渋いっ!僕らのTokyo Jazz Cruising♪~今夜も出航!~

Live cafe & bar 池袋Apple Jump(アップルジャンプ)店主の日誌

和製ノラ・ジョーンズ、大城蘭は、期待通りのミラクル・ボイス!

2008年12月21日 | ジャズ・ボーカル・ライブ
停泊地)六本木alfie(08.12/15)
メインアーティスト)大城 蘭(vo) 平岡 雄一郎(g) 谷口 純子(p) 山村 隆一(b) バイソン片山(ds)

今からおよそ1ヵ月程前でしょうか。あるライブ会場で、プロフェッショナルのボーカル情報筋から耳打ちされました。
「沖縄出身で、ミラクル・ボイスのシンガーが、12月に六本木alfieに出演するよ。これ、見逃したらヤバイね。」

そのシンガーが本日紹介する、大城 蘭(おおしろらん)さんです。
大城さんは、HPによると、沖縄出身のアイリッシュ系のクォーターで現在27歳。
3年前のホテルでのライブが、youtubeにアップされていますが、なかなかの美人でスタイルも抜群です。
これでミラクル・ボイスだったら本当にヤバイなと、鼻を思い切り伸ばしながら待っていると、まずはインストで「ミスティ」からスタート。
そして、大城さんです。映像で見慣れたショート・ヘアではなく、シャンプーのCMから飛び出したような美しいロングヘアーで颯爽と登場しました。
1曲目は、ポップチューンの「Side By Side」。2曲スタンダードを挟んで、今年リリースしたアルバム『LAN』から、ナット・キングコールで有名な「Mona Lisa」、「星月夜/Starry,Starry Night」と続きます。
今回のアルバムでは、絵画をイメージして選曲しているそうです。それで、ダヴィンチやゴッホの名作にちなんだ曲が登場する訳です。
特に「Mona Lisa」では、平岡さんの17インチの大型アコースティックギターと、大城さんの美しいボイスが絶妙に溶け合って独特のテイストを作り出しています。
本日の演奏のアレンジは、すべて平岡さんによるものです。
この後のガーシュウィンの「OUR LOVE IS HEAR TO STAY」や「HOW HIGH THE MOON」といった、数十年前のクラシカルなスタンダードナンバーが、平岡さんの斬新でフォーキーなアレンジによって全く新しいサウンドに生まれて変わっていきます。そしてそれを見事なまでにマッチングしているのが大城さんのクリスタルなボイスです。
先ほどのYoutubeでの比較的典型的なスタイルでの歌唱を観た時は、正直なところ、特に面白いとは感じませんでしたが、一人のサウンドクリエーターの手によると、こんなにも変わってしまうのかと感心した次第です。

そして2部に入って、まず印象的だったのは「ALL THE THINGS YOU ARE」。この曲は、日本では、インスト系の曲のイメージが強いですが、アメリカではボーカル曲としてとても親しまれているようです。
何年か前にアメリカで、「私の大好きなスタンダード曲」のようなアンケートがありました。ダントツで一位だったのが「OVER THE RAINBOW」。そして、このALL THE~も確か3位ぐらいに入っていたのを知って大変ビックリした経験があります。
日本では、ボーカルでこの曲を聴く機会があまりありませんが、今日改めて最高のボーカル・ナンバーだなと再認識しました。

それから何曲かスタンダードが続いた後登場したのが沖縄民謡「てぃんさぐぬ花」。夏川りみさんの歌唱で何度も聞いてますが、鳳仙花を歌ったとても美しいスローナンバーです。
そして次が西田佐知子の歌った昭和歌謡の代表的なナンバーで「アカシアの雨がやむとき」。
セットリストだけ見た人は、きっとこれらの選曲に、相当困惑すると思いますが、平岡さんのアレンジした斬新なサウンドと大城さんのボイスによって、ガーシュウィン、沖縄民謡、昭和歌謡といったばらばらなルーツを持った素材が、全く違和感なく、ジャズクラブalfieに響き渡ります。
そして最後はアルバムの巻頭を飾る「Vaya Con Dios」でお開きに。

私は、ジャズボーカルは大好きなんですが、銀座や赤坂のクラブみたいな、ロングドレスで迫ってくるようなものは苦手です。アメリカのライブ・レストランみたいに、ひょいと寄ったら、カジュアルな雰囲気で、馴染みのジャズやポップチューンがリラックスして楽しめたというのが理想です。
今日はそんな理想に近い、しかもとても刺激たっぷりのライブを堪能しました。

平岡 雄一郎プロデュース、フィーチャリング大城蘭。赤丸急上昇鉄板のコンビですよ。
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遠藤 雅美、オール'55を唄う! ~謎のシンガーアゲイン~

2008年08月26日 | ジャズ・ボーカル・ライブ
停泊地)立川Jesse James(08.8/13)
メインアーティスト)遠藤 雅美(vo)、井上 ゆかり(p)、平岡 雄一郎(g)

少し前のライブですが、どうしても紹介しておきたかったので、遅ればせながら報告します。

このブログは、日記というより、ライブ報告という形で様々なミュージシャンを紹介するというスタイルを取っています。
なので、一度紹介した方は、特別なトピックスでもない限りは再び登場することはありません。
謎のシンガー遠藤 雅美さんに関しては、
以前「バーボン・バックをもう一杯!~謎のシンガー遠藤雅美を追って~」で紹介済みです。
しかし、このブログがきっかけで、新たな展開があった為、今回再登場となった訳です。

ハコもメンバーも前回と全く一緒です。
ビールを飲んだ後、マスターに、“バーボン・バックを一杯!”とオーダーしたところも同じです。
前のブログでこのシチュエーションを記述したことを思い出して、思わずニヤニヤ笑ってしまいました。

