよ」
勇二 「僕の回りにも「人生、金だー」「億万長者になるぞー」という人はいるけど、そういうこと自体を目標にしても、結局は空しいということになるね」
正太 「名誉にしても同じで、学士院や芸術院の会員になったところで、何の役にも立たないんだね。地獄には、元大臣、元学長、元博士、元裁判官、元検事なんかが「こんなはずはない。他人が地獄に堕ちるならともかく、自分が地獄に堕ちるなんて到底承服できない」とか「いったいワシを誰だと思ってるんだ。○○である自分に対してこの扱いはなんだ。おい誰か出てこないのかー」なんて、わめいている姿があちこちで見られるんだ。つまり、自分の名誉や栄達ばかり求めて、他の人たちに愛を与えるということをしてこなかった人たちの哀れな末路なんだね」
勇二 「うーむ。偉くなってやたら威張ってる人っているけど、せっかくビッグになっても、最後が地獄じゃガックリだよね」
正太 「実際、日本の総理大臣といわれた人たちがどれだけの数、地獄に堕ちて苦しんでいるか。人もうらやむような大会社の社長が、何百人、何千人と、色情地獄、阿修羅地獄、畜生道に堕ちているという現実。また、生前、金儲けばかりうまくて、何人もの女性との快楽を貪った人間が、快楽のうちに人生をおえた人間が、たった数十年の快楽のために、一体何百年、苦しみという名の代償を払い続けているか。そうした事実を知ったら、たくさんの人たちが欲しくて欲しくて血相を変えている、この世での肩書きとか財産とかいうものが、いかにはかなく、むなしく、あの世でまったく通用しないかが痛いほどよくわかるんだね」
勇二 「そうか、そんな状態なのか」
正太 「こうした人たちに共通するのは、「この世に執着の多い人ほど、苦しみもまた深い」ということなんだ」
勇二 「うーむ。この世にいたとき、執着が強かった人ほど、あの世での地獄の苦しみが大きくなるわけか…。うー、ブルブルっ、気をつけなきゃなあ」
勇二 「前に「あの世には心しか持って還れない」って、聞いたね」
正太 「そうそう。たいてい執着の対象になるものっていうと、お金とか地位とか、財産とか土地とか名誉とかなんだけど、こうしたものを手に入れようといくらあくせくして生きたとしても、あの世には何一つ持って還れないんだね。
この世で総理大臣だったとか、一流企業のワンマン社長だったとしても、死んで地獄に堕ちて、地獄の鬼が、その人の肩書きを見てひれ伏すということはないんだよ。もし運よく天国に還れたとしても、天国で名刺を使う機会なんか、ただの一度もないんだ。天国で通用する名刺というのは、一つしかないんだよ」
勇二 「ほー、天国で通用する名刺、ね」
正太 「それは、その人の心の状態なんだね。少し難しく言うと、その人の悟りの段階なんだ。そして、その人の想念帯のテープに記された記録だけなんだよ。
生前、その人が何を思い、何を行ったかが一つ残らず記録されているその記録だけが、あの世に入ってからの、その人のパスポートになるんだね。あの世で出会う人たちに、「自分はこういう人間です」ということを示す通行証のようなものになるんだよ」
勇二 「となると、みんなに見られて恥ずかしくない、立派な記録を、作っとかなきゃいけないね」
正太 「また、この世で、億万長者になって、ぜいたくの限りを尽くしたとしても、それが天国へのパスポートになることはないんだね。自家用ヨットとか飛行機、定期預金証書、大豪邸とかはあの世へは持っていけないんだ。いくら有名人になっても、地獄の鬼は、釜の湯の温度を一度も下げてはくれないんだよ」
勇二 「僕の回りにも「人生、金だー」「億万長者になるぞー」という人はいるけど、そういうこと自体を目標にしても、結局は空しいということになるね」
正太 「名誉にしても同じで、学士院や芸術院の会員になったところで、何の役にも立たないんだね。地獄には、元大臣、元学長、元博士、元裁判官、元検事なんかが「こんなはずはない。他人が地獄に堕ちるならともかく、自分が地獄に堕ちるなんて到底承服できない」とか「いったいワシを誰だと思ってるんだ。○○である自分に対してこの扱いはなんだ。おい誰か出てこないのかー」なんて、わめいている姿があちこちで見られるんだ。つまり、自分の名誉や栄達ばかり求めて、他の人たちに愛を与えるということをしてこなかった人たちの哀れな末路なんだね」
勇二 「うーむ。偉くなってやたら威張ってる人っているけど、せっかくビッグになっても、最後が地獄じゃガックリだよね」
正太 「実際、日本の総理大臣といわれた人たちがどれだけの数、地獄に堕ちて苦しんでいるか。人もうらやむような大会社の社長が、何百人、何千人と、色情地獄、阿修羅地獄、畜生道に堕ちているという現実。また、生前、金儲けばかりうまくて、何人もの女性との快楽を貪った人間が、快楽のうちに人生をおえた人間が、たった数十年の快楽のために、一体何百年、苦しみという名の代償を払い続けているか。そうした事実を知ったら、たくさんの人たちが欲しくて欲しくて血相を変えている、この世での肩書きとか財産とかいうものが、いかにはかなく、むなしく、あの世でまったく通用しないかが痛いほどよくわかるんだね」
勇二 「そうか、そんな状態なのか」
正太 「こうした人たちに共通するのは、「この世に執着の多い人ほど、苦しみもまた深い」ということなんだ」
勇二 「うーむ。この世にいたとき、執着が強かった人ほど、あの世での地獄の苦しみが大きくなるわけか…。うー、ブルブルっ、気をつけなきゃなあ」