渋いっ!僕らのTokyo Jazz Cruising♪~今夜も出航!~

Live cafe & bar 池袋Apple Jump(アップルジャンプ)店主の日誌

miggy ワールド全開! ~宮嶋みぎわTrio feat.永山マキ~

2008年12月10日 | ジャズ・ライブ
停泊地)吉祥寺Strings(08.11/26)
メインアーティスト)宮嶋みぎわ(p)、高井亮士(b)、広瀬潤次(ds)
ゲスト:永山マキ(vo)

かなり乱暴な分け方だと承知で書きますが、ジャズ・ミュージシャンは、2つのタイプに大きく分類できます。

1)スタンダード・ナンバーを中心に、即興演奏をとことん追及するタイプ。
2)Original楽曲の作曲を中心に、独自の世界を創造していくタイプ。

恐らく、前者のケースが圧倒的に多いと思います。なにしろジャズの世界には、コール・ポーターやデューク・エリントンといった、偉大な作曲家の残した、ジャズの演奏に映える楽曲が山ほど有ります。
なにも自分が新しい曲を創らなくても、目の前にはいくらでも美味しい素材が溢れている訳ですね。

しかし、極まれにですが、後者のタイプで成功しているミュージシャンがいます。
私の場合、真っ先に思い浮かぶのは、ピアニストの国府弘子さんです。
既にリーダー・アルバムは、20枚以上リリースしていますし、500人とか1000人規模のホール・ライブを日常的にこなしている、文字通りジャズ・ピアニストの第一人者です。
しかし残念ながら、この実績のわりにジャズの世界では、あまり評価されていない様に感じます。
国分さんは、以前、インタビューで確か次のように答えています。
“私は、様々なジャンルの音楽家と共演することが多いのですが、クラシック系の方からは、ジャズを演っているコワい人のように思われるし、ジャズの人からは、ポップスのような軽い音楽を演っている人と扱われるし、何処にも居場所がないんです。”

国分さんのライブは、ビックリする様な超絶テクニックで圧倒するという類の演奏ではないんですが、演奏のクオリティーが高く、何よりも楽しくて、最後までオーディエンスを飽きさせません。
この独自の世界を切り開いている国分さんのようなミュージシャンがもっと評価され、それを目標とする若いプレーヤーたくさん増えてくれば、ジャズ・クラブももっと賑やかになるのになぁ、、、

さて、このOriginal楽曲の作曲を中心に、独自の世界を築き始めている貴重なミュージシャンが、本日紹介するmiggyこと宮嶋みぎわさんです。
宮嶋さんの音楽活動は、多岐にわたっています。

☆miggy+(ミギー、オーギュメントと読みます):宮嶋さんが作曲・アレンジしたオリジナル曲のみを演奏するビッグバンド。
☆hitme&miggy:サックス奏者山上一美さんとのDUOユニット。
☆Lynn:hitme&miggyにさらに、ツインボーカルが加わった変則カルテット。
☆ピアノトリオ

次々に楽想や企画が湧いてくるのでしょうか、何れもセッションのようなものではなく、それぞれのユニットごとに書き下ろしてアレンジされた楽曲が中心となって活動しています。

そして今夜のライブはピアノトリオに、『モダーン今夜』というユニットのボーカリスト永山マキさんがフィーチャリングされたセットです。

ライブの方は、2曲ほどオリジナルが続いた後、
“次はチャーリー・パーカーの「Confirmation」です。この曲は、恐れ多くてあまりプロのミュージシャンが取り上げないようですが、学生の頃から大好きで、なんか、自分の解釈がひょっとしたら的外れかもしれないけど、気にしないでやってみます!”と意外なことにこのビバップの代名詞とも言える曲が演奏されました。
これが実に軽快で楽しい。この曲のこんなポップな演奏は初めてです。

そして、二部の1曲目は、オリジナルの「パレード・オブ・プリン」。
これは、真夏に自宅でピアノを弾いているときに、好物のプリンがピアノの向こう側から列をなして押し寄せてくることを夢想したときに思いついて書いた曲だそうです。ちょっと、ソニー・ロリンズのラテン・ナンバー「St.Thomas」を連想させるご機嫌なナンバーです。
宮嶋さんは、社会人の経験が長かったからなのか、MCがとても上手で的確です。会場からも笑顔が絶えない楽しいアットホームな雰囲気でライブは進んでいきます。
次に、やはりオリジナルの「Grateful lights from the sea」。
悩み事があったり、行き詰ったりしたとき、よくお母様が夕日を見に、海に連れて行ってくれたそうです。
その時の思い出を曲にしたようですが、とてもドラマティックで雄大な曲で、本日の一番でした。これは、miggy+のCDの最後を飾る曲でもあるので、今度はジャズ・オーケストラバージョンでも聴いてみたいですね。

後半は、永山さんが参加して、エリス・レジーナで有名な「カイデントロ」やスタンダードの「But not for me」で締めくくり。こちらも、定番的な歌唱とは全くテイストの異なるポップな歌声でした。
永山さんは、ブラジル系シンガーでもジャズ・シンガーでもありません。自分に一番フィットする曲をジャンルレスで選択して歌っている感じです。
終演後少しお話をする機会ががあったんだけど、「わたし、ポップスなんです。」などと何故か恐縮してました。一応ジャズ系のライブハウスなので、“全然ちがうな!”なんて怒られると思ったのかな。
永山さん、ちょっとCoccoのような独特な雰囲気を持ったなかなか素晴らしいシンガーですよ。

今日は、miggy ワールド全開で、とても楽しく刺激たっぷりのライブを堪能しました。

昔から、ジャズの世界では、ポップで解りやすく楽しめるものを軽くみる雰囲気があります。
でもそんなことお構いなしにわが道を行く、このたくましいmiggyさんを、今後共注目していきたいです。













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北欧系クリスタル・ジャズを堪能!~西山 瞳&井上 淑彦DUO~

2008年11月30日 | ジャズ・ライブ
停泊地)大塚グレコ(08.11/18)
メインアーティスト)西山 瞳(p)井上 淑彦(t&soprano.sax)

今日は、久しぶりの大塚グレコです。とは言え、このブログでは初登場となりますので、ちょっと説明します。

よくタウン誌などで、“隠れ家レストラン”とか“隠れ家ジャズバー”と言う謳い文句が有ります。メインストリートから一本、路地に入った、こだわり系の店の紹介の時に使われます。
しかし大塚グレコほど、この謳い文句に相応しいライブ・バーはありません。
完全に民家の密集地のど真ん中に溶け込んでいます。
初めてこの店に来たときは、さすがに迷いました。ホームページには、かなり正確で親切な地図があるので、最後の角を曲がるところまでは、順調に進みました。
しかし、なかなかそれらしい建物も看板もない!このまま進むと巣鴨まで着いてしまう。駅から5分という説明文からみてどう考えてもおかしい。と言うことで、引き返したりして何度も行ったり来たりしてしまいました。

間違いなく目の前に来ていると確信しているんだけど、一向に目的地に着かない。
そう言えばチェコの小説でこんな設定の話があったなぁ、などと考えながらウロウロしている内に、微かに記憶に残っているMAPに掲載されていた写真の階段が目に飛び込んできました。
あ、ここだ!と思って、階段を上がると入り口に、アルファベットで書かれた個人の表札が掛かっています。
万が一違ってたら、他人の家に勝手に入ることになる。ひょっとすると相当ヤバイことになるな、と思いつつ恐る恐るドアを開け中に入りました。
勿論無事辿り付いた訳ですが、なかなかスリリングでした。
(後で知ったのですが、入り口のところに、銅板のようなもので、GRECOと書かれた看板が有ります。でもこの時は、真っ暗ですし、全く気が付きませんでした。)

3階建ての自宅を改造したライブバーは、8人程度が座れるカウンターとテーブル席がひとつあるだけです。(ここも普通はミュージシャンが座ってます。)
編成はジャズ、ボサノバ、ワールド、クラシック、シャンソン等と文字通りジャンルレスで、ママさんのお気に入りのミュージシャンを呼んでお酒を飲みながらサロン風のプライベート・ライブを楽しむという感じですね。

さて、だいぶ前置きが長くなりましたが本題に入ります。
本日紹介する西山 瞳さんは、現在最も期待されている大坂在住の若手ピアニストの一人です。イタリアのピアニスト、エンリコ・ピエラヌンツィに影響を受けたと言うことで、ビバップ系のジャズとは対極の、ヨーロッパ・スタイルの透明感あるピアノが特徴です。私もエンリコは、以前はまっていた時期があって、数年前に来日したときは、浜離宮朝日ホールでのコンサートを堪能しました。
西山さんは以前から関西では、かなり人気ミュージシャンだったようですが、今年の9月には、Spice of Lifeから3枚目のアルバムをリリースして、確実にファンが全国区的に広がっているという、まさに旬なピアニストですね。