さて、ライブの方は、井上さんと平岡さんによるDUOで、ラース・ヤンソン/Lars Janssonの「MORE HUMAN」でスタート。ヤンソンさんは、スウェーデン生まれのベテランピアニスト。井上さんお気に入りのこの曲について、私は今日始めて知りました。いかにも北欧系といった、美しくも、もの哀しい旋律の曲で、いっぺんに気に入りました。
この曲は、リーダーアルバムの『Window Towards Being』の一曲目に収録されてます。ヨーロッパ系の透明感のあるジャズに興味のある方には、お勧めです。私も完全にはまってしまいました。
今回のようなセッション系のバンドで、歌伴の前振りの色合いが強いインストの場合は、普通は、ポピュラーなスタンダードナンバーが演奏されることが多いんだけど、こういった斬新な編成は、想定外の驚きがあって嬉しいですね。

そろそろ本題に入ります。
前回のブログで、

>今度は「オール'55」を唄ってくれないかな。

と書きました。
まさか、ジャズクラブで激渋アメリカン・ロックのトム・ウェイツのオリジナル・ナンバー「Downtown Train」が聞けるとは思いませんでした。
それを受けてのつぶやきです。
この曲は、トム・ウェイツのデビュー作『クロージング・タイム』の巻頭を飾る名曲です。実は、故松田優作も好んで聞いていたということで、2年前に発売された松田優作の企画盤『YUSAKU MUSIC NOTE - 松田優作が愛した音楽』のラストを飾っています。

ブログをアップして数日後に、遠藤さんから連絡が入りました。
“TOM WAITS のオール'55、次回やりますよ”という内容でした。

ブログを通じてリクエストをし、ミュージシャンがそれに応える。数年前では考えられなかった最先端の手法だな! 嬉しいです。でも申し訳ないという感じも少し有ります。スタンダードナンバーであれば、プロのジャズシンガーならいくらでもレパートリーが有ります。譜面も簡単に手に入りますし、、、でもアーティストのオリジナルとなるとそうはいきません。
後で聞いたところ、CDから、耳コピで譜面におこしたそうです。すいません!ちょっとした軽口がこんなことになってしまって、、、
でも、遠藤さんも面白がってる様子だったので、まあ、楽しませてもらいます!という事になりました。

そして、ついに二部のラス前に紹介されました。
“バーボンバックを片手に、そちらのカウンターに座ってらっしゃる伝説のブロガー、ゴードン船長によって、この曲のライブが実現しました!”と言ってたような、言ってなかったような、、、

「オール'55」。最高です。初演だったため、ちょっと緊張してた感じもありましたが、このアメリカン・ロードムービーのような、男気たっぷりのハードボイルドな曲が、遠藤さんによって、またちょっと違ったテイストに生まれ変わりました。
遠藤さんによると、男性の曲を唄うのは、歌詞も面白く、新鮮で刺激があって楽しいということでした。

そういえば、徳永英明さんが女唱を歌って大ヒットしたように、入れ替わることによって、同姓がカバーすることとは違った、何か不思議な化学反応が起きるのでしょうね。
面白いもので、だみ声の男性シンガーがトム・ウェイツを唱っても、どうしてもオリジナルのイメージと重なってしまい、楽しめません。ロックのコピーバンド系ライブハウスとかに行けば、いろいろ聞くことが出来るのでしょうが、それはあくまでもナツメロの世界ですね。ナツメロには全く興味がありません。

さあ、トム・ウェイツを堪能した後、スタンダードの「SPEAK LOW」で締めくくり。
そしてアンコールはスティービー・ワンダーの「OVERJOYED」でお開きと。

今夜は、とってもスペシャルなライブとなりました。

こんなことが可能なら、ダメついでに、今回はでっかく、つぶやいちゃおかな。
“キース・ジャレットさん、次回のコンサートで、「崖の上のポニョ」を弾いて貰えませんか?”

んー、いくらなんでも、これは、有り得ないな、、、

そうだ!パリにいる、リチャード・クレイダーマンさんなら直ぐに応えてくれるぞ。
なにしろ、「だんご三兄弟」まで録音してくれましたからね!
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ドカンと胸に響きます!~“いわゆる”発見!赤坂 由香利~

2008年07月30日 | ジャズ・ボーカル・ライブ
停泊地)御茶ノ水 NARU(08.7/26)
メインアーティスト)
赤坂 由香利(p, vo) 永塚 博之(b) 久米 雅之(ds)

考えすぎて、ちょっと回りくどいタイトルになってしまいました。

本日ご紹介する赤坂さんは、既に高評価を得ているCDの実績もありますし、熱心なファンも大勢いらっしゃいます。
無名の新人ならいざ知らず、赤坂さんの紹介で「発見」はないでしょ、という感じです。なので、コロンブスの
アメリカ新大陸“発見”的な、“いわゆる”発見!とした次第であります。(この説明こそ、回りくどいぞ!)

思えば、丁度1年前のこの時期から頻繁にライブに通うようになりました。
手元の資料によると、今回で136本目のライブ観戦のようです。
不思議なのは、なんでこんな素晴らしいシンガーに出会うまで、これ程時間が掛かってしまったのだろう
という疑問ですね。
このJazz Cruisingと特命契約している、複数の辣腕情報部員からも、この情報を得ることが出来ませんでした。
ん~、残念。斬り!(これはもう相当古いな、、、)

さて、予約もしないでぶらっと中に入ったら、既に客席は大勢埋まっています。
一番落ち着ける、上のカウンターに座ろうとしたら、全部予約で埋まっているということです。そして案内されたのが、
ピアノカウンターの先端。出演者席のすぐ隣でした。

さあ、1stステージは、1曲インストの後、レオン・ラッセルの「A Song For You」でスタート。
それから、ゴスペル系ナンバーの「Gee,Baby,Ain't I Good To You」と続きます。
もうこの時点でと完全にノックアウトしてしまいましたね。

