渋いっ!僕らのTokyo Jazz Cruising♪~今夜も出航!~

Live cafe & bar 池袋Apple Jump(アップルジャンプ)店主の日誌

寒い夜は、プラッサでボファーナ!

2008年01月29日 | ラテン/ブラジル系ライブ
停泊地)青山プラッサオンゼ(08.1/18)
メインアーティスト)Bophana(ボファーナ)
          (山田里香(Vo.&Shaker)、小池龍平(g&vo)、織原良次(b))

“一体、Jazz Cruisingのジャズは、どうなってるんだ!”と、ご乗船の方々から突き上げが着そうですが、本日もブラジル音楽の聖地プラッサオンゼへの寄航です。
何しろ、昨年11月、ちょっとした浮気心から当地に停泊し、TOYONOさんの唄う「ビリンバウ/Berimbau」に魅了されて以来、ブラジル音楽に完全に取り憑かれてしまいましたね。
今、毎日がビリンバウ。“ビリンバウ、ビリンバウ・・・”と呪文のように唱えた後に、突然サンバのリズムに移っていく不思議な構成の曲です。歌詞の内容とはまったく関係ないけど “まあ、いろいろあったけどさ、くよくよしないでサンバでも踊ろうよ!”というような隠されたメッセージをなぜか勝手に感じてます。
よく聞くのは、セルメン(セルジオ・メンデス&ブラジル66)、ナラ・レオン、アストラッド・ジルベルト、ジョイス、それから作者のバーデン・パウエル等のバージョン。他にも山ほど録音があるのでしょうね。

“ジャズの街ニューヨークからヒウ・ヂ・ジャネイルを又に掛けての大航海か。”
あ!訂正です。リオデジャネイロのことです。・・・という感じで、すっかりかぶれてしまっています。

さて本日は、Jブラジル音楽界の人気ユニット「Bophana(ボファーナ)」のデビュー3周年記念ライブ。大盛況で立ち見の人までいます。私も大分前に予約していましたが、ちょっとあわただしい感じの、カウンターのオーダーの出入り口を案内される。文字通り満席状態で、僅か20坪程度の店内に40~50人ぐらいいて、次から次へとビールや食事のオーダーが入る。それを目の前の三人の女性が、凄い勢いでさばいていく。しかも一人は、新人らしく、実質2.5人という感じ。このうち年配の女性はクラウヂアさんで、ここの名物オーナーですね。もう一人は常連さんから「カリンちゃん」と呼ばれている若い女性。少しして、クラウヂアさんを「お母さん」と何度か呼ぶのを聞いて、二人は母娘なんだと判る。
亡き夫(又は父)の意志を引き継いで、二人の母娘が日本のブラジル音楽の殿堂を守っている。業界が小さいからなのか、常連さんも含めて、この店、みんなで盛り上げていかなきゃまずいよね、という暖かいファミリーのような空気が漂っています。

そして、今夜のBophanaのライブもそんな、暖かい空気に包まれて進んでいきます。何か出来のいい娘が、新しいバンドを作って、予想以上に成功しているのをみんなで見守っている感じでしょうか。
そして一部で印象的だったのが「パパパル パパプラルラ・・・」とリフレインする金延幸子さんのキュートな日本語のボッサ。山田さんのスキャットに、小池さんの口笛と織原さんのベースがコミカルに絡んでくる。

このバンド、山田さんと小池さんがいれば基本的には成り立ってしまうのでしょうが、織原さんのフレットレスベースが入ることによって、グッと全体のサウンドがカラフルになって、
Bophanaというバンドのユニークな個性が創られています。織原さんのアイドルは、ジャコ・パストリウスということで、普段は主にスタンダード系のジャズを弾いているという事です。以前TOYONOさんの時に書いた異文化の融合で起こった化学反応のプチ・モデルケースですね。

それから本日の大収穫は「イザウラ」。“ああ、イザウラ、仕事に行かなきゃ、でも君のところから離れたくないよ~”と男女がささやく、とってもスウィートなラブソング。リオにカラオケ・スナックみたいなのが有ったら、「ママさんと歌いたい人気No.1ソング」間違いなしです。買ってから数回しか聞くことがなかったジョアン・ジルベルトのCD「三月の水」の最後に収録されています。この10トラック目にこんな素晴らしい曲が入っていたとは!今日始めてBophanaによって再発見しましたね。こちらも勿論今毎日ヘビロ状態です。(ヘビロもちょっと忙しくなってきました!)