そして、共演者のサックス奏者井上 淑彦(としひこ)さんは、私の最も敬愛するミュージシャンです。
井上さんは、1952年生まれのベテラン・プレーヤーですが、実際に初めてライブを観たのは昨年になってからです。
場所は、横浜のドルフィー。メンバーは、北浪良佳(vo)、井上淑彦(sax)、西山瞳(p)、坂井紅介(b)。
この時は、関西で評判の北浪さんのボーカルを聞きに横浜まで行ったわけですが、これが大当たりで、昨年行ったライブの中でも満足度トップクラスのライブでした。ジャズの枠に収まりきれないスケールの大きな北浪さんのボーカルはもとより、セッションとは思えない密度の濃いコラボに感心しました。
特に井上さんの音色の美しさと音楽性の高さに強く感銘を受け、その後、ピットインに行ってリーダーバンドの演奏を聴きに行ったりしました。
但し残念なのは、今年に入ってライブを休業してしまいました。ホームページにも休業中となっておりますし、スケジュールも更新されていません。それでも実際には、月数本のライブはされているようです。しかしそれも、地元の横浜が中心なので、なかなか行く機会がありません。

そんな2人のDUOが聞けると言うことで、勇んで大塚に参上したわけですが、開演15分前だと言うのに、私が一番乗りでした。結局10人程度のライブとなった訳ですが、井上さん自体が休業中の水面下の活動なのでこれは仕方がないですね。

さて演奏の方は、西山さんのオリジナルを中心に進んでいきます。
一部の最後は、スウェーデンのピアニスト、ラース・ヤンソンの「MORE HUMAN」。この曲については、以前、ピアノの井上ゆかりさんとギターの平岡 雄一郎さんのDUOの時に感心したことを以前のブログで取り上げました。
今回この曲は、サックスの井上さんからの提案だったらしいですが、西山さんもお気に入りの曲と言うことで、実現したそうです。
井上さんの美しい音色のサックスと西山さんのクリスタルな響きのピアノとの相性が抜群に良くて、この北欧の物哀しくも美しい名曲が一層引き立ちます。
井上さんがテーマを吹き始めたとき、西山さんが嬉しそうに、ニコって微笑んだのが強く印象に残っています。
“これ、ほんま、ええ曲やわ~”といった感じで伴奏を付けていたのかな。(それとも、ランチで箸が転んだのを思い出したのかな、、、)

そして、休憩時間に井上さんとたくさんお話しすることが出来ました。
このグレコは全面禁煙です。なので、喫煙は外の階段ですることになってます。この日煙草を吸うのは、私と井上さんだけでした。(私は、実は7年間禁煙してたのに、この夏から復活してしまいました!あ~あ、、、)
井上さんのテナーサックスは、アメリカン・セルマー社の1950年代半ばのスーパー・バランス・アクション(S.B.A.)という楽器です。多くのジャズメンが使用する、マーク6より以前のモデルですね。ラッカーはほとんど禿げ上がっていて、所謂ヌード状態です。高音が特にオーボエのような美しい響きがするので、お聞きしたら、井上さんはオーボエの音が大好きで、奏法を工夫してそのように響かせているようです。なので、普通の人が、大金を出してS.B.A.を手に入れても、オーボエのようには勿論響きません。

さて二部は、同じくラース・ヤンソンの「Marionette」でスタート。この曲も、「MORE HUMAN」が収録されているアルバム「A WINDOW TOWARDS BEING」の7曲目に入っています。聞けば聞くほど沁み込んで来る名曲です。
続いて、西山さんの最新アルバムから「Images & words 」。CDのピアノ・トリオバージョンも良いんだけど、今日のDUOで聞くとまた違ったテイストで楽しめました。それから、何曲か西山さんのオリジナルが続き、最後のアンコールは井上さんの名曲「Fireworks」で締めくくり。

今日は本当に素晴らしいDUOを堪能しました。

井上さんは、来年には、リーダーバンドを復活させたいと話されていました。楽しみですね。
でも、その前にこのクルージングが休業しそうだなぁ、、、

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増尾 好秋&鈴木 良雄 ライブ・アット深町 純'カフェ

2008年11月09日 | ジャズ・ライブ
停泊地)中目黒 FJ's(08.11/7)
メインアーティスト)増尾 好秋(g)&鈴木 良雄(b)

本日の会場FJ'sは、初めてのお店です。住所は中目黒となっていますが、最寄り駅は東横線の祐天寺駅になります。ここは、キーボード奏者深町 純さんが、2年前にオープンしたLiveSpotです。
深町さんは、70年代の日本のクロスオーバー・シーンの草分け的存在です。
(クロスオーバーというジャンルは、その後どういう訳か、突然フュージョンと呼ばれるようになりました。)

ランディ&マイケル・ブレッカー、デイヴィット・サンボーン、マイク・マイニエリ、リチャード・ティー、スティーブ・カーン、アンソニー・ジャクソン、スティーブ・ガッド。
ここに掲載した説明不要の凄腕ミュージシャン達は、深町さんの1978年の後楽園ホールでのリーダーライブの共演者達です。
これを見れば、当時、深町さんが日本のクロスオーバー・シーンでいかに突出した影響力を持っていたか、想像出来ると思います。

入り口を入ると、右側にステージがあって、その周りをテーブルと椅子が取り囲むように配置されています。キャパは、40人ぐらいですね。とても趣味のいい雰囲気です。そのステージの左端にキーボードとその周辺機材が、ドンと鎮座しています。ここでは、深町さんのライブも定期的に行っているようです。そしてスケジュール表を見ると、朋友の元プリズムのギタリスト、和田アキラさんとのDUOもあるようです。なんか面白そうですね。一度観て見たいです!
編成は、基本的にジャンルレスの感じです。深町さんが面白い、と思ったものをジャンルを問わずブッキングしているのかな。
ピアノは置いてありませんので、ストレートなジャズは編成されないのだと思います。なので、いままでこの店の情報が入らなかったのだと思います。
深町さんと増尾さんとは、同い年です。増尾さんはMCで、深町さんのことを“同志”と紹介し、“深町くん”と呼んでいました。Jフュージョン時代を駆け抜けてきたもの同士の戦友と言った関係なんでしょうか。
いずれにしても、そのよしみで、ここでのライブが実現したようです。

さて、増尾さんとチンさん(鈴木 良雄)との関係は、以前このブログで紹介していますので興味のある方は、ご参照ください。
増尾さんについては、補足します。
私が始めて増尾さんの演奏をテレビで観たときの衝撃は今でも覚えています。
確かNHKだったと思います。当時増尾さんはソニーロリンズのレギュラーメンバーの一員でした。そしてこの時は、ロリンズの3度目の来日コンサート(1973)に合わせた収録だったのではないかと思います。
最初は、“へえー、外人のジャズのバンドに日本人がいるんだ”と言った感じ。
この時は高校生だったので、ソニー・ロリンズが偉大なミュージシャンで、そのバンドに日本人が居ることの希少性とか、全く理解していませんでした。
そして、増尾さんのソロになって、もう釘付け状態。
このとき、ギブソンのレスポールという楽器を使っていました。レスポールといえば、レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジや、ジェフ・ベックで御馴染みのハード・ロック系ギタリストご用達のギターです。それをナチュラルな音でとても洗練されたフレーズで歌い上げていきます。ハードロック系の音楽にいささか食傷気味だったゴードン青年にとって、増尾さんの発見は、その後、ジャズの世界に深く入り込みきっかけとなった、鮮烈な事件でした。

さあ、ステージのほうは、鈴木さんの書いたブルースでスタート。そのあと、私の大好きなバラード「Nightingale Sang in Berkeley Square/バークレイ広場のナイチンゲール」を披露。これは、ずいぶん前に増尾さんのCDにも収録されています。後でこのことをご本人にお話したら、覚えていない感じでした。まあ、こういったキャリアの長い人の事は、ファンの方がよく知っていると言うのは、世の常ですね。
そして、ギターとベースのDUOといったら欠かせないレパートリー「アローン・トゥギャザー」、「オールド・フォークス」、「イット・クッド・ハップン・トゥ・ユー」で一部は締めくくり。

今日の楽器はギブソンのフル・アコースティックギターES-175を使用しています。これは、高校生のとき買ったもので、お気に入りの1本と言うことですね。この時は、普通に新品を買ったようですが、この60年代初期の175は、今では、中古市場で高額で取引されている、ジャズ・ギタリスト垂涎の名器です。
大切に使われていたのでしょうか、40年以上たった楽器とは思えない美しいボディを保っています。
使い込まれた名器の音と言うのは良いですね。
特にシングルトーンでビブラートをかけた時とか、コードを刻むサウンドは、ほかでは味わえない極上の世界です。

二部にはいると、遊びにきたドラマーのマーク・テイラーさんも加わって、スタンダードやそれぞれのオリジナルを次々に披露していきます。
今日の一番は「You're My Everything」ですね。朋友鈴木さんのジェントルなベースのサポートで、センス溢れる増尾さんのフレーズがいつまでも歌い続けます。
アウトしたり、高速フレーズが出てくることはほとんどありません。これは、昔からそうです。ひたすら歌い続ける、、、
そう言えば、ソニー・ロリンズは、ツアーの移動中とかも、いつもフレーズを口ずさんでいた、と聞いたことがあります。
ロリンズクラスのミュージシャンが望めば、増尾さんよりテクニックのあるニューヨークのギタリストはいくらでも居たでしょうが、今日の演奏を聴いて、何故増尾さんをメンバーに選んだのか、なんとなく解るような気がします。

そして、最後は“深町くん”も加わって、スタンダードの「枯葉」で締めくくり。
なんとも極上のアコースティック・ジャズを堪能した次第です。

さて、ニューヨーク在住38年目の増尾さん。今までは、プロデュース業を中心に活動していましたが、今年から、ギタリストとしての活動を本格的に行うことにしたようです。最初のMCでも、その事に触れ、
「今年からジャズ・ギタリストの増尾 好秋の復活です。これから、よろしく願いします。」と宣言していました。
以前紹介した、渡辺香津美さんも、今年は「ジャズ回帰プロジェクト」を宣言しています。

