渋いっ!僕らのTokyo Jazz Cruising♪~今夜も出航!~

Live cafe & bar 池袋Apple Jump(アップルジャンプ)店主の日誌

♪目黒の夜空に、小鳥鳴く。 50寄航目 記念ライブ!

2007年12月31日 | ジャズ・ライブ
停泊地)目黒Jay-J's Cafe(07.12/29)
メインアーティスト)黒野 治子(p)吉野 ミユキ(as)渋谷 盛良(b)鈴木 麻緒(ds)

“アルト・サックスのジャズに興味があって、取りあえずライブを見に行きたいのですが・・・”
とか
“昔、吹奏楽部でクラリネットの経験があって、今度はサックスに挑戦してみたいのですが、どなたか良い先生を・・・”

といったご依頼に、私が自信を持ってお勧めするのは、本日の吉野ミユキさんですね。
CDをリリースして、事務所が媒体に大きくプロモーションをかけて等、といった活動を全くされていないので、「スウィング・ジャーナル」の人気投票とかには登場してきません。しかし、そのライブパフォーマンスの評判は知れ渡っているため、ライブ会場に行くと常に熱心なファンや生徒さん達であふれかえっています。ほとんどが口コミによるリピーターですね。先月の六本木「サテン・ドール」でのライブも超満員だったようです。(残念ながら行けなかった。くやし~い。)CD発売記念やバースデイ・ライブでもないのに、あのクラブのキャパ(80席ぐらい)を満員に出来る人はそういませんよ!
スタイルはいたってオーソドックス。アルトのジャッキー・マクリーンがファーストアイドルのようですが、ビバップをベースに歌心たっぷりアドリブ展開していきます。また、アドリブ中に、ビバップの古典や有名なスタンダード曲等の“引用フレーズ”が頻繁に出てくるので、そちらも楽しみの一つです。
とにかくフレーズの引き出しが無尽蔵にあるなと感心して、9月の吉祥寺「赤いからす」でのライブの合間に色々と練習方法などお伺いしてみました。
吉野さんによると、昔から気に入ったメロディ、フレーズがあるとすぐにコピーするそうです。しかも、すべて耳コピ(市販のコピー譜とかではなく、流した音をそのままとる)だそうです。今、ここらあたりの機材は充実していて、スピードを自在に変えて音程が変わらないものなどがいくらでもあるのに、今でもカセットデッキを使っているそうです。昔もオープンリールテープの機材があれば、速度を半分に落としてコピーすることが出来ましたが、従来から、あくまでリアルスピードのカセットですべて対応しているということですね。チャーリー・パーカーの超ハイスピードのフレーズなども、慣れてくると出だしの音でほとんど予測できるようになるということです。ヒェ~、恐るべし、ですね。それから、テナーのジョン・コルトレーンや、アドリブを譜面にすると幾何学模様のように上下飛び交うジョー・ヘンダーソンなどもよくコピーしたそうです。
ん~、チャーリー・パーカーの歴史的名演「ドナ・リー」のコピーを一丁モノにしてやろうぜ!と硬く決意したにも係わらず、一向に進まずにワンコーラスで投げ出してしまった私には、耳が痛~い。

そんな吉野さんを大きくフィーチャーしたのが本日のセット。ピアノはリーダーの黒野さん。吉野さんとは対照的にビバップ色が薄く、ソロはリリカルでアルペジオがとても心地よく響く。ピアノまでビバップ系だと、ちょっとくどくなりますね。従って、うまい具合にサウンドがチェンジしていく訳ですね。絶妙のコンビです。リズムの2人も軽快でステディ。
特に印象深かったのは、ディジー・ガレスピーの「グルーブン・ハイ」、スタンダードの「スウィート&ラブリー」、ボサノバで盛り上がった「コルコバード」など等。
しかしなんといっても感動的だったのは最後のステージで演奏した、
「Nightingale Sang in Berkeley Square/バークレイ広場のナイチンゲール」
この特別な、ロマンティックな夜に、ナイチンゲール(小夜啼鳥)はバークレイ広場で鳴いていた、とリフレインする、イギリスの美しいバラード。私、実は、いつのまにかこの曲の虜になっています。同じように虜になったイギリスのナイスガイがいました。彼の名は、ロッド・スチュアート。ロッドの「ザ・グレート・アメリカン・ソングブック3」に収録されてます。イギリスの曲なのに「アメリカン・スタンダードナンバーを歌う」という企画に収録してしまう入れ込みようです。(ジャケットに、“ロッドの特別なUKクラシック”と但し書きをして・・・)それから、10/9の斉田佳子さんのサテンドールでのライブでも堪能しました。彼女のニューアルバムのラスト・ソングですね。これ一発でファンになりました。

