渋いっ!僕らのTokyo Jazz Cruising♪~今夜も出航!~

Live cafe & bar 池袋Apple Jump(アップルジャンプ)店主の日誌

熱烈歓迎!渡辺 香津美 ジャズ回帰プロジェクト

2008年09月25日 | ジャズ・ライブ
停泊地)水道橋 東京倶楽部(08.9/18)
メインアーティスト)渡辺 香津美(g), グレッグ・リー(b)

約一週間前に、東京倶楽部のスケジュール欄で、偶然、渡辺香津美さんの名前をを見つけた時は、正直びっくりしました。
長年に渡り、ジャズギター界のトップの座に君臨してきた渡辺香津美さんに対するイメージは、ホールで観るミュージシャンですよ。

渡辺香津美さんは、1953年生まれなので、私より少し上の世代です。
今から30年程前でしょうか、初めて香津美さんのライブを、新宿のピットインで観たときの衝撃は今でも覚えてます。世の中にこんなに凄いテクニックを持ったジャズギタリストがいたのか、という印象です。
当時、ある雑誌のインタビューで、この超絶テクニックを褒められたときに、香津美さんは、確かこのように答えてました。
“ジャズのミュージシャンなら、これぐらい弾けるのが普通ですよ!”
とてもナイスガイな香津美さんが嫌味もなしに、さらっと答えていたのが強く印象に残ってました。
それから、何度もライブに足を運びましたが、圧倒されっぱなしでしたね。
憧れとか、何か参考にするという感じではありません。
当時のギター少年達には、この感じ、解ると思います。どう頑張っても、1ミリも近づけない。それだけ強烈なインパクトがありました。

ニューヨークで活躍するジャズギタリスト増尾好秋さんに憧れて、俺も一丁やってやろうじゃないか!などと息巻いて大学のジャズ研に入った青年ゴードンにとって、それは愚にも付かない妄想だと思い知らされた圧倒的な存在が渡辺 香津美さんでした。

さてその香津美さんの演奏を目の前で観られるぞ、と興奮してあわてて電話しましたが、意外とあっさり予約が出来ました。
当日は少し早めに会場しようと思いましたが、ばたばたしていて、結局開演30分前でした。ヤバイと思ってあわてて店内に入ると、がらんとしていて数人しかいません。一瞬、日にち間違えたかな、と本気で思いましたね。
それから、ぼちぼちお客が入ってきましたが、結局20人足らずで演奏はスタートしました。なんか、寂しいというか、完全なミスマッチのブッキングですね。この店には申し訳ないんだけど、もっと発信力のあるハコだったらあっというまにSOLD OUTだと思います。
隣りの方の注文したドリンクがなかなか来なかったとき、マスターが「すいません、予想外にお客さんが入ったもので、、」と言い訳してたけど、これってジョークなのかな?

ステージの方は、「ステラ・バイ・スターライト」から始まり、「グリーン・ドルフィン・ストリート」「イン・ナ・センチメンタルムード」「いつか王子様が」といった、スタンダードナンバーのど真ん中のレパートリーが次々と演奏されていきます。
香津美さんは、フュージョン全盛期の時代の寵児として、人気プレーヤーとなったわけですが、その後、坂本龍一等のYMOに参加したり、オリジナルを中心としたソロプロジェクトをしたり、かなりジャズというジャンルの枠を超えた活動をしていましたが、この秋は“渡辺香津美 JAZZ回帰プロジェクト”と題して、ジャズの王道路線に一遍戻ろうということで、全国ツアーが組まれていて、本日もその一環としてのライブとなっています。
そのため、グレッグさんも一部では珍しく、ウッド・ベースを弾いています。

MCでは、この夏、アイスランドのレイギャビック・ジャズフェスティバルに出演されたときの話がとても楽しかったです。香津美さんは、ヨーロッパのギターフリーク達からも、カリスマ的な扱いをされていて、このフェスティバルの招聘元からもだいぶ前から出演依頼が来ていたようです。
しかし、このクラスの人の話は、スケールが大きくてうっとりしてしまいますね。
ジャズバーのライブということで、結構リラックスされて、たくさん興味深いエピソードを聞くことが出来ました。