フュージョン時代に一世風靡した両ギタリストの、偶然とはいえ、期を一にしたアコースティック・ジャズ宣言。
これは、時代の流れなのかな、、、

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ドタキャンから駒~突然のフリーライブで発見!浜崎 航~

2008年10月31日 | ジャズ・ライブ
停泊地)渋谷JZ Brat(08.10/27)
メインアーティスト)井上陽介(b),堀秀彰(p),小山太郎(ds),浜崎航(ts),荻原亮(g),
SUITE VOICE(chorus group),Bobby Ricketts(ts)

先週、信頼おけるある情報筋から、嬉しいニュースが飛び込んできました。
「来週の10/27,28の2日間、渋谷のJZ Bratで井上陽介さんの無料ライブが突然決まったらしい。」という内容でした。井上さんは、スウィングジャーナル人気投票のベース部門で2年連続No.1となった、名実共にNo.1ジャズ・ベーシストです。
この知らせを聞いて、あわててJZ Bratのホームページで確認しました。
事の経緯はこういうことです。

実は、この2日間は、アマンダ・ブレッカーのライブが予定されてました。
アマンダさんはランディ・ブレッカー&イリアーヌ夫妻の娘で、この夏にCDデビューをした話題のシンガーです。
それが、健康上の理由ということで、公演が中止となりました。
直前だった為、他のライブを入れる時間の余裕はありません。それでは、折角集めたこの共演ミュージシャン達でライブをやりましょう、ということで、井上さんをリーダーとしたミュージック・チャージ無料のライブが実現した次第です。
そして、数日前にここでライブを行ったボーカルグループにも声が掛かり、さらにその時の共演者のデンマークのサックス奏者も合わせて参加することになり、なんとも豪華な無料ライブとなりました。
このライブ、普通に編成されていたら、チャージ5,000円クラスですね。
うちの情報部員も、なかなかやるなあ!

さて、久しぶりのJZ Bratです。ここは、セルリアンタワー東急ホテルの2階にあって、店内はなかなか豪華です。キャパは100人ぐらいでしょうか。天井が高く、音響もとても良いです。
1stは、「Milesetone」「When Lights Are Low」と2曲インストで始まりました。
そして女性4人のコーラス・グループ、「SUITE VOICE」とサックスのBobbyさんが加わって、ボーイズ・タウン・ギャングの「君の瞳に恋してる」やスタンダード・ナンバーが演奏されていきます。
そして、最後は又インストに戻って、ハンク・モブレーでお馴染みの「リメンバー」をサンバ・バージョンで盛り上げて、1部は終了となりました。
予想通り、なんとも豪華なステージでした。

そして、本日の大収穫はなんと言っても浜崎 航(はまさき わたる)さんですね。
この5人のメンバー、売れっ子揃いで、様々な組み合わせで何度も聞いてますが、浜崎さんだけ、初めてでした。期待の若手サックスプレーヤーということで、1度ライブを聞いてみたいミュージシャンとしてずいぶん前からリストアップしていたんだけど、何故か、今日まで実現しませんでした。
まあ、期待の若手ミュージシャンというのは、実にたくさん居て、フォローし切れないというのが現状です。
なので、本日のような予定外のライブで首尾よく発見!といった感じでしょうか。
突然のキャンセルから発生した、みごとな駿馬の登場に喜び勇んで“ドタキャンから駒”と題した次第です。

(注)浜崎さんは確か30歳ぐらいです。若手と呼ぶには微妙な感じですが、ジョージ・ベンソンが昔言ってた“この世界では、40代になってやっとジャズ・ミュージシャンと認められるようになるんだ!”という定義をここでは踏襲しています。30代までは、サッカーで言えば、ユース世代ですね。みんなU40か。ずいぶんと長いユース期間だなぁ、、、

浜崎さんのサックス、まず、なんと言っても音が良いです。特に高音が素晴らしい。テナーサックスの場合、高音が美しいと、この楽器の最大の武器である低音のサブトーンがとても効きます。
そして、フレーズのセンスも抜群です。私の印象では、敬愛する三木俊雄さんのイメージとダブります。以前、テナーサックスの重鎮、尾田 悟さんが、三木さんを評して、彼のアドリブには、“インテリジェンスとペーソスを感じる”と評してましたが、まさに浜崎さんにもそれが当てはまります。
本日のピアニスト堀秀彰さんとのコンビも抜群で、評判の「堀秀彰&浜崎航双頭バンド」のリーダーライブも是非今度聞きに行きたいですね。

2部は、再び5人のインストで、ミディアムテンポにアレンジされた、スタンダードの「My One and Only Love」からスタート。続いて、井上さんの神業的なベースソロをフィーチャーした、「Alone Together」。今日は、井上さんのリーダーライブということで、普段のサポートライブでは聞く機会があまりない、超絶テクニックてんこ盛りで、もう釘付け状態です。
そして、SUITE VOICEも加わって、もう豪華お祭り状態です。
最後は、また5人のインストに戻りました。コーラス入りのド派手な10人の演奏のあとに、白けないかな、と心配しましたけど、全くの杞憂でした。
ジャコ・パストリウスの演奏で有名な「The Chiken」でこれまた、大盛り上がり大会で本日の幕を閉じました。

今夜は、豪華絢爛ジャズ・エンターテインメントを堪能しました!
(しかもチャージ無料で!)

ところで、浜崎さんは名古屋市立大学医学部を卒業されて、医師免許も持っているそうです。それが、薄給のジャズ・ミュージシャンの道を選んでいる。
凄いですね。医師になるか、ジャズ・ミュージシャンになるか、凡人には理解できない、究極の葛藤があったのでしょうか。ジャズファンとしては嬉しい限りです。

私だったら、きっと、、、、、、、



(追記)
今回の内容とはリンクしませんが、以前ご紹介した、トランペッターの市原ひかりさん。NHKのトップランナーへの出演が決定したそうです!(放映は12月ぐらいか。)楽しみですね。やはりジャズのような小さな世界の場合、スターの出現は大賛成ですね。燦燦と輝く太陽があって、初めて燻し銀アーティストたちに渋い光が降り注ぐ訳ですからね!
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市原 ひかりと懐かしき銀座スウィング(下)~府中の森で発見!~

2008年10月15日 | ジャズ・ライブ
停泊地)銀座スウィング(08.9/19)
メインアーティスト)市原 ひかり(tp), 杉本 篤彦(g), 阿部 篤志(p),
岸 徹至(b), 岩瀬 立飛(ds)

(前回のつづき)
20数年ぶりに銀座スウィングの扉を開けると、懐かしい光景が広がってきました。
恐らく内装は当時とほとんど変わってないんじゃないかな。ステージをつつむように大きなカウンターが楕円形に配置され、その後にソファーとテーブル席が有ります。客数は70~80人ぐらい。
働いていたときは、社会人になったら、今度は客としてここに来て、サーブされる側になるぞ、とは思いつつも、結局今まで一度も来る事はありませんでしたね。
特に避けていたわけではありません。考えもしなかったということでしょうか。
長年、生き馬の目を抜くシェアー争いの激務に忙殺されて、全く気持ちに余裕がなかったんでしょうね。

さて、ステージのほうは既に1曲目が始まっています。若手期待のトランペッター、市原 ひかりさんが、こ気味よくスタンダードの「It could happen to you」を演奏しています。

前回、市原ひかりさんのことを、ゆかりのあるミュージシャンと書きましたが、こちらが一方的にゆかりがあるだけで、直接、ひかりさんとゆかりがあるわけではありません。(フ~、このフレーズ考えてて、3日も経ってしまった!)

山野楽器ビッグ・バンド・ジャズ・コンテストというのが、毎年8月に府中の芸術の森で開催されます。ビッグ・バンドファンなら誰もが知ってる、大学対抗のバンド合戦ですね。今年で39回目ということですから、大変な歴史です。昔、いち時期だけコンボ(小編成)のジャズコンテストがTBSラジオ主催?であったけど、あっという間になくなってしまいました。まして大編成のビッグバンドです。これを運営・維持し、継続していくのは大変な労力が必要です。

伊東毅(AS)、本田雅人(AS/Fl)、池田篤(AS)、近藤和彦(AS)、五十嵐一生(Tp)、新澤健一郎(P)、谷口英治(Cl)。
凄いメンバーですね。これらのミュージシャンは、この大会で、個人賞をとり、その後プロとして第一線で活躍しているミュージシャンです。

今から4年前、ちょっとした気まぐれから、この大会を観にいきました。
こういったコンクールに、全く利害関係のない立場で、野次馬的に観るのは実に楽しいです。何しろ伝統ある大会です。出演バンドは、予備審査を通過した全国からの選りすぐりのバンドばかり。本人達の意気込みも尋常ではありません。大げさではなく大学生活のすべてをかけると言ったいったテンションで臨んでいるのが伝わってきます。まして、ここから将来の伊東毅や池田篤が出現するかも、という期待感もあって各バンド目が離せません。
審査委員は、前田憲男、本田雅人、守屋純子といった、大物がずらり。
各バンド毎に講評があるんだけど、これが結構辛らつなんです。
思ったような演奏が出来なかったときなどは、舞台で講評を聞きながらみんなでしょんぼりしています!