二部でよかったのは、やはりサイモン&ガーファンクルの「ミセス・ロビンソン」。山田さんのボーカルの特色は、とにかく声が美しい。しかもとてもフォーキーで何か懐かしい感じがします。だから余計こういった曲が引き立ちます。

何かいろんな可能性を秘めた、暖かいBophanaのライブを堪能しました。

さて、この寒空のなかを船まで戻らなきゃいけないのか、
“あ~あ~あ~、ボファーナ! 暖かいプラッサにまだいたいよ~”

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ようこそ! 行川ワールドへ

2008年01月20日 | ラテン/ブラジル系ライブ
停泊地)吉祥寺Strings(08.1/10)
メインアーティスト)行川さをり(vo)、伊藤志宏(p)、橋本学(perc)

私のように関東に長く住んでいる人間にとって、どうしても「行川」という字をみると、「あ、あの房総半島の「行川アイランド」の行川だね」と連想しちゃいます。最近とんと、ここの話題がないなと思ったら2001年に廃園になったようです。
もうひとつの“三丁目の夕日”時代の聖地「船橋ヘルスセンター」は、形は大きく変わっても、今では千葉を代表する巨大ショッピング・モール「船橋ららぽーと」として、引き続き庶民の人気スペースとして君臨している。
しかし、こちらは野放しになっているようです。誰が撮影したのか、Youtubeではタモリ倶楽部みたいな“廃墟探索”などというカテゴリーで、廃園の様子がいくつもアップしています。「くじゃく飛行ショー観覧席」なんて書いた木の看板が野ざらしになっていて、寂しいですね。しかし、潮騒を聞きながら、フラミンゴ・ショーを観るなんてのは、初めてのデートとかには、悪くないと思うんだけどなぁ。
もうすこし映画「フラガール」の公開が早ければ、“あたしには、浦安より、こういうまったりした方が合ってる!”なんて見直されたかも知れませんね。(すいません、行川さん!こんなに引っ張っちゃって・・・)

さて、本日はブラジル音楽界の注目の新人・行川さをり(なめかわ さをり)さんの登場です。ブラジル音楽探索のCruisingも、TOYONOさん前田優子さんに続く第三弾となります。

行川さん、今日は黒いめがねで登場。ちょっと、デビュー当時のつじあやのさんの雰囲気です。
一曲目は、ボッサの名曲「ESTATE」からスタート。この曲はジャズでも時々演奏される曲で、私の大好きなテナーサックス奏者グラント・スチュアートの、一年ぐらい前に発売したアルバム「ESTATE」の表題バージョンが最近のお気に入り。グラントとかエリック・アレキサンダーとか、日本では本国以上に人気があるようで日本国内制作盤が次々と発売されてますね。いぶし銀系テナーサックス奏者を好む傾向は、ハードバップ時代のハンク・モブレーから連綿と続く日本の伝統か。

そして次は、とてもキュートなミディアムチューン。いや~、すごくいい曲にうっとり。しかし、MCのポルトガル語の曲名が聞き取れない!ということで、終演後、行川さんから改めて教えていただいた曲名が、「Caminho das Aguas」。
こういった極上の美しい曲と出会っただけで、今日のライブはプライスレスですね。家に帰って調べたら、マリア・ヒタのセカンドアルバム「Segundo」に収録されている。PCで試聴したら、サウンドも声もすごくいい!そして早速CDを購入。今毎日ヘビロ状態となった訳です。
しかし残念なのは、国内盤が出ていないので歌詞の意味が解らない(ポルトガル語)。昨年リリースされた彼女の最新アルバムは2007年のブラジル音楽を代表するような評価が、国内外いたる所でされているのに、こちらも輸入盤のみ。契約の問題なのか、それともコストのほうか・・・。
そして、なんといっても一部のハイライトは、矢野顕子+BOOMの「釣りに行こう」のカバー。矢野顕子さんのまったり感たっぷりに歌うこの曲が、行川さんのマイペースな感じの独特な世界にすごくFitしています。完全にツボにはまってしまいました。

そして二部で驚いたのは、ビリー・ホリデイの名唱で有名な「God Bless the Child」。
このソウルフルなジャズのスタンダード・ナンバーは、一見、行川さんのスタイルに合わない感じがするんだけど、これがとても良いんです!ひょうひょうとした中に、きっと燃え上がるような熱い歌心を内包しているのでしょうね。だから、一層こちらに響きます。

ほかにも、奇才パスコワール/Hermeto Pascoalの作品を2曲も取り上げるなど、今日は独特の“プチ・アバンギャルド”な行川ワールドを堪能。

さあ、今日は船に戻って、のんびり釣りでもするか!

そうだ、房総沖に行って見よう!
(それにしても、あの大勢いたフラミンゴや南国の鳥達は、何処に行ったのだろう?達者だろうか?)
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こっちの守屋は、凄~ごいぞ!