さあ、二部に入ると、香津美さんのギターから、ロドリーゴのあの甘く切ない、アランフェスのメロディーが聞こえてきました。あちこちで歓声が上がります。もちろん、チック・コリアの「スペイン」の始まりの合図ですね。
グレッグさんもエレベに持ちかえて、ぐっと、ギアーをアップしていきます。
歳月で磨き上げられた、超絶テクニックが、トップスピードでこのメロディーを変奏していきます。これ凄いですよ!どこまでいっちゃうの、という感じですね。

それから、スパイ大作戦のテーマとか、いろいろ遊び心満載の「テイク5」も楽しかったです。香津美さん、なんかとっても楽しそうに弾いてました。これぞ、日本一のギター小僧、という感じですね。
演奏している姿を見ていて、“この秋は、JAZZ回帰プロジェクトをやろう”と企画した思いが、なんとなく解る様な気がしました。

そして最後に、“だいぶ夜も更けたことですし、こんな感じで締めます”と言って、モンクの珠玉のバラード「ラウンド・ミッドナイト」のメロディーが出てきたときは、完全にしびれましたね。

今夜は、久しぶりに超絶ジャズギターを堪能しました。
演奏が終わって、何人かの元ギター小僧らしきオヤジファンが香津美さんのところへ行って、興奮した思いを伝えているようでした。
きっと、「凄かったですね!」とか「興奮しました!」とか言ってるんでしょうね。
でも香津美さんは、にこにこして、
「ジャズ・ミュージシャンなら、これぐらい普通なんですよ。」とさらっと返答してたら、カッコイイですね!
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JOYCE Live at Blue Note Tokyo~祝・ボサノヴァ生誕50周年~

2008年09月12日 | ラテン/ブラジル系ライブ
停泊地)青山ブルーノート(08.9/7 2nd Show)
メインアーティスト)
 Joyce(vo,g), Helio Alves(p), Jorge Helder(b), Tutti Moreno(ds)

昨年11月のToyonoさんのライブから始まったブラジル音楽の旅も遂にブルーノート東京まで来てしまいました。
あれから色々なライブを観たり、CDを聞いたりしましたが、その中で一番しっくりときたのが、私の場合は、ジョイスさんでした。

このクルージングでは、大型クラブには寄らない、という出航宣言をしています。
しかし、このジョイスさんのライブが観れると言う事であれば、宣言違反だ!という罵倒を喜んで受けましょうということで、本日出航となった訳です。

エントランスで受付をしたら、自由席アリーナ組の7番をゲット。
さすがにこの番号なので、席は選び放題です。ボーカルスタンドから5メートルぐらいのほぼ真ん中で観戦することとなりました。
ステージを見渡すと楽器類は、予想外にシンプル。
ピアノとウッドベースとギターとドラムセットだけ。
Tuttiさんはパーカッション奏者と聞いていたので、見た事もないような打楽器がズラーっと並んでるかと思ったら、全く予想外。このCanopusのドラムセット、タムもひとつだけ!
ジョイスさんのギターがなかったら、スタンダード・ジャズのピアノトリオでも始まるのかなと思うほどスッキリしたステージです。

開演時間が近づくと、あっという間にほぼ満席状態。200人ぐらい入っている感じです。女性が半分ぐらいかな。丁度いい感じですね。

さあ、このピアノトリオを従えて、女王ジョイスさん登場です。
知ってる曲が、全く出てこなかったらどうしよう、と心配しましたが、2曲目で早速ボッサの名曲「彼女はカリオカ」が出てきました。
この曲、サックスファンなら、ポール・ウィンターの「RIO」という超名盤の最後を飾る名演をご存知だと思います。アルバム全体としても何度聞いても飽きないし、数十年前の録音とは思えない、いつまでも色あせないサウンドですね。大好きなアルバムのひとつです。
ジョイスさんは、いわゆるボサノヴァ歌手ではありません。なので例年は、あまりこの手の曲はやらないそうです。でも、今年は、ボサノヴァ生誕50周年ライブということで、積極的に取り上げたステージとなっているようです。
私のようなにわかファンには、とてもラッキーな巡り会わせとなりました。