そしてこの日、ひと際輝いていたのが、早稲田大学ハイ・ソサエティ・オーケストラのトランペット・ソリスト、市原ひかりさんでした。ビッグバンドにありがちなハイトーンで行きまくるタイプではなく、シルキートーンというのかな、とても美しい音色で、唄心たっぷりにスウィングするラッパでとても好感持ちました。
そしてその後数年のうちに、メジャーデビューし、青山BODY & SOULや銀座SWINGでリーダーライブをする売れっ子ミュージシャンになるとは、想定外の大躍進ですね。
ちょっとした気まぐれから、「俺なんか、ひかりちゃんのことを20歳の頃から知ってるぜ!」という貴重な自慢話を拾ってくることになった次第です。

さて、ステージに戻ります。
選曲の方は、昨年発売されたアルバムから、「I will wate for you」「星に願いを」などのスタンダードやオリジナルの「走馬灯」などが続きます。
あの美しい音色にさらに、磨きがかかって、ステージングにも余裕が感じられます。
そして今回驚いたのが、MCがとても旨いこと。曲の前に簡単な解説をするんだけど、これがすごく的確で、なかなか見事です。練習しているんでしょうか?
特に銀座スウィングのお客さんは、年配のエスタブリッシュメントが結構多いので、ここらあたりも評価されてますよ。

そして、ユニークにアレンジされた「グレーターラブ」の後は、オリジナルの「太陽の光」で締めくくり。

今回、ひかりさんのリーダーライブは初めてでした。実は、来る前は、この急激な躍進に少し戸惑ってました。きっと、「小柄でキュートな若い女の子、でもトランペットも凄いんです!」的な、半分色物的に受けているのかなと思ってました。
でも全然違いましたね。ジャズドラマーの父親譲りでしょうか、お客の乗せ方というか、若いのにエンターテインメントのツボみたいなものを習得しているんですね。
だから銀座スウィングのようなステージでも全く違和感がありません。
若いミュージシャンで、ここにマッチングするのは極めて珍しいですよ!

きっと、円熟しながら、息の長いプロミュージシャンになりそうですね。
ひょっとすると、30年後とかには、もっとこのセリフの価値が上がるかな。

「俺なんか、ひかりちゃんのことを20歳の頃から知ってるぜ!」
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市原 ひかりと懐かしき銀座スウィング(上)~スタンダード・ジャズに魅了され~

2008年10月07日 | ジャズ・ライブ
停泊地)銀座スウィング(08.9/19)
メインアーティスト)市原 ひかり(tp), 杉本 篤彦(g), 阿部 篤志(p),
岸 徹至(b), 岩瀬 立飛(ds)

今回報告する、銀座スウィングと市原ひかりさん、個人的にとてもゆかりのあるスポットとミュージシャンなので少し時間がたってしまいましたが、紹介させて頂きます。

まずは、銀座スウィング。創業は、1976年で銀座を代表する老舗ジャズクラブです。私、実はここで、学生の頃半年ほど働いていました!掃除をしたり、注文を聞いたり、ビールやピザを運んだりする、いわゆるホール担当という雑用係ですね。
恐らく1978,9年の頃だと思いますので、まだオープンほやほやといった時期です。
当時出演されていた人気ミュージシャンといえば、クラリネットの北村英治さんやピアニストの前田憲男さん。ボーカルだと中本マリさんや阿川泰子さんといったところかな。北村さんや前田さんは、今でも同店の看板ミュージシャンです。これは本当に凄いことですね。

毎日ライブが観れて、給料まで貰えるのか。こいつは、おいしい話だぞ!とは思いつつも、実はそれほど期待していたわけで訳ではありません。
当時はフュージョン全盛時代。あのころよく聞いていたのは、ジャズといってもクルセイダース、ブレッカーブラザーズ、デビット・サンボーンといった類のもの。マイルスバンドでさえ、ずいぶん前からエレクトリック・サウンドに変身してました。
そして、このトレンドに合わせるように、六本木にピットインが誕生しました(1977年)。その後、ここはフュージョンの殿堂と呼ばれるようになって、特に若いジャズファンで連日大盛況となっていきます。
こんな時代なので、銀座スウィングが編成するジャズは、オヤジ・ジャズファン達が聞く、ずいぶん時代遅れなもの、というイメージでした。

ところが、連日店に通うようになると、自分の考えが、全く的外れだということに気付かされました。
このオヤジ・ジャズファン達が支持するスタンダード・ジャズ。毎日聞いていても全く飽きないし、何しろ楽しい。
その代表的な方が北村英治さんでしたね。3ステージ通して魅了し続ける、高い技術に裏づけされたエンターテインメント魂に毎回感服してました。
それからは、毎日毎日発見の連続です。この半年間で、日本のほとんどのトッププレイヤーを繰り返し観る事が出来たのは、とても貴重な体験でした。

つづく。


次回
市原 ひかりと懐かしき銀座スウィング(下)~府中の森で発見!~
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熱烈歓迎!渡辺 香津美 ジャズ回帰プロジェクト

2008年09月25日 | ジャズ・ライブ
停泊地)水道橋 東京倶楽部(08.9/18)
メインアーティスト)渡辺 香津美(g), グレッグ・リー(b)

約一週間前に、東京倶楽部のスケジュール欄で、偶然、渡辺香津美さんの名前をを見つけた時は、正直びっくりしました。
長年に渡り、ジャズギター界のトップの座に君臨してきた渡辺香津美さんに対するイメージは、ホールで観るミュージシャンですよ。

渡辺香津美さんは、1953年生まれなので、私より少し上の世代です。
今から30年程前でしょうか、初めて香津美さんのライブを、新宿のピットインで観たときの衝撃は今でも覚えてます。世の中にこんなに凄いテクニックを持ったジャズギタリストがいたのか、という印象です。
当時、ある雑誌のインタビューで、この超絶テクニックを褒められたときに、香津美さんは、確かこのように答えてました。
“ジャズのミュージシャンなら、これぐらい弾けるのが普通ですよ!”
とてもナイスガイな香津美さんが嫌味もなしに、さらっと答えていたのが強く印象に残ってました。
それから、何度もライブに足を運びましたが、圧倒されっぱなしでしたね。
憧れとか、何か参考にするという感じではありません。
当時のギター少年達には、この感じ、解ると思います。どう頑張っても、1ミリも近づけない。それだけ強烈なインパクトがありました。

ニューヨークで活躍するジャズギタリスト増尾好秋さんに憧れて、俺も一丁やってやろうじゃないか!などと息巻いて大学のジャズ研に入った青年ゴードンにとって、それは愚にも付かない妄想だと思い知らされた圧倒的な存在が渡辺 香津美さんでした。

さてその香津美さんの演奏を目の前で観られるぞ、と興奮してあわてて電話しましたが、意外とあっさり予約が出来ました。
当日は少し早めに会場しようと思いましたが、ばたばたしていて、結局開演30分前でした。ヤバイと思ってあわてて店内に入ると、がらんとしていて数人しかいません。一瞬、日にち間違えたかな、と本気で思いましたね。
それから、ぼちぼちお客が入ってきましたが、結局20人足らずで演奏はスタートしました。なんか、寂しいというか、完全なミスマッチのブッキングですね。この店には申し訳ないんだけど、もっと発信力のあるハコだったらあっというまにSOLD OUTだと思います。
隣りの方の注文したドリンクがなかなか来なかったとき、マスターが「すいません、予想外にお客さんが入ったもので、、」と言い訳してたけど、これってジョークなのかな?

ステージの方は、「ステラ・バイ・スターライト」から始まり、「グリーン・ドルフィン・ストリート」「イン・ナ・センチメンタルムード」「いつか王子様が」といった、スタンダードナンバーのど真ん中のレパートリーが次々と演奏されていきます。
香津美さんは、フュージョン全盛期の時代の寵児として、人気プレーヤーとなったわけですが、その後、坂本龍一等のYMOに参加したり、オリジナルを中心としたソロプロジェクトをしたり、かなりジャズというジャンルの枠を超えた活動をしていましたが、この秋は“渡辺香津美 JAZZ回帰プロジェクト”と題して、ジャズの王道路線に一遍戻ろうということで、全国ツアーが組まれていて、本日もその一環としてのライブとなっています。
そのため、グレッグさんも一部では珍しく、ウッド・ベースを弾いています。

MCでは、この夏、アイスランドのレイギャビック・ジャズフェスティバルに出演されたときの話がとても楽しかったです。香津美さんは、ヨーロッパのギターフリーク達からも、カリスマ的な扱いをされていて、このフェスティバルの招聘元からもだいぶ前から出演依頼が来ていたようです。
しかし、このクラスの人の話は、スケールが大きくてうっとりしてしまいますね。
ジャズバーのライブということで、結構リラックスされて、たくさん興味深いエピソードを聞くことが出来ました。

さあ、二部に入ると、香津美さんのギターから、ロドリーゴのあの甘く切ない、アランフェスのメロディーが聞こえてきました。あちこちで歓声が上がります。もちろん、チック・コリアの「スペイン」の始まりの合図ですね。
グレッグさんもエレベに持ちかえて、ぐっと、ギアーをアップしていきます。
歳月で磨き上げられた、超絶テクニックが、トップスピードでこのメロディーを変奏していきます。これ凄いですよ!どこまでいっちゃうの、という感じですね。

