停泊地)水道橋 東京倶楽部(08.9/18)
メインアーティスト)渡辺 香津美(g), グレッグ・リー(b)
約一週間前に、東京倶楽部のスケジュール欄で、偶然、渡辺香津美さんの名前をを見つけた時は、正直びっくりしました。
長年に渡り、ジャズギター界のトップの座に君臨してきた渡辺香津美さんに対するイメージは、ホールで観るミュージシャンですよ。
渡辺香津美さんは、1953年生まれなので、私より少し上の世代です。
今から30年程前でしょうか、初めて香津美さんのライブを、新宿のピットインで観たときの衝撃は今でも覚えてます。世の中にこんなに凄いテクニックを持ったジャズギタリストがいたのか、という印象です。
当時、ある雑誌のインタビューで、この超絶テクニックを褒められたときに、香津美さんは、確かこのように答えてました。
“ジャズのミュージシャンなら、これぐらい弾けるのが普通ですよ!”
とてもナイスガイな香津美さんが嫌味もなしに、さらっと答えていたのが強く印象に残ってました。
それから、何度もライブに足を運びましたが、圧倒されっぱなしでしたね。
憧れとか、何か参考にするという感じではありません。
当時のギター少年達には、この感じ、解ると思います。どう頑張っても、1ミリも近づけない。それだけ強烈なインパクトがありました。
ニューヨークで活躍するジャズギタリスト増尾好秋さんに憧れて、俺も一丁やってやろうじゃないか!などと息巻いて大学のジャズ研に入った青年ゴードンにとって、それは愚にも付かない妄想だと思い知らされた圧倒的な存在が渡辺 香津美さんでした。
さてその香津美さんの演奏を目の前で観られるぞ、と興奮してあわてて電話しましたが、意外とあっさり予約が出来ました。
当日は少し早めに会場しようと思いましたが、ばたばたしていて、結局開演30分前でした。ヤバイと思ってあわてて店内に入ると、がらんとしていて数人しかいません。一瞬、日にち間違えたかな、と本気で思いましたね。
それから、ぼちぼちお客が入ってきましたが、結局20人足らずで演奏はスタートしました。なんか、寂しいというか、完全なミスマッチのブッキングですね。この店には申し訳ないんだけど、もっと発信力のあるハコだったらあっというまにSOLD OUTだと思います。
隣りの方の注文したドリンクがなかなか来なかったとき、マスターが「すいません、予想外にお客さんが入ったもので、、」と言い訳してたけど、これってジョークなのかな?
ステージの方は、「ステラ・バイ・スターライト」から始まり、「グリーン・ドルフィン・ストリート」「イン・ナ・センチメンタルムード」「いつか王子様が」といった、スタンダードナンバーのど真ん中のレパートリーが次々と演奏されていきます。
香津美さんは、フュージョン全盛期の時代の寵児として、人気プレーヤーとなったわけですが、その後、坂本龍一等のYMOに参加したり、オリジナルを中心としたソロプロジェクトをしたり、かなりジャズというジャンルの枠を超えた活動をしていましたが、この秋は“渡辺香津美 JAZZ回帰プロジェクト”と題して、ジャズの王道路線に一遍戻ろうということで、全国ツアーが組まれていて、本日もその一環としてのライブとなっています。
そのため、グレッグさんも一部では珍しく、ウッド・ベースを弾いています。
MCでは、この夏、アイスランドのレイギャビック・ジャズフェスティバルに出演されたときの話がとても楽しかったです。香津美さんは、ヨーロッパのギターフリーク達からも、カリスマ的な扱いをされていて、このフェスティバルの招聘元からもだいぶ前から出演依頼が来ていたようです。
しかし、このクラスの人の話は、スケールが大きくてうっとりしてしまいますね。
ジャズバーのライブということで、結構リラックスされて、たくさん興味深いエピソードを聞くことが出来ました。
さあ、二部に入ると、香津美さんのギターから、ロドリーゴのあの甘く切ない、アランフェスのメロディーが聞こえてきました。あちこちで歓声が上がります。もちろん、チック・コリアの「スペイン」の始まりの合図ですね。
グレッグさんもエレベに持ちかえて、ぐっと、ギアーをアップしていきます。
歳月で磨き上げられた、超絶テクニックが、トップスピードでこのメロディーを変奏していきます。これ凄いですよ!どこまでいっちゃうの、という感じですね。
それから、スパイ大作戦のテーマとか、いろいろ遊び心満載の「テイク5」も楽しかったです。香津美さん、なんかとっても楽しそうに弾いてました。これぞ、日本一のギター小僧、という感じですね。
演奏している姿を見ていて、“この秋は、JAZZ回帰プロジェクトをやろう”と企画した思いが、なんとなく解る様な気がしました。
そして最後に、“だいぶ夜も更けたことですし、こんな感じで締めます”と言って、モンクの珠玉のバラード「ラウンド・ミッドナイト」のメロディーが出てきたときは、完全にしびれましたね。
今夜は、久しぶりに超絶ジャズギターを堪能しました。
演奏が終わって、何人かの元ギター小僧らしきオヤジファンが香津美さんのところへ行って、興奮した思いを伝えているようでした。
きっと、「凄かったですね!」とか「興奮しました!」とか言ってるんでしょうね。
でも香津美さんは、にこにこして、
「ジャズ・ミュージシャンなら、これぐらい普通なんですよ。」とさらっと返答してたら、カッコイイですね!