数曲あとに、弾き語りで1曲歌うということになりました。
このときのMCが又格好いいんです。
“ボサノヴァはとてもシンプルよ。ギターと小さなスツール(椅子)とコンセントレーション、(ここでほんのちょっと間をおいて)そしてジョビン!”
といって、「DESAFINADO」を歌い始めました。なんか、この導入だけでしびれちゃいましたね。
そして次はTuttiさんとのDUO。
“このスタイルもよくやるのよね?”と旦那のTuttiさんに振り向いて、同意を求めました。
Tuttiさんは、ニコニコとうなづいてました。
なんか素敵な夫婦だな、と思いましたね。もちろん女王ジョイスさんが主導権をとっているんだろうけど、、、

でもこのいかにもひとの良さそうなTuttiさん。私が言うまでもないんだけど、このドラミング、ビックリする位素晴らしいんですよ。こんなに美しい音色のシンバルワーク、初めてです。そして、とてもデリケートで繊細です。
わたし、途中から、ずっと右端に居るTuttiさんのプレイばかり見ていました。
もう、釘付けですね。前に座っていた女性の方が、不思議そうに何度も、私の顔を見ているのが判りましたよ。ずっと横向いて、変なおじさん、って感じかな。

そしてその後は、「ONE NOTE SAMBA」や最新アルバムからの楽曲を交え、ジョイスワールド全開という感じで、あっという間にエンディングとなりました。
いやー、ジョイスワールド最高ですね。歌詞なしのスキャットも多く、初めて聴く曲でも充分に堪能することが出来ました。
そして、このスキャットがまた凄いんです。
ツバメのようにスピード感たっぷりと、縦横無尽に、時には、天まで届かんばかりに突き抜けていきます。誰にも真似のできない、圧倒的な歌声とグルーブですね!

当然アンコールとなり、今年ブラジル移民100周年記念で訪れた皇太子様が、そのときにリクエストしたという「イパネマの娘」を披露。
そして最後は、おはこの「Feminina」で締めくくり。
「Feminina」はyoutubeの画像が有りますので、興味のある方はご覧になって下さい。ジョイスさん、ギターも激ウマです。
(もちろん今回の映像ではないですよ。)

今日は、本当にプライスレスな、ライブ体験となりました。
そろそろ、この出航宣言、改訂しようかな、、、



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“いわゆる”発見!情熱フリューゲルホルン奏者、土農塚 隆一郎

2008年09月05日 | ジャズ・ライブ
停泊地)吉祥寺SOMETIME(08.8/31)
メインアーティスト)佐藤 春樹(tb)feat.土農塚 隆一郎(flh)
板垣 光弘(p) 河上 修(b) 安藤 正則(ds)

又、出ました。赤坂由香里さんに次ぐ、“いわゆる”発見!です。
この言葉の意味については、以前、赤坂さんを紹介したブログを参照して下さい。
(それから、本日のブログ、紛らわしいです。フリューゲルホルンは、トランペットの仲間と位置付けされているので、そのように読んで下さい。)

フリューゲルホルン奏者、土農塚(トノズカ)さんに関しても、既に熱いファンの方が沢山いますし、過去にリリースしたCDも、専門誌等で高い評価を得ています。
こう言う素晴らしいラッパ吹きを知らなかったのは、私だけか、、、
という訳で、“いわゆる”発見!シリーズ第二弾として、登場した訳です。

このブログを最初から読んでいただいている方は、お気付きだと思いますが、今までメインで紹介したミュージシャン数十人の中で、トランペッターは、ほとんどいません。
では、ラッパに興味がないのか、と言うと全く違います。
リー・モーガンやマイルス・デイビスの演奏を聴いてると、ジャズって、トランペッターの為に造られた音楽じゃないかな、とさえ感じてしまことがあります。
そもそも、私がジャズに夢中になるきっかけを作った人は、トランペッターの日野皓正さんですよ。
16歳の時だから、今から10年以上前なのは、間違いない!