ジャズの世界ではよく、ホーンライク(管楽器のような)という例え方をします。
管楽器のような、豊潤な響きのシンガーのことを形容するときに使います。
男性がテナーやトロンボーンだとすれば、女性は、さしずめアルトサックスかな。
赤坂さんはよく“ハスキーボイス”と形容されます。で、勿論ハスキ-ボイスなんだけど、さらにホーンライクな歌声の
持ち主です。
だから、ドカンと胸に響いて、浸み込んできます。

そして一部で印象的だったのが、マイケル・フランクスの「アントニオの歌」。
このお洒落でポップなスローボッサが、赤坂さんによって、全く新しいテイストの劇的なチューンに生まれ変わりました。

さて、ステージは、チャカ・カーンの「スルー・ザ・ファイア」やスタンダードの「For all We Know」、「人生に乾杯」といった、様々なタイプの楽曲が出てくるんだけど、すべて赤坂節として独特の世界で展開されます。


そして最終ステージで素晴らしかったのは、ビクター・ヤングの美しいバラード「When I Fall in Love」ですね。
この曲、実はなぜか中学生の頃、虜になってしまい、毎日毎日聞いていたんです。
(相当へんな中学生です!)
体に刻み込まれたメロディーが、赤坂さんによって、心地よく導き出されていきます。もう、うっとりですね。

そして最後は、クルセイダースの軽快なナンバー「Street Life」で締めくくり。

今日は、本当にスペシャルなライブを体験しました。

さて、今回偶然隣り合わせた、玄人筋のボーカルファンの方と特命情報部員としての契約を致しました。
この新たに加わった女性情報部員Tさんによって、このTokyo Jazz Cruisingは、さらにパワーアップして、
航海は続きます!







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バーボン・バックをもう一杯!~謎のシンガー遠藤雅美を追って~

2008年06月18日 | ジャズ・ボーカル・ライブ
停泊地)立川Jesse James(08.6/11)
メインアーティスト)遠藤 雅美(vo)、井上 ゆかり(p)、平岡 雄一郎(g)

本日登場する遠藤雅美さんに関して、事前の情報は全くありませんでした。
そもそも、今時珍しくホームページがありません。なので、どんなルックスなのか、どんな経歴の持ち主なのか、又どんな志向のシンガーなのか全く判りません。
唯一の手がかりは、信頼置ける女性ボーカルウォッチャーからの情報です。
“六本木alfieに時々出演する遠藤雅美というボーカルがいて、面白いらしい。”という情報です。
ここに出演する演奏者は勿論日本でトップクラスです。シンガーでいえば、ケイコ・リーさんや伊藤君子さんといったところ。お金を払ってでも出演させて欲しいというシンガーはいくらでもいます。

その遠藤さんが、最近立川ジェシー・ジェイムス(通称立川JJ)にブッキングされているということで、本日出航となった訳です。
この店は、バーボンとボリューム満点のステーキが特徴です。ちょっと、アメリカンなライブレストランと言った感じで、カントリーシンガーのウィーリー・ネルソンやエミルー・ハリスが飛び出してきそうです!(かなり、例えが古いぞ!)

そしてアルコールは、なんとバーボン以外はビールしか置いていない!
以前着たときは気付かずに、いつものジントニックをオーダーしたら、出来ないといわれました。
ジンを置いてないBarがあるのかと、この時は目が点になりましたね。
ということで今回は、メーカーズ・マークでバーボンバックを作ってもらいました。このバーボンバックは、ジントニックに次ぐお気に入りカクテル。
バーボンをジンジャーエールで割り、レモンを絞って軽くステアすれば出来上がり。とても飲みやすくておいしいので、家でもほとんどこれを飲んでます。

さてステージの方は、ジョビンの名曲「エスターテ」をインストでスタート。
素晴らしいデュオです。こういった密度の濃い演奏を聴くと、そもそもベースやドラム、いらないじゃんという感じです。
2人ともその完成度の高く堅実なプレイで、シンガーや管楽器プレーヤーなどからの競演オファーが絶えません。超売れっ子ミュージシャンですね。

ピアノの井上さんに関しては、以前“当世ミュージシャン気質”で紹介しています。常に前向きで、ファンサービス満点。今日も休憩時間には、自分のスケジュールを美しいフライヤーにしたものを持って、ぐるっと回って宣伝してました。これ、編集ソフトのフォトショップとかを駆使して自分で作っているらしいです。
HPの日誌も365日、何年も毎日更新しているそうです。(うわー、すいませんでした。私にはできません。)
今日は、開演の10分前ぐらいに、トレードマークのワインレッドのボストンバックを下げて入ってきました。つまり、リハなしの初見ですね。
いつもいろんな人のサポートをしているので、聞いたことがない曲が頻繁に登場するらしいです。それをコードとメロディーだけが記載された譜面をもとに、凄い完成度の高い音楽へあっという間に持って行きます。まるで手品みたいですね。
レパートリーは2000曲ぐらいあるそうですよ。
左手でベースラインを弾きながら、右手でシェーカーを振るという匠の技も時折見せてくれます。これ、結構難しいです。

そして、遠藤さんが登場して、スタンダードの「Just In Time」でスタート。
ロックバンド「アメリカ」のナンバーや、S・ワンダーの「Overjoyed」をはさんで、最後は、ご機嫌なスイングナンバー「Almost like being love」で締めくくり。
いやー、遠藤さん、すごく良いですね。元々、アメリカンロックやA.O.Rが好きで、後付でジャズのレパートリーを増やしていったようです。だからなのか、声が太くて強いです。ひと口にジャズシンガーといっても、Rootsがいろいろあり、個性豊かでなかなか楽しいです。

それからMCがとても面白いです。ちょっととぼけた感じで、女優の高畑淳子さんに雰囲気が似ています。(若いのにすいません、あくまでも愛嬌のある雰囲気がというところがですよ! ふー、パソコン苦手だって言ってましたから、これ読んでませんよね・・・)
芝居がかっていて、マジなのかジョークなのか掴めません。不思議なエピソードを話しているうちに、いつの間にか次の曲の紹介に繋がっていったりします。
計算してしゃべってるのかな?
とにかくユニークな雰囲気を持っていて、さすが謎のシンガーだな、という感じです。