それから、スパイ大作戦のテーマとか、いろいろ遊び心満載の「テイク5」も楽しかったです。香津美さん、なんかとっても楽しそうに弾いてました。これぞ、日本一のギター小僧、という感じですね。
演奏している姿を見ていて、“この秋は、JAZZ回帰プロジェクトをやろう”と企画した思いが、なんとなく解る様な気がしました。

そして最後に、“だいぶ夜も更けたことですし、こんな感じで締めます”と言って、モンクの珠玉のバラード「ラウンド・ミッドナイト」のメロディーが出てきたときは、完全にしびれましたね。

今夜は、久しぶりに超絶ジャズギターを堪能しました。
演奏が終わって、何人かの元ギター小僧らしきオヤジファンが香津美さんのところへ行って、興奮した思いを伝えているようでした。
きっと、「凄かったですね!」とか「興奮しました!」とか言ってるんでしょうね。
でも香津美さんは、にこにこして、
「ジャズ・ミュージシャンなら、これぐらい普通なんですよ。」とさらっと返答してたら、カッコイイですね!
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“いわゆる”発見!情熱フリューゲルホルン奏者、土農塚 隆一郎

2008年09月05日 | ジャズ・ライブ
停泊地)吉祥寺SOMETIME(08.8/31)
メインアーティスト)佐藤 春樹(tb)feat.土農塚 隆一郎(flh)
板垣 光弘(p) 河上 修(b) 安藤 正則(ds)

又、出ました。赤坂由香里さんに次ぐ、“いわゆる”発見!です。
この言葉の意味については、以前、赤坂さんを紹介したブログを参照して下さい。
(それから、本日のブログ、紛らわしいです。フリューゲルホルンは、トランペットの仲間と位置付けされているので、そのように読んで下さい。)

フリューゲルホルン奏者、土農塚(トノズカ)さんに関しても、既に熱いファンの方が沢山いますし、過去にリリースしたCDも、専門誌等で高い評価を得ています。
こう言う素晴らしいラッパ吹きを知らなかったのは、私だけか、、、
という訳で、“いわゆる”発見!シリーズ第二弾として、登場した訳です。

このブログを最初から読んでいただいている方は、お気付きだと思いますが、今までメインで紹介したミュージシャン数十人の中で、トランペッターは、ほとんどいません。
では、ラッパに興味がないのか、と言うと全く違います。
リー・モーガンやマイルス・デイビスの演奏を聴いてると、ジャズって、トランペッターの為に造られた音楽じゃないかな、とさえ感じてしまことがあります。
そもそも、私がジャズに夢中になるきっかけを作った人は、トランペッターの日野皓正さんですよ。
16歳の時だから、今から10年以上前なのは、間違いない!

で、私のトランペットという楽器に対する感想。
“ツボにはまったら、これほど素晴らしい楽器はないんだけど、こんなに難しい楽器はないな。”という感じです。
日本人の有名なサックス奏者がこんな例えを言ってました。
“サックスは、ボクのような凡人でも努力すれば何とかなるけど、ラッパは天才が選ぶ楽器だね!”

音を出し続けるだけでも尋常ではないのに、あのたった三つのバルブの組み合わせと息の角度で瞬時にフレーズを作っていくなど、私には想像できません。
なので、滅多にないんだけど、本当に良い演奏に出会うと、もう圧倒されてしまいます。

土農塚さんは、吉祥寺のStringsで何年も定期的にリーダーライブをされています。出演するたびに、ここのマスターが熱っぽくブログに書いているのを読んで、一度観てみたいなと、以前から思ってました。
それが、図らずもSometimeで実現した訳です。

本日の編成は、以前一度紹介した、佐藤 春樹さんのプロジェクトです。
前回は、テナーサックスの超絶テクニシャン佐藤達哉さんがフィーチャーされてましたが、今回は土農塚さんがオファーを受けました。

ステージは、オリバー・ネルソンの「ストールン・モーメンツ」でスタート。
そしてユニークにアレンジされた「チェロキー」があって、一部の最後は、ハンコックの「処女航海」で締めくくり。
このフリューゲルホルンとトロンボーンによる、渋く分厚いアンサンブルが、王道ジャズクラシック・ナンバーを、とても魅力的に料理していきます。
店内は、前回同様、超満席状態。きっとジャズに馴染みのない人でも充分楽しめるんじゃないかな。いたる所で歓声があがりながら一部は終了となりました。

そして二部は、例の西田佐知子の「赤坂の夜は更けて」でスタート。
もう、みなさん馴染みになっていて、最後にテーマに戻ったとき常連さんから歌が聞こえてきました。
なんか、アメリカのライブ・レストランみたいですね。きっと、アメリカ人にとっての「Fly me to the moon」や「All of me」とかも、こんな感じに親しまれてんだろうなと考えると、佐藤さんが洒落っ気で取り上げたこの演奏、結構興味深いです。

そして、1曲オリジナルをはさんで、土農塚さんを大フィーチャーして、バラードの名曲「You don't know what love is」。
いやー、しびれました。土農塚さんは、以前はトランペットを吹いていたんだけど、今は、フリューゲル専門です。フリューゲルというと甘く、まろやかなイメージがあるんだけど、土農塚さんの演奏は、さらにサックスのように分厚く響きます。
そして、フレーズに歌心があって、何より熱いです。あ、もちろん熱いといってもビッグバンドのトランペットにありがちな、“こんなにハイトーンが出ます!”的な無粋なものではありません。モチーフが豊かで、次々にいろんなストーリーが展開されていきます。もう一発で惚れてしまいましたね!
My Spaceで、最新アルバムの試聴が出来ます。聞いてみてください。

さてステージは、最後にエリントンナンバーの「Caravan」で締めくくり。
もちろん、アンコールになって、モンクのブルースナンバー「Blue Monk」でお開きに。

本日は、予想外の“いわゆる”発見があって気分上々と言った感じで、吉祥寺を後にしました。

しかしまあ、おいしいランチとカプチーノを楽しめて、超一級のライブまで堪能して、料金がたったの2500円ですよ!

SOMETIME サンデーアフタヌーンライブ、混んで入り辛くなってきてるから、これを読んだ人、ナイショですよ!


<本日の会計>
ミュージック・チャージ 1,000円
スパゲティ・ランチ(松の実のバジリコスパゲティとレモンティー)950円
カプチーノ 550円

合計 2,500円(税込) 以上。
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Robert Lakatos from Budapest Live at Body & Soul

2008年07月25日 | ジャズ・ライブ
停泊地)青山Body & Soul(08.7/22)
メインアーティスト)
ロバート・ラカトシュ(pf) トーマス・スタベノワ(b) クラウス・ヴァイス(ds)

本日は、当ブログでは珍しく海外ミュージシャンの紹介です。

ハンガリーから来たラカトシュさんは、大坂の澤野工房から3枚のピアノトリオをリリースしています。
澤野工房については、ジャズ界にはマニアックなファンが沢山いるのでこちらでは詳しくは触れません。
一応、澤野さんの今までのインタビューとかから簡単に説明すると、大坂の通天閣の一角に、老舗の下駄屋さんがあって、そこの4代目社長澤野 由明さんが興した、ジャズレーベルのことですね。

当初は、日本の大手レコード会社が取り上げない、未発掘のヨーロッパのジャズを主に取り上げて発売していました。ところがいろいろ事情を知ってくると、録音するチャンスに恵まれない、大変才能のあるピアニストが沢山いることを知りました。まあ、ヨーロッパはクラシック音楽の本家ですからね。
彼らはリーダーアルバムを出すチャンスがありません。ジャズの主流は管楽器入りの編成です。
ところが日本では、ピアノジャズがとても人気があります。日本人の人気投票でも上位に出てくる、小曽根真、上原ひろみ、山中千尋など、皆さんピアニストですね。
と言う事情で、澤野から、無名の良質なピアノトリオのアルバムが次々とリリースされることになった訳です。

私が頻繁に出没するHMV渋谷店のジャズフロアーには、澤野コーナーが常設されています。なので時々ここで試聴機をチェックします。結構真剣勝負ですよ。何しろ名前を知らないし、事前の情報が全くないので、出てくる音だけが判断基準となります。
ここで去年購入して大当たりだったのが、今回ジャケットを掲載したラカトシュの『NEVER LET ME GO』です。このアルバムの最後を飾るスタンダードの「You are my everything」、絶品ですよ。この一曲で購入を決めました。

そしてこの美しいピアノのライブをウチの店で出来ないかしら、と考えた人がいました。その方が、青山Body & Soulの京子ママさんです。

開演30分前に着いたのに、もうほぼ満席状態。この店のスケジュール表に載った以外は、ほとんど宣伝らしきことをしてないのに予約で完売だったそうです。
皆さん筋金入りのピアノジャズファンなんでしょうか。そして驚くべきことに、このスタンダード中心の渋い編成の日に女性客が4割近くいます。天才少年でも、貴公子でも、イケメンでも、つけめんでもないのに!(すいません!今日は全くジョークが浮かばないので、ここで無理やり入れました!)