2008年01月14日 | ジャズ・ライブ
停泊地)青山BODY & SOUL(08.1/8)
メインアーティスト)守屋純子(p)
 高瀬龍一(tp) 近藤和彦(as) 片岡雄三(tb) 納浩一(b) 安藤正則(ds)

昨年、漢字まで一緒の例の元事務次官夫婦の名前が、新聞やテレビで連呼された時期、守屋純子さんは、その複雑な心境をmixiで嘆いていましたが、本当にそうですよね。きっと“佐藤さん”や“鈴木さん”達は、免疫があって、あ、またか、という感じなんでしょうけど、そうでない人にとっては、この騒動早く去ってくれないかな、という感じでしょうか。
“連続銀行強盗容疑者Shibui Gordonは・・・”とか“この容疑者は、どうやら妄想癖があって、周りに船長と呼ばしてたようで・・・”なんて毎日、テレビや新聞で連呼されたら、そのうち、そうだ!ヤッタのはオレかも知れないぞ!なんて錯覚して自首してしまいそうです。(守屋さん、すいません!先に進めます。)

さて、ジャズ界の守屋さんは、凄いんです。この世界にいる人は全員知っていますが、
2005年に、世界でもっとも権威のある「セロニアス・モンク・コンペティッション」の作曲部門で優勝しました。アジア人で始めての快挙ですね!
過去、トランペットではライアン・カイザー、サックスではジョシュア・レッドマン等、現在では世界のジャズのトップランナーがそれぞれの部門で優勝しています。

ちょっと脱線:守屋さんのように、女性ピアニストで、作曲・編曲をこなし、自己のオーケストラを束ねるといえばなんと言っても、秋吉敏子さんですよね。ジャズの殿堂入りまで果たした偉大なパイオニアです。'80年代に,ニューヨークの「TOP OF THE GATE」というクラブに出演している時に、尋ねて行ったことがあります。というか、観にいった勢いで休憩中の秋吉さんと、ほんのちょっとお話しただけです。「四季」というピアノトリオのアルバムが発売されたばかりの頃で、「このアルバム大好きでスゲエ気に入ってま~す。」などと無礼なタメ口口調で話したような記憶があります。秋吉さん、恐れ知らずの若者で失礼しました!

そんな守屋さんの本日のセットは、豪華な3菅編成のセクステット(六重奏団)。しかもメンバー全員、日本のトッププレーヤー。トランペットの高瀬さんは、気が付けば当Blogでは、斉田佳子さん平賀マリカさんに続く、3度目の登場です。
そんな猛者を引き連れて、スタンダードの「I'll never smile again」でスタート。
一部で印象的だったのは、片岡さんのトロンボーンをフューチャーした、守屋さんオリジナルの「Tear Drop」。“悲しい曲は、メジャーコードで創るのがポイントなの”とMCで強調されてたすごく美しいバラード。それからラストはこちらもオリジナルで「スカイスクレイパー」。近藤さんのソロが光ったアフロサウンドの軽快な曲で一部の締めくくり。

う~ん、全員凄いんだけど特に今回感心したのは納さんの素晴らしいベースプレイですね。納さんは人気グループ「EQ」のメンバーで、森山良子さんや今井美樹さん、モンドグロッソの大沢さんなどJ-POPでも引っ張りだこですね。勿論、守屋さんとはオーケストラを含め、欠かせないメンバーです。エレベの達人でもあるからなのか、ハイポジションのソロのときも軽々と超絶フレーズが出まくりです。(噂を聞きつけて観に来ていた、隣のクラシックのベース奏者は、とても同じ楽器とは思えない、と腰抜かしてました!)それとバッキングのラインがとにかく美しい。他の方のソロのときでも、いつの間にかベースラインにうっとり聞きほれてしまっていたことが、何度かありました!

そして、二部のハイライトは、モンクの「Hackensack/ハッケンサック」。きっとこういった
トリッキーな作品は、守屋さんのアレンジャー魂に火を点けるのでしょうね。三人のフロントマンが、それぞれの個性を主張し、時には微妙にアウトしながら、大きなグルーブとして結実していく。そして気が付くと、守屋さんに導かれて、会場全体がシュールでミステリアスなモンク・ワールドに包まれていった、という感じですね。これ、完全にくせになります。この守屋・モンクの世界知っちゃうとノーマルでは酔えないなんていう危険性もはらんでます。もっとこの世界に浸っていたいなと感じたのは、私だけではないと思います。

守屋さん、いっそオール・モンクなんて企画いかがですか?

そしてアンコールはエリントンの「Jubily」で締めくくり。いや~、歌伴は別として、久しぶりにフロント3本の贅沢な六重奏団のジャズの世界を堪能しました。

ピアノ一本で始まり、本日は六重奏団。さて次は何処に行くかな・・・
よーし、今度は別の国のシュールな世界に行こう!