2部に入って、何曲かスタンダードを唄ったあと、ついに出ました。
トム・ウェイツの「Downtown Train」。ロッド・スチュワートのカヴァーでヒットした渋いナンバーです。井上さんと平岡さんの好サポートもあって、本日一番の名唄ですね。最後はバラード「Someone to watch over me」でしっとりと締めくくり。

まさか今日トム・ウェイツが聞けるとは思いもしませんでした。女性シンガーでは、聞いたことありませんね。これは、ギターの平岡さんからのアイデアらしいです。今度は「オール'55」を唄ってくれないかな。

このアメリカンなバーでバーボンを飲みながら、渋いトム・ウェイツのナンバーと謎のシンガーを堪能。
思わず、「マスター、バーボンバックをもう一杯!」と止まりません。
そして「彼女にも一杯さし上げて。」
なんてセリフを吐いたら、気分はもう'70年代の片岡 義男の世界ですよ!
(あっ!若い人にはまったく通じませんね・・・)


(追記)
このお話には、後日談があります。

遠藤 雅美、オール'55を唄う! ~謎のシンガーアゲイン~

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たなかりか 知ってますか?

2008年06月09日 | ジャズ・ボーカル・ライブ
停泊地)六本木alfie(08.6/7)
メインアーティスト)たなか りか(vo)金子 雄太(org)渥美 幸裕(g)倉田 大輔(ds)

数日前に、信頼置けるある情報筋から、1本のMailが入りました。
「たなかりか、知ってますか?」というタイトルを見て、ピンと来るものがありました。これは、面白いことになりそうだな、というカンですね。
この情報は、以前渋谷のライブバーでフルート奏者太田朱美さんを教えて頂いたTさんからの物で、情報のグレードとしては、高レベルのものと判断しています。
前回の経緯は「たくましき、若獅子達!」で書いてます。

たなかさんは、大阪在住で、2~3ヶ月に1回の割合で東京に来て、このAlfieでライブをして、戻ってしまいます。なので、今回のようなきっかけがないと見逃してしまいます。私の中の、1度ライブを観てみたいシンガーの中にずいぶん前から入っていたのに、ずっと後回しになっていたところです。

店に入るとほとんどのところに、黒いコースターが置いてある。これは予約で満席状態の印ですね。危なかったですね。それほど知名度があるわけではないし、飛び込みでいいかなと思ったけど、念のため予約していて正解でした。カウンターの真ん中に無事に席をゲット。
今日は、Alfie 2daysの2日目で、昨日も満席だったらしいです。CDのレコ発やバースデイ・ライブでもないのに凄いですね。皆さん、何処から情報を仕入れているのかな?
ライブ少し前にママさんご出勤。Billboard(ここから5分ぐらいの東京ミッドタウン内。)でチャカ・カーンのライブを観てきたらしい。このママさんは、天才ドラマー故日野元彦さん(皓正さんの弟)の奥様で、スリムなジーンズがトレードマークです。

昨日はオランダのテレビ局の取材が入って結構慌しかったそうです。
「世界のジャズクラブ」という特集らしく、日本では、ここと青山Body & Soulが取材対象になったそうです。これは正しい選択ですね。オランダのエンターテインメント情報部員もなかなかやるなあ。

ライブは、ソウルフルなインストナンバーでスタート。
次に、たなかさんが登場して、1曲目は、ナット・キングコール・ナンバーでお馴染みの「Love」。そしてレイジーな8ビートにアレンジされた、クルト・ワイルの名曲「Speak Low」と続く。

いやー、たなかさん、めちゃくちゃカッコイイですね!
タレントの梨花さんにちょっと雰囲気が似ていて、モデル並みのスタイル、歌が激ウマときたら人気が出ないわけがありません。
元々ソウルミュージックからジャズに入ってきたということで、ファンキーで黒っぽい音楽志向のようですが、この手にありがちな、絶叫とかのスタイルではありません。細身なのに、声量が豊かで、常に余裕を持って、ニコニコと歌い上げていきます。
さらに、スタンダードの「Just Friends」ときて、1部の最後は「On Green Dolphine Street」で締めくくり。
このへんのアレンジは、ハモンドオルガンの金子さんによるもの。
数十年前の曲とは思えない、ヒップでスタイリッシュなサウンド作りは、金子さんの独壇場ですね。そして、このハモンド、ギター、ドラムスのセットも本日のようなアーバン・ソウルなサウンドにはベストの選択です。

そして2部は、ソウル・クラシックス「Feel Like Making Love」のインストでスタート。ロバータ・フラックやマリーナ・ショーでお馴染みのナンバーですね。
それにしても、この若いギタリストすごくいいです。渥美さんは、ピックを使わない指引きスタイルです。名器Gibson 335で、3度やオクターブをトレモロで盛り上げたりするあたり、名手David T Walkerの影響を感じました。
あっ!というか、このジャンルで影響されていない人は、いませんね!
それから注意深くこのblogを読んでいる人には直ぐ分かったと思いますが、ドラムスは、前回ご紹介した、片倉トリオのドラマー倉田さんです。
王道4ビートジャズの世界から、8ビート主体のアーバンソウル系ジャズまで見事なパフォーマンスで叩いてしまう。凄いですね、今の若いプレーヤーは!

そして本日のハイライトは、ホレス・シルバーのファンク・チューン「ニカの夢」。ちょっとスローボッサ風のアレンジで、しびれました。
最後は、軽快なサンバで締めくくり。当然アンコールとなり、ギターとデュオでCrystal Keyのバラードでしっとりとお開きに。

今日は期待通りのライブで、普段よりチャージは高め(4,750円)でしたけど、充分堪能しました。この料金で、2Days満席というのは凄いです。口コミの威力なんでしょうね。
次回は、8月にピアノとデュオが1日組まれているそうです。するとその次は、年末ですか?
たなかさんは、2年前に結婚してから、ライブをかなり減らしているんですね。大阪の梅田ミスター・ケリーズがホームグランドなので、そこでは、毎月観られるらしいけど・・・

まあ、東京にいれば何でも手に入るという考えがいけないのか。
関西には、他にも気になるシンガーが何人かいるんですよね。
やっぱりエンターテイナーを生む土壌があるのかな。

今度この航海、関西方面に舵を取ろうかな!

