停泊地)西荻窪アケタの店(07.11/7)~第二話~
メインアーティスト)チコ本田(ボーカル) 岡恵美(p)荒巻茂生(b)大田智洋(ds)
前回のつづき。
それにしても、今日はやけに“濃くて熱い”ライブだなと思ったら、会場にラーメン界のカリスマおかみこと、町田のラーメン店「雷文」のU女史が来ている事をチコさんから紹介される。(名刺に“一麺一心”と書いてあった。こちらも熱い!)ご本人の話によると、数日前に町田のジャズ喫茶『Nica's』でチコさんのライブがあり、たまたまそれを観て、いたく感動し一気に大ファンになり、本日尋ねて来たと言うことです。しかも、秘伝のつゆと麺をお土産に持参。
これに飛びついたのが、競演のベースマン荒巻さん。氏は自他共に認める大変なラーメンフリークのようで、本日も、休憩時間には、ラーメン仲間のアケタのスタッフと延々ラーメン談義。ジャズマンにラーメン好きは多いようで、こういった情景は、いたる所でみられる。
すこし脱線するが、1970年代後半には、世間様を大混乱におとしいれた、ジャズ・ピアニスト山下洋輔らによる「全冷中運動」(「全日本冷し中華愛好会」の略称。初代会長山下氏)というムーブメントが起きている。これは、二代目会長・作家筒井康隆の時に例の有名な「全冷中は死んだ!」という声明文の頒布により約5年間の歴史を閉じた。このことは、冷やし中華への異常な執着を通して、ラーメンに対するこだわりが、ジャズの世界では尋常ではないと言うことの歴史的証明と言える運動であった。
何故だろう。何故こんなにジャズマンはラーメンに惹かれるのだろうか?
ラーメンの語源にはいろいろな説があるようだが、良く分かってないらしい。でも私には確信していることがある!それは英語の「Lamentable/ラメンタブル=悲しい」とベースの部分で密接にかかわっていると。
高校時代お世話になった英語参考書に「英単語連想記憶術/武藤たけお著、青春出版社」という優れた参考書があった。驚くべきことに今でも同社の看板書籍として流通している。要するに、ダジャレとそれを表現した挿絵を使って面白おかしく英単語を覚えちゃおうという内容で、言ってみれば、タモリクラブの「空耳アワー」の原型のような書物である。そこで「Lamentable」の項を記憶を辿って紹介すると、受験生が夜中、悲しい顔してラーメンをすすっている挿絵があり、「Lamentable」と「悲しい」を連想式記憶術で表現した次の文が掲げてある。
「ラーメン食ぶる、悲しい受験生!」
(「食べる」が「食ぶる」になったところがちょいと苦しいが、30年以上たっても私の記憶から消えないところからみると、この文の持つインパクトの大きさがうかがえよう!)つまり「ラーメンを食べる事」は、「ブルージー」な行為であり、ブルージーは、ジャズマンに共通するソウルである。これで、多くのジャズマンが何故「ラーメン」を求めるかの謎が氷解する訳である。あ~そういう事だったのか!と。
「全冷中運動」の時も、詩人奥成達が「コルトレーンが吹くと冷し中華屋が儲かる」という有名な詩を詠んだが、まさしく現代の状況を予言し、看破している。
そこで最後に荒巻さんに問いかけたい!
「荒巻さん、今夜も“ラーメン食ぶる?”」
いい加減にしろ!という怒号と共に、タマゴや腐ったトマトが一杯飛んできたのでダッシュで船に戻ろう!
メインアーティスト)チコ本田(ボーカル) 岡恵美(p)荒巻茂生(b)大田智洋(ds)
前回のつづき。
それにしても、今日はやけに“濃くて熱い”ライブだなと思ったら、会場にラーメン界のカリスマおかみこと、町田のラーメン店「雷文」のU女史が来ている事をチコさんから紹介される。(名刺に“一麺一心”と書いてあった。こちらも熱い!)ご本人の話によると、数日前に町田のジャズ喫茶『Nica's』でチコさんのライブがあり、たまたまそれを観て、いたく感動し一気に大ファンになり、本日尋ねて来たと言うことです。しかも、秘伝のつゆと麺をお土産に持参。
これに飛びついたのが、競演のベースマン荒巻さん。氏は自他共に認める大変なラーメンフリークのようで、本日も、休憩時間には、ラーメン仲間のアケタのスタッフと延々ラーメン談義。ジャズマンにラーメン好きは多いようで、こういった情景は、いたる所でみられる。
すこし脱線するが、1970年代後半には、世間様を大混乱におとしいれた、ジャズ・ピアニスト山下洋輔らによる「全冷中運動」(「全日本冷し中華愛好会」の略称。初代会長山下氏)というムーブメントが起きている。これは、二代目会長・作家筒井康隆の時に例の有名な「全冷中は死んだ!」という声明文の頒布により約5年間の歴史を閉じた。このことは、冷やし中華への異常な執着を通して、ラーメンに対するこだわりが、ジャズの世界では尋常ではないと言うことの歴史的証明と言える運動であった。
何故だろう。何故こんなにジャズマンはラーメンに惹かれるのだろうか?
ラーメンの語源にはいろいろな説があるようだが、良く分かってないらしい。でも私には確信していることがある!それは英語の「Lamentable/ラメンタブル=悲しい」とベースの部分で密接にかかわっていると。
高校時代お世話になった英語参考書に「英単語連想記憶術/武藤たけお著、青春出版社」という優れた参考書があった。驚くべきことに今でも同社の看板書籍として流通している。要するに、ダジャレとそれを表現した挿絵を使って面白おかしく英単語を覚えちゃおうという内容で、言ってみれば、タモリクラブの「空耳アワー」の原型のような書物である。そこで「Lamentable」の項を記憶を辿って紹介すると、受験生が夜中、悲しい顔してラーメンをすすっている挿絵があり、「Lamentable」と「悲しい」を連想式記憶術で表現した次の文が掲げてある。
「ラーメン食ぶる、悲しい受験生!」
(「食べる」が「食ぶる」になったところがちょいと苦しいが、30年以上たっても私の記憶から消えないところからみると、この文の持つインパクトの大きさがうかがえよう!)つまり「ラーメンを食べる事」は、「ブルージー」な行為であり、ブルージーは、ジャズマンに共通するソウルである。これで、多くのジャズマンが何故「ラーメン」を求めるかの謎が氷解する訳である。あ~そういう事だったのか!と。
「全冷中運動」の時も、詩人奥成達が「コルトレーンが吹くと冷し中華屋が儲かる」という有名な詩を詠んだが、まさしく現代の状況を予言し、看破している。
そこで最後に荒巻さんに問いかけたい!
「荒巻さん、今夜も“ラーメン食ぶる?”」
いい加減にしろ!という怒号と共に、タマゴや腐ったトマトが一杯飛んできたのでダッシュで船に戻ろう!