渋いっ!僕らのTokyo Jazz Cruising♪~今夜も出航!~

Live cafe & bar 池袋Apple Jump(アップルジャンプ)店主の日誌

ドタキャンから駒~突然のフリーライブで発見!浜崎 航~

2008年10月31日 | ジャズ・ライブ
停泊地)渋谷JZ Brat(08.10/27)
メインアーティスト)井上陽介(b),堀秀彰(p),小山太郎(ds),浜崎航(ts),荻原亮(g),
SUITE VOICE(chorus group),Bobby Ricketts(ts)

先週、信頼おけるある情報筋から、嬉しいニュースが飛び込んできました。
「来週の10/27,28の2日間、渋谷のJZ Bratで井上陽介さんの無料ライブが突然決まったらしい。」という内容でした。井上さんは、スウィングジャーナル人気投票のベース部門で2年連続No.1となった、名実共にNo.1ジャズ・ベーシストです。
この知らせを聞いて、あわててJZ Bratのホームページで確認しました。
事の経緯はこういうことです。

実は、この2日間は、アマンダ・ブレッカーのライブが予定されてました。
アマンダさんはランディ・ブレッカー&イリアーヌ夫妻の娘で、この夏にCDデビューをした話題のシンガーです。
それが、健康上の理由ということで、公演が中止となりました。
直前だった為、他のライブを入れる時間の余裕はありません。それでは、折角集めたこの共演ミュージシャン達でライブをやりましょう、ということで、井上さんをリーダーとしたミュージック・チャージ無料のライブが実現した次第です。
そして、数日前にここでライブを行ったボーカルグループにも声が掛かり、さらにその時の共演者のデンマークのサックス奏者も合わせて参加することになり、なんとも豪華な無料ライブとなりました。
このライブ、普通に編成されていたら、チャージ5,000円クラスですね。
うちの情報部員も、なかなかやるなあ!

さて、久しぶりのJZ Bratです。ここは、セルリアンタワー東急ホテルの2階にあって、店内はなかなか豪華です。キャパは100人ぐらいでしょうか。天井が高く、音響もとても良いです。
1stは、「Milesetone」「When Lights Are Low」と2曲インストで始まりました。
そして女性4人のコーラス・グループ、「SUITE VOICE」とサックスのBobbyさんが加わって、ボーイズ・タウン・ギャングの「君の瞳に恋してる」やスタンダード・ナンバーが演奏されていきます。
そして、最後は又インストに戻って、ハンク・モブレーでお馴染みの「リメンバー」をサンバ・バージョンで盛り上げて、1部は終了となりました。
予想通り、なんとも豪華なステージでした。

そして、本日の大収穫はなんと言っても浜崎 航(はまさき わたる)さんですね。
この5人のメンバー、売れっ子揃いで、様々な組み合わせで何度も聞いてますが、浜崎さんだけ、初めてでした。期待の若手サックスプレーヤーということで、1度ライブを聞いてみたいミュージシャンとしてずいぶん前からリストアップしていたんだけど、何故か、今日まで実現しませんでした。
まあ、期待の若手ミュージシャンというのは、実にたくさん居て、フォローし切れないというのが現状です。
なので、本日のような予定外のライブで首尾よく発見!といった感じでしょうか。
突然のキャンセルから発生した、みごとな駿馬の登場に喜び勇んで“ドタキャンから駒”と題した次第です。

(注)浜崎さんは確か30歳ぐらいです。若手と呼ぶには微妙な感じですが、ジョージ・ベンソンが昔言ってた“この世界では、40代になってやっとジャズ・ミュージシャンと認められるようになるんだ!”という定義をここでは踏襲しています。30代までは、サッカーで言えば、ユース世代ですね。みんなU40か。ずいぶんと長いユース期間だなぁ、、、

浜崎さんのサックス、まず、なんと言っても音が良いです。特に高音が素晴らしい。テナーサックスの場合、高音が美しいと、この楽器の最大の武器である低音のサブトーンがとても効きます。
そして、フレーズのセンスも抜群です。私の印象では、敬愛する三木俊雄さんのイメージとダブります。以前、テナーサックスの重鎮、尾田 悟さんが、三木さんを評して、彼のアドリブには、“インテリジェンスとペーソスを感じる”と評してましたが、まさに浜崎さんにもそれが当てはまります。
本日のピアニスト堀秀彰さんとのコンビも抜群で、評判の「堀秀彰&浜崎航双頭バンド」のリーダーライブも是非今度聞きに行きたいですね。