さあ、このラカトシュ・トリオが登場して、スタンダードの「You and night and music」でスタート。それから、「Never let me go」や「Whisper not」といったアルバム収録曲中心の編成が続きます。
このトリオ、ベースとドラムはドイツ人です。そして、30代前半のラカトシュさんのひと世代年配のミュージシャンです。なので三位一体のトリオという感じではなく、若くて、天才肌で、ちょっとシャイなラカトシュさんを2人が盛り立てると言う感じで進んで行きます。
MCもドラマーのクラウス・ヴァイスさんがされてました。ラカトシュさんは、英語がほとんど話せないから、と言うことです。

ラカトシュさんのピアノ、とても好感が持てました。メロディアスで哀愁を帯びたフレーズが満載で、東欧の方の音楽に対する美意識が、きっと日本人のそれととても共通するところがあるのかなと感じました。
一部の最後はパーカーの「Moose the Mooche」。そして二部の最初もパーカーのブルース。この二つのビバップチューンも軽快にグルーブしてました。
きっとビバップ集を出しても面白いものが出来るんじゃないかな、と思いました。

そして本日の一番はなんと言っても、名曲「エスターテ」。この美しくも内省的なスローボッサは、ラカトシュさんのピアノスタイルに一番似合います。
会場のあちこちからため息が漏れてましたね。

そして最後は、オーネット・コールマンの「THE BLESSING」で締めくくり。

このラカトシュさん、本国では、有名なフランツ・リスト室内楽団と一緒にバッハやバルトークの演奏会を行っているそうです。そして、世界中に点在するジプシー音楽の録音もする計画があるそうです。
クラシック、ジャズ、ジプシー音楽と、何か計り知れない懐の深さをもったミュージシャンですね。今後も注目していきたいです。

しかしまあ、こんなピアニストがヨーロッパではごろごろいて、ホテルのラウンジやキャンプ場の片隅で、支配人から、「お客様の会話の邪魔にならない程度の音量で、映画音楽のような軽いものを弾いて下さい。」などと注文つけられながら生計を立てているのが本当だとしたら、恐るべしですね!

がんばれ、澤野工房!







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プロご用達・福田 重男の燻し銀TRIO

2008年07月14日 | ジャズ・ライブ
停泊地)御茶ノ水ナル(08.7/2)
メインアーティスト)福田 重男(p) 小杉 敏(b) セシル・モンロー(ds)

ジャズの世界には、“プレイヤーズ・プレイヤー”という言葉があります。
これは、一般リスナーの人気・知名度はそれほどではないんだけども、プレイヤー間では絶大な人気があり、様々な影響を与え、リスペクトされているプレイヤーをさす言葉です。

ものすごくBIGな例で言うと、なんといってもアルト・サックス奏者「チャーリー・パーカー/Charlie Parker」ですね。中学生のころからジャズを聴いていた私にも、大学に入るまでは、ほとんど意識して聞いていた記憶がありません。
確か、マッセイ・ホールという実況盤でディジー・ガレスピーと一緒に「何とかピーナッツ」とかいう曲を演ってるひとだったかな、という感じですね。ところが、大学のジャズ研に入ると状況は一変します。
「モダン・ジャズを演るんだったら、パーカーを演んなきゃ!」と先輩に教えられ、それから毎日がパーカー。来る日も来る日も朝から晩まで、みんなで「NOW'S THE TIME」。夏休みが終わる頃には、少しずつ、アドリブに生かせるようになって、それまで、ソロになると突然ロックのブルースようになってしまってたのが、なんとなくJAZZYな感じに変身。(当時は、ギターを担当してました。)
それからは、夢中になって、しばらくパーカーに没頭という感じでした。

ギターでいえば、「パット・マルティーノ/Pat Martino」かな。「想い出のサン・ロレンツォ」でジャズシーンに颯爽と登場した「パット・メセニー/Pat Metheny」を尻目に、当時ジャズ・ギター仲間では“パットと言えばマルティーノ”という合言葉が流行ってました。(いや、正確に言うと自分だけ使ってた!)
このひとの「EXIT」というアルバムに残した「酒とバラの日々」や「ブルー・ボッサ」のソロ・パフォーマンスは、凄いですよ。思い出しただけでもめまいがします。

さて本題です。日本のジャズピアニストの中の“プレイヤーズ・プレイヤー”といえば、なんといっても、本日ご紹介する福田 重男さんですね。1957年生まれといったら、私と一緒か。(うん、誰かと違って無駄に年をとってないな。)わたしの数少ない知り合いのピアニストにも福田さんのファンが何人かいます。
「ちょっと、行き詰ると福田さんを聞きに行くんです。」とか「どうしたら、あんな風に、素敵に歌の伴奏が出来るんでしょう。」といった様々な形で注目されております。

本日のライブは、スタンダードの「How about you」でスタート。
全体の構成は、スタンダードを中心に、オリジナルを随所に織り交ぜて進んでいきます。
福田さんのピアノは、とにかく気を衒わないオーソドックスなスタイルです。素材を生かして、時には激しく、時にはリリカルに、歌心たっぷりに曲を料理していきます。何か築地の腕利き料理人のようですね。決してフレンチとか中華ではありません。プロの方が行き詰ると聞きに行くと言うのが分かるような気がします。

そして3部。このナルは50分×3本の、3ステージ制がメインです。演奏者泣かせのまるまる150分のパフォーマンスです。
そしてこの3ステージ制の場合、2ステージが終わると帰ってしまう人が結構多いんです。まあ、終電の関係もあったりするんでしょうが、残念ですね。
何しろ、実はこの3ステージ目が一番良かったりすることが多いんです。

これには理由があります。
まず、第1ステージ目は、ご挨拶と言うか肩慣らしという感じで進みます。実際、ベーシストとかも音量のバランス調整とかをよくしています。
そして第2ステージ目が一番の聞かせどころで、自信のある自己のオリジナルの大曲などが披露されることが多いです。みんなで合わせる所があったり、超ハイスピードだったりと、神経をたっぷり使います。本日で言えば、大好きなF1ドライバー、ナイジェル・マンセルに捧げた「Go Ahead Nigel」ですね。
そして、聞かせどころ満載の第2ステージ目を終えたあたりは、何かふっと力が抜けて、ちょっと軽くスタンダードでもやりましょうか。というゆるい感じになります。このリラックスした感じが丁度いい塩梅になるようで、3ステージ目がとても楽しかったりする訳です。まあ、リスナーも同じような精神状態ですね。

その3rdステージは、コールポーターの軽快な「I Love You」でスタート。
このスイング・ナンバーが、少し酔い気味の体に心地よく浸み込んで行きます。
そして本日の1番は、モンク珠玉のバラード「Round Midnight」。これ、絶品です!(2月に吉祥寺SOMETIMEで聞いた石井彰さんのこの曲も、素晴らしかったです。このときも3rdステージのしかも最後の曲です。わぁー、最後までいて良かった!としみじみ思いましたね。)

そして次にジョビンの名曲「フォトグラフ/Fotografia」。本日のもうひとつの1番です。そして、これがまた絶品なんです。大げさにに言えば、本日の名演をじっくり味わうために、今まで何度も寄り道してブラジル音楽の旅に出かけたのかな、とさえ思いました。

と言うことで、本日最後まで残っていた人への最高のプレゼントとなった最終ステージとなりました。
うん、若いミュージシャンのフレッシュでエネルギッシュな演奏も良いけど、やはりベテランプレイヤーの、燻し銀のようなライブは、プライスレスですね。

ところで、この御茶ノ水ナルの姉妹店が代々木に有ります。こちらは、ボーカルもの中心の店です。この店のことを、プレイヤー同士では“代ナル”と呼んでいます。

と言うことは、御茶ノ水ナルのことは“おナル”っていうのかな?
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トミー・キャンベル ヴォーカルセッションは極上のエンターテインメント

2008年07月05日 | ジャズ・ライブ
停泊地)青山ボディ&ソウル(08.6/28)
メインアーティスト)トミー・キャンベル(ds) 伊藤大輔(vo) 山口有紀(vo)
                   ケイ柴田(pf) グレッグ・リー(b) 

以前このブログでは、矢幅 歩+ギラ・ジルカによる男女混合ボーカルのセットをご紹介しました。初めてジャズ・ライブを観るという方々にも充分楽しめる推薦ライブという内容でした。
今でも、最後に2人で唄った、チック・コリアの「スペイン」は強烈な体験として記憶に残っています。今年に入って行った数十本のライブの中でも、満足度はトップクラスです。

さて本日の混合ツインボーカルも負けていません。
このボーカルセッションは、ボディの週末を飾る人気ユニットだけあって、予約で既に満席状態。前日にあわてて電話を入れたのがギリギリ正解でした。一人の身軽さもあって、カウンターの真ん中、2人のボーカリストの真正面、数メートルの絶好のポジションをキープ。

ステージは、フルメンバーによるマイナーブルースでスタート。
トミーさんは、表情を見ているだけで楽しいですね。
曲が始まってからもパラパラお客さんが入ってくるんだけど、知り合いを見つけると“Hey”という感じで挨拶します。これが又尋常なアクションではありません。
普通は、1センチぐらい、ちょこんと頭をさげて“あ、来てくれたね!”と合図したりします。ところが、トミーさんの場合は、何かビックリしたような目を大きく見開き、口は20センチぐらい大きく広げ、30年ぶりに母親と再会したぐらいのリアクションで迎えます。
これで始まったばかりの緊張した空気が一気に和んでいきます。そして「リラックス」というジャズを楽しむ一番の状態を手に入れることになります。

そして一部の一番はアービン・バーリンの軽快なスタンダード「Cheek To Cheek」
エイトビートで始まり、サビでスイングになり、アフロビートでコーラスを締めるトミーさんのアレンジ、最高です。
伊藤さんと山口さんのコンビ、バツグンです。ユニゾンやハモッタりしながら、張りのあるつややかな歌声が、ダイナミックにリズムチェンジしながら軽快にスイングしていきます。会場中が大きく揺れながら、一緒に楽しんでいるという感じです。
グレイト・エンターテイメント!まさに至福の時間ですね。
一部は大幅に予定時間オーバー。1時間30分ぐらい演奏してました。ひょっとして、これで終了かなと思いましたが、少し休憩してもう1ステージあるから残っていてくださいね、ということ。これ、すごいお買い得です!