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初めてのライブは混合ツイン・ボーカルで!

2008年02月23日 | ジャズ・ボーカル・ライブ
停泊地)吉祥寺STRINGS(08.2/10)
メインアーティスト)矢幅 歩(vo) ギラ・ジルカ(vo)小畑 和彦(g) 竹中 俊二(g)

当Blogでは、今までに約20ヶ所のライブ報告を実施していますが、その中で特にアクセス数が多かったのが「初めてのジャズ、初めてのラテン!」です。
何かのきっかけでジャズに興味を持った方が、「初めてのジャズ」というフレーズに導かれてアクセスされているようですね。あ、勿論多いといっても、数十万単位のアクセスがある“しょこたん”や“ガッキー”のBlogをイメージしてはいけませんよ。所詮インチキくさい船長のジャズのブログです。この怪しげでコアなクルージングにふさわしい数百という単位のお話です。

前回は、モヒカーノ関さんの、底抜けに楽しいラテン・インスト・ジャズを紹介しましたが、今回は、それに負けず劣らず、入門者でも充分堪能できる男女ツインボーカルのライブのご紹介です。

ということで、ストリングスのある地下へと階段を下りると既に演奏が始まっている。しまった!今日は日曜日で、この店はいつもより30分開始が早いんですね。船長が、こんな初歩的なミスをしてはいけません。
さて、ライブの構成としては、一部二部共に、前半と後半に豪華なツイン・ボーカルがあって、中ほどにそれぞれがソロで歌うという編成です。
一部で印象的だったのは、矢幅さんをフィーチャーした、ジョビンの名曲
「シェガ・ジ・サウダージ(想いあふれて)/NO MORE BLUES」
この曲は、今から50年前にジョアン・ジルベルトによって録音され、それがボサノバの
ルーツ(始まり)とされていることから、ブラジル音楽家にとっては聖歌のように扱われているようです。矢幅さんも思いが強すぎてなかなか人前では歌うことが出来なかったと前説されてました。

不思議ですね。ジャズの世界でこの曲は、「NO MORE BLUES」というイージーな英題が付けられ、ごく普通に歌われ、演奏されています。私もこの曲は、ジョビンの中でもフェイバリット・チューンの一曲ですが、この由来を今回はじめ知りました。
一般的に、スタンダードと言われる曲は、32小節で構成されているものが多いのですが、この曲は、68小節で出来ています。しかもかなり複雑。「チン、トン、シャ~ン」と鼻歌のように始まり、前半はマイナー調でブルージー。しかし後半から急に明るく(メジャーに)なりドラマチックに転調を繰り返しながらエンディングとなる、なかなかの難曲です。ジャズでは、テナーサックスのジョ・ヘンダーソンがピアノのイリアーヌと録音したバージョンが私のお気に入りです。
矢幅さんにとって機が熟したということでしょうか、とても素晴らしいパフォーマンスでした。
ライブでのMCはとても大切ですね。そういった思いを胸に今この曲を歌っているんですね、と言う受け手の感情が、パフォーマンスに増幅されて一層響いてきます。
矢幅さんは、ジャズの名門六本木サテンドールとブラジル音楽の殿堂プラッサオンゼの両方を出演されている貴重な演奏家ですね。垣根を越えてこういったアーティストが増えると良いですね。あ、勿論今回のギターの達人竹中さん、小畑さんにも垣根は全然ありません。

さて、二部に入るとギラ・ジルカさんの存在感がグーッとアップします。
ギラさんは、イスラエル系のハーフのようですが、神戸出身で、しゃべりはこてこての関西人。この方、生粋のエンターテイナーですね。おしゃべりも歌もとにかく楽しい。これは練習や訓練でどうにかなるものではありませんね。天性としか説明が付きません。

一曲目は、ブルースの「ルート66」。ギターの小畑さんがトイレに行こうとした時に、曲が始まってしまいました。すると、ギラさんはアドリブで、小畑さんがトイレに行って戻ってくるまでを実況解説した歌詞でこのブルースを歌って会場大爆笑となりました。
それからギラさんのソロで、オリジナルの「ステイ」と言う曲もなかなか感動のラブ・ソングでした。
そして、後半は、デュオになって、スタイリスティックスの名曲「誓い」、スティービー・ワンダーの「オーバージョイド」と素晴らしい歌声を堪能。
ラストはチック・コリアの「スペイン」。いつもこれで締めるんですと言っていたようにコンビネーション抜群の最高の「スペイン」を聞くことが出来ました。そして、アンコールはボズ・スキャグスの「ウィー・アー・オール・アローン」でしっとりと締めくくり。

いやー、とにかく楽しい。男女両方の歌声が楽しめて、しかもジャズ、ブラジル、ポップスと盛りだくさんの音楽を堪能しました。
今日はわずか20数名のキャパのライブでしたが、200人ぐらいいても全然圧倒できるぐらいのパフォーマンスの高さですね。
これ本当に「初めてのライブ」にお勧めです。というか、その内、沿線のスモールクラブでは見れなくなる可能性も有りますので、あまり知らせたくないんです。

このブログを読んだ方も、密かにこのコンビのライブを観にいってくださいね。

今夜は、足音を立てずに静かに船に戻ります!