さあ、守屋さん流に、格好良くさっと左手を上げて。それでは、出航!
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本日出航!いざ吉祥寺へ。

2008年01月07日 | ジャズ・ライブ
なんか船底のネズミどもが“ちゅーちゅー、ちゅーちゅー”元気いいなと思ったら、
どうやら2008年もスタートしたようだな。
それでは、ぼちぼち出航しますか。

“僕らのTokyo Jazz Cruising”にご乗船のみなさ~ん、
新年、明けましておめでとうございます!
船長のShibui Gordonでございます。
昨年に引き続き、東京を中心に活動するジャズ系ミュージシャンの最新ライブの情報を、お得な情報のみを厳選してお伝へ致します。ライブの興奮冷めやらぬ内に、この日誌に記述することも多いので、同じジャンルのくせに「日本一の○△□」とか「今考えうる最高の○△□」といったフレーズを連発することもあり、どうも怪しい感じがしないでもありませんが、どうか雰囲気を感じ取っていただく程度に、お気軽にお付き合い頂ければと思います。

それでは、空は晴天、ちょっと波は高いけど、いざ日本海へ!
いや、違った!吉祥寺へ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
停泊地)吉祥寺サムタイム-昼の部-(08.1/6)
メインアーティスト)大石 学(p)

ということで、本年第一号は、大石 学さんのソロ・ピアノです。
当クルージングでは、ブラス入りジャズコンボを中心に、ジャズボーカル、ブラジル/ラテン音楽を紹介してきましたが、本日はついにソロ・ピアノの世界に入ってまいりました。
クラシックの世界では珍しくありませんが、ジャズの世界でピアノ一本によるパフォーマンスは、なかなかありません。'70年代にキース・ジャレットによる大成功が、このジャンルを大きくクローズアップさせることになりましたが、あくまでもあれは例外的なことで、やっぱり、CDもライブもピアノ一本は厳しい。

プロのピアニストに聞くと、ピアノトリオですらなかなか編成に載せてくれないようですね。フロントと呼ばれる、管楽器奏者や歌い手さんがいないと、どうにも映えないというのは編成担当の正直な意見のようです。
逆に言うと、いっぺんフロントなしでトリオで聞いてみたいな、と思わせるだけの力量と強力な個性を持ったピアニストのみがピアノトリオのパフォーマンスを任される訳ですね。さらに、ベースもドラムもいらない。この人のピアノだけの世界に浸ってみたい、と共感できる人が集積されて始めて、このたった一人のライブが始まるわけです。

大石さんは、何年か前に吉祥寺の武蔵野公会堂で始めて聞いて(このときはトリオ)、その旋律の美しさと音楽性の素晴らしさを、多いに感心した記憶があります。(ほとんどが大石さんのオリジナル曲です。)
本日は、9月12日に発売されたソロピアノ集「TOSCA」の記念ライブですね。大石さんは、特にボーカリストの信頼が篤く、中本マリ、伊藤君子、チャリートといった大御所・売れっ子歌手のサポート依頼が絶えない。その合間を縫って、満を持してのライブといったところでしょうか。

今日は、昼食も兼ねていたので、30分ぐらい前に店に到着し、ちょうど食後のミルクティーを飲み始めた頃に、演奏がスタート。うん、グッドタイミングだなと我ながら関心。これずれると面倒なことになります。
隣にいたカップルは、開演直前に来て食事をオーダー。しかし最初の20分ぐらいは静かな曲が続いたので、会場には張り詰めた空気が漂い、食事に全く手を付けられない!可哀想ですね。カレーライス、冷めちゃいました!通常のコンボの場合は、ここまで気にすることはないんだけど、やっぱりピアノ一本だと集中度が違います。ホール担当の御ねえさん方も、いつもと違って何処となく緊張しているようです。

いや~、期待に違わず、素晴らしいソロピアノの世界を堪能しました。ガーシュイン作品の「Someone To Watch Over Me」以外は、大石さんのオリジナルで、とにかく旋律が美しく、ピアノが心地よく響く。そして時にはキースばりに、うなりながらエモーショナルにコードを叩きつけ、ピアノ一本で、ドラマチックな世界へ展開して行く。ソロピアノの世界を満喫しました。

一部二部合わせて約二時間に渡り、真剣勝負のようなテンションのライブ。終わった後は脱力感でへろへろ状態でした。しかし、年初一発目のライブとして相応しい緊張感と充実感を堪能しました。

そうだ、船に戻って今月のスケジュールを組まなきゃ!
(今月はケイコ・リーのライブも予定してます。横浜ドルフィーですね。予算奮発しました。お年玉ですよ!)
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