今年最後となるライブ観戦。しかも7/18の仮クルージングから通算すると本日が、ライブ観戦、実に50寄航目という節目にふさわしい最高のプレゼントでした。

半年で、ライブ50本か!我ながらよく行ったなという感じですね。BLOGでは触れませんでしたが色々ありました。なんと言ってもキツイのは、お客が自分一人だった時ですね。で、やっぱりつまらない。それでいて出るきっかけが掴めない。一応私がいるから演奏しているわけですからね。それからコアな選曲なのに、ほとんどMCで曲目紹介をしないボーカリストも困ったものです。ライブ中ずーと、何の曲だっけなと頭ひねりまくり、解決しないまま帰船することに。あと30年ぐらい前からずっと言われ続けているのは、あまりにも服装に気を使わない演奏者が多いことですね。特に、というか全部男性。イマドキなのでファッションになっていればカジュアルでも全然構わないけど、「休日お父さんが近所のスーパーでティッシュ買って来ました!」的ないでたちが結構あります。敬愛するテナーの竹内直さんの真っ赤なパンツルックいいですよ!勝負服なのかな?炎のような演奏スタイルにピッタシですね。スタイルは変わっても、デューク・エリントン達が貫いた、ジャズマンの“ダンディズム”の精神みたいなものは受け継いで欲しいな、と感じるのはオヤジだけかな?
ちょっとグチっぽくなってしまったけど、Blogで紹介した通り、それ以上に沢山の感動と発見の日々でしたね。勿論紹介し切れなかった素晴らしいライブも沢山あって、機会をみつけて紹介していきたいと思います。

本年最後ということで、長くなりましたが、最後までお付き合い頂き有難うございます。来年も引き続きこの「僕らのTokyo Jazz Cruising」の航海は続きます。停泊地で見かけたら声を掛けてください。そして機会がありましたら一緒にライブに行きましょう!

では、船に戻って年越しの準備だ!
何しろ明日は101回の汽笛を鳴らす大役があるからね!

それでは皆さん、よいお年を!
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前田優子 with 13 Strings & Flute

2007年12月29日 | ラテン/ブラジル系ライブ
停泊地)荻窪ルースター(07.12/27)
メインアーティスト)前田優子(vo)長澤紀仁(g) 阿部浩二(7弦g) 上西智子(fl)

本日は、TOYONOさんに引き続き、ブラジル音楽のトップランナーといえる
ボーカリスト前田優子さんのステージです。
いろいろ回を重ねていくと共演者がお馴染みになってくるのが嬉しいですね。
ギターの阿部浩二さんは、12/19の「TOYONO ブラジリアン・クリスマス・セッション/プラッサオンゼ」でそのユニークな7弦ギターの世界を初体験。
これは、通常のギター六本の弦にもう一本低音部の弦を追加された楽器。普通は、開放B音で調律するらしい。これによって、通常のコード付けのバッキングにさらに、太いベースラインを味付けすることが出来る。この楽器を操れる奏者は日本でも少ないらしいが、実に効果的にコードワークとベースラインを組み合わせてバッキングします。従って全体的にスゴク立体的なサウンドになる訳ですね。

もうひとりのギタリスト長澤紀仁さんは、9/7の「音あそび/ルースター」以来。
「音あそび」は、長澤紀仁(g) マツモニカ(クロマチックハーモニカ) 仙道さおり(perc)による人気ユニットで、ルースターでは一日ではキャパが足りないので2daysとなっている。この時も、会場と一体となった素晴らしいライブでしたので、いつか紹介したいなと出番を待っていたところです。パーカッションの仙道さんの超絶テクは必見ですよ!彼女は超売れっ子なのであまり沿線のライブハウスでは見る機会がなくなってきています。(現在は、葉加瀬 太郎のライブツアー中)
彼女から元気をもらいたい人は、下記サイトで「カホン」という打楽器のデモ演奏が見れますので、そのテクの一端を覗いてみてください。
仙道さんカホン デモ演奏

さて、そんな絶妙なTwin Guitarとステディなフルートを従え、前田さんのオリジナルから今夜はスタート。そして、ジョビンの名曲「ディサフィナード」と続く。
楽しいですね。これとか、二部で歌った「サマーサンバ」とかは、ジャズ系の歌手でも聞く機会があるけれども、やっぱりちょっと違う。う~ん、うまく表現できないな。ジャズ系の方がマイルドなブレンド・ウィスキーとすると、こちらは、何も足さない、何もひかない、頑固一徹芳醇なスコッチ・モルトウィスキーの味わいといったところでしょうか。(お酒に興味ない人もある人も、せーの、何のこっちゃ!)