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ケイコ・リー、ライブ・アット・ドルフィー2008

2008年02月05日 | ジャズ・ボーカル・ライブ
停泊地)横浜DOLPHY(08.1/24)
メインアーティスト)ケイコ・リー(ボーカル)
        五十嵐 一生(tp),野力 奏一(p),渡辺 直樹(b),渡嘉敷 祐一(ds)

“Tokyo Jazz Cruising”にご乗船の皆さ~ん、お待たせいたしました!
年初の予告どおり、ケイコ・リーさんのライブ、行ってまいりました。

改めてご紹介すると、ケイコ・リーさんは、今、人気実力とも日本一のジャズ・ボーカリストですね。数年前に日産のCMで流れたクイーンの「ウィ・ウィル・ロック・ユー」で大ブレイクして、知名度が広く知れ渡ることになりました。そして、その時のアルバム「ヴォイセズ
/Voices」が20万枚を超える大ヒットしましたね!極薄くスライスしたチーズのようなシェアしかないジャズ界にとって、こういったスターの出現は大歓迎ですね。やっぱり燦燦と輝く太陽があって、初めていぶし銀アーティスト達に渋い光が当たってくる訳ですからね!
2007のスイング・ジャーナル読者人気投票でも勿論1位。2位の綾戸智絵さんの3倍の得票ですよ。歌一本の活動で!
しかも、これは日産のCM以前からで、今回で11年連続で一番ということです。ジャズの中で最も人気ジャンルの女性ジャズ・ボーカル部門は、人材の裾野が広く厚い。その最も激戦区でデビュー以来ずっと、トップを走り続けているのが、ケイコ・リーさんです。

本日ケイコ・リーさんが登場したのは、横浜ドルフィー。階段を上がると入り口の前でミュージックチャージを払う。普段は、最後に会計するシステムですが、今日はライブハウスでよくある前金制のキャッシュ・オン・デリバリー(注文する毎に支払いをする)。あとで聞いたところ、いつもは40人ぐらいで満席状態のこの店で、今日は80人の限定ライブということですね。ということで一部を除き、テーブルが撤去され、椅子がずらっと並んでいる。
空いてる好きなところに座ってください、といわれるも既にほぼ満席状態。(これは知らなかった!予約したので、いつもの様に席が決まっているのかと・・今日は早く着きすぎたので、意味もなく横浜スタジアムあたりをぶらぶらしてたのは何だったのか・・・。)ちょっとヤバイなと思ったところ、いつものカウンター席がひとつだけ空いていたので、やれやれという感じ。

定刻を30分ぐらい過ぎたあたりでケイコ・リーさんが登場。マイケル・ジャクソンの「ヒューマン・ネイチャー」でスタート。もちろん、ジャズの世界では、'80年代のマイルス・デイビスを代表するチューンですね。
それから、止まりそうなぐらいゆったりとしたテンポでボッサの名曲「ジンジ」。
恐らく本来のツアーメンバーのベースは岡沢章さんなのでしょうが、本日の渡辺直樹さんのベースが絶妙にこの超スローボッサを支えています。
そして、一曲挟んでやはり'80年代のマイルス・ナンバーでシンディ・ローパーの「タイム・アフター・タイム」と続く。これは、'95の1stアルバムから続く18番レパートリーで、五十嵐さんのトランペットが、美しく響き渡ります。五十嵐さんは、本日の大収穫ですね。今度是非、リーダーバンドで聞いてみたいです。

そして本日の一番は、アメリカン・ポップス・クラシックスの「スタンド・バイ・ミー」。このソウルフルなナンバーは、最後に品のない絶叫パターンでリフレインする演奏を聴くことが多くて、ちょっと食傷気味という感じでしたが、ケイコ・リーさんは到ってクールです。
ケイコ・リーさんのボーカルは、声がハスキーでとてもよく響きます。高い声を張り上げたり、超絶技巧でスキャットでアドリブをしたりということはしません。よくジャズの世界で
「ホーンライク(管楽器のような)」という例え方をしますが、まさにそういったスタイルですね。
ライブに来る前は、レパートリーからいって、マリーンさんとイメージが重なっていました。フュージョン系の達人ミュージシャンをバックに、はち切れんばかりのパワーでエネルギッシュに歌いまくると。
全然違いましたね。分厚く中音域を響かせながら、ゆったりと進んでいきます。だから余計にダイナミックに全体のサウンドがグルーブします。従ってほんの一瞬シャウトの片鱗を見せただけで、ものすごいパッションを感じることが出来る訳ですね。会場全体が揺れるような感じ。曲が終わると“イエイ!”という雰囲気ではなく、一瞬ため息を付いた後、しみじみと拍手が沸き起こります。

それから、野力さんのリリカルなピアノとデュエットしたポール・マッカートニーの「マイ・ラブ」もグサッと響きました。ケイコ・リーさんの“おはこ”のようですが、これ最高ですよ!

アンコールはケイコ・リーさんのピアノ弾き語りでサイモン&ガーファンクルの「明日に架ける橋」と全員そろってクルセイダースの名曲「ストリート・ライフ」で締めくくり。休憩なしの約一時間半のライブを充分堪能しました。

うん、何事も超一流の人は、気をてらわずに、あくまで自然体ということか。

ということで今日はタイトルもそのまんまですね。
そして、普通に歩いて船に戻ります。
(あ、船に戻るなんていうのも、もう辞めようかな・・・)
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もし、バカラックの音楽がなかったら・・・

2007年12月14日 | ジャズ・ボーカル・ライブ
停泊地)六本木アルフィー(07.10/5)
メインアーティスト) 平賀マリカ(v)
守屋純子(p) 高瀬龍一(tp) Andy Wulf(sax) 山下弘治(b) 池長一美(ds)

弱小インディーズ系海運会社によって運営されている当クルージングにとって、原油価格の異常な高騰は死活問題です。組織の方から、“予算オーバーだぞ。停泊地を間引け!”との指令に答えざるを得ません。
ということで、今回は少し前のライブを紹介することにします。とは言え、少なくとも船長にとっての、今年一番と言ってよいボーカルライブをこの日誌に記すことになります。

