正太 「まあ実際は深海の底だから、肉体っていうのは、潜水服というよりもカニの甲羅か鉄の甲冑に近いんだけどね」
勇二 「カニの甲羅!? 僕なんかこれでもずいぶん絞って身軽になったんだけどなあ。まあ霊とか魂なんていうフワフワした摩訶不思議な世界から見るとそう見えるというわけか」
正太 「そんなふうに、人は死ぬと肉体という衣を脱ぎ捨ててあの世に還っていくんだね。これはちょうど何年も地下で眠っていたせみの幼虫が、木に登って殻を脱ぎ大空に飛び立つようなものなんだ。あるいは、葉っぱの上を這っていた青虫が蛹になり、きれいな蝶になるようなものなんだよ」
勇二 「今度は、せみの幼虫か、青虫かい。あー、僕なんか会社でしぼられてひたすら忍耐の毎日だから似てるかもしれないね」
正太 「ちなみに、青虫が蛹になり、蝶になっていく姿というのは、人間の転生輪廻(生まれ変わり)の姿を教えるために神様が創ったものなんだよ。蝶は蝶として最初から飛び回っていてもいいんだけど、それ以前の段階で地面を這うという不自由な生活をすることで、大空を飛ぶことがどれほど素晴らしいかを人間に教えているんだ」
勇二 「ふーん。たとえとしては綺麗だけど、いきなり「神様が」といわれても僕にはちょっとねえ…」
正太 「そうだね。そうした話はおいおいしていこう。ところで、肉体を魂が脱ぎ捨てるというのが「死」なんだけど、魂が肉体から遊離するという現象は「幽体離脱」というかたちで生きている人も稀に体験することがあるんだよ」
勇二 「カニの甲羅!? 僕なんかこれでもずいぶん絞って身軽になったんだけどなあ。まあ霊とか魂なんていうフワフワした摩訶不思議な世界から見るとそう見えるというわけか」
正太 「そんなふうに、人は死ぬと肉体という衣を脱ぎ捨ててあの世に還っていくんだね。これはちょうど何年も地下で眠っていたせみの幼虫が、木に登って殻を脱ぎ大空に飛び立つようなものなんだ。あるいは、葉っぱの上を這っていた青虫が蛹になり、きれいな蝶になるようなものなんだよ」
勇二 「今度は、せみの幼虫か、青虫かい。あー、僕なんか会社でしぼられてひたすら忍耐の毎日だから似てるかもしれないね」
正太 「ちなみに、青虫が蛹になり、蝶になっていく姿というのは、人間の転生輪廻(生まれ変わり)の姿を教えるために神様が創ったものなんだよ。蝶は蝶として最初から飛び回っていてもいいんだけど、それ以前の段階で地面を這うという不自由な生活をすることで、大空を飛ぶことがどれほど素晴らしいかを人間に教えているんだ」
勇二 「ふーん。たとえとしては綺麗だけど、いきなり「神様が」といわれても僕にはちょっとねえ…」
正太 「そうだね。そうした話はおいおいしていこう。ところで、肉体を魂が脱ぎ捨てるというのが「死」なんだけど、魂が肉体から遊離するという現象は「幽体離脱」というかたちで生きている人も稀に体験することがあるんだよ」