二部に入ると、ライブ中もポカーンとして始終携帯のメールを気にしていた若い場違いな六人組の集団が、私の「頼む一部で帰ってくれ!」という念力が通じて、帰ってくれて、ノリのいい、女性軍団に入れ代わる。すると、予想通りステージとの一体感が高まり、前田さんもグッとギアをアップ。最後は、サンバの名曲「トリステーザ」で大盛り上がりのステージとなりました。

それにしても、「音あそび」、「関モヒカーノ恭史バンド」、今回と、ルースターにくると必ずラテン系だな。ここは、ブルースやジャズがメインの店なのに!

よーし、次は本年最後の寄港地だ!
船に戻って、年賀状出して、大掃除して、天皇杯観て、ミルクティー飲んだら
目黒へGOだ!
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東京・ナイトクラブ・クルージングみたいな!

2007年12月21日 | ジャズ・ライブ
停泊地)吉祥寺Sometime(07.12/16)昼の部
メインアーティスト)佐藤春樹(tb)佐藤達哉(t.sax)
          板垣光弘(p)早川哲也(b)滝幸一郎(ds)

本日も、信平さんの時と同様、サムタイム日曜昼の部の紹介です。
今日もこのメンバーでミュージック・チャージ1000円!
(1回分の予算で2回行けて余っちゃう!嬉しい企画ですね)
このお買い得企画は、知れ渡ってる為か、本日もほぼ満席。午前中にふと“行こう”と思いつきすぐに予約を入れて正解。煉瓦のカウンター席の絶好のポジションで観戦。

一部は、コール・ポーターの名曲「ナイト・アンド・デイ」でスタート。
いや~渋いっ!。管楽器二本の場合は、トランペットがからむケースが多いけど、このトロンボーンとテナー・サックスのフロントラインの響きはとにかく格好いいですね。それぞれ一本でも渋いのに、二本重なると何ともいえない重厚なサウンドになって、テーマを聞いただけでしびれます。
続いて、ちょっと不思議なメロディーのセロニアス・モンクの「リフレクションズ」。いい曲ですね!今日このセットで久しぶりにこの曲を聞いて惚れ直しました。昔、ソニー・ロリンズとモンクの演奏(Blue Note1558)をさんざん聞いていたのに、今日改めてこんなに美しい曲だったのか!と再認識。いい曲は、何年たっても又新しい発見があったりするから面白いですね。

曲が進むうちに明らかになってくるのだけど、このセットの表記は、佐藤春樹クインテットではなく、「佐藤春樹カルテット・フィーチャリング佐藤達哉」が実態に近いですね。それだけ達哉さんの存在感が、特にソロパートでは大きい。
佐藤達哉さんは、その凄まじいテクニックで知れ渡り、特にコルトレーン、ブレッカー系のテナー・サックス奏者では、日本ではトップクラス。現役のプロのサックス奏者まで達哉さんの自宅へ習いに行っているほど、サックスの達人です。
今日は、春樹さんのリーダーライブだから“まあ、ほどほどに”とか“適度に”という言葉は、達哉さんには当てはまりません。
達哉さんは常に全力投球でソロをとります。毎曲、アバンギャルドな世界に入っていきます。このゾーンに入ると、あちこちでニヤニヤ笑い顔が見えます。達哉さんのファンが多いのか、驚くべき高速フレーズや絶叫を楽しんでます。
達哉さんの演奏はずいぶん聞いています。(実は、達哉さんは大学のジャズ研の一級先輩です。年は一緒なのに!)今日は特別良かったように思います。

さて、二部は、なにか懐かしい感じのブルージーな曲で始まりました。「ハッシャ・バイ」かな、いや違うな。曲が終わるまでとうとう曲名が出てきませんでした。
春樹さんが、曲目紹介。
「今お送りしたのは、西田佐知子の昭和40年のヒット“赤坂の夜は更けて”でした!」
ヒエー。こんなんありですか!一本取られました。しかし格好良く決まってましたね。魅惑のナイトクラブ音楽ではありません。モダンジャズですよ。(といっても若い人には何のことか解りませんね。)
続いて、なんとイーグルスの「ならず者/Desperado」。あぶなく歌いだしそうになりました。春樹さん、おやじのハートを狙い撃ちですね。この曲をトロンボーンですすり鳴きされたのでは、たまりません!みんないちころです。
最後は、エリントンの「キャラバン」で締めくくり。達哉さんのテナーがひと際炸裂してました。
しかし、このフロントを支えたトリオ、凄く良かったです。全員初めて聞く名前だけども、とにかくレベルが高い。東京には無尽蔵に良いジャズミュージシャンがいるということでしょうか。恐るべし、Tokyo Jazz Cruisinng !