2部は、再び5人のインストで、ミディアムテンポにアレンジされた、スタンダードの「My One and Only Love」からスタート。続いて、井上さんの神業的なベースソロをフィーチャーした、「Alone Together」。今日は、井上さんのリーダーライブということで、普段のサポートライブでは聞く機会があまりない、超絶テクニックてんこ盛りで、もう釘付け状態です。
そして、SUITE VOICEも加わって、もう豪華お祭り状態です。
最後は、また5人のインストに戻りました。コーラス入りのド派手な10人の演奏のあとに、白けないかな、と心配しましたけど、全くの杞憂でした。
ジャコ・パストリウスの演奏で有名な「The Chiken」でこれまた、大盛り上がり大会で本日の幕を閉じました。

今夜は、豪華絢爛ジャズ・エンターテインメントを堪能しました!
(しかもチャージ無料で!)

ところで、浜崎さんは名古屋市立大学医学部を卒業されて、医師免許も持っているそうです。それが、薄給のジャズ・ミュージシャンの道を選んでいる。
凄いですね。医師になるか、ジャズ・ミュージシャンになるか、凡人には理解できない、究極の葛藤があったのでしょうか。ジャズファンとしては嬉しい限りです。

私だったら、きっと、、、、、、、



(追記)
今回の内容とはリンクしませんが、以前ご紹介した、トランペッターの市原ひかりさん。NHKのトップランナーへの出演が決定したそうです!(放映は12月ぐらいか。)楽しみですね。やはりジャズのような小さな世界の場合、スターの出現は大賛成ですね。燦燦と輝く太陽があって、初めて燻し銀アーティストたちに渋い光が降り注ぐ訳ですからね!
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このジャズ・クルージングも一年経ってしまいました!

2008年10月24日 | その他
気が付いたら、このジャズ・クルージングも丸一年経ってしまいました。
始めた時は、まさかこんなに長く続くとは思いませんでしたね。

この間、通ったライブは、155本。
ライブ・スポットは、ちょうど50ヶ所となりました。
そしてその内4ヶ所は、既に閉店しています。
(吉祥寺赤いカラス、上野GH9、渋谷Baby Talk、代官山Candy)
特に、上野GH9は、アコースティック系の小編成ユニットのライブには、最適な音響空間だったので、とても残念です。

そして、訪店頻度BEST5が、以下の通りとなります。

吉祥寺SOMETIME×24回
吉祥寺STRINGS×12回
御茶ノ水ナル×8回
青山プラッサオンゼ(ブラジル系)×8回
青山BODY & SOUL×7回

自宅が調布なので、通いやすい吉祥寺の2店が結果的に中心となっています。
SOMETIMEから、表彰状貰えるかな?
まあ、ここの常連には、吉祥寺在住で毎週通ってくる人が何人も居ますので、月2回程度ではダメですね。
何れにしても、訪店頻度が高いということは、概ね満足度が高いということに直結します。魅力ある編成、値ごろ感、快適な空間といったところが判断基準となります。

特筆すべきは、ブラジル音楽系の「プラッサオンゼ」ですね。
ジャズファンでボサノバを中心としたブラジル音楽に興味を持っているひとは、たくさん居ると思います。ところがライブとなると情報がほとんど取れません。
以前、知り合いから、四谷の「サッシペレレ」を紹介されました。ボサノバ歌手の小野りささんのご家族が経営されていることで有名ですね。一般的には、プラッサよりネームバリューは有ります。
一度行ってみました。印象としては、ライブハウスというよりも、ブラジル音楽の生演奏をバックに、ブラジル郷土料理を楽しむレストランという雰囲気です。なので広い店内、半分はステージを観ることが出来ません。BGMという楽しみ方ですね。バンドは、月曜は誰、という感じでローテーションされたいわゆるハコバンスタイルです。演奏のレベルは高いです。聞くところによるとはずれはないそうです。ジャズでいうと、ニューオリンズ系のライブPUBの雰囲気に近いかな。
なので、何か新しい、想定外のプラスαを求めるところではありません。

一方プラッサでは、Saigenji、Toyono、行川さをり、Bophana(解散してしまいました。残念!)といったミュージシャン達が、ブラジル音楽をベースにそれぞれオリジナルな音楽を追求するといった空間を毎夜提供しています。時々大はずれがあります。これは仕方ありませんね。しかし、新しい音楽と出会える瞬間を求めてファンが支持し続けている、この独特の空気が好きですね。