この日「アルフィー」に登場したのは、ジャズ・ボーカリスト平賀マリカさん。
マリカさんは、今、人気・実力とも日本で最も充実したボーカリストのひとりですね。前作
「Faith」は、ピアノのハロルド・メイバーン・トリオ+エリック・アレキサンダー(ts)といった超豪華メンバーをバックにスタンダード・ジャズを歌いまくり、今作では、D.マシューズ率いるマンハッタン・ジャズ・クインテットを従え、バカラック集をリリース。そして、2作品連続でスイング・ジャーナルのゴールド・ディスクを受賞という快挙ぶりです。
今回は、その6月に発売されたCD「Close to Bacharach」の発売記念ライブツアーの最終日という、おいし過ぎる情報をMCで初めて知りました。
ステージは、「雨にぬれても」ではじまり、「サンホセへの道」「Close To You」とバカラックの甘く、切なく、軽快で、スタイリッシュな定番曲が続く。マリカさんのシャープな歌声が、バカラックの作品に輝きを与え、D.マシューズの編曲によるミステリアスで躍動感あるブラス入りのバックサウンドが、それを一層引き立てて会場を包み込むという感じでしょうか。

ちょっと脱線:昔、ブラジルに「ボサリオ」というコーラス・グループがいて、彼ら(彼女ら)の歌う「サンホセへの道」がマイ・ファースト・バカラックです。ドーナツ盤と呼ばれるシングル・レコードですね。発売してすぐに買った記憶があります。小学生の時です。変な小学生ですね!今だったら間違いなく、いじめられてますね。良かった!牧歌的な“三丁目に夕日”時代で。
では、それからずっとバカラックに浸っていたかというと、もちろん、そうではありませんね。小粋なバカラックにはそういった付き合い方は似合いません。折にふれて、という感じでしょうか。しかし気が付いたら、長い歳月の間に、色々な曲がいつの間にか体の中に浸み込んでいたという感じ。なにかビンテージ・ワインのような熟成の仕方ですね。(←飲んだことないくせに!)
もし、バカラックの音楽がなかったら・・・
きっと、コルクのない380円ぐらいのテーブルワインのようですね!

今日は、バカラックの極上の世界を堪能できました。マリカさんが自分で“あたし天然ボケなの”といってましたMCも軽快かつ絶妙。また同じセットでバカラックを聞きに来たいと思ったけど、今日が最終日なので残念ですね。マリカさんや、本日のバンドマスターでピアニストの守屋さんによると、大変複雑なアレンジで合わせるのが大変だったらしい。このメンバーで何度もリハーサルして、ツアーを重ねながら漸くここまできたので、なかなか再演できない、ということです。まあ、今日間に合ったのを良しとするか。

よし、今日は、「雨にぬれても」を口笛で吹きながら、自転車こいで船に戻ろう!
(解るかなぁ?)
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西荻窪の地下室は、秘密のアジトのたたずまい!

2007年11月12日 | ジャズ・ボーカル・ライブ
停泊地)西荻窪アケタの店(07.11/7)~第一話~
メインアーティスト)チコ本田(ボーカル)
          岡恵美(p)荒巻茂生(b)大田智洋(ds) 

「アケタの店」は、サックス奏者・梅津和時率いるフリージャズ集団「生活向上委員会大管弦楽団」が一世風靡(あくまでジャズの小さな世界で)してた1980年ごろに一度来て以来の訪店。当時はこのバンドをリスペクトして、自分のバンドを「農村生活向上委員会」と名付け、自らを“井関野 小太郎”と名乗っていた自分を思い出すと、火が出るほど恥ずかしい!
入り口でドリンク込みの入場料2500円を払い、今日は大分冷えるので「焼酎のお湯割り」をオーダー。いいですね~。たぶん全然変わってない。照明はむき出しの裸電球、椅子やテーブルは不揃いで、場所によっては、“明治牛乳”と書いてあるケースをひっくり返したテーブルの上にドリンクを置くことになる。この西荻窪の地下室は、秘密のアジトのたたずまいがする。まあ、そんな人はいないでしょうが、初めてのデートとかには間違っても推薦しかねます。(変わり者同士なら悪くはないか!)でもこのスタイルでもう30年以上続けているのだから、立派と言うしかない。
この中央線沿線老舗ライブハウスの地下室に本日登場されたボーカリストが、チコ本田さん。70年代一世を風靡したジャズ/フュージョン・グループ「ネイティブ・サン」のリーダー&ピアニストの故・本田竹広(p)の夫人であり、兄は渡辺貞夫(as)、弟は渡辺文男(ds)、そして息子は売れっ子ドラマーの本田珠也。日本中、探してもこれ以上ないというジャズ・ファミリーの一員である。
スタンダードの「バイ・バイ・ブラックバード」でスタートしたが、チコさんにかかるとすべてが熱いソウルフルなジャズになる。でもやっぱり真骨頂は、ファンキーな「Mercy Mercy Mercy」やマービン・ゲイの「What's Going on」といったレパートリーですね。絶唱(シャウト)が自然に伝わってきて、いつの間にかステージと会場が一体となっていく感じ。この店の怪しげな佇まいが一層それを引き立てている訳ですね。
中央線沿線、濃くて、熱いジャズ、今も顕在!といった夜でした。

つづく。

そうだ、“濃くて、熱い”といったらラーメンだな。
よ~し、
「近日“ラーメンとジャズについての考察”をアップ予定!」
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今夜も絶品!「アマポーラ」

2007年11月04日 | ジャズ・ボーカル・ライブ
停泊地)吉祥寺Strings(07.10/27)第一話
メインアーティスト)井上ゆかり(P),北浪良佳(vo),里見紀子(vln)