というわけでW佐藤さんの年末超お買い得なライブのお知らせでした!

よーし、今日は西田佐知子メドレーでも口ずさみながら船に戻ろう。
♪アカシアの雨がやむとき~、ベッドで煙草を~ ウナ・セラ・ディ・東京~、
 コーヒー・ルンバ!・・・いっぱいあってなかなか船に着かないよ!
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もし、バカラックの音楽がなかったら・・・

2007年12月14日 | ジャズ・ボーカル・ライブ
停泊地)六本木アルフィー(07.10/5)
メインアーティスト) 平賀マリカ(v)
守屋純子(p) 高瀬龍一(tp) Andy Wulf(sax) 山下弘治(b) 池長一美(ds)

弱小インディーズ系海運会社によって運営されている当クルージングにとって、原油価格の異常な高騰は死活問題です。組織の方から、“予算オーバーだぞ。停泊地を間引け!”との指令に答えざるを得ません。
ということで、今回は少し前のライブを紹介することにします。とは言え、少なくとも船長にとっての、今年一番と言ってよいボーカルライブをこの日誌に記すことになります。

この日「アルフィー」に登場したのは、ジャズ・ボーカリスト平賀マリカさん。
マリカさんは、今、人気・実力とも日本で最も充実したボーカリストのひとりですね。前作
「Faith」は、ピアノのハロルド・メイバーン・トリオ+エリック・アレキサンダー(ts)といった超豪華メンバーをバックにスタンダード・ジャズを歌いまくり、今作では、D.マシューズ率いるマンハッタン・ジャズ・クインテットを従え、バカラック集をリリース。そして、2作品連続でスイング・ジャーナルのゴールド・ディスクを受賞という快挙ぶりです。
今回は、その6月に発売されたCD「Close to Bacharach」の発売記念ライブツアーの最終日という、おいし過ぎる情報をMCで初めて知りました。
ステージは、「雨にぬれても」ではじまり、「サンホセへの道」「Close To You」とバカラックの甘く、切なく、軽快で、スタイリッシュな定番曲が続く。マリカさんのシャープな歌声が、バカラックの作品に輝きを与え、D.マシューズの編曲によるミステリアスで躍動感あるブラス入りのバックサウンドが、それを一層引き立てて会場を包み込むという感じでしょうか。

ちょっと脱線:昔、ブラジルに「ボサリオ」というコーラス・グループがいて、彼ら(彼女ら)の歌う「サンホセへの道」がマイ・ファースト・バカラックです。ドーナツ盤と呼ばれるシングル・レコードですね。発売してすぐに買った記憶があります。小学生の時です。変な小学生ですね!今だったら間違いなく、いじめられてますね。良かった!牧歌的な“三丁目に夕日”時代で。
では、それからずっとバカラックに浸っていたかというと、もちろん、そうではありませんね。小粋なバカラックにはそういった付き合い方は似合いません。折にふれて、という感じでしょうか。しかし気が付いたら、長い歳月の間に、色々な曲がいつの間にか体の中に浸み込んでいたという感じ。なにかビンテージ・ワインのような熟成の仕方ですね。(←飲んだことないくせに!)
もし、バカラックの音楽がなかったら・・・
きっと、コルクのない380円ぐらいのテーブルワインのようですね!

今日は、バカラックの極上の世界を堪能できました。マリカさんが自分で“あたし天然ボケなの”といってましたMCも軽快かつ絶妙。また同じセットでバカラックを聞きに来たいと思ったけど、今日が最終日なので残念ですね。マリカさんや、本日のバンドマスターでピアニストの守屋さんによると、大変複雑なアレンジで合わせるのが大変だったらしい。このメンバーで何度もリハーサルして、ツアーを重ねながら漸くここまできたので、なかなか再演できない、ということです。まあ、今日間に合ったのを良しとするか。

よし、今日は、「雨にぬれても」を口笛で吹きながら、自転車こいで船に戻ろう!
(解るかなぁ?)
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退屈な日曜は、サムタイムでシエスタを!