本日の大収穫は、何といっても伊藤大輔さんです。最近人気急上昇の若手ジャズボーカリストです。声がちょっと中性的で、若い頃のチェット・ベイカーの雰囲気。
そして又、スキャットが凄いんです。ミュート・トランペットのような、Coolで独特の響きがあります。
頑張って欲しいですね。女性に比べ、男性ボーカリストは、なかなか人材が乏しいです。よく例えに出す、スイング・ジャーナル人気部門でも、TOP 10に宇崎竜堂や井上陽水が入ってたりします。たぶんジャズを唄った企画盤でも出しているんでしょうけど、なかなか寂しいです。タモリとかも時々登場したりします。
女性は20位まで掲載されているけど、男性は10位でカットされています。
あ、もちろん旨い人は沢山いますよ。聞く側が引いてしまうぐらい旨い人が・・
ここがなかなか難しいところですね。
そんな中で、伊藤さんは貴重な“花”をもった男性ボーカリストです。
TOKU、小林桂に続く人気ボーカリストになるポテンシャルは充分備えていると思います。

山口さんは、関西を中心に活動している関係で、全く事前の情報はありませんでした。なかなか魅力的な歌声のシンガーで好感持てました。ボーカルセッションということで、伊藤さんとのバトルプレイとかもあったりしましたが、本来はもっとしっとりと唄うのがスタイルかなとも思いました。

さて二部にはいると、もう大セッション大会という感じ。ここから10分程度のBlue Noteの出演を終えたトランペッターのルー・ソルフが飛び入り参加したり、連れの黒人ボーカリストがブルースを歌いだしたり、なんかここは、マンハタンのジャズクラブか、という状態でした。
二部も1時間30分ぐらい演奏してましたよ。しかも時間の制約がなかったら朝まで続いた感じですね。

いやー、久しぶりにジャズの極上エンターテイメントを堪能しました!
ジャズってこんなに楽しかったのか!という印象を改めて持ちました。

誰ですか、ジャズが恐くて難しそうという、へんてこりんなイメージを植えつけてしまったのは!
 
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激レア・フライヤーとか井上 ゆかり・トリオのことなど

2008年06月27日 | ジャズ・ライブ
停泊地)水道橋 東京倶楽部(08.6/20)
メインアーティスト)井上 ゆかり(p)、加藤 真一(b)、藤井 摂(ds)

あれ!、また井上 ゆかりさんじゃん。結局追っかけかぁ、といった疑惑ももたれそうですが、そうではありません。
この間に、5つのライブ観戦を挟んでおりまして、たまたまこのBlogに登場するのが連ちゃんになってしまったということですね。

このJazz Cruising、ここのところペースがあがっています。
船長もここのところプチ・アル中状態ですね。ちょっとヤバイです。
体中の血液は、ジンとバーボンに入れ替わり、体液の大半は、トニックウォターとジンジャーエールでちゃぷちゃぷ状態。
香水は何もつけてないのに、乗組員からは“船長が通ると、レモンやライムのにおいがするわ”といわれる始末。

さて、前回のブログでフライヤー(宣伝告知チラシ)についてふれました。ただし、見たことない方も多いと思われますので、最近入手したものをアップしました。

まず左のモノクロの手書きのもの。ご存知、ブラジリアン情熱シンガー「上田裕香」さんの定期通信です。小さい頃は絵を書くことに夢中になっていたというように、なかなかインパクトあります。よく読むと“よろちくび”なんていうオヤジファンが泣いて喜ぶフレーズが添えられています。リーダーライブ会場だけで入手できるレア・アイテムですね。

それから小さいモノクロのものは、福島のアレサ・フランクリン「菅波ひろみ」さんのもの。菅波さんは、このブログで紹介できてませんが、素晴らしい歌声の情熱ソウル系シンガーです。今年になって2回観にいってます。ピアノの続木 徹さんやサックスの井上 博之さんの似顔絵が激ウマです。みなさんいろんな才能があるんですね。

それからカラーの美しいものが、本日の主役井上ゆかりさんの2枚です。
上は、リーダーライブ告知用のフライヤー。これをもって休憩時間とか各席回ります。前回の立川でも、
“へえ、水道橋でリ-ダーライブですか、はい、行きます!”とあちこちで宣言してました。
まあ、集客に苦しんでるクラブのオーナーからみれば、女神みたいなものです。

その下は本日のセットリスト(曲目リスト)。予め各席に配布されていました。
いやー、ライブ報告ブロガーにとって凄い助かります。
曲名記憶しておくの大変なんです。曲名、ちゃんと言わない人も結構いるし。

その井上トリオは、ビル・エバンスの名演で有名の「Beutiful Love」でスタート。井上さんは、季節感を出したいということで、梅雨時にちなんだ曲として「雨にぬれても」やジョビンの名曲「バラに降る雨」を披露。
この辺の編成はなかなか楽しいです。「バラ・・」はジョビンには珍しいワルツの曲で最近井上さんのライブで頻繁に聞くことが出来ます。
このペーソスの効いたフレンチポップのような妖艶な曲は、井上さんのスタイルに見事にはまっています。定番曲になりそうですね。
それから最後は、ピアノトリオの魅力を存分に味わせてくれた、オリジナルの「Vision of Crowd Horses」で締めくくり。この躍動感たっぷりの演奏に、満席の会場は大歓声となりました。

素敵なフライヤーを作り、サポートライブの合間に熱心に告知し、季節を感じる楽曲やオリジナル編成のハイレベルなパフォーマンスでおもてなし。
そして最後は満面の笑顔で送り出し。
今日集まった全員が楽しそうな笑顔で、“また来よう”とつぶやきながら帰途に着いたんじゃないかな。

9月にはついに初のホールコンサートが計画されています。
キュートな笑顔の奥に秘められた、プロのエンターテイメント魂とその行動力は尋常ではありませんよ!

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鮮烈デビュー、片倉 真由子トリオ

2008年05月27日 | ジャズ・ライブ
停泊地)上野GH9(08.5/19)
メインアーティスト)片倉 真由子(p),高道 晴久(b),倉田 大輔(ds)

Tokyo Jazz Sceneに突如、彗星の如く登場したピアニスト片倉 真由子さんについては、以前、「池田篤と片倉真由子が加わって、・・・」で紹介しました。
このセットでも、勿論、片倉さんの実力は充分発揮されていたと思いますが、ここはひとつ、リーダーライブのピアノ・トリオでじっくりと味わってみたいな、ということで、もう一度上野に参上となった次第であります。

さて本日の片倉トリオの第一ステージは、スタンダードの「It could happen to you」でスタート。わぁ、いきなりドカンとストライクが来ました。
実は、ベテラン・ピアニスト(1936年生まれ)で、ビバップ系の
ホッド・オブライエン/Hod O'Brien という方がいて、日本ではほとんど音沙汰なかったのに、昨年突然「Live At Blues Alley」というライブ盤3部作を発売して一躍ジャズピアノファンの注目を浴びました。(Blues Alleyは目黒ではありません、Washington D.C.ですよ!)
わたしもこの内の、タッド・ダメロン作品をメインに収録した「Third Set」がお気に入りで、とりわけ2曲目の「It could happen to you」の虜になってしまい、通勤時に毎日のように聞いていました。
この曲は、blue Noteに録音したバド・パウエルのバージョンもよく知られてますね。

ということで私にとっては、ポンとご挨拶代わりに名刺を渡されたような感じで、のっけから完全に取り込まれてしまいました。
続いて、大好きなモンクの曲をということで「Reflections」と一曲挟んで、同じくモンク珠玉のバラード「Ruby, My Dear」
イヤー、たまらないです。鋭くエッジがあり、しかも歌心たっぷりのフレージングとコードワークが、モンクの名曲を、鮮やかに描き出し、片倉さんに導かれて、会場全体が独特のプチ・アバンギャルドな世界に包まれていくという感じかな。

最後は、これまた大好きなマッコイ・タイナーにちなんだオリジナル「Blues for Tyner」で一部は終了。
こうなると待ち遠しいのは、勿論コルトレーン・ナンバーですね。
きっと演ってくれると期待した二部の三曲目に出ました。バラード「ネイマ」です。ところが片倉さんのバージョンは、バラードではなくスピーディーにアレンジされた斬新な「ネイマ」。意表を付かれましたが、こういうのもありか、という感じでなかなか楽しいです。