まあ、ここらあたりは、TPOでそれぞれ楽しみ方が違ってきます。

さて、ブラジル音楽以上に見えないのが、邦楽系のライブ事情です。
ロックのライブハウスはいくつか知ってます。ロフト、リキッド、曼荼羅や下北系数々。でもアコースティック系は玉石混交でまったく見えません。
実は、昔からアコースティック系の主に女性ボーカルが大のお気に入りなんです。
大貫妙子、吉田美奈子、畠山美由紀等等。

そこで急告します。
アコースティック系の邦楽アーティストのライブ事情に詳しい諜報部員募集します!
(未来のアンジェラ・アキみたいな原石が、今もどこかでひっそりと歌っているんだと思うんだけど、、、)



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市原 ひかりと懐かしき銀座スウィング(下)~府中の森で発見!~

2008年10月15日 | ジャズ・ライブ
停泊地)銀座スウィング(08.9/19)
メインアーティスト)市原 ひかり(tp), 杉本 篤彦(g), 阿部 篤志(p),
岸 徹至(b), 岩瀬 立飛(ds)

(前回のつづき)
20数年ぶりに銀座スウィングの扉を開けると、懐かしい光景が広がってきました。
恐らく内装は当時とほとんど変わってないんじゃないかな。ステージをつつむように大きなカウンターが楕円形に配置され、その後にソファーとテーブル席が有ります。客数は70~80人ぐらい。
働いていたときは、社会人になったら、今度は客としてここに来て、サーブされる側になるぞ、とは思いつつも、結局今まで一度も来る事はありませんでしたね。
特に避けていたわけではありません。考えもしなかったということでしょうか。
長年、生き馬の目を抜くシェアー争いの激務に忙殺されて、全く気持ちに余裕がなかったんでしょうね。

さて、ステージのほうは既に1曲目が始まっています。若手期待のトランペッター、市原 ひかりさんが、こ気味よくスタンダードの「It could happen to you」を演奏しています。

前回、市原ひかりさんのことを、ゆかりのあるミュージシャンと書きましたが、こちらが一方的にゆかりがあるだけで、直接、ひかりさんとゆかりがあるわけではありません。(フ~、このフレーズ考えてて、3日も経ってしまった!)

山野楽器ビッグ・バンド・ジャズ・コンテストというのが、毎年8月に府中の芸術の森で開催されます。ビッグ・バンドファンなら誰もが知ってる、大学対抗のバンド合戦ですね。今年で39回目ということですから、大変な歴史です。昔、いち時期だけコンボ(小編成)のジャズコンテストがTBSラジオ主催?であったけど、あっという間になくなってしまいました。まして大編成のビッグバンドです。これを運営・維持し、継続していくのは大変な労力が必要です。

伊東毅(AS)、本田雅人(AS/Fl)、池田篤(AS)、近藤和彦(AS)、五十嵐一生(Tp)、新澤健一郎(P)、谷口英治(Cl)。
凄いメンバーですね。これらのミュージシャンは、この大会で、個人賞をとり、その後プロとして第一線で活躍しているミュージシャンです。

今から4年前、ちょっとした気まぐれから、この大会を観にいきました。
こういったコンクールに、全く利害関係のない立場で、野次馬的に観るのは実に楽しいです。何しろ伝統ある大会です。出演バンドは、予備審査を通過した全国からの選りすぐりのバンドばかり。本人達の意気込みも尋常ではありません。大げさではなく大学生活のすべてをかけると言ったいったテンションで臨んでいるのが伝わってきます。まして、ここから将来の伊東毅や池田篤が出現するかも、という期待感もあって各バンド目が離せません。
審査委員は、前田憲男、本田雅人、守屋純子といった、大物がずらり。
各バンド毎に講評があるんだけど、これが結構辛らつなんです。
思ったような演奏が出来なかったときなどは、舞台で講評を聞きながらみんなでしょんぼりしています!