北浪さんは、神戸出身の期待の若手ボーカリストで、以前紹介した、斉田さんと並ぶ私の大推薦若手歌手。10/24にデビューアルバム「Little Girl Blue」をリリースしたばかりで、本日もその収録曲が中心。今夜も披露して頂きましたが、彼女の「アマポーラ」は、絶品ですね。
音大の声楽科卒で大学院ではオペラを研究していたと言うことで、とにかくスケールが大きくドラマティック。レパートリーも「武満徹」作品あり、大貫妙子の「色彩都市」あり、エリントンありで特にユニークな編成。(今日はシャーデーまで披露。)8月の横浜ドルフィーでは、北欧の作曲家グリーグの作品も歌っていた!
通常のジャズ歌手の範疇を超えており、コテコテのジャズ・ボーカルファンの中には眉をひそめる方もいるでしょうが、私的には「ようやく出てきましたね。ずっと待ってました。ありがとう!」と声を掛けたいですね。(キモイ!と返されそうですが・・。いやいや、実際にお話しする機会がありましたが、とても気さくな方でした。)それほど彼女の登場は衝撃的でした。
活動の拠点の関西では既に大ブレイク状態で、東京でも確実にファンが増大しているという感じですね。11月は、「目黒ブルースアレイ」「横浜モーションブルー」でのライブが予定されていて、だんだん当クルージングでは立ち寄れないところに行ってしまいそうですね。それが気掛かりなんです。

つづく。
(第二話構想中。“当世ミュージシャン気質”とタイトルだけは決定しました。
フ~。近々アップ予定。)

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伊藤君子さん、ジャズですか? ジャズですよ!

2007年11月01日 | ジャズ・ボーカル・ライブ
停泊地)横浜DOLPHY(07.10/26)
メインアーティスト)伊藤君子(ボーカル),山本剛(p),安ヵ川大樹(b)

今夜はジャズボーカルの女王ご登場。会場はほぼ満席。ジャズクラブでは珍しく女性客が半分以上占めている。各地のボーカル・スクールの生徒や講師といった感じかな。伊藤さんから、そう聞かれると、恥ずかしがって首を横に振っていたけど、聞いているときの身のこなしを見てると間違いない!
一部は、スタンダード曲中心のオーソドックスな構成。特に「Love For Sale」(コールポーター作品)は絶品!曲間のMC聞いてるだけでも泣けてきます。日本一のジャズ歌手が目の前で歌っている。嬉しいね、Dolphyさん。しかも音の調整が抜群に良いから、安ヵ川さんのベースの音色がとにかく美しい。

そして二部のスタート。不思議な体験です。これが噂の津軽弁ジャズか!
伊藤さんは、先月「My Favorite Things」「Summertime」といったお馴染みの曲を津軽弁で歌うというCD:
「JAZZ DA GA ? JAZZ DA JA !~ジャズですか?ジャズですよ!~」を発売し各地でツアーを行い、二部でそのご披露となったわけですね。
“ちゃぺのひげコ(子猫のひげ)に、まんどろな月コ(真ん丸な月)”といった感じでなんとも不思議な響き。マジなのかジョークなのか?でも本人は真剣に歌っているところが面白く、あちこちで笑いが絶えない。
この類のものの変遷を整理すると:
 タモリのなんちゃってフランス語でシャンソン歌手
 →金沢明子のイエローサブマリン音頭
  →“王様”直訳日本語ディープ・パープル
   →伊藤君子の津軽弁ジャズ
細かいところではこれ以外にも、「関西弁アバ」とか色々あるようだが、うん、
実に確実に正しい方向に進化していて、伊藤さんのところでついに「昇華」したことが認識しうる。ドイツ哲学者の定義を借りると
 「イッヒ・アウフヘーベン・バウムクーヘン!」といった感じだな。
この企画は日本各地で好評のようで、今度うちの方言でもやってください。というオファーが殺到しているらしい。もちろんそれは丁寧にお断りしているということ。
津軽弁ジャズを切り上げると、ドラマチックな「アランフェス協奏曲」やエリントン・ナンバーを披露。アンコールは「マイ・ファニー・バレンタイン」で締めくくり。
何とも贅沢で盛りだくさんなライブで大満足!

最後に、日誌に記そう、
「噂の津軽弁ジャズ、わたしは、見た、笑った、感動した!」

今夜は横浜、急いで戻らなきゃ、船が出ちゃう!
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斉田佳子さん、笑いながら怒ること出来ますか?

2007年10月27日 | ジャズ・ボーカル・ライブ
停泊地)渋谷JZ Brat(07.10/18)
メインアーティスト)斉田佳子(ボーカル)/三木俊雄(ts)堀 秀彰(p)生沼邦夫(b)
         吉岡大輔(ds)高瀬龍一(tp)片岡雄三(tb)秋山 卓(as)

歌良し、MC良し、選曲良し、おまけにルックス良し。船長の若手一押しボーカリストが 斉田佳子。今夜は特に、CD「Bon Voyage」のメンバー揃い踏みで管楽器4本。しかもサックス三木俊雄等超一級の豪華ライブを堪能。特に三木さん独特のミステリアスな編曲の「A HOUSE IS NOT A HOME」(バカラック作品)は絶品!
名門のボストン、バークリー音大出身。器楽奏者で同大学出身者は、今では珍しくないけど、ボーカリストではあまり聞きませんね。でも小難しい選曲をしたり、テクニックをひけらかす様な事は全くなく、非常に自然体で好感度満点。特に歌っている時の表情がいいですね!
(チョット脱線:映画「フラガール」の蒼井優さんの表情も素晴らしいですね!あれだけ激しいダンスの動きを繰り返しながら笑顔を絶やさない。尋常ではないですね!)
バークリーでは「パフォーマンス科」という言い方をするくらいだから、表情とかのトレーニングもされたのだろうか?機会があったら聞いてみたいですね。
昔、テレビで竹中直人の「笑いながら怒る」という爆笑の芸を見て、仲間と練習してみたけど、これがなかなか難しい。斉田さんなら出来そうだな。

ということで、斉田さんのライブから元気を一杯もらい大満足の一夜でした。

さあ、そろそろ船に戻らなきゃ。
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池袋Apple Jumpホームページ

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