それから留学中に亡くなられたお父様にささげたオリジナルの「Song for my father」。
MCによるとお父様もミュージシャンだったらしく、本当は一緒に競演したかったと話されてました。アメリカで訃報を聞いた時は、ショックで1ヵ月ピアノを弾けなかったと、当時のことを語ってました。
片倉さんは、アドリブのときフレーズを唄わせようとして、ピアノと一緒にスキャットするんです。私の目の前1メートルぐらいで演奏しているので、それがよく聞こえます。曲に合わせて、体中からメロディーを絞り出そうとするのがすごく感じられて、余計に胸に迫って来ます。この美しいレクイエムをハミングしている片倉さんを見たとき、もしかしたら、お父様に語りかけているのかなと考えた瞬間、ドバーっときそうになりました。まあ、ぎりぎりセーフという状態。
ひょっとして片倉さんは、と心配しましたが、勿論完璧に弾ききりました。
MCでも“父に捧げる曲が出来たということは、もう私のほうは心配要りません!”と高らかに宣言してましたね。

そして、最後は又コルトレーンの軽快なナンバー「ロニーズ・ラメント」で締めくくり。

うん、今日は本当にスペシャルな一日となりました。片倉さんのような若いプレーヤーがモンク、マッコイ、コルトレーンといったヘビー級ミュージシャンの音楽をリスペクトして、新しい解釈でしかも飛び切りハイレベルな演奏されているのを観て、すごく頼もしかったですし、単純に刺激的で楽しかったです。
久しぶりに頼もしい新人が登場して来ました。しばらくは目が離せませんね。

今年の夏は、ジュリアード・オールスターズ(Dominick Farinacci(tp)等)の一員として、日本を含めたアジアツアーに参加するそうです。
ちょっと話題になりそうですね。あっという間に、別世界に行ってしまいそうです。

お近くのスモールクラブで、スキャットを聞きながら片倉さんのピアノを聴けるのは今のうちですよ!


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鈴木 良雄4とは、ちょいワル風凄腕激渋四人衆の事也

2008年05月23日 | ジャズ・ライブ
停泊地)吉祥寺SOMETIME(08.5/17)
メインアーティスト)Bass Talk
    鈴木 良雄(b),野力 奏一(p),井上 信平(fl),岡部 洋一(perc)

まずは、本日のリーダー、鈴木良雄さん(愛称チンさん)のご紹介です。
チンさんは、23歳で渡辺貞夫(愛称ナベサダ)さんのグループに抜擢されて以来、およそ40年間、日本のジャズ・ベース界のトップ・プレーヤーとして活躍されているJジャズ・ジャイアンツの一人です。

チンさんの所属していたダンモ研(早大モダンジャズ研究会、通称ダンモ研)に、一年遅れて、一人の飛び切り優れたギタリストが入部してきました。その方が、今来日している増尾好秋さんです。増尾さんは、在学中からナベサダGに抜擢され、それからニューヨークへ渡り、なんと、ジャズサックスの巨人ソニー・ロリンズのレギュラーGへ参加するという快挙を遂げました。増尾さんに関しては、又別の機会にもっと詳しく紹介したいと思います。

そして、増尾さんの同期で、福岡から来た風変わりな青年がいました。マイルス・デイビスに憧れて、トランペットを始めたということです。しかし、自分には、マイルスのバラードのように哀愁を帯びたラッパを吹くことが出来ない。周りの部員からも「おまえのラッパは泣いていないよ。むしろ笑ってる!」とからかわれて、楽器はあきらめました。
でも、口達者をかわれて、司会(MC)兼マネージャーとして、チンさんや増尾さんについて全国回りました。いわゆる“ビータ”(演奏旅行)というヤツですね。
皆さん、もうお察しですよね!この風変わりな青年が、タモリこと森田一義さんです。

さて、本日サムタイムに登場した「Bass Talk」のそのほかのメンバーもそれぞれのジャンルでトップ・プレーヤーです。平均年齢50歳ぐらいかな。ラテンパーカッション界の重鎮、岡部さんが最年少です!イヤー、皆さん渋い。楽器を構えてるだけで絵になるという面構えですね。

このちょいワル風凄腕激渋オヤジバンドの一曲目は、鈴木さんのオリジナル
「Morning Sun」でスタート。
今回のステージは、昨年12月に発売された「LOVE LETTER」というアルバムの収録曲を中心に演奏されました。このアルバムは、鈴木さんらが昨年発足した「ONE」というレーベルから第二弾として発売されました。
このレーベルの立ち上げには、超多忙なスケジュールをぬって僚友タモリさんも参加してるんです。
そして、第一弾は、期待の若手ピアニスト海野雅威さんをフィーチャーした作品が発売されました。この海野さんは、もう直ぐニューヨークへ武者修行の旅に出るんですね。だからお世話になってるチンさんへ挨拶を兼ねて本日サムタイムに観に来ていました。

さて演奏の方は、特に細かく触れる必要は有りません。達人達が4人あつまり、しかもセッションではなくバンドとして、密度の高い演奏をすると、こんなに上質で美しいサウンドが生まれるのか、という印象ですね。チンさんの作曲も勿論いいんだけど、アレンジャー野力さんのサウンド作りが光ってます。
非常に聞きやすく楽しめて、しかも密度が高い。
実はこの2つが重なることは、なかなかないんですね。軽すぎず、重過ぎない。
ライブパフォーマンスを知り尽くした達人だけがなせる匠の技です。

さあ、ベテランミュージシャンの燻し銀の演奏に堪能した後は、若き才能の発掘の旅に向かいます。
これ、実は凄い必見の航海になったんですよ!

さあ、航海日誌が全然追いつかなくなってるなぁ。全速で出航!
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向井滋春 ブラジリアン ナイトは、噂通りの白熱セッション

2008年05月19日 | ジャズ・ライブ
停泊地)青山BODY&SOUL(08.5/15)
メインアーティスト)向井滋春 ブラジリアン ナイト
   (続木徹(pf) 八尋洋一(b) 吉田和雄(ds) 城戸夕果(fl) 森下亜希子(vo))

このblogでも何度か紹介しているJブラジル音楽界の歌姫Toyonoさんが、今リオで新作のレコーディングをしています。その様子が、彼女のBlogやmixiに逐次報告されています。
ブラジルは日本の丁度地球の裏側だから、今ブラジルは秋ですよ。
不思議ですね。
そして日本にいながら、レコーディンクの進行状況やリオの表情をリアルタイムで知ることが出来る。凄い世の中になったもんですね!

今年は、ブラジル日本移民100周年記念の年だそうです。1908年に神戸港を出港した
笠戸丸に、決死の覚悟で乗船した移民の方々にとって、全く想像も付かない世界になってきました。そうすると、この後の100年後は、また想像も付かないことが起きてくるんでしょうね。もちろん、それは私も、ご乗船の方々も知ることは出来ません。
あっ!何が起きても不思議ではないので、ひっとして今後知る方法が出来るかもしれませんね!(未来に飛べるとか、200歳になっても元気でピンピンしてるとか・・・)

オチのない前振りはこの辺にして、今日は、ベテラン・トロンボーン奏者向井滋春率いる「向井滋春 ブラジリアン ナイト」のご紹介です。
向井さんは、私が10代の頃からジャズ・トロンボーン奏者のトッププレーヤーで、30年以上たった今でも、ずっと維持している信じがたい鉄人ですね。
昔から少林寺拳法をされているのは有名で、それで、ずっと精進しているのでしょう!
それから、渡辺貞夫さんに続き、いち早くブラジル音楽をジャズに取り入れたのも向井さんです。

さて、このセットは、噂が広まってるせいか、開演30分前に着いたのに既に満席状態です。そして、このBlogではもうお馴染みのジョビンの名曲「シェガ・ヂ・サウダーヂ」で一部がスタート。さらに「ビリンバウ」やジャバンのナンバーが続きます。
イヤー、楽しいです。何よりリズム隊が最高ですね。八尋さんと吉田さんは、ブラジリアン・フュージョン・バンド「スピック&スパン」の名コンビです。
特に吉田さんのドラミングは、格別です。気がつくと、ついつい吉田さんのプレイに目が行ってしまいます。とくに派手なことはないんだけど、アイデア満載のサンバ・リズムが、バンド全体のグルーブを引っ張ります。
ソリストもとても気持ち良さそうですね。こんなリズム隊でソロが取れるんだから、楽しくてしょうがないぜ、という雰囲気が、会場全体に伝わってきます。

そして、二部は、向井さんのチェロをフィーチャーしたジョビンの「エスターテ」でスタート。さらに、ボーカルが加わって、「おいしい水」「マシュケナダ」「ソー・メニー・スターズ」とセルメン・ナンバーが続きます。
イヤー、これで盛り上がらないわけがないですね。
そして最後は、もう一度向井さんのチェロでジョビンの「トリスチ」で締めくくり。(向井さん、やっぱりこのスウィートなボッサは、ボントロで聞いてみたかったですね!まあ、それも次回の楽しみにしますか。)

うん、今日は、ブラジリアン・ジャズ・サウンドを充分堪能しました。
やっぱり、この二つが融合すると、クールでスウィートでダンサブルな、ゴキゲンなサウンドが生まれますね。今日改めて確認しました。

ご乗船の皆さん、このセットお勧めですよ。今まで紹介した中では、ミュージックチャージは高め(4,000円-但し、外税とサービス料で10%別途あり。実質4400円)ですけど、満足度満点です。

但し必ず予約を入れたほうがいいです。今日も、入れなくて何人か帰って行きました。

うん、若き才能を発見するのも楽しいけど、ベテラン・プレイヤーの演奏は、やっぱり安心して楽しめますね。

とうことで、次はベテラン激渋四人衆を観に行きましょう。
それでは、次の停泊地吉祥寺に向かって出航!
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