そしてこの日、ひと際輝いていたのが、早稲田大学ハイ・ソサエティ・オーケストラのトランペット・ソリスト、市原ひかりさんでした。ビッグバンドにありがちなハイトーンで行きまくるタイプではなく、シルキートーンというのかな、とても美しい音色で、唄心たっぷりにスウィングするラッパでとても好感持ちました。
そしてその後数年のうちに、メジャーデビューし、青山BODY & SOULや銀座SWINGでリーダーライブをする売れっ子ミュージシャンになるとは、想定外の大躍進ですね。
ちょっとした気まぐれから、「俺なんか、ひかりちゃんのことを20歳の頃から知ってるぜ!」という貴重な自慢話を拾ってくることになった次第です。

さて、ステージに戻ります。
選曲の方は、昨年発売されたアルバムから、「I will wate for you」「星に願いを」などのスタンダードやオリジナルの「走馬灯」などが続きます。
あの美しい音色にさらに、磨きがかかって、ステージングにも余裕が感じられます。
そして今回驚いたのが、MCがとても旨いこと。曲の前に簡単な解説をするんだけど、これがすごく的確で、なかなか見事です。練習しているんでしょうか?
特に銀座スウィングのお客さんは、年配のエスタブリッシュメントが結構多いので、ここらあたりも評価されてますよ。

そして、ユニークにアレンジされた「グレーターラブ」の後は、オリジナルの「太陽の光」で締めくくり。

今回、ひかりさんのリーダーライブは初めてでした。実は、来る前は、この急激な躍進に少し戸惑ってました。きっと、「小柄でキュートな若い女の子、でもトランペットも凄いんです!」的な、半分色物的に受けているのかなと思ってました。
でも全然違いましたね。ジャズドラマーの父親譲りでしょうか、お客の乗せ方というか、若いのにエンターテインメントのツボみたいなものを習得しているんですね。
だから銀座スウィングのようなステージでも全く違和感がありません。
若いミュージシャンで、ここにマッチングするのは極めて珍しいですよ!

きっと、円熟しながら、息の長いプロミュージシャンになりそうですね。
ひょっとすると、30年後とかには、もっとこのセリフの価値が上がるかな。

「俺なんか、ひかりちゃんのことを20歳の頃から知ってるぜ!」
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市原 ひかりと懐かしき銀座スウィング(上)~スタンダード・ジャズに魅了され~

2008年10月07日 | ジャズ・ライブ
停泊地)銀座スウィング(08.9/19)
メインアーティスト)市原 ひかり(tp), 杉本 篤彦(g), 阿部 篤志(p),
岸 徹至(b), 岩瀬 立飛(ds)

今回報告する、銀座スウィングと市原ひかりさん、個人的にとてもゆかりのあるスポットとミュージシャンなので少し時間がたってしまいましたが、紹介させて頂きます。

まずは、銀座スウィング。創業は、1976年で銀座を代表する老舗ジャズクラブです。私、実はここで、学生の頃半年ほど働いていました!掃除をしたり、注文を聞いたり、ビールやピザを運んだりする、いわゆるホール担当という雑用係ですね。
恐らく1978,9年の頃だと思いますので、まだオープンほやほやといった時期です。
当時出演されていた人気ミュージシャンといえば、クラリネットの北村英治さんやピアニストの前田憲男さん。ボーカルだと中本マリさんや阿川泰子さんといったところかな。北村さんや前田さんは、今でも同店の看板ミュージシャンです。これは本当に凄いことですね。

毎日ライブが観れて、給料まで貰えるのか。こいつは、おいしい話だぞ!とは思いつつも、実はそれほど期待していたわけで訳ではありません。
当時はフュージョン全盛時代。あのころよく聞いていたのは、ジャズといってもクルセイダース、ブレッカーブラザーズ、デビット・サンボーンといった類のもの。マイルスバンドでさえ、ずいぶん前からエレクトリック・サウンドに変身してました。
そして、このトレンドに合わせるように、六本木にピットインが誕生しました(1977年)。その後、ここはフュージョンの殿堂と呼ばれるようになって、特に若いジャズファンで連日大盛況となっていきます。
こんな時代なので、銀座スウィングが編成するジャズは、オヤジ・ジャズファン達が聞く、ずいぶん時代遅れなもの、というイメージでした。

ところが、連日店に通うようになると、自分の考えが、全く的外れだということに気付かされました。
このオヤジ・ジャズファン達が支持するスタンダード・ジャズ。毎日聞いていても全く飽きないし、何しろ楽しい。
その代表的な方が北村英治さんでしたね。3ステージ通して魅了し続ける、高い技術に裏づけされたエンターテインメント魂に毎回感服してました。
それからは、毎日毎日発見の連続です。この半年間で、日本のほとんどのトッププレイヤーを繰り返し観る事が出来たのは、とても貴重な体験でした。

つづく。


次回
市原 ひかりと懐かしき銀座スウィング(下)~府中の森で発見!~
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