メインアーティスト)渡辺 香津美(g), グレッグ・リー(b)
約一週間前に、東京倶楽部のスケジュール欄で、偶然、渡辺香津美さんの名前をを見つけた時は、正直びっくりしました。
長年に渡り、ジャズギター界のトップの座に君臨してきた渡辺香津美さんに対するイメージは、ホールで観るミュージシャンですよ。
渡辺香津美さんは、1953年生まれなので、私より少し上の世代です。
今から30年程前でしょうか、初めて香津美さんのライブを、新宿のピットインで観たときの衝撃は今でも覚えてます。世の中にこんなに凄いテクニックを持ったジャズギタリストがいたのか、という印象です。
当時、ある雑誌のインタビューで、この超絶テクニックを褒められたときに、香津美さんは、確かこのように答えてました。
“ジャズのミュージシャンなら、これぐらい弾けるのが普通ですよ!”
とてもナイスガイな香津美さんが嫌味もなしに、さらっと答えていたのが強く印象に残ってました。
それから、何度もライブに足を運びましたが、圧倒されっぱなしでしたね。
憧れとか、何か参考にするという感じではありません。
当時のギター少年達には、この感じ、解ると思います。どう頑張っても、1ミリも近づけない。それだけ強烈なインパクトがありました。
ニューヨークで活躍するジャズギタリスト増尾好秋さんに憧れて、俺も一丁やってやろうじゃないか!などと息巻いて大学のジャズ研に入った青年ゴードンにとって、それは愚にも付かない妄想だと思い知らされた圧倒的な存在が渡辺 香津美さんでした。
さてその香津美さんの演奏を目の前で観られるぞ、と興奮してあわてて電話しましたが、意外とあっさり予約が出来ました。
当日は少し早めに会場しようと思いましたが、ばたばたしていて、結局開演30分前でした。ヤバイと思ってあわてて店内に入ると、がらんとしていて数人しかいません。一瞬、日にち間違えたかな、と本気で思いましたね。
それから、ぼちぼちお客が入ってきましたが、結局20人足らずで演奏はスタートしました。なんか、寂しいというか、完全なミスマッチのブッキングですね。この店には申し訳ないんだけど、もっと発信力のあるハコだったらあっというまにSOLD OUTだと思います。
隣りの方の注文したドリンクがなかなか来なかったとき、マスターが「すいません、予想外にお客さんが入ったもので、、」と言い訳してたけど、これってジョークなのかな?
ステージの方は、「ステラ・バイ・スターライト」から始まり、「グリーン・ドルフィン・ストリート」「イン・ナ・センチメンタルムード」「いつか王子様が」といった、スタンダードナンバーのど真ん中のレパートリーが次々と演奏されていきます。
香津美さんは、フュージョン全盛期の時代の寵児として、人気プレーヤーとなったわけですが、その後、坂本龍一等のYMOに参加したり、オリジナルを中心としたソロプロジェクトをしたり、かなりジャズというジャンルの枠を超えた活動をしていましたが、この秋は“渡辺香津美 JAZZ回帰プロジェクト”と題して、ジャズの王道路線に一遍戻ろうということで、全国ツアーが組まれていて、本日もその一環としてのライブとなっています。
そのため、グレッグさんも一部では珍しく、ウッド・ベースを弾いています。
MCでは、この夏、アイスランドのレイギャビック・ジャズフェスティバルに出演されたときの話がとても楽しかったです。香津美さんは、ヨーロッパのギターフリーク達からも、カリスマ的な扱いをされていて、このフェスティバルの招聘元からもだいぶ前から出演依頼が来ていたようです。
しかし、このクラスの人の話は、スケールが大きくてうっとりしてしまいますね。
ジャズバーのライブということで、結構リラックスされて、たくさん興味深いエピソードを聞くことが出来ました。
さあ、二部に入ると、香津美さんのギターから、ロドリーゴのあの甘く切ない、アランフェスのメロディーが聞こえてきました。あちこちで歓声が上がります。もちろん、チック・コリアの「スペイン」の始まりの合図ですね。
グレッグさんもエレベに持ちかえて、ぐっと、ギアーをアップしていきます。
歳月で磨き上げられた、超絶テクニックが、トップスピードでこのメロディーを変奏していきます。これ凄いですよ!どこまでいっちゃうの、という感じですね。
それから、スパイ大作戦のテーマとか、いろいろ遊び心満載の「テイク5」も楽しかったです。香津美さん、なんかとっても楽しそうに弾いてました。これぞ、日本一のギター小僧、という感じですね。
演奏している姿を見ていて、“この秋は、JAZZ回帰プロジェクトをやろう”と企画した思いが、なんとなく解る様な気がしました。
そして最後に、“だいぶ夜も更けたことですし、こんな感じで締めます”と言って、モンクの珠玉のバラード「ラウンド・ミッドナイト」のメロディーが出てきたときは、完全にしびれましたね。
今夜は、久しぶりに超絶ジャズギターを堪能しました。
演奏が終わって、何人かの元ギター小僧らしきオヤジファンが香津美さんのところへ行って、興奮した思いを伝えているようでした。
きっと、「凄かったですね!」とか「興奮しました!」とか言ってるんでしょうね。
でも香津美さんは、にこにこして、
「ジャズ・ミュージシャンなら、これぐらい普通なんですよ。」とさらっと返答してたら、カッコイイですね!