で、私のトランペットという楽器に対する感想。
“ツボにはまったら、これほど素晴らしい楽器はないんだけど、こんなに難しい楽器はないな。”という感じです。
日本人の有名なサックス奏者がこんな例えを言ってました。
“サックスは、ボクのような凡人でも努力すれば何とかなるけど、ラッパは天才が選ぶ楽器だね!”

音を出し続けるだけでも尋常ではないのに、あのたった三つのバルブの組み合わせと息の角度で瞬時にフレーズを作っていくなど、私には想像できません。
なので、滅多にないんだけど、本当に良い演奏に出会うと、もう圧倒されてしまいます。

土農塚さんは、吉祥寺のStringsで何年も定期的にリーダーライブをされています。出演するたびに、ここのマスターが熱っぽくブログに書いているのを読んで、一度観てみたいなと、以前から思ってました。
それが、図らずもSometimeで実現した訳です。

本日の編成は、以前一度紹介した、佐藤 春樹さんのプロジェクトです。
前回は、テナーサックスの超絶テクニシャン佐藤達哉さんがフィーチャーされてましたが、今回は土農塚さんがオファーを受けました。

ステージは、オリバー・ネルソンの「ストールン・モーメンツ」でスタート。
そしてユニークにアレンジされた「チェロキー」があって、一部の最後は、ハンコックの「処女航海」で締めくくり。
このフリューゲルホルンとトロンボーンによる、渋く分厚いアンサンブルが、王道ジャズクラシック・ナンバーを、とても魅力的に料理していきます。
店内は、前回同様、超満席状態。きっとジャズに馴染みのない人でも充分楽しめるんじゃないかな。いたる所で歓声があがりながら一部は終了となりました。

そして二部は、例の西田佐知子の「赤坂の夜は更けて」でスタート。
もう、みなさん馴染みになっていて、最後にテーマに戻ったとき常連さんから歌が聞こえてきました。
なんか、アメリカのライブ・レストランみたいですね。きっと、アメリカ人にとっての「Fly me to the moon」や「All of me」とかも、こんな感じに親しまれてんだろうなと考えると、佐藤さんが洒落っ気で取り上げたこの演奏、結構興味深いです。

そして、1曲オリジナルをはさんで、土農塚さんを大フィーチャーして、バラードの名曲「You don't know what love is」。
いやー、しびれました。土農塚さんは、以前はトランペットを吹いていたんだけど、今は、フリューゲル専門です。フリューゲルというと甘く、まろやかなイメージがあるんだけど、土農塚さんの演奏は、さらにサックスのように分厚く響きます。
そして、フレーズに歌心があって、何より熱いです。あ、もちろん熱いといってもビッグバンドのトランペットにありがちな、“こんなにハイトーンが出ます!”的な無粋なものではありません。モチーフが豊かで、次々にいろんなストーリーが展開されていきます。もう一発で惚れてしまいましたね!
My Spaceで、最新アルバムの試聴が出来ます。聞いてみてください。

さてステージは、最後にエリントンナンバーの「Caravan」で締めくくり。
もちろん、アンコールになって、モンクのブルースナンバー「Blue Monk」でお開きに。

本日は、予想外の“いわゆる”発見があって気分上々と言った感じで、吉祥寺を後にしました。

しかしまあ、おいしいランチとカプチーノを楽しめて、超一級のライブまで堪能して、料金がたったの2500円ですよ!

SOMETIME サンデーアフタヌーンライブ、混んで入り辛くなってきてるから、これを読んだ人、ナイショですよ!


<本日の会計>
ミュージック・チャージ 1,000円
スパゲティ・ランチ(松の実のバジリコスパゲティとレモンティー)950円
カプチーノ 550円

合計 2,500円(税込) 以上。
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