2007年12月09日 | ジャズ・ライブ
停泊地)吉祥寺Sometime(07.11/25)
メインアーティスト)シエスタ:井上信平(fl),小泉明子(vo/p),
               安井原の新(perc)

前回ご紹介したアマチュア・フルート奏者による口コミ情報(お勧めフルート奏者)の「信平さんは別格として・・・」のその別格の井上信平さんが本日のセットです。
井上信平さんは、1957年生まれのベテラン・フルート奏者で、口コミ情報でも“別格”とある通り、人気・実力とも日本一のジャズ系フルート奏者ですね。フルートという楽器は、その美しい音色と演奏するときの上品なたたずまいが受けるのか、女の子にとても人気の楽器らしい。ちなみに小学校で、新しく吹奏楽部を作るから好きな楽器を選んで下さいというと、女の子では圧倒的にフルートを選ぶそうですね。自然とトッププロの世界でも、サックス奏者の持ち替えは別として、専業奏者としては、女性が圧倒的に多いように思います。前回の太田朱美、それから小島のり子、赤木りえ、深津純子、MIYA・・・。
こういった中でいぶし銀のごとく輝いているのが井上さんですね。スイング・ジャーナルの人気投票でも、時々美しき女性奏者に首位を奪われても、少し落ち着くと、いつの間にか一番に戻っている。

そのフルートの孤高のトップランナー(風貌からして“信平アニー”というイメージなので、この例えは、あまり似合ってないかも知れませんね!)のステージをミュージック・チャージたったの千円!で堪能出来るのが、本日の「サムタイム」の昼の部ライブ。この店では日曜日の2時から、低料金でライブを楽しむことが出来る。(但し、毎週ではない。)しかも、今回のように出演者は、一流どころがエントリーされていて、内容も2部構成で充実。夜の部とほとんど変わらぬお得な企画です。

ステージは、井上さんにとっては、目をつぶってもと言うより、昼寝(シエスタ)しながらでも軽々出来ちゃうボサノバの名曲「ONE NOTE SAMBA」から始まり「NO MORE BLUES」と続く。さらに、今では完全にジャズの定番曲となっているSTINGの名曲「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」と流れていく。いや~、渋いっ!めちゃくちゃ格好いい。隅々まで知り尽くした名曲を、本日のメンバーや会場の空気を感じ取って、最適なパフォ-マンスでヒョイと提供する、これぞ“匠の技”という感じかな。

さらに二部に入って、これ又超定番曲の「黒いオルフェ」では、あまりの美しさと幻想的な音色(通常より太い、バス・フルート?に持ち替え)で会場はシエスタ(まどろみ)状態。この曲は、有名になりすぎて、逆にプロのステージではあまり聞く機会がなくなってしまった感じ。久しぶりに“あ~いい曲だな~”と感心。そしてアレンジされたラベルの劇的な「ボレロ」を経て、最後は、フュージョン全盛時代のシャカタクの名曲「NIGHT BIRDS」で締めくくり。この曲、ヒットした当時は、何か売れせん狙いの軽いフュージョン・ポップだな、と思ってましたが、改めて聞くと、実に楽しくていい曲ですね!すいません、シャカタクのみなさ~ん、私が間違ってました!
そしてアンコールは、お約束の「イパネマの娘」で締めくくり。いや~、本日は満足度120%のライブを堪能しましたね!

出口で会計を済ませると階段を上がって、1階へ。いつもは、ライブが終わると真夜中なのにまだ明るい!不思議な感じですね。

そうだ!まだ船に戻るには早いので、久しぶりにまめ蔵に寄って、好物のビーフカレーだ!
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たくましき、若獅子達!

2007年12月03日 | ジャズ・ライブ
停泊地)吉祥寺Strings(07.11/23)
メインアーティスト)広瀬潤次(ds),太田朱美(fl),堀秀彰(p),本川悠平(b)

当クルージングにとって、何処に停泊して、何を観るかは極めて重要な判断であります。がむしゃらに有名なミュージシャンのライブに行っても、コストばかりかかって評判倒れなんて事は、日常茶飯事ですね。そこで一番頼りになるのがなんと言っても口コミ情報です。先日、渋谷の某ジャズ・バーで偶然知り合ったアマチュアのフルート奏者に、お勧めのフルート奏者を聞いてみたら、「信平さんは別格として、なんと言ってもアケミちゃんですね!」と回答。その後、やけに熱心に太田朱美さんのことを語ってました。

