序破急

片足棺桶に突っ込みながら劇団芝居屋を主宰している爺です。
主に芝居、時々暮らしの中の出来事を書きます。

第36回公演「通せんぼ横丁」第四場ー1

2018-12-18 14:52:04 | 覗かれる人生芝居
第四場      最後の花火上がる。      明転。 最期の三尺玉の炸裂に照らされる一同。      「ドーン!」            拍手する一同。 由美子 「やっぱり三尺玉って迫力あるね」 佐知 「あそこ一杯に広がるものね」 //////////////////////////////////////// 光子 「これで通せんぼ横丁の恒例行事は全て終了ね」 陣五 「そうだね . . . 本文を読む

第36回公演「通せんぼ横丁」第三場ー4

2018-12-16 20:07:18 | 覗かれる人生芝居
勝利 「ああ、そろそろ始まりますね」 陣五 「ええ、ちょうどいい時間ですね」            時計を見る陣五。      遠くで花火大会の開始サイレンが鳴る。 誠二 「あれ、始まりのサイレンです、間もなくですよ」 由美子 「最初と最後は三尺玉だよ」 陣五 「ハイ、みなさん行きますよ。八時三十分まで、十秒 前。・・九・・八・・七」      立ち上がる一同。      一同で唱和する . . . 本文を読む

劇団芝居屋第36回公演「通せんぼ横丁」第三場ー3

2018-12-16 15:19:41 | 覗かれる人生芝居
     未練気な太郎。 勝利 「じゃ、夜風は身体に障るから、帰った方がいいん じゃないですか」 太郎 「だから今すぐどうこうなる訳じゃないって言ってる だろう」 美樹 「お父さん、おじ様が心配するのは当然よ」 太郎 「だから俺は大丈夫なんだって」 勝利 「でも皆さんにこれ以上気を使わせちゃ何だから、ね え、宮本先生」 美樹 「おじさまの言う通りよ。でもまだ何か話があるんな ら・・」    . . . 本文を読む

劇団芝居屋第36回公演「通せんぼ横丁」第三場ー2

2018-12-13 15:46:16 | 覗かれる人生芝居
太郎 「なあ、光子」 光子 「!・・・・なにヨ」 太郎 「俺、お前と付き合うときに約束したよな、絶対に一 人前の絵描きになるって」 光子 「・・・ええ、そうね」 太郎 「俺はそれ以来ずっと前しか見てこなかった。脇目も 振らず自分の画業の事しか考えてこなかった。それは絵描き の世界で一人前になる事が皆を幸せに出来る事だと信じてい たんだ。・・・でも、お前は別れを切り出してきた。何で だって思っ . . . 本文を読む

劇団芝居屋第36回公演「通せんぼ横丁」三場-1

2018-12-11 21:47:30 | 覗かれる人生芝居
     すっかり夜の帳が降りた横丁。 佐知 「ねえ、さっきの話ってカアサンの旦那の事なの?」 由美子 「元よ、元旦那」 佐知 「ああ、そうか。画伯って言ってたけど、画伯って絵 描きさんの事でしょう」 由美子 「そう、絵描きさんだよ。だって画伯だもの」 陣五 「ああ、サッチャン知らねえのか、カアサンが此処で 店やったいきさつ」 佐知 「聞いた事ないね」 由美子 「そうか。カアサン、滅多に自分 . . . 本文を読む