太田朱美:広島大学では、蘚苔類の研究を専門とするかたわらジャズ研究会に所属。おや~、何かかぶるな!と思ったら、同大学出身で、ミジンコ生態学では、日本の権威であるアルトサックスの奇才坂田明の系譜と重なるではないか!ん~、ひょっとしたら、何か予想外のぶっ飛んだライブが観れるかもしれないぞ!、という期待感で吉祥寺Stringsのある地下室へ。
リーダーの広瀬さんは、ライブハウスでのドラマーでは極めて珍しく、紺のスーツでびしっと決めている。(ほとんどの人はTシャツ一枚)一見、有名銀行のエリート行員か、一流商社マンといったいでたち。今夜のライブには「JUNJI HIROSE Sound of JAZZ」とテーマが付けられていて、単に、寄せ集めのセッションみたいな、ゆるいセットじゃないぞ!という強い決意みたいなものを感じますね。そして、ライブが進むにつれ、少しずつこのユニットに仕掛けられた意図のようなものが見えてきた!それは、例えるならばこう言う事だ。

「ライオンはわが子を千尋の谷に突き落とし、這い上がってきた子だけを育てる」

つまり中堅ドラマーのリーダーは、ひと回り若い、売出し中の3人(ほぼ同世代らしい)に次々に難問をぶつけ、クリアするのを、淡々とリズムを刻みながら待っていると言う仕掛け。これを観客席からハラハラドキドキしながら観ているのは、実に刺激的で楽しい!だから、無事崖から這い上がってくるたびに、大歓声が上がる。
一部の最後の指令は、コール・ポーターの名曲「JUST ONE OF THOSE THINGS」を猛烈なスピードでアドリブすること!(普通は、4分音符=150~160あたりで演奏される曲です)後で広瀬さんに聞いたら、今夜は、380ぐらいだったようです。400を超える時もあるようだとか!すごい!3人とも難なく余裕でクリアし一部を終える。

二部で待ち構えていたのは、モダン・ジャズの奇才セロニアス・モンクの「Evidence」。モンクは「ラウンド・ミッドナイト」や「ルビー・マイディア」といった美しい曲も作曲したが、この曲は、ピアノを覚えたての幼児が適当に鍵盤を叩いたら出来ちゃったといった感じで、これをアドリブ展開してさらにリスナーから「あ!いいね。OK」と合格するのは至難の業。しかし3人とも無事クリア。ピアノの堀さんなんかは、以前モンクに没頭していた時期があったとのことで、谷底から生還したときは、大歓声が上がった程。彼は、仮面ライダーのようなオレンジ色のメガネをしていて、一見軽そうに見えるけど演奏は、いたって熱く骨太。それでいて常に冷静。既に沢山の引き出しを取得している頼もしき若獅子ですね。

もうひとつのモンク作品の試練は、「Four In One」。広瀬さんの解説によると、テーマが 16分音符の連続で、一拍の中に四つの音があるという意味のタイトルではないか、とのこと。テーマをとるだけでも難問である。テーマは勿論、太田さん。目の前で太田さんが「この曲知らないのよ!しかもさっき譜面を渡されたばかり。」とつぶやいていた。素人ならテーマを吹くだけで一ヶ月掛かってもキツイ。勿論無事クリア。アドリブ展開に入っても、ぶっ飛びフレーズ炸裂で、久しぶりにモダン・ジャズのスリリングなアドリブの世界を堪能。やっぱり口コミの威力は凄いですね。間違いなかった。紹介してくれて有難うAさん。
それから、こういった難曲の合間に「サボイでストンプ」などという軽快なスタンダード曲を、会場全員の合いの手コーラスを交えて披露。チャーミングなこの曲が、一層引き立つ仕掛けにになってる訳ですね。

いあ~、それにしても今夜の観客の反応は鋭かった。客席と一体となったハイレベルな即興演奏の世界。これぞジャズライブの真骨頂と行った感じですね。恐らく、ニューヨークや、パリでもこれだけのハイレベルなパフォーマンスはめったにないでしょうね。ジャズ・ミシュランみたいのがあれば、星三つといったところでしょうか。
(あ!まずい。船長が、極秘裏に進めているジャズ・ミシュランの覆面調査員だということがばれたら、組織に狙われてしまう!)

そうだ、よ~し、今夜はコートの襟を立てて船に